2005年7月
(ワークショップ報告書)ポストゲノム系 報告書/CRDS-FY2005-WR-04
エグゼクティブサマリー

 研究開発戦略センターでは平成15年3月及び8月に科学技術の未来を展望する戦略ワークショップ(ライフ系)を2回にわたって開催した。第一回の戦略ワークショップでは「ポストゲノム時代の展開と新たな研究のアプローチ」について、ゲノム、細胞、形態形成、脳神経の分野から理論系、実験系、手法の面からアプローチする21名の専門家の参加を得て、ポストゲノム時代の新たな研究展開に関して幅広い議論を行った。
 第1回のワークショップの議論の過程において、参加者から指摘された今後重要となる研究アプローチを整理した。その結果、対象とする生命の階層性から分子を扱う研究アプローチについて、1分子を扱うものや微小空間での観測・計測など微細化の方向性が重要であることなどが指摘された。第2回の戦略ワークショップでは、第1回の戦略ワークショップの議論を受けて、「ライフサイエンスの実験と理論との融合による研究アプローチの可能性」について、ゲノム、細胞、形態形成、脳神経の分野から理論系、実験系、手法の面からアプローチする14名の専門家の参加を得て議論が行われた。
 2回の戦略ワークショップを通じて議論されたライフサイエンスにおける新たな研究の方向性は、いずれもこれまでの分子やゲノムなどの要素に向かう還元アプローチから、細胞、器官(特に高次機能を司る脳)、個体へと複合的、統合的に生命を理解する方向に向かうという点である。その際にシステムとして生命を理解する視点が重要である。そのために、時間的・空間的に生命現象を計測・観測する、あるいは時空間モデルによるシミュレーション、実験と理論との融合などが重要な課題である。これら、生命体の各レベルについてシステム的な研究アプローチが今後の重要な方向性であることが明らかとなってきた。また、同時に統合的な生命の理解に向けて、これまでや今後の研究で蓄積され、得られる実験データや知識を総合的に活用することの重要性も同時に明らかとなってきた。

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