2005年8月
(戦略プロポーザル)未来型バイオマスエネルギーシステム基盤技術/CRDS-FY2005-SP-01
エグゼクティブサマリー

バイオマスは、生物によって固定された太陽エネルギーとも言え、再生産が保証されている限り大気中の二酸化炭素を増加させることはないため、カーボンニュートラルとされ、温室効果ガス排出削減に有効であり、且つ太陽がある限り枯渇しないため化石燃料資源の節約にも寄与できる。

バイオマスのエネルギーポテンシャルは、2050年時点で2000年の世界の一次エネルギー総需要の半分をまかなえる程度であるとされ、バイオマスエネルギーに対する期待は大きい。欧米はバイオマス利用に熱心に取り組んでおり、長期的には石油からバイオマスへのある程度のシフトも予想される。しかし、世界においても日本においても、バイオマスエネルギー利用の普及率、利用のエネルギー効率ともに低く、そのポテンシャルを活かしきれていないのが実情である。特に日本では国土の狭さのため、バイオマスのポテンシャルは日本の一次エネルギー需要の数%とされているが、現実に使われているのは一次エネルギー需要の1%強と低い値にとどまっている。

わが国は資源の大部分を海外に頼っている大量輸入国として、将来の代替資源の主力であるバイオマス利用のニーズは非常に高いにもかかわらず、国内の産出量が小さいことと、その育成・収集コストの高さから、欧米諸国に比べ利用システムの普及に向けた取組が遅れている。将来の世界的なバイオマスへのシフトに対応するためには今後、以下の3つを目標とする。

バイオマスの生育量を増やす
バイオマスエネルギー利用の普及率を上げる
バイオマスエネルギー利用のエネルギー効率を上げる

上記の目標達成に必要な高度な技術開発として、以下を推進することを提案する。
1 エネルギー作物の生育速度を向上する、あるいは乾燥地、汽水域等の栽培不適地でも生育できる品種改良技術
⒜ 生育速度・環境耐性関連遺伝子の解明と操作技術
2 セルロース、リグニン等バイオマスに含まれる分解困難な成分から高効率に気体ないし液体燃料を製造する技術
⒜ セルロースの生化学的糖化技術、高活性酵素
⒝ 熱化学反応の生成物制御技術、ガス精製技術
3 バイオマスエネルギーシステムの省力化
⒜ 栽培、収集のための監視、トレース技術
4 設備耐久性向上技術
⒜ 高耐食材料、汚れ付着抑制・自己浄化技術

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