2005年3月
(戦略プロポーザル)IRT - IT とRT との融合 -/CRDS-FY2004-IN-01
エグゼクティブサマリー

この20年間に大きな進歩を遂げたIT(情報通信)はサイバーワールドとよばれる情報世界を創造してきた。この情報世界と実世界を結合させようとする研究も活発に行われているが、両世界間の相互作用は情報を主たる手段としてしいるため、実世界を意識したITの発展には、このままではその限界があると思われる。一方、進歩の著しいロボット技術(RT*)は人間の思考・運動・行動を支援・強化・代替することが可能な段階に到達してきている。ITの限界を破り大きな波及効果をもつ実世界と情報世界を融合する技術を、新たに開発することが今後の重要な研究投資の方向である。特に、日本の科学技術の蓄積を生かし、また、ITとRTの強みを合わせ融合できる技術分野をIRT(Information and Robotics Technology)と呼び、この分野に研究投資を行うことの意義は大きい。

実世界とサイパーワールドの融合により得られる成果を人間・社会を軸として利用することにより、「健康で快適な生活」「安全で安心な社会」「持続可能な経済発展」などの社会ビジョンを実現することができる。 本戦略イニシアティブでは、これら「社会ビジョンを実現する技術システム」を「IRTプラットフォーム」と呼称し、これらを実現させる研究開発が科学技術政策の高いレベルにおいて重要であることを提案する。 IRTの研究は高度に融合的であるため、国レベルで複数の省庁が協調的にファンディングする仕組みや、産官学で構成されるチームによる研究推進態勢をとることが必要である。

国際的に見ても、ITとRTは日本が強い領域であり、その強みを結集するIRTを実現する研究プログラムを、以上に述べたような意義と研究体制とを考慮しながら国家レベルで実行することが今最も必要である。

*ここではRTに、「実世界に働きかける機能を実現する技術」という、従来のロボット技術より広義の意味をもたせている。

PDFダウンロード

関連報告書