2019年3月
(研究開発の俯瞰報告書)日本の科学技術イノベーション政策の変遷 ~科学技術基本法の制定から現在まで~/CRDS-FY2018-FR-06
エグゼクティブサマリー

 我が国における科学技術イノベーション(STIと略する)政策の歴史的な変遷をできるだけ見通しよく簡潔な形で示すことを目指して、科学技術基本法制定(1995年)から2018年にわたる主要な政策の各年動向をまとめた。

 俯瞰の方法は、STI政策全体を「基本政策」、「人材育成」、「産学官連携」、「地域振興」、「知的財産・標準化」、「研究基盤整備」、「研究開発資金制度」、「評価システム」、「国際活動」、「科学技術と社会」の10領域に分類し、これらを「STI推進基盤」と総称した。STI推進基盤は、個別の研究開発分野(情報通信、ライフサイエンス等)に関わる政策を直接対象とするのではなく、別の角度から共通的な政策を見るものである。さらにSTI政策全体を第1層(戦略・政策)、第2層(施策)、第3層(制度・事業)の3階層に分けた。

 俯瞰の基礎資料として、科学技術白書、行政事業レビューシートをはじめ、総合科学技術・イノベーション会議や関係府省庁等の公表情報を幅広く収集した。また、有識者や行政担当者からの情報提供も適宜参考にした。それらを基に、上記10領域ごとに、1995年以降の政策や施策等の流れをまとめた概要の文章(数ページ)と、施策等の継承関係を時間順に系統図としたものと、第1層~第3層を並べた年表の三つの要素を一組として構成した。施策、制度・事業が10領域の複数にまたがっている場合には、重複をおそれず、原則として複数の領域に記載した。

 10領域全体の俯瞰からは、特に国内問題を背景として「人材育成」・「産学官連携」・「地域振興」の3領域に共通する施策が増えていること、世界情勢の変化を受けて「国際活動」・「科学技術と社会」の2領域の間に関連が強くなっている傾向が見られた。

 科学技術関係経費については、具体的な予算規模や実施プログラムへの配分状況を別章(3)に記述した。ここでは競争的資金の性格を「基礎寄り-実用寄り」・「研究環境整備寄り-研究人材育成寄り」の2軸で変遷を見ると、研究環境整備寄りの資金が増えている傾向が見られた。反面、一部の大学に資金が集中することによる格差等の問題も指摘されている。

 以上のSTI政策俯瞰の中で、特に注目した最近の動向を別章(4)にまとめた。たとえば人材育成では、理工系学生数の伸び悩み、研究支援者・女性研究者の育成の遅れ等の傾向が見られている。

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 目次
研究開発の俯瞰報告書 日本の科学技術イノベーション政策の変遷~科学技術基本法の制定から現在まで~
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