2009年3月
(戦略プロポーザル)地域イノベーション・システムの形成と発展に向けた中長期戦略~地域拠点エコシステムの自律的発展を目指して~/CRDS-FY2008-SP-09
エグゼクティブサマリー

地域イノベーションの創出は我が国の重要政策課題として第3期科学技術基本計画及びイノベーション25に位置付けられており、2008年5-6月には総合科学技術会議「科学技術による地域活性化戦略」をはじめ文部科学省、経済産業省等の地域イノベーション創出に向けた戦略・提言が相次いで決定・公表された。
本戦略提言では、CRDSの戦略プロポーザルが提唱し、総合科学技術会議「科学技術による地域活性化戦略」のビジョンでもある「地域拠点のエコシステムの形成」を基本概念として、地域拠点エコシステムの自律的発展を目指す。中長期戦略においては、今後配慮すべき重要項目として、大学を中核とした地域COEプラットフォームの形成、地域主導の観点から将来の道州制の導入による地域イノベーションの加速等について取り上げた。
(ビジョン)
地域拠点エコシステムの自律的発展を目指して、地域における大学を知の中核拠点とした地域COEプラットフォームの形成、地方分権の一層の推進から道州制の導入による地域主導の個性と特色ある自律的な地域イノベーションの創出によって活力ある地域社会を実現するとともに我が国全体の競争力強化を図る。なお、政府の役割は「最初の一転がり」の支援、規制改革、民間では不可能な施策に留め、最終的には市場原理に基づく民間及び地方公共団体等の自助努力による地域発展を促進する。
(目 標)
2020年を目途に国際的に競争力のあるグローバルに展開する拠点を10ヶ所程度、地域のニーズに対応した地域密着型の拠点を30ヶ所程度形成して各拠点のネットワーク連携を図る。さらに地方分権を一層推進することにより10程度の区域で構成される道州制の導入により、各道州内における教育・研究機能の特化も視野に入れた大学の自主的な再編・統合、独自の特色ある地域イノベーション政策等地方公共団体主導の地域イノベーションを創出することで新産業、雇用の拡大等による地域活性化を図る。
(中期戦略)
地域の「知の拠点」である国立大学法人を拠点として「地域COEプラットフォーム」を形成して、地域イノベーションを創出するための「場」(大学・高等専門学校・公設試験研究機関、民間企業、中核支援機関、商工会議所・商工会、地方公共団体等の関係者が相互に触発して活性化する環境)を構築する。また、国際的に競争力のあるグローバルに展開する拠点と地域のニーズに対応した地域密着型の拠点の形成に向けて、地域の実情を踏まえた独自性と多様性を尊重して、従来型の定型的な施策ではない地域の特徴や形態に柔軟に対応した集中的な支援を国が行う。その際には地方公共団体が中心となって大学、民間企業等の関係者を結集して地域独自の実情に対応した明確な地域イノベーション戦略とロードマップを構築して、その戦略に基づく支援を国が行う。
(長期戦略)
戦略的・効果的な地域イノベーションの創出に向けて20-30万人規模人口を基盤とする基礎自治体である市町村と都道府県に替わる広域自治体である道州制の導入により、フィンランド等類似人口・産業規模の成功事例を踏まえた道州政府主導の地域イノベーション・システムを発展させる。また、国公私立大学の融合を図る大学地域コンソーシアムを発展させて、教育、研究、社会・地域貢献機能の特化も視野に入れたスケール・メリットを活かした大学自らの意志による自主的な再編・統合を道州政府が支援する。

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