2008年3月
(戦略プロポーザル)「柔軟、大面積、軽量、薄型」を特徴とする新しいエレクトロニクス創製のための基盤技術の研究開発/CRDS-FY2007-SP-10
エグゼクティブサマリー

「柔軟、大面積、軽量、薄型」という機能・仕様を実現するための基礎物理化学、技術体系をまとまった一つの分野と捉え、これらの機能を特徴とする新しいエレクトロニクス創製のための基盤技術研究開発戦略を提案する。
「柔軟、大面積、軽量、薄型」を目指すデバイス、システムは、センサ、アクチュエータ、バッテリー、ディスプレイ等、多岐にわたる。ディスプレイを例にとると、現在、薄型平面ディスプレイの分野が大きな市場を形成しつつある。しかし、まだ「柔軟」という機能まで含めた技術は必ずしも確立していない。今後ディスプレイの「大面積」化を目指すためには、「軽量」への要請から、さらなる「薄型」化が必須となる。この場合、「薄型」と「大面積」を両立させるためには、マクロな力学的機能として「柔軟」という機能が求められる。これらは従来のシリコンエレクトロニクスの延長上で実現できるものではなく、新しいデバイス技術、新しいプロセス技術を取り入れることが必須と予想される。
「柔軟」デバイスが実現すると、これまでにない新しい応用が拓ける。ここでいう「柔軟」とは、「伸縮できる」、「曲げられる」、「巻ける」、「折りたためる」という機能を指す。具体的な応用では、伸縮できるロボット用人工皮膚、曲面に貼り付けられるセンサ、ローラブル大面積太陽電池、折りたたみディスプレイ等をはじめ、大面積の対象物や曲面・複雑な立体形状にフィットするデバイス等、今後ますます多様化する社会に貢献できるきわめて広い応用分野が考えられる。
このような「柔軟、大面積、軽量、薄型」を特徴とする新しいエレクトロニクスは、シリコンエレクトロニクスが追求している微細化、高集積化とは次元の異なる機能を追求するものであり、その機能によって新しい価値を創出するものである。
「柔軟、大面積、軽量、薄型」を特徴とする新しいエレクトロニクスの研究開発を支える学問的基礎基盤や要素技術の蓄積は、一部にはあるが、一つの体系化された分野とはなっていない。学問的基礎基盤の充実と共に、材料、プロセス、デバイス、応用システムとの連携が重要であり、これらのフィードバックを行いながら、「柔軟、大面積、軽量、薄型」エレクトロニクスの基盤技術構築を推進していく必要がある。
この新しいエレクトロニクス創製のための基盤技術を構築するために、以下の研究開発課題の設定を提案する。

■ 「柔軟」材料の基礎物理化学の研究
■ 「柔軟、大面積、軽量、薄型」のための新プロセス技術開発とプロセス科学の構築
■ 「柔軟、大面積、軽量、薄型」デバイスの設計・評価技術開発

本戦略プログラムは2006 年8 月に刊行した“「柔らかい」エレクトロニクス基盤技術の研究開発”のスコープを拡大し、最近の国内外の状況を踏まえて内容の見直しを行った改訂版である。

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