2008年3月
(戦略プロポーザル)地球規模の問題解決に向けたグローバル・イノベーション・エコシステムの構築 - 環境・エネルギー・食料・水問題-/CRDS-FY2007-SP-11
エグゼクティブサマリー

現在、人口の爆発や人間の活動の拡大に由来する様々な地球規模の問題に対する危機意識が高まりつつある。特に、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)の増大に基づく地球温暖化に対して、大きな関心が集まっている。2007年のG8ハイリゲンダム・サミットにおいて、日本は「Cool Earth 50」を提案し、京都議定書を超えて、世界全体が参加する排出削減のための新たな枠組み作りが必要であることを主張した。本提案は高く支持され、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することを真剣に検討することに合意した。2008年に開催される北海道洞爺湖サミットにおいても、2013年以降の次期気候変動枠組条約に関する議論が行われる見込みである。
増大する地球規模の問題は、地球温暖化に止まらず、アフリカ、アジアで進行する砂漠化と水・食料の欠乏、新興感染症の勃興と流行、石油や稀少金属などの天然資源の偏在と枯渇、格差の拡大と顕在化など多岐に及ぶ。また経済活動のグローバル化に伴い企業は研究開発、生産、販売などをグローバルに展開し、激化する国際競争に勝ち残らねばならない。
このような背景の下、世界各国はそれぞれの立場と強みを生かし、一致協力して、これらの地球規模問題の解決に取り組まねばならない。そのためには、各国のイノベーション・システムを国際的に展開した、地球規模のイノベーション・システム、すなわち、グローバル・イノベーション・エコシステム(Global Innovation Ecosystem (GIES))の確立が必要である。GIESとは日本の産学官が連携して提唱した概念であり、公的部門と民間部門が競争と協調を通して、新たな社会経済価値の創出によって、地球規模問題の解決と持続的な発展を両立することを目指すものである。本戦略提言では、科学技術イノベーションの立場から、以下の4 つの地球規模の問題を例として取り上げ、2050 年に向けた解決方策を提案する。GIESの概念の下、実現すべき「目指す社会の姿」と共に、その実現に資する技術をパッケージ化し、取り組むべき研究開発課題と必要な政策課題を「到達方法」として提示する。
(1)自然エネルギーの有効利用
(2)環境低負荷な交通システム
(3)安全な水の提供
(4)安心できる食料の安定的供給

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