2006年3月
(戦略プロポーザル)生態系機能の高度利用を目指すエコゲノミクス・エコプロテオミクス/CRDS-FY2005-SP-04
エグゼクティブサマリー

本プロポーザルで提案する「エコゲノミクス・エコプロテオミクス」は、個々の生物からではなく、土壌や水界などの環境中から生物群のゲノムやタンパク質を直接抽出し、その遺伝子が生態系で果たす機能を明らかにすることを目的としている。

生態系は、基本的には、生物間の「喰う-喰われる」の関係を通じた物質およびそれに付随するエネルギーの流れである。また、生態系に存在する生物は、多様なタンパク質などの物質を生産し、生体の維持、防御、繁殖等に利用している。これら生産と循環を効率よく解明すべく、包括的にタンパク質や遺伝子を検出し、機能や構造を詳細に調べることで、作物の増産や抗生剤等の医薬品を始めとする有用物質の開発などに役立てることができる。また、生物と環境あるいは生物間の相互作用を解明することで、二酸化炭素同化や保水、環境浄化などを含む生態系の機能と構造を理解し、その保全と持続的かつ高度な利用が可能となる。
そのために以下の具体的課題を提案する。

⑴  生物生産物質の解析と有用物質生産技術に着目したエコゲノミクス・エコプロテオミクス
⑵  生態系の機能と構造の解明に着目したエコゲノミクス・エコプロテオミクス
⑶  生物種探索技術に着目したエコゲノミクス・エコプロテオミクス

上記の研究開発課題は将来の重要な産業基盤となる生態系の機能と構造の理解を飛躍的に深める。 また、本プロポーザルで提案する研究開発課題は、遺伝子資源のライブラリー拡充にも貢献し、さらに、機器開発等の多くの技術シーズを含むことから日本の産業競争力を長期的に維持する一因となり得る。加えて、マクロ系の生物学・環境科学とバイオ系の生物学の融合を促すことが期待でき、数理科学、情報処理の研究者との連携も必須となる。これらのニーズから引き出される融合学問の発展によるイノベーションの誘発をも狙う。

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