2005年7月
(ワークショップ報告書)生物分子システム 報告書/CRDS-FY2005-WR-08
エグゼクティブサマリー

 すべての生物の体制は生命の基本単位としての細胞によって構築されているが、細胞そのものを形造っている構造素子はタンパク質である。遺伝子が機能を発現することで産生されるタンパク質は、それ自身、単体(monomer)、多量体(polymer)あるいは他のタンパク分子種と会合し複合体(protein complex)として機能し、生命体としての細胞構造を生み出し、それに生命の基本単位としての機能発現を付与する。したがって、タンパク質によって演出される営みは、まさしく『生物分子システム』としてとらえることができ、国際的にみてもひとつの研究分野が形成されつつある。この生物分子システム分野において、我が国は常に世界をリードする研究成果を産出しており非常に高い研究ポテンシャルを有している。この科学技術の未来を展望する戦略ワークショップ(生物分子システム)は、国際的にも高い評価を得ている我が国の従来の研究成果を踏まえ、この分野で培われてきた測定方法、解析方法を他分野に活用することで、いかに生物学の発展に貢献できるか、また今後いかなる新展開が期待できるか等について議論、検討もしつつ、研究シーズや社会・経済ニーズなど多様な視点から関連科学技術の未来を展望し、我が国の今後の重要な研究開発戦略とその推進方策を明らかにすることを目的とする。科学技術の未来を展望する戦略ワークショップ(生物分子システム)は、宝谷紘一氏(JST研究開発戦略センター特任フェロー、CREST研究総括)にオーガナイザーを依頼し、コーディネータおよびスピーカー計19名、アドバイザーとして石渡信一氏(早大)、そしてJST関係者10名で、平成17年3月24日(木)、25日(金)の2日間クローズドで行った。コーディネータおよびスピーカーを「構造」、「機能」、「生理」、「理論」の4つのセッションに分け、セッションごとに話題提供をした後、参加者全員で討論を行った。ワークショップ最終日には総合討論を行い、当該分野で重要となる領域、分野、さらには人材育成、研究支援体制等に関して議論した。

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