拠点
「寿命革命」×「認知症の人と創る未来社会システム」
プロジェクトリーダー
- 工藤 寿彦
マルマンコンピューターサービス(株)
常務取締役
研究リーダー
- 中路 重之
弘前大学
大学院医学研究科社会医学講座
特任教授
目指すべき将来の姿
拠点概要
日本は、超高齢化社会を迎え、「医療費の削減」、「高齢者の健康増進」、「QOLの向上」、「高齢者の社会寿命延伸」が社会的課題です。本拠点では、青森県住民のコホート研究による膨大な健康情報を解析し、「疾患予兆発見の仕組みの構築」と「予兆に基づいた予防法の開発」等により、リスクコンサーン型の予防医療(従来の医療は、疾患に罹患してから治療することであったが、罹患を予防することに焦点を絞った医療サービス)を、医療関係者を含む産学官金が一体となって目指します。加えて、「認知症サポートシステムの開発」により、高齢者が安心して経済活動を行いながら生活を楽しむことができる社会システムの実現を目指します。
研究開発テーマ
- 1.ビッグデータを用いた疾患予兆法の開発
- 弘前市岩木地区での過去10数年間にわたる岩木健康増進プロジェクトから得た膨大な経時的健康情報(延べ20,000名以上、健康情報2,000項目)と福岡県久山町(人口約8,400人)の地域住民を対象に50年間以上にわたって蓄積した精度の高い生活習慣病(脳卒中・悪性腫瘍・認知症・高血圧症・糖尿病など)の疫学調査(久山町研究)における、健康情報、生活習慣情報、遺伝情報をもとに未病の段階で軽度認知障害(MCI)や生活習慣病を予測するアルゴリズムを開発します。
- 2.予兆因子に基づいた予防法の開発
- 疾患危険因子を有する人を対象に、個人レベルでのアラート法を構築し、生活習慣改善などによる予防法を実践的に開発します。また、MCIや生活習慣病と判明した方への運動療法、口腔ケア等による予防介入研究に加え、革新的アンチエイジング法の分子基盤を確立します。
- 3.認知症サポートシステムの開発
- 高齢者が使いやすい銀行を目指して、行員教育方法の開発、店舗システムの開発、高齢者との金融商品契約に関するガイドラインの作成、新しい福祉型信託などの高齢者の財産管理や経済活動支援のための金融商品の開発、及び認知症初期支援に有用なシニアライフプランニング法の開発、意思決定支援のためのアプリケーション及び機器を開発します。京丹後で実証を行います。