2006年11月
(戦略プロポーザル)デザイン・イン型食料生産システムの構築 ―世界最高級の安全でおいしく健康に良い農畜水産物・食品の生産の実現―/CRDS-FY2006-SP-06
エグゼクティブサマリー

「デザイン・イン型食料生産システム」とは、消費者が食料に求める付加価値を生産段階から組み入れるシステムである。

日本の農林水産業は4つの危機に直面している。4つの危機とは、(1)安全性に対する消費者の信頼低下に代表される「食の危機」、(2)不安定な食料供給に代表される「市場の危機」、(3)国土保全機能の脆弱化に代表される「環境の危機」、そして(4)地域社会・経済の活力の消失に代表される(4)「地域の危機」である。

4つの危機を同時に解決することは難しいがこの解決の突破口として、「デザイン・イン型食料生産システム」構築を提案する。

その構築には科学技術が創出する成果を農林水産業に積極的に活用することが必要である。まず、消費者が食料に求める安全性・美味性・機能性について、その本質を科学的に解明することが求められる。

その成果に基づき、消費者が求める品質とそれに対する付加価値を持つ食料の生産に、農畜水産物の生産段階から取り組む。また、科学技術の成果を活用して「デザイン・イン」方式を支える生産システムを構築する。さらに農林水産業や食品加工、食料流通に従事する人と消費者とのコミュニケーションを通じて、安全でおいしく健康に良い食料の生産、生産の場である自然環境の保全に資するシステムを創出しなければならない。

そのためには様々な分野の研究者と、農林水産業や食品加工、食料流通に関わる産業が連携・融合して研究開発を推進することが重要である。下記に具体的内容を挙げる。
⑴ 食の安全性の科学的保証
⑵ 食のおいしさの科学的解明
⑶ 食と健康との科学的関係
⑷ デザイン・イン方式を支える生産システムの確立

「デザイン・イン型食料生産システム」の構築によって、消費者が求める質・量共に満たす農畜水産物・食品の生産と供給を実現し、「食に対する消費者の信頼の確保」、「高い国際競争力の保持と労働力の確保」、「自然資源・環境の循環利用」、「地域社会・経済の活性化」が期待できる。この「日本の農林水産業を巡る好循環」の創出こそが、農林水産業を消費者の生活の質の向上と循環型社会の構築に貢献する魅力ある新たな産業として確立し、さらなる発展を支える「人」を確保する原動力となる。

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