国際科学技術コンテスト

科学オリンピックだより 2010 vol.5 科学オリンピックでかけがえのない経験を!

問2解法生命と光触媒の意外な関係

光合成の反応はとても複雑ですが、
光触媒の反応とよく似ている部分もあります。ここではエネルギーの出入りに着目し、
物質の酸化還元反応と合わせて考えていきます。

問2の解法

問2の問題文を整理すると、下図のような3つの化学変化にまとめられます。 光エネルギーがない状況では、どの反応が起こりやすいかを予想します。

酸素を使ってエネルギーを取り出し、二酸化炭素を排出することを「呼吸」と呼びます。「光合成」は、光エネルギーを有機物質の化学エネルギーに変換します。 植物自身および動物は、呼吸によって有機物からエネルギーを取り出して生命活動を維持しています。

光合成6CO+6HO+光エネルギー → C6126+6O

呼吸6126+6O2→6CO+6HO+エネルギー

問2解答問2 ウ) ブドウ糖と酸素

解答の解説

ブドウ糖から酸素へ電子が渡るとき、エネルギーが放出されています。 ①と②の反応はエネルギーを必要とする反応なので、光が当たらない条件では③「ブドウ糖と酸素の酸化還元反応(呼吸)」が最も起こりやすくなります。

「できたら楽しい」の心が生んだ光触媒

本多-藤嶋効果を発見した藤嶋博士は、大学院の学生だった当時「光合成の仕組みを人工的にまねできたら楽しい」という一心で研究していました。 純粋な探究心から生まれた二酸化チタンの光触媒は今、環境負荷の少ないエネルギー源として注目される燃料電池への応用や、汚れを分解する建材、水質改善など、幅広い分野で実用化が進められています。

地球環境の改善や新たなエネルギーの開発など光触媒はとても大きな可能性を秘めていて今後の研究が期待されているんだ。

 

【お問い合わせ】
〒332-0012 埼玉県川口市本町四丁目1-8
国立研究開発法人 科学技術振興機構 
理数学習推進部 才能育成グループ
e-mail is-cont◎jst.go.jp

※メール送信の際は"◎"を"@"に変更ください。
迷惑メール防止にご協力ください。
※添付ファイルやリンクを含むメールの送信はご遠慮ください。
※回答に時間を要する場合があります。