2009年3月
(戦略プロポーザル)二酸化炭素排出抑制技術によって科学技術立国を実現するための2つの戦略的機関設置の提言/CRDS-FY2008-SP-11
エグゼクティブサマリー

日本は、1970年代の石油ショックに対し、国家一丸となって取り組んだ歴史もあり、また、その後の産業育成の枠組みや国民性もあって、二酸化炭素排出抑制技術に関しては、世界を二歩程度リードしている。
このリードを保ちつつ、なおかつ、この分野を日本経済の活力基盤として維持するためには、現時点でほぼ無視されている2つの要素を常時検討しておくことが必須である。
その2つの要素とは、まずは、「環境エネルギー技術の資源的限界」であり、もう一つは、「環境エネルギー技術の海外技術移転戦略」である。
環境エネルギー技術には、先進国だけでなく、途上国への普及が実現して初めて、地球レベルでの効果が生まれる。また、環境エネルギー技術は、多くの場合、レアメタルを使用する。そのため環境エネルギー技術によっては、資源的な制約のために普及が不可能という状況になることが有り得る。このような状況を、常時把握し続けることが必要であり、そのための機関あるいは組織が必要である。
日本の世界的地位は、2050年には人口で約1%、エネルギー消費量でもやはり1%台になるのではないか、と予測される。そのため、優位性のある二酸化炭素排出抑制技術を世界全体に技術移転をすることによって、初めて、世界的な二酸化炭素排出削減が実現される。さらに、技術移転による国際貢献によって、日本の排出量を実質的にゼロとみなすことが可能になる。そのため、どの国にどの時点でどの技術が移転できるか、といった検討を常時続けておく必要がある。そのための機関あるいは組織が必要である。
本提言は、以上のような2つの機関の設置を推奨するものであり、同時に、そのより具体的な姿と、いくつかの背景を簡単に説明するものである。

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