2007年3月
(ワークショップ報告書)~ナノテク(N)・バイオ(B)・ITの融合~「ナノビット(NBIT)検討会」報告書/CRDS-FY2006-WR-14
エグゼクティブサマリー

 前世紀末の2000年6月に人ゲノム解読宣言が出された。ゲノム解析によって人ゲノムが解明されても、これだけでビジネスに結びつくものではない。ポストゲノムと呼ばれる解析結果を応用した技術が生み出されて始めて人類に役立つ成果となりビジネスにつながっていく。又、クリントン米大統領とブレア英首相がゲノム解読宣言を受けて会談を行っている。この中で「単なるゲノム情報だけでは特許を与えない」ということが確認された。機能との組み合わせで始めて特許性が出てくる。つまり、ポスト・ゲノム・シーケンスの特許戦略であり、世界各地で熾烈な争いが繰り広げられている。
 21世紀は「生命科学の世紀」といわれている。あるいはまた20世紀の「石油資源活用の世紀」に代わる「生物資源活用の世紀」ともいわれている。人類がこれまで発展させ蓄積してきたあらゆる科学、技術(人工ナノ等)を総動員して自然が作り上げた生物(生命ナノ)を学び、利用していくことが重要課題である。
 本検討会は、ナノテクノロジー(NT)、バイオテクノロジー(BT)、インフォメーションテクノロジー(IT)の分野融合をはかることにより開ける科学技術体系をナノビット(NBIT)と定義し、ナノビットの領域からライフサイエンス、医療、食料、環境等を俯瞰し「課題、科学技術上の効果、社会・経済的効果」等を議論し研究開発戦略を検討した。その結果、抽出された重要課題として、
1.ナノテクを用いた生物計測(その場、生のまま、多細胞等)技術開発
2.細胞内ナノフルイディクスの理解と階層構造の普遍的表現、モデリング
3.ナノメディシン等医療への展開
4.物質生産への展開(生命ナノのたくみな利用)
が上げられ、これらの基礎から応用課題への系統立てた戦略的研究開発投資が、「生物資源活用の世紀」実現にとって重要であるとの議論がなされた。

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