2014年3月
(戦略プロポーザル)チームコラボレーションの時代―産学共創イノベーションの深化に向けて―/CRDS-FY2013-SP-05
エグゼクティブサマリー

イノベーションが持続的な経済成長と社会発展のため必要性を増す中、科学技術の成果を新たな価値へ転換することが求められている。イノベーション実現のため、日本の産学官は様々な産学連携活動を推進してきた。しかし現状では、産学官が互いに融合し十分に機能を発揮しているとは言えない。
 産学共創イノベーションとは、イノベーションを実現するために、大学と企業が本気で、チームを組み、連携を強化し、新たな価値を創出することである。経済再生、少子高齢化、地球環境問題等、国内外に山積する難題を克服し、閉塞感が漂う時局を打開するため、今こそ、チームコラボレーションを実行し、産学共創イノベーションを深化させなければならない。
 国内外の 18 事例を調査分析した結果、イノベーション実現に向けたチームコラボレーションには、以下の 3 つのアクションが必要であることが明らかになった。(1) チームを組む本気の相手を見つける。(2) イノベーション実現のためのチームを作る。(3) 産学共創を支える環境を整備する。
 本プロポーザルは、3つのアクションを具体化するため、大学、企業、政府・ファンディング機関が取るべき行動と、産学共創イノベーションの深化目標を提示する。
(1) チームを組む本気の相手を見つけるために、
・ 大学は、大学の研究力を強化し、大学の強み・魅力を企業に提案する。
・ 企業は、自前主義を脱却し、大学の有望な研究シーズを発掘する。
・ 政府・ファンディング機関は、大学と企業とのマッチングを積極的に支援する。
(2) イノベーション実現のためのチームを作るために、
・ 大学は、部局横断の研究人材、研究支援人材を集結させる。国内外の他機関と連携し、国際的な研究ネットワーク(NOE:Network of Excellence)を形成する。
・ 企業は、全社一体となって、大学との共同研究へ戦略的に資源を投入する。
・ その上で、大学と企業は、ビジョンと出口戦略を共有し、共同でチームを作り、運営する。
・ 政府・ファンディング機関は、産学共創のための資金を拡充する。チームに必要な人材整備を支援する。
(3) 産学共創を支える環境を整備するために、
・ 大学は、イノベーションの担い手を育成する。研究成果の社会還元を推進する。
・ 企業は、イノベーション促進のために人事・処遇制度を改善する。大学の教育システム改善に協力する。
・ 政府・ファンディング機関は、研究力の強化と戦略的な産学官連携を促進する。
イノベーションの担い手を育成する。

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