2008年2月
(戦略プロポーザル)知識を生産・活用するための科学構築への挑戦 - 知識基盤社会を支える知識生産・活用システムの実現を目指して-/CRDS-FY2007-SP-09
エグゼクティブサマリー

知識を生産・活用するための科学構築への挑戦 -知識基盤社会を支える知識生産・活用システムの実現を目指して-

知識基盤社会では、価値ある知識の生産・活用能力が産業競争力の源泉となることは論をまたない。現代では知識の生産・活用において、ICT等の急速な技術進歩の影響は無視できない。このような今日的な意味での知識の生産・活用についてのノウハウや技法は、経験に基づいてさまざまに提案されているが、技術的にアプローチが容易な部分のみに限られ応用範囲が狭く、また科学的な裏付けももたない。知識を生産・活用に本当に役に立つ技術のために必要とされているのは、知識の生産・活用を行おうとする人間と組織と、多様な要求をもつ人間と組織が主体的に使いこなせる技術群を、知識の生産・活用過程全体として視野に入れ、そのダイナミズムを対象とする科学的理解である。この科学体系の構築は困難であるが、産業競争力の源泉に直接にアクセスするには、この新しい挑戦を戦略的に行うことが必要である。

これまで、知識生産・活用についての研究は、2つの大きな流れのなかに位置づけることができる。一つは、人間組織における集団的な知識の創造に関する人間・組織にそのものに関する研究である。このアプローチでは地道なケーススタディや観察に基づいた理論構築が行われてきた。もうひとつのアプローチは、計算機を利用した情報処理技術を知識生産と活用に応用する研究である。この研究アプローチでは、計算機による高速・大量な情報処理技術に基盤をおき、機械学習、データマイニング、統計数理科学の応用、アルゴリズム研究などが発展してきた。しかし、上述の二つの研究の流れは、「分野」を異にする研究者コミュニティによってそれぞれの学的関心から個別に行われてきた。

以上の2つの流れを融合し、知識を生産・活用するための科学を打ち立てることができれば、その融合プロセスのなかで、実際の現場で必要とされる知識が生産・活用されることが期待できる。また、既存の研究分野を超えて融合されることにより、社会ニーズに駆動された新しい科学技術のフロンティアが拓かれていく。

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