2006年3月
(戦略プロポーザル)組込みシステム用ディペンダブルOS/CRDS-FY2005-SP-05
エグゼクティブサマリー

身の回りの情報家電、携帯機器、自動車をはじめ、生産制御装置、さらには様々な交通網、電力網などの社会インフラなど、電子・電気機器、や電子デバイスを搭載・利用した製品・設備・インフラのほとんどには、コンピュータシステムが組み込まれている。このようなコンピュータシステム(組み込みシステム)を動かす基盤となっているのが「組み込みOS」と呼ばれる基本ソフトであり、組み込みOSが情報化社会を支える目に見えないが重要な基盤となっている。

これまでの組み込みOS技術が指向したものは、個々の製品毎に、情報システムの高度化を追求することであり、この技術分野において日本は世界的に強みを維持してきた。ところが、社会からの組み込みOSへの要求は、急速な情報システムの高度化に対応しながら、さらに、ネットワーク化された組み込みOSのディペンダビリティを併せて実現することへと変化している。情報社会の高度化に対応しつつも、オープンなネットワーク環境でのディペンダビリティを実現するという方向へ研究開発の指向を転換するためには、困難ではあるが社会の要請に応える方向に研究の流れを大きく変えていかねばならない。この新しい研究開発への挑戦は、科学技術の新しいフロンティアを切りひらき、同時に競争力のある組み込みOS技術を我が国が将来に亘って維持することに直結する。

ディペンダビリティをもつ組み込みOSを実現するには、高セキュリティ保証技術、リアルタイム性保証技術、高負荷時にも安定動作する高信頼性保証技術、バグのないソフトウェアを構築できる高信頼ソフトウェア構築技術などの研究開発に投資が必要となる。しかも、開発される技術は実用可能なものでなければ意味がないため、基盤的な研究開発と同時に、オープンソースソフトウェアでプロトタイプを製作し、実証試験までを実施し、産業界の参画を要請しながら実用への目処をつけられる研究開発投資を行わなければならない。また、強い研究開発マネジメントにより、ばらばらな研究ではなく、産業界と連携しながら、大学や独立法人研究所の研究者がチームを組んで研究開発を行う体制が不可欠である。

PDFダウンロード

関連報告書