2006年3月
(国際比較調査)G -TeC 報告書「柔らかいエレクトロニクス」国際技術力比較調査(韓国、米国)/CRDS-FY2005-GR-08
エグゼクティブサマリー

 JST研究開発戦略センター(CRDS)では,従来のSi集積回路を中心に発展してきたいわゆるSolid State Electronicsによって築かれてきた「小型化・集積化」,「処理速度の向上」や「情報容量の増大」といった既成の価値体系に加えて,機械的に「柔らかい」という新しい価値基準をエレクトロニクス分野に導入するべく,そのコンセプト,基盤となる技術,社会的インパクトなどについて検討を行なってきた。ワークショップ等をこれまで開催した結果,韓国と米国で,フレキシブルディスプレイや柔らかい電子ペーパー等を中心とした取り組みが盛んであるとの指摘を受け,今回実地調査(G-TeC :Global Technology Comparison)を行った。韓国調査は,産官学の合計6カ所を2005年11月7日〜10日にかけて訪問・実施した。米国調査は,2006年1月22日〜29日にかけて産学合計5カ所を対象に実施した。
 調査の結果、「柔らかい」エレクトロニクスの応用分野は,今のところ,ディスプレイが主なターゲットとなっているが,韓国,米国とも,実用化への展望はまだ開けていない。技術的課題が多すぎることと軍用以外の早急なニーズが見出せていないからであろう。ただし,韓国と違って米国では,電子ペーパーの研究が盛んであり,E-Ink社(MIT発の特許に基づくベンチャー)の電気泳動方式ライセンスが米で普及していることがその背景にある。他の方式も含めた電子パーパーが携帯に便利な「柔らかさ」を発揮するには液晶や有機EL同様にアクティブマトリクスなどのバックプレーンをいかに安く,安定かつ高い歩留まりで作製できるかにかかっている。この点ではまだ,解は得られていないと見るべきであろう。

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