2007年1月
(ワークショップ報告書)「ナノ計測」検討会報告書/CRDS-FY2007-WR-06
エグゼクティブサマリー

 科学技術振興機構 研究開発戦略センターでは、平成19年1月13 日に「ナノ計測」を俯瞰することが目的として検討会を実施した。

 日本の計測技術は個々の要素技術に対しては世界をリードする部分も多い。しかしながらそれだけでは役に立たない要素技術が多いのも事実である。個々の革新要素技術は日本の先端基盤技術としては大切であり今後も推進すべきであるが従来の日本の計測戦略は計測技術・装置開発自体に少々偏っている印象は否めない。計測技術・装置開発自体に特化せずナノテク全体の進化からの視点で取り組む必要がある。そのためにはニーズを出発点に解決すべき要素技術を選択する必要がある。本検討会はその最初の取り組みとして非常に意義があったと考えられる。

 「ナノ計測」とは試料作製技術、測定環境技術、理論計算等これら全ての総合技術である。ある具体的ニーズに向かってあらゆる科学技術を総動員する中で最も重要な要素の1つとして「ナノ計測(プロジェクト)」があると捉えるべきである。また分野融合の典型的な場であるナノテクにおいては異分野で用いられている計測技術間の融合新物理・化学現象のナノ計測技術への応用等を強く推進すべきである。“計測ベンチャー企業を作る”ことが目的になってはいけない。その種となるべき新しい概念・技術を生み出すことに軸足を置くべきである。これら観点からニーズを正しく反映するようなプロジェクトの仕組づくりも必要である。例えば特定のニーズを目標にしたプロジェクトの中でその鍵となる計測の研究開発を必ず入れるようにするという具合にニーズ側の研究者をリーダーとしたプロジェクトが必要であろう。

 ニーズを達成する可能性が高い計測シーズ(技術)の多くは走査プローブ計測電子・イオンビーム計測(TEM 等) 光学(X 線含む)計測の基本・派生技術に試料作製技術測定環境技術の融合である。ニーズとシーズのカップリングを効率的に行うにはこの点を考慮することも重要である。

 本検討会では異分野を融合した計測や高いニーズにもかかわらず未だ達成されていない計測の例が数多く挙げられた。今後はこれらを精査し深掘を行っていく予定である。

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