2018年8月
Beyond Disciplines -JST/CRDSが注目する12の異分野融合領域・横断テーマ (2018年)-/CRDS-FY2018-RR-02
エグゼクティブサマリー
Beyond Disciplines

昨今世界的に注目される異分野融合型研究についてとりまとめを行った。“融合”の考え方とともに、具体的な注目研究テーマ例と、融合を推進する研究システム・プラットフォーム、国内外の制度・プログラム事例を紹介している。CRDSでは、既存分野を越えて複数分野が連携・横断して取り組む、または融合領域を形成して取り組む動きを惹き起こすには、具体的にどのような異分野融合領域・横断テーマが求められるのか、あるいは見出されつつあるのかについて、具体例を提示して広く示すことが第一歩として重要であると考えた。

前半では、“融合”に関する考え方を示したうえで、CRDSが2018年時点で認識・注目している以下の12テーマを扱う。

  1. 複雑社会における人間の意思決定を支える情報科学技術
  2. データ収集・活用を通じた社会課題解決に向けた研究開発
    • 2.1 エネルギーネットワークとIoT
    • 2.2 データ統合生命・医学(IoBMT)による個別予見医療(Precision Medicine)
  3. サイバーフィジカルシステム(デジタルツイン)を用いた次世代設計・製造技術
  4. これからのロボティクス
  5. データ駆動型研究開発
  6. 生命現象に迫る革新計測技術
  7. バイオ生産システム
  8. 水・エネルギー・食料問題の統合的解決のためのネクサス・アプローチ
  9. 物質・資源循環システム
  10. 分離工学 ~つくる技術と一体不可分で開発しなければならない分ける技術~
  11. バイオ材料工学 ~生体と材料の相互作用を制御する~
  12. 研究システム・ラボ改革、融合を促進するR&Dインフラ・リソースのプラットフォーム

12テーマの内、1~11は研究のテーマに相当するが、12は研究活動における共通基盤・仕組みに関する面を取り上げる。それぞれの項目で、融合・横断のポイントや、課題と方向性、海外動向を簡潔にまとめている。 多様化・複雑化する社会にあって、人類・社会に求められる、または問題とされる事象の多くは、例えばSDGsがまさにその象徴であるが、歴史的な学問・学術の体系にもとづく深く専門・細分化された単一分野では面的に向き合うことが難しくなっている。科学技術が現代の様々な問題と向き合うには、これまで個々に発展してきた学問体系を越えて新しい分野を定義し取り組む、または複数分野の連携により新たな融合領域を生み出して取り組むことが求められる。そうすることにより、既存分野において新たな発見・進歩が誘発されることも期待できる。“トランスディシプリナリー (transdisciplinary)” や “コンバージェンス (convergence)” などの関連表現が諸外国や国際的な場で用いられることが増えている。国内では“融合研究”の語が用いられることが多いが、本報告書では既存の“ディシプリン(discipline) ” を越えて新たな融合領域を形成することへの期待から、“Beyond Disciplines” を表題とした。

後半では国内外の制度事例を紹介している。日、米、中、英、独、仏、EUの公的ファンディング機関がどのような目的や課題をもって分野横断や異分野融合に取り組んでいるのかという切り口で、主要なプログラムに言及している。

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