2007年2月
(戦略プロポーザル)エネルギーセキュリティーを達成するナノ構造制御材料研究開発/CRDS-FY2006-SP-09
エグゼクティブサマリー

現状の我が国の一次エネルギーの供給比率は、化石燃料が81%と圧倒的に多くを占めている。再生可能エネルギーの供給比率は6%にとどまっており、主たる供給源とするには相当の期間を要する。また、原子力は13%を占めるものの、一次エネルギーを全てまかなうには立地問題から相当の無理がある。よって我が国においては、短中期的には化石燃料を利用しつつ、長期的には再生可能エネルギーの最大限活用、原子力の安定的運転を進めていくことが現実的であろうといわれている。このような状況下において、我が国のエネルギーセキュリティーを確保するためには、徹底した省エネルギー・省資源を図る炭化水素を原料とする革新的なエネルギー変換技術開発を早急に行う必要がある。
本研究開発提案を実施することにより実現する、コプロダクション型エネルギー・物質同時生産システムは、産業間が連携して大幅な省エネルギー・省資源を図る、炭化水素を原料としたエネルギー変換・物質生産システムであり、エネルギー資源争奪戦からの回避と地球温暖化防止の両面から、我が国のエネルギーセキュリティーに対処する事が可能となる。本システムの原材料には、低品位石炭、重質残渣油、有機廃棄物(廃プラスチック・生ゴミ等)、バイオマス等あらゆる炭化水素源、すなわち化石資源から循環再生資源までをフレキシブルに利用することができ、低位、又はマイナスバリューフィード(ゴミなど本来処理するためには費用が発生するもの)の高付加価値化を実現する。プロダクトはコプロダクション、すなわち電気、燃料油、水素を主成分とした燃料ガス等のエネルギー源、C1(C2)あるいはオレフィン等の化学原料で、これらのプロダクトミックス(製品の構成比)は需要により可変である。これによりエネルギーセキュリティーとしての代替性・互換性を備え、その時点時点の国内におけるエネルギー安定供給を柔軟に確保し得る最適、且つロバストなエネルギーシステムが実現されるが期待される。

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