2007年5月
(戦略プロポーザル)科学技術イノベーション実現に向けて、いま、何をなすべきか ~早急な対応が必要な政策課題と提言~/CRDS-FY2007-SP-01
エグゼクティブサマリー

研究開発戦略センターでは、「科学技術イノベーション」を「科学技術の知識に基づいて新しい社会的経済的価値を創造すること」と定義し、科学技術イノベーションの実現こそ我が国における最優先の政策課題であると提言してきた。
本戦略プロポーザルでは、科学技術イノベーションの実現に向けた社会ビジョンの優先順位とともに、早急に対応が必要なイノベーションの5つの要素と各要素の政策課題を以下の通り抽出し、早急な対応が必要な政策課題として提言した。

1.リスクマネーの供給
忍耐強い資金の供給(年金や郵貯のごく一部をベンチャー・キャピタルに向ける、運用 は民間の専門機関に委託する)、政府機関への専門家の任用、メンターとしてのエンジェ ルの創出、寄附税制の拡充
2.イノベーション指向の市場創出と制度設計
2.1.イノベーション指向の制度設計
知財流通を促進する仕組みの導入、規制の活用によるイノベーションの誘発、国際展開を視野に入れた技術の標準化、グローバル市場に向けた企業間の連携、イノベーションへの信頼感を高めるプロジェクトの実施
2.2.イノベーション指向の公共調達
競争入札資格制度の改正、SBIR(中小企業技術革新制度)の拡充、新たに出現するニーズとシーズをマッチングする機能の設立、WTO政府調達協定を上回る我が国の自主的措置のイノベーションの観点からの再検討、イノベーション促進のための調達戦略
3.人材の流動性の向上、ネットワークの形成・強化
イノベーションに必要な人材の流動化を促進するインセンティブの充実(税制適格ストック・オプションの適用条件の緩和)、イノベーションに必要な人材の流動化阻害要因の除去(公的研究機関研究者への個人型確定拠出年金の導入)、大学・研究機関等における学生・教職員の起業家精神の醸成、ネットワークの形成・強化、外国人受入れ及び支援体制の整備
4.新たな視点からの地域イノベーション・エコシステム(RIES)の構築
イノベーション創出のためのクリティカル・マスの確保、地方分権の推進に向けた社会イノベーションとして導入される道州単位での「場の構築」の推進、地域COE 構築に向けた道州内国公私立大学・公的研究機関の統合・再編の推進と運営費交付金特別枠設定等支援方策の推進
5.「知識の創造」によるイノベーションの「場」の活性化
世界のイノベーションをリードするCOE の形成、社会インパクトの大きいハイターゲット・ハイリスク研究の推進、イノベーティブな研究環境の構築のための共用施設・設備の活用、「知識の創造」を担う大学改革の推進、民間企業による「場」の活性化、グローバルなイノベーションの「場」を創出することへの貢献

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