2006年2月
(戦略プロポーザル)アジアの発展シナリオと基盤技術/CRDS-FY2005-SP-03
エグゼクティブサマリー

アジアにおいて多くの国々が急成長を続けているが、資源大量消費・環境高負荷型の発展形態をたどっており、工業化と都市部への人口集中による自然破壊、CO2排出量の増大、有害物質等による大気・海洋汚染、食料・水の汚染・不足、廃棄物の大量発生、化石資源の価格の急上昇などの様々な問題が生じてきている。これらは、当該国のみならず近隣諸国、さらには世界全体の環境、経済発展にも大きな影響をおよぼしつつある。このような問題に対処するためには、従来とは異なる発展シナリオと、それを実現する基盤技術が必要である。
そこで、これら地球規模の環境・エネルギー問題の解決、アジア諸国の共通利益、我が国およびアジア諸国の持続可能な発展のため、以下の研究を我が国とアジア諸国とが共同・連携して、組織的かつ継続的に行うべきである。
1 アジアの持続可能な発展シナリオの研究
2 生物資源・生態系サービスの高度利用技術の研究
3 省資源・環境負荷ミニマム型産業・社会インフラ技術の研究
4 生態系機能などを利用した環境保全技術の研究
5 精緻な環境アセスメント技術の研究
6 技術のスタンダード化の研究
これらの研究の推進には、各国の研究リソースの利用、既存の国際共同研究プロジェクト等との連携も必要である。各国の合意形成と組織的・継続的推進のための1つの方策として、下記のような機能を持つ共同研究機構(Sustainable Asia Research Organization)の設立が考えられる。
1 発展シナリオなどの共同研究拠点としての機能
2 人材育成・交流機能
3 情報ネットワークとデータベースの構築
すでに最大の輸出入相手国が中国になっているように、我が国にとってアジア諸国は、生産地としても市場としてもその重要性が増している。各国と協力し、アジアの状況も考慮した安全・環境基準、工業規格などをアジアン・スタンダードとして共有し、アジア発のグローバルスタンダードに育てていくことは、各国政府、地域住民はもとより関連する企業にとっても、大きな価値がある。
また、アジア地域は生物多様性・生物資源の宝庫であることから、アジア諸国と協力することにより生物・生態系の機能・機構の解明やアセスメント技術の開発、新しい生化学プロセスの開発、有用資源の発見・利用技術など科学技術上のイノベーションにつながる技術創出が期待できる。

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