2015年3月
(戦略プロポーザル)産学共創ソーシャルイノベーションの深化に向けて/CRDS-FY2014-SP-06
エグゼクティブサマリー

国内外の社会情勢が大きく変化する中で、科学技術イノベーションへの期待が高まっている。実現すべき科学技術イノベーションとは、科学技術を利用して今までにない価値を創出し、社会が求める変化をもたらすことである。「産業界と大学がチームを組んだ『産学共創』」、「より良い社会をつくる『ソーシャル』な活動」の二つの条件を満たす科学技術イノベーション、つまり産学共創ソーシャルイノベーションの深化を実現させなければならない。
産学共創ソーシャルイノベーションを実現するためには、より良い社会を目指して、基礎・応用・開発研究を同時的かつ連続的に推進し、現場での実証研究を通じて成果を社会へ実装することが必要である。社会のあるべき姿を展望し、統合化研究と現場での実証・ 実装を連続的に推進する統合化システムを構築しなければならない。統合化システムは、産学共創ソーシャルイノベーション実現に向けて、産業界と大学が、国や地域とともに、チーム活動を推進するために最適な環境でなければならない。特に、地域創生のためには、各地域での中小企業と大学・研究機関の協力連携が不可欠である。産学共創の強化には、産業界から大学への投資を促進し、大学の研究資金を拡充する施策や、産業界で活躍できる優秀な科学技術イノベーション人材を教育・育成する施策が鍵を握る。
本プロポーザルでは、JST 研究開発戦略センター(CRDS)が国内外の 30 事例を調査分析した結果に基づき、産学共創ソーシャルイノベーションの実現に向けて、統合化システムの構築を効果的に促進するため、以下の三つを重点施策を提案する。
1. 統合化システムによるイノベーション実現に向けたチーム活動の推進
2. 研究資金の拡充と運用改革
3. 科学技術イノベーション人材の教育・育成

「統合化システムによるイノベーション実現に向けたチーム活動の推進」は産学共創ソーシャルイノベーション実現チーム内の取組みに関する施策である。チームをどのように 作り、チーム活動として誰が、何に、どのように取り組むのか。それぞれに必要な施策として、以下の三つを提示する。

1-1. チームメンバーの探索と選定
1-2. 統合化システムによるイノベーション実現の目標・計画の策定
1-3. 競争と協調を促進する活動の場の整備

「研究資金の拡充と運用改革」と「科学技術イノベーション人材の教育・育成」は産学共創ソーシャルイノベーション実現チーム外の環境整備に関する施策である。 以上の五つの施策それぞれについて、いくつかの観点から具体策を提言する。具体策の一部は、実行する上で参考となる事例もあわせて示す。なお、具体策と事例はすべて、2013 年度と 2014 年度にそれぞれ CRDS が実施した産学共創イノベーション事例調査とJST が推進する事業の実績に基づいている。

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