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平成21年度シーズ発掘試験 B(発展型)事後評価


研究者、コーディネータはH21年3月末における情報を掲載しています

 北海道:9件 (JSTイノベーションプラザ北海道)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
1 ユビキタスブイを用いたサンゴ礁保全のための水温観測網の構築 和田 雅昭 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 亜熱帯海域での試験運用により成果が得られており、実用化の実績は十分ある。企業化へ向けての問題点の改善が期待される。
2 家畜糞尿の堆肥化および腐植化を促進する炭化物資材の開発 谷 昌幸 帯広畜産大学 田中 一郎 帯広畜産大学 小規模実験では成果が得られており、今後は大規模スケールでの実験が望まれる。圃場に拡散するであろう鉄の影響や大規模化することでの問題点の検討が発生すると思われる。更なる検討による進展が期待される。
3 分子相乗作用に基づく抗肥満素材開発 宮下 和夫 北海道大学 清水 條資 独立行政法人科学技術振興機構 研究成果、企業化、知財確保すべてに特筆すべき成果が得られており、今後の進展が期待される。
4 遺伝子組換え動物を用いた生命科学研究に資する抗体開発 渡辺 雅彦 北海道大学 清水 條資 独立行政法人科学技術振興機構 応用範囲の広い研究成果がみられつつあり、残りの部分についても開発が期待される。
5 間欠液パルスインジェクション法によるカーボンナノチューブ高効率製造システムの構築 向井 紳 北海道大学 佐藤 完二 独立行政法人科学技術振興機構 系統的な研究を継続して行っており、本研究で予定したデータが取得されたことから、事業化に向けた大きな足がかりができたものと考えられる。更なる進展が期待される。
6 医薬合成重要中間体「光学活性シアン化物質」の高純度合成法の開発 大熊 毅 北海道大学 吉田 光則 北海道大学 目標は達成されており、企業との連携により実用化が進められている。知財権も確保され、今後の進展が期待される。
7 アンモニア揮散を抑制したメタン発酵消化液の施用機械の開発と実証 荒木 肇 北海道大学 清水 條資 独立行政法人科学技術振興機構 試験は概ね実施されており、実圃場での作業性、効率検証が待たれる。試験研究の継続が期待される。
8 既存データが少量でも分類可能な文書分類技術の高機能化開発と応用 前田 康成 北見工業大学 岩崎 正吾 北見工業大学 計画はほぼ実施できており、特許出願を終え、企業化における具体的な戦略が示されている。競合技術に対する優位性の検証が望まれる。
9 業種別対応型コマンド予測システムによる高速3次元モデリングツールの開発 安田 星季 北海道立工業試験場 長尾 信一 北海道立工業試験場 実験では4業種についてデータを取り、当初の目標は達成している。また、データ収集サーバシステムの構築により今後の精度向上が期待される。製品化についても可能性は高く、知的財産権についても検討されており、今後の進展が期待される。

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 青森:2件 (JSTイノベーションサテライト岩手)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
10 アモルファスブルー相を用いた新規液晶表示素子の開発 吉澤 篤 弘前大学 大学院理工学研究科 工藤 重光 弘前大学 目標とした動作温度範囲、応答時間、低駆動電圧に関し個別には達成された。着実な進展があり、且つ改善のための知見、方向性が示されている。企業との連携も開始されており、実用化へ向けて開発の加速が期待される。
11 セルロース系材料を電解質膜として用いた直接メタノール形燃料電池の開発 葛西 裕 青森県工業総合研究センター 木村 公美 (財)21あおもり産業総合支援センター セルロース系材料の電解質膜の機械的特性向上および膜への電極触媒層の形成について検討し一定の結果を得た。今後、発電性能の更なる向上を図ることにより実用化に結び付けることが望まれる。

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 岩手:2件  (JSTイノベーションサテライト岩手)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
12 サケ未利用資源を高度有効活用したニホンウナギ稚仔魚の増養殖技術の開発 森山 俊介 北里大学 海洋生命科学部 佐々木 守衛 (財)いわて産業振興センター 当初の計画が充分に実施され着実に成果も得られている。漁業者等との共同作業を視野に入れた取組、企業との共同研究等への移行が望まれる。
13 アルツハイマー病経口ワクチンのための植物由来天然物アジュバントの開発 吉田 泰二 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 寒冷地特産作物研究チーム 児島 清 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 研究計画は概ね遂行されており、次の段階のための重要な足がかりが得られたことは評価できる。アルツハイマー病予防については広く活用される可能性があることから、実用化に向けて更なる飛躍が望まれる。

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 宮城:3件  (JSTイノベーションプラザ宮城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
14 異種ハーフメタル粒子コンポジットによる低消費電力型磁気抵抗デバイスの開発 鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校 庄司 彰 仙台高等専門学校 当初の目標を超える成果が得られたことは高く評価できる。実用化へ向けて具体的なデバイス開発計画を立て、研究を進めて頂きたい。今後の進展に期待する。
15 視覚再生研究:網膜局所への遺伝子導入とその安全性・副作用の評価 富田 浩史 東北大学 芝山 多香子 東北大学 当初目標に対し、特段の進捗、成果が得られたことは高く評価できる。安全性試験、臨床試験の方法等、実用化へ向けて引き続き研究を進めて頂きたい。今後の進展に期待する。
16 MOVPE法によるZnO基板上の「緑色発光用InGaN」の高温成長技術の確立 松岡 隆志 東北大学 芝山 多香子 東北大学 当初の目標を達成し、緑色半導体レーザとしてデバイス化の可能性を見出したことは評価できる。企業との共同研究にも入っており、今後の進展を大いに期待する。

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 秋田:2件  (JSTイノベーションサテライト岩手)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
17 細胞分化・増殖を誘発する新規生体内埋入材料の臨床への応用 福田 雅幸 秋田大学 医学部 仙波 日出夫 秋田大学 当初の計画は概ね達成されており、材料表面へ短時間で骨形成が出来ることが確認された。今後、骨形成のメカニズム等の解析を進めるとともに企業との連携および関連する知的財産権確保が望まれる。
18 光造形技術による高精度実物大顎口腔モデルの開発と臨床応用 田中 清志 秋田大学 医学部 仙波 日出夫 秋田大学 シーズ発掘A型にて実用化に向けた課題となっていた歯牙、石膏模型、顎骨、下顎管のデータ分離が可能となった。今後はデータの合成に関する技術開発を進め、製品化に向け、企業との連携や技術移転等が望まれる。

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 山形:2件  (JSTイノベーションプラザ宮城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
19 大型可能・動物対応高速ピンポイント電子スピン共鳴装置の開発 伊藤 智博 山形大学 浦山 隆 山形大学 ピンポイント電子スピン共鳴法による小動物検査の可能性を見出した。実用化へ向けた課題を解決し、本装置の完成度を高めて頂きたい。今後の進展に期待する。
20 超伝導・磁性薄膜のJc,μ評価装置の開発 大嶋 重利 山形大学 小野 浩幸 山形大学 当初設定した目標のうち「装置の小型化」「測定ソフトウェアの改良」については確実に達成されており高く評価できる。課題として残されている数十nm測定を確立すべく、引き続き研究を進めて頂きたい。今後の進展に期待する。

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 福島:1件  (JSTイノベーションプラザ宮城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
21 鉄シリサイド系熱電変換素子による防災温度センサの開発 安野 拓也 いわき明星大学 坂本 美穂子 いわき明星大学 当初の目標を十分にクリアし、実用化へ向けて大きな前進があったことは高く評価できる。基本技術の特許出願も終え、企業と共同で量産化の検討に入っているなど実用化への道のりが明確に示されている。今後の進展を大いに期待する。

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 茨城:4件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
22 マイクロ・ナノバブル技術を活用した半導体ウエハ、冶工具の洗浄技術開発 浅野俊之 茨城県工業技術センター 津田 征夫 株式会社ひたちなかテクノセンター 研究計画に従い、想定した成果を創出していると思われる。定量的なデータ等の記載が無く推量となるが、企業化に向けて新たに生じた装置内部の劣化問題の解決が重要となり、更なる展開・進展を今後に期待する。
23 「軽薄<炭&rt;省」自動車難プレス材用「オーダメイド」複合表面改質金型の開発 鈴木秀人 茨城大学 伊藤 勝彦 茨城大学 具体的な実証データの報告が無く、目標の達成度について判断出来ない。試験項目は計画に従いほぼ実施されたようであるが、製品の安全保障や知財化の方針などを考慮すると、企業化の可能性を見出しているとはいえない。
24 薄型熱発電式ユビキタス電池の開発 鵜殿治彦 茨城大学 相澤 淳一 茨城大学 熱発電電池の基礎となる材料およびそのナノ構造に関する進展はあったが、当初の目標値を達成できていないと思われる。
25 Nrf2システムを利用した抗癌剤感受性診断法の開発と臨床応用 石井幸雄 筑波大学 柿本 茂八 筑波大学 非小細胞肺癌の抗癌剤無効例に対する(特に4種類の)Keap1遺伝子変異解析の有用性評価には一定の成果がみられる。しかし、分子標的薬無効例に対しては多くの症例を確保する必要があり,実用化への見通しは現時点では未知である。重要な課題であり今後の研究の進展が期待される。一方、患者を対象とした研究であるため、短期間に多くの実験結果を得るのは困難と思われる。

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 群馬:3件  (JSTイノベーションサテライト新潟)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
26 ロンキールーリングを用いた光散乱流速計の不透明流体計測への応用 天谷 賢児 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 不透明液体の流速計測に対して光散乱流速計を応用した、本研究の当初計画は概ね遂行されている。今後は企業化に向けた本技術の具体的な活用法の検討と特許申請の推進が望まれる。
27 経口で効く安全な血糖降下薬の開発 武田 茂樹 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 研究は意欲的に行われ、インスリン分泌促進化合物の同定は実施されたが、海外での同種の研究開発状況を考慮して、遂行中の実験動物の評価結果など、研究進捗のより一層のスピードアップが望まれる。
28 新規膜型分子抗体を利用したリウマチ疾患治療法の確立 的崎 尚 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 本研究の抗体医薬は高い将来性を有しているが、本課題においては、研究期間内での目標設定が高いと思われ、ペプチド阻害剤と抗体のヒト型化など当初の目標を達成しておらず、更なる研究の発展が望まれる。

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 埼玉:2件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
29 微細パターニングギャップを有する超広帯域エレクトレット音響素子の開発  蔭山健介 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 発想の原理は確認でき、生産技術的な課題は残ったが、広帯域の音響素子を実現できる道を開いた点は評価できる。出願を検討するとともに企業との共同研究を推進し、実用化に繋げることを期待する。
30 可変キャパシタを利用した静電浮上機構のセルフセンシング制御システム 水野毅 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 いくつかの選択肢のある中から、より実現性の高い方式を選び、低コストで、高精度な浮上が可能になった点は評価できる。特許化を進めるとともに共同研究企業を探索し、実用化に繋げることを期待する。

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 千葉:5件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
31 ジアシルグリセロールキナーゼα阻害によるメラノーマ治療 坂根 郁夫 札幌医科大学 一瀬 信敏 札幌医科大学 当初計画の一部については計画通り進まなかったが。基礎段階としてはめざましい成果を挙げている。製薬企業と共同研究をすることになり、臨床応用に向けて実際に動き始めており、知財化についても検討しており、今後の展開が期待される。
32 穀類外皮等の未利用資源の資源化開発 江頭祐嘉合 千葉大学 井上 里志 千葉大学 未利用資源の有効活用を図る研究であり、いくつもの知見・成果を得たことは評価される。特にハト麦外皮に関して企業化が期待できる段階になった。企業との商品化検討に大いに期待している。
33 革新的金属マトリックス圧電センサ・アクチュエータの開発と応用 浅沼博 千葉大学 村上 武志 千葉大学 研究計画は十分に達成された。低コストデバイスでも当初の高コストデバイスに比べ、ほぼ同等の出力電圧を得たことは評価される。企業、外国大学等からの引き合いも多く、共同研究にも発展しており、企業化の見通しは十分である。
34 ダウンバースト・鳥から航空機を守る高分解能レーダシステムの開発 鷹野敏明 千葉大学 竹内 延夫 千葉大学 鳥・昆虫・航空機を識別分類できるなど優れた成果をあげており、本研究の先にある目標「ダウンバース卜・烏から航空機を守る高分解能レーダシステム」の実現性が高まった。(独)宇宙航空研究開発機構との共同研究に期待する。
35 がん性疼痛に有効な新規鎮痛薬の創製研究 高山廣光 千葉大学 中筋 公吉 千葉大学 大量合成法については、鍵となる合成中間体を得るルートの開発に成功し、副作用が軽減された化合物の探索については、ほぼ達成された。PCT出願、米国出願が成され、2010年4月から企業との共同研究が開始され、企業化に期待が高まる。

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 東京:6件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
36 生体分子機能を損なわない抗体精製用アフィニティーカラムの開発 金澤秀子 慶應義塾大学 湯浅 洋二郎 慶應義塾大学 本研究開発は、抗体医薬等のバイオ医薬品生産に効果的な技術である。実施計画、目標に従って着実に進捗していると評価する。しかし、新たな課題を見いだしたこともあり、一工夫必要となろう。適切な企業と産学連携を勧め、早期実用化と,知財権利化を急ぐことが望まれる。
37 磁気プロセスの高意匠性印刷技術への応用 山登正文 首都大学東京 宗木 好一郎 首都大学東京 一部、計画・目標が未達の部分があるが、連続印刷の実現可能性が示されたことは高く評価できる。知的財産権を確保し、ステップアップして企業との共同研究・開発を推進し、実用化されることを期待する。
38 高機能型フィルタを用いたUWB/Bluetooth用分波回路に関する実用化研究 和田光司 電気通信大学 李 瑩玉 株式会社キャンパスクリエイト 基本的な技術は確立したが、小型化が課題である。特許は確保しており、新たな出願も予定している。全体としてコンピュータで汎用的に利用される通信技術に関するもので,シーズ性は高い。次の発展には時間がかかりそうであるが,今後の成果に期待がもてる。
39 多色発光プローブの創製 牧昌次郎 電気通信大学 小島 珠世 電気通信大学 これまでの研究成果且つ申請の基盤となった技術に問題が生じ、目標の達成に至っていない。本研究で提案されている性能の発光プローブに対し、世界的なニーズがあることは自明であるので、今後新たな研究計画の基に実証データ等を蓄積し、実用化に向けての再チャレンジを期待する。
40 縫合・吻合を代替する小型生体接合装置の開発 岸田晶夫 東京医科歯科大学 前田 裕子 東京医科歯科大学 目標達成のために新たな技術課題が見出されたが、課題解決のために企業とのアライアンスを積極的に考えることが不可欠である。難易度の高い研究であり長期的視点で取り組むことが求められる。
41 光感応性有機薄膜を用いた蒸着マスクレスパターン形成とデバイス応用 臼井博明 東京農工大学 堀野 康夫 東京農工大学 光感応性有機薄膜を用いてマスクレスの蒸着パターン形成が可能であることを検証している。しかし、3色パターン形成など未着手の課題が残存し、研究計画に対して実施内容が大幅に縮小されている。企業化に向けては、さらなる努力を望む。

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 神奈川:8件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
42 高速・低消費電力五層非対称結合量子井戸光変調器の実用化 荒川太郎 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 生産性を考慮した開発の最初の試みには成功しなかったが、技術的な見通を持っているので、再挑戦に値する。
43 スピーキング・プラント・アプローチによる知能的灌水制御の実用化研究 大幅元吉 桐蔭横浜大学 木下 麻美 東京農工大学 当初予定していた計画はほぼ達成されており、革新的農業技術として実用化できる可能性がある。トマト以外の作物による試験例の収集を行い、データベース化を図る必要がある。栽培のエキスパートとの協力関係により、やや時間はかかるかも知れないが、企業化も可能になると考えられる。
44 実世界触覚情報の圧縮保存・再生を行うハプトシステムの開発 桂誠一郎 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 研究計画に掲げた事項はすべて完了し、目標レベルも達成。企業化については、見通しが確実なものとなっている。特許も、2件出願済みでさらに考えておられる。総合的にみて、達成レベルは高い。
45 直接メタノール燃料電池用電解質膜のメタノール透過性評価システムの開発 小川邦康 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 当初の試験計画は予定通り終了し、終了時の目標はほぼ達成されたと判断できる。企業化に向けての計画は具体的であり、今後の推進方針も明確である。なお、基本特許は出願済みとあるが、知財化戦略の強化は必要と考えられる。着実な実用化を期待する。
46 貴金属リサイクルのための光応答抽出プロセスの開発 竹下健二 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 当初計画に対して特段の進捗が得られ、企業化に向けた見通しも得られている。特許取得に関しては一層の努力が望まれる。
47 ヒト制御性樹状細胞を用いたアレルギー性疾患に対する免疫細胞療法の開発 佐藤克明 理化学研究所 岩野 はるか 理化学研究所 報告書によれば、当初の試験を概ね達成できたが、成果の具体的記載に乏しい。予想される知見は得ているが、今後の飛躍的な発展を予想させる成果であったとは言い難い。特に評価はすべて試験管内で行われ、実行性は不明のままである。ヒト化マウスでの免疫反応が弱かったという課題の対策が練られていない点は気になるところである。一応、企業の協力が得られているようであり、今後の発展に期待したい。
48 次世代型ペースト状人工骨の開発 相澤守 明治大学 諸石 昌人 明治大学 研究はほぼ計画通り達成されている。企業化も進展がみられている。特許の申請はまだだが、発展が期待される。
49 糖尿病モデルブタの確立と生殖細胞の保存 長嶋比呂志 明治大学 北川 貞雄 明治大学 研究はほぼ全ての目標を達している。糖尿病の実験モデルとしての有用性を確認する上でも、今後、製薬企業との共同研究が期待される。

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 新潟:7件  (JSTイノベーションサテライト新潟)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
50 椿油から動物性高級香料シベトンの合成 萩原 久大 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 合成の過程において、雪椿油からの原料精製費用や触媒のコストおよび全収率を考慮すれば、従来法に比して必ずしも有利とは言えず、学術的な域を出ない研究と言わざるを得ない。今後、課題を整理して更なるデータの蓄積が望まれる。
51 骨膜培養に至適化した生分解性基材を主体とした骨膜培養キットの開発による再生医療の推進 奥田 一博 新潟大学 定塚 哲夫 新潟大学 生分解性基材を用いた骨膜培養キットの開発に関する当初の研究計画は概ね遂行されており、新たなデータも蓄積されている。今後は、関係機関との一層の連携をはかり、実用化にむけて、企業化促進を図る事が強く望まれる。
52 血管機能を相乗的に向上させる複合機能性成分の食品設計と利用開発 平山 匡男 新潟薬科大学 真島 操 (財)にいがた産業創造機構 本課題遂行により、プロシアニジン類と有機酸の相乗効果およびその作用機序が明らかにされた。今後は、ヒト摂取試験による有効性の確認と、目標としていた機能改善食品の開発の推進が望まれる。
53 輸送機器用マグネシウム合金製張出し構造の拡張と機械的性質の評価 本間 智之 長岡技術科学大学 吉野 好男 (財)にいがた産業創造機構 当初計画のうち未完の項目もあるが、マグネシウム合金の三角錐台構造の張出し成型については、計画はほぼ遂行されている。今後は、航空機材料など、実用化に向けた課題をより明確にし、具体的展開が望まれる。
54 液晶配向印刷法によるシームレスLCD作製工程 木村 宗弘 長岡技術科学大学 定塚 哲夫 新潟大学 本研究では、液晶配向をラビングを行う事なく連続的に行えるLCD製作法の開発に関する当初計画を概ね達成しており、今後提携企業との連携を密接にして、着実に企業化に向けて進まれる事が期待される。
55 アドバンスド集光型太陽電池の開発 山田 昇 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 生物の進化メカニズムを取り入れた集光型太陽電池システムに関する本研究の当初の計画は概ね遂行された。集光システムの開発は、企業化が期待される分野であり、本研究で絞られた課題の早急な解決が望まれる。
56 湿熱処理・部分糊化老化処理による低GI米粉の開発 菅原 正義 長岡工業高等専門学校 真島 操 (財)にいがた産業創造機構 研究計画における大量湿熱処理のスケールアップと米粉製造条件の確立などは概ね達成している。今後は実用化に向けて、残された評価である生理的機能確認などを行う事が必要である。

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 富山:2件  (JSTイノベーションプラザ石川)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
57 整合性制御により高強度・高延性化した新規アルミニウム材料の応用展開 松田 健二 富山大学 永井 嘉隆 富山大学 景気下降により企業協力に支障が生じ、計画の一部変更となった。しかし試験はほとんど遂行され、Al合金への添加元素種により新たに300℃での時効硬化性の維持できることを見出している。これは冷間圧縮特性とともに鍛造企業で有用な成果であり、企業化が期待される。
58 神経系遺伝子発現に影響を与えるII型ピレスロイドの修飾と脳機能改善効果 津田 正明 富山大学 佐貫 大三郎 富山大学 一定の成果が得られており、目標に向けて進展しつつある。知的財産権の確保も含め、今後の更なる着実な進展が望まれる。

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 石川:1件  (JSTイノベーションプラザ石川)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
59 ニンニクを起源とする骨粗鬆症予防食品の開発研究 米田 幸雄 金沢大学 中村 尚人 有限会社金沢大学ティ・エル・オー 本研究の目的であるノックダウンモデルの作製とピルビン酸の効果のデータが出ていない。また、骨粗鬆症予防食品の製品化が行われていない為、今後の企業化に向けて、更なる研究・製品開発を期待する。

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 福井:2件  (JSTイノベーションサテライト滋賀)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
60 ディスク互換性を実現するテラバイト級ホログラムデータディスク用焦点誤差検出装置の実用化研究 藤田 輝雄 福井工業大学 佐々木 博 福井工業大学 目標の達成には至らず、特筆すべき成果は得られていないが、実用化を明確に意識しながら研究開発を進めており、特許出願計画も具体的である。企業との交渉の結果が楽しみである。
61 ナノカーボン複合リン酸鉄リチウム二次電池正極材料の開発 荻原 隆 福井大学 吉田 芳元 福井大学 ナノカーボン担持リン酸鉄を新たに開発することにより、従来の正極材料より5割以上の高性能をもつ電極の作成に成功したことは、今後のEV、HEV用2次電池開発への重要な一歩と言える。企業化については量産化、低コスト化などの課題が残るが、今後の研究に期待したい。

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 山梨:3件  (JSTイノベーションサテライト静岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
62 経口TGF-β投与が霊長類のアレルギー発症に及ぼす抑制効果についての試験研究 中尾篤人 山梨大学 河西あゆみ 山梨大学 現状では評価系が確立されておらず、当初の目標には未達である。関連企業との共同研究を実施中であり、評価系の構築に成功すれば目標達成は十分に可能であると思われ、研究計画等に必要な見直しを加えたうえで研究開発が継続されることを期待する。
63 簡易なRGB光同時変調システムを実現する高消光比・広帯域音響光学変調素子の開発 垣尾省司 山梨大学 還田隆 山梨大学 消光比について目標とするスペックが得られていないことは残念であるが、今後の研究次第で同時実現可能性が見出せるのではないか。企業化・知的財産権の確保に加えて、得られた成果についても海外でのより活発な論文・学会発表等を期待する。
64 巨大誘電率を持つナノ粒子分散フィルムキャパシタの開発と応用 和田智志 山梨大学 還田隆 山梨大学 計画項目のいくつかは未実施であり、目標値に未達であり、過年度シーズ発掘試験成果の発展、というにはかなり物足りない。特に、企業化をイメージした実験に関して重要な評価項目について未検討であるのが悔やまれる。

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 長野:1件  (JSTイノベーションサテライト静岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
65 水稲における「光共生」適合微生物資材の開発 井上直人 信州大学 福澤稔 信州大学 研究内容は微生物の生態に関わるもので応用性に富み、共同研究先と分担して研究を進めている点も評価できる。しかし、微生物資材の評価数が当初計画より少なく、また、目標の達成度も試験時期の影響で明確になっていない。今後、試験を継続して明確な成果を出し、企業化へ進むことを期待する。

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 静岡:2件  (JSTイノベーションサテライト静岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
66 ナノ微粒子堆積塗付装置による3次元立体造形法の開発 岩田太 静岡大学 斉藤久男 静岡大学 目標をほぼクリアーでき次ステップへの足がかりができた。企業化に向けた具体的なアクションがとられている。今後は、具体的な応用分野を念頭に置いた検討や特許取得等により、企業との共同研究開発へと発展することが期待される。
67 天然物クルクミン類縁化合物を用いた心不全治療の開発 森本達也 静岡県立大学 樋口修司 京都大学 研究計画は、予定通り遂行され、狙った成果が得られた。ノビレチンが心不全モデルラットの心筋梗塞後の新機能低下及び心肥大を改善したことが示され、更に、血液検査にて、副作用が認められなかった点特筆すべき結果となった。必要な特許出願もなされて企業化の実現が期待される。

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 愛知:10件  (JSTイノベーションプラザ東海)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
68 金属切削屑の省エネ固相リサイクル技術の確立と実用化 金武直幸 名古屋大学 押谷克己 名古屋大学 提案方法により延性に優れた特性が得られたことは評価に値する。今後はコスト面や、知的財産確保に向けた検討も必要と思われるが、企業からの参加もあり、今後の発展が期待できる。
69 判断・操作統合型行動モデルに基づく個人適合型運転行動支援 鈴木達也 名古屋大学 押谷克己 名古屋大学 これまでの研究成果もベースにしながら、当初課題に対して予定通り完了できている。本テーマも含めて特許化が図られる予定であり、実用化に対しても企業との連携が進んでおり、今後の展開が期待できる。
70 可視光制御可能な光スイッチングDNAエンザイムの開発 浅沼浩之 名古屋大学 近藤良治 名古屋大学 当初の計画通りに研究が実施され、当初目標を超えた特筆すべき結果が得られている。また、成果物が市販されるという著しい成果が得られており、企業化の達成として高く評価される。
71 温度補償型TOF-NIRSによる高精度果実非破壊ハイブリッド計測システムの開発 土川覚 名古屋大学 吉田勝 (財)名古屋産業科学研究所 温度変化が激しい選果場で温度補正の上、糖度・酸度・熟度が計測できた。精度の向上やソフトウェアの作成など、残された課題の検討をするとともに、ニーズ調査をさらに深く行い、関連企業との連携が必要である。
72 高容量かつ急速充電可能な分子クラスター電池の創製 阿波賀邦夫 名古屋大学 井門孝治 名古屋大学 研究計画は達成され、従来のリチウムイオン電池に比べ、特性の向上したデータが得られた。実用化にはまだ時間を要するが、今後の進展に期待する。
73 メタマテリアル技術を用いたミリ波導波管スロットアンテナの開発 榊原久二男 名古屋工業大学 岩間紀男 名古屋工業大学 アンテナの指向性範囲については当初目標を上回っているが、利得に関しては、目標値に達しない結果となっている。発想がユニークな研究で、今後の技術課題も明確にされており、更なる研究に期待する。
74 多剤耐性を克服する新物質の開発 山村初雄 名古屋工業大学 岩間紀男 名古屋工業大学 当初の試験項目を予定通り終了した。新しい創薬コンセプトであり、まだ実用化には遠いが、今後の戦略次第では企業化へ繋がる可能性がある。研究継続に期待したい。
75 動脈硬化度の精密測定を目指した血管平滑筋機能評価装置の開発 松本健郎 名古屋工業大学 岩間紀男 名古屋工業大学 研究計画は達成され、得られた結果は評価に値する。装置自体も簡便なものを開発しており、実用化に向けて前進した。特許出願を終え、次へのステップに進む具体的な戦略が示されており、今後の展開に期待できる。
76 難治性筋疾患の複合的治療法の前臨床試験研究 土田邦博 藤田保健衛生大学 吉田勝 (財)名古屋産業科学研究所 当初の試験項目とは異なった内容となっているが、臨床的に大変意義ある研究である。研究結果も実用化の可能性へ期待が持てるもので、今後の更なる研究に期待したい。
77 Cre-loxによる新規遺伝子増幅系を用いたタンパク質増産系の開発 堀内 嵩 基礎生物学研究所 大森茂嘉 (財)名古屋産業科学研究所 本研究期間に方法論として確立するには至らなかったが、今後の研究の結果次第では、生物学的にも有用性が高く、経済的にも大きな市場が期待できる研究である。

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 三重:2件  (JSTイノベーションプラザ東海)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
78 生体臓器における酸化ストレスの可視化イメージング技術の開発 寺西克倫 三重大学 中野昭彦 (財)三重県産業支援センター 生体臓器内の酸化ストレスを可視化しようとするチャレンジングな課題であり、画像イメージングまでは成功しなかったが、検出には成功している。当初より企業と共同研究を進めてきており、企業化への見通しは明るい。
79 医薬品・食品の嚥下機能評価システムの開発 松岡敏生 三重県工業研究所 河合真 三重県工業研究所 高齢化に伴い嚥下の問題は早期に解決されなければならない重要問題であり、得られた成果は評価に値する。今後この分野の研究は更に進展すると推測され、関係機関との連携等、継続して取り組まれることが期待される。

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 滋賀:1件  (JSTイノベーションサテライト滋賀)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
80 災害予知を目的とした超音波による地中水分水位モニタリングの実用化研究 深川 良一 立命館大学 柳瀬 圭志 立命館大学 今回の研究目標である野外における実用的なモニタリングシステムの展開が達成できたか不明である。添付の発表論文の内容も今回の野外実験実施以前のものであり、今回の野外実験で得られたデータの妥当性に関する考察が示されていない。防災の観点からも早期の実用化が望まれるが、企業化および特許の可能性を見いだすにはデータの考察が不足している。

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 京都:11件  (JSTイノベーションプラザ京都)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
81 Pモード超音波診断技術の臨床応用に関する研究 福澤理行 京都工芸繊維大学 行場吉成 京都工芸繊維大学 Pモード超音波診断の臨床応用に関するもので、倫理委員会の手続き関係で一部実施できなかった部分もあるが、機器の試作も行い、ほぼ目標を達成できている点は、高く評価できる。開発装置がどのように臨床的に役立つのか、どの程度、応用範囲を拡大できるのかという点について、アピールすれば、技術移転の可能性が高まるものと思われる。今後の更なる研究の進展が期待される。
82 レーザー駆動浸透クロマトグラフィーの開発と応用 一ノ瀬暢之 京都工芸繊維大学 行場吉成 京都工芸繊維大学 全く新しい原理に基づくクロマトグラフィの分離技術であり、注目に値する内容であると評価できる。分子量分解能を明確にして、クロマトグラフィとしての実用性を明らかにすることが望まれる。商品化に向けた課題の解決を、全て大学で行うには、かなりの困難が予想されるので、装置としての実用化を目指す企業が早く現れることが期待される。
83 テーラーメード医療のための網羅的疾病診断システムの開発 熊田陽一 京都工芸繊維大学 行場吉成 京都工芸繊維大学 平成19年度から、一連のシーズ発掘試験を通して着実に研究を進め、安価かつ迅速な免疫診断チップの実現に大きく近付いた点は、高く評価できる。感度の向上を図り、この新しい方法論の特徴をよく発揮できる対象を明確にして、実用化に向けて進むことが望まれる。
84 有機溶媒耐性酵母の耐性機構解明による耐性機能を強化した生体触媒の創製 黒田浩一 京都大学 藤森賢也 京都大学 酵母や糸状菌類の表面タンパクを分子加工することにより、特定有機物などに耐性のある菌類を創出するテーマで、堅実に研究が行われており、有用な知見が得られている。本申請課題は企業化によって広範な効果をもたらす可能性を秘めており、今後の大いなる発展が期待できる。
85 遺伝性・炎症性角化症に対するカンナビノイド作動薬による治療の確立 高橋 健造 京都大学 樋口修司 京都大学 本課題はスケールが大きく実用化には時間がかかるが、カンナビノイド作動薬が希少疾患ダリエー病だけでなく、乾癬症に対する効果も有することを見い出したことは高く評価できる。是非とも成功させて今後の日本発の創薬を隆盛させてもらいたい。
86 医学用語シソーラスに基づく医療文書入力支援システムの開発 金子周司 京都大学 樋口修司 京都大学 データ入力、及び、解析プログラムを作成し、それらの有効性が確認できたことは、高く評価できる。知的財産権の保護は、著作権のみならず、特許権の利用も検討すべきと思われる。企業と共同研究を行い、実用化に向けて進むことが期待される。
87 地盤環境物理探査と赤外線計測の結合による斜面崩壊予測技術の開発 小杉賢一郎 京都大学 門林剛士 京都大学 本試験中に20箇所以上の森林をセンシングし有用性が確認されている。平成20年度のシーズ発掘試験の成果と組み合わせることで、がけ崩れの危険予知のツールとして実用化が期待される。産業応用に加えて、国レベルで社会インフラシステムとして作っていく動きとの連携が望まれる。
88 圧縮木材製接合具を用いた高剛性・高靱性な木質ラーメン架構の開発 小松幸平 京都大学 笹田滋 科学技術振興機構 研究計画が緻密であり、構成要素からラーメン架構にいたる力学的特性を解明しようとする姿勢は、高く評価できる。製品の基本的なアイディアは明確であり、その構造学的効果が十分有効であることが明らかになった。知的財産権を確保するとともに、コストも含め、商品化に向けた具体的進展が期待される。
89 より多様なウイルスに耐性を有する農作物の開発 世良貴史 京都大学 内田逸郎 科学技術振興機構 分子工学的にウィルス耐性を有する植物を作出する試みで、野心的なテーマである。申請者は目的達成に必要な過程をよく整理し、それを確実に実施し、達成したことは高く評価できる。企業も興味をもっており、次のステップでは企業と共同研究の形で進めることを期待したい。
90 セリシン定着ハイドラフト生糸を用いた製品の実用化研究 徳本幸紘 京都府織物・機械金属振興センター 西村敏弘 科学技術振興機構 平成20年度シーズ発掘試験の成果である新規生糸製品の実用化の検討であり、今回の試験研究で低コスト化や量産化の検討を行っている。本製品は既に対外から高い評価が得られており、早期の事業化による地域産業への貢献が期待される。事業化に先立って、知財権確立の検討が望まれる。
91 生体電気インピーダンス式筋肉量測定と運動処方連携システムの開発 米井嘉一 同志社大学 永田和彦 同志社大学 非侵襲的検査機器による身体計測と運動処方の画像を携帯電話で提供するもので、多くの企業と協力して研究開発を進めており、産学連携による事業化にかなり近付いたものと判断される。研究の成果を、学術的、技術的な面から開示し、客観的データとして示すことが望まれる。

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 大阪:15件  (JSTイノベーションプラザ大阪)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
92 重度難聴者のための新型補聴器の開発:両耳装用方式による音像定位能の付加 中川  誠司 産業技術総合研究所 佐藤 義幸 産業技術総合研究所 当初計画の目標をほぼ達成し、特段の進捗、特筆すべき成果が得られている。知的財産権確保についての十分な検討が行われるとともに、企業化への見通しも明らかとなり、実際にアクションもとられている。
93 ペプチドのβ―シート構造を利用した組織工学用足場の創出 平野 義明 関西大学 柴山 耕三郎 関西大学 当初計画の各項目は概ね実施し、一応の成果が得られている。企業化に向けては更なる検討が望まれる。知的財産権の確保についても計画・検討されており、早急なアクションが期待される。
94 骨芽細胞を誘導できる高QOL型人工骨の開発 岩崎 光伸 近畿大学 松本 守 近畿大学 概ね実験計画通り研究が遂行されており評価に値する。ただし、ウサギを用いたin vivo実験までは到達しているが、やはりヒトへの展開が望まれる。論文発表やPCT出願も行っており、将来的には企業化が十分に期待できる。
95 発蛍光型長寿命蛍光プローブ開発に基づく生体分子高精度検出法 菊地 和也 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 細胞レベルでの使用可能な分子測定系を開発し、成果が得られている。また、商品化に向けて展開すべき方策が具体的に示されている。知的財産権の確保に対する取り組みにも具体性がある。今後の発展が大いに期待される。
96 細菌の宿主細胞侵入モチーフを用いたワクチンデリバリーシステムの構築 寺尾 豊 大阪大学 大野 安男 科学技術振興機構 細菌の宿主侵入機構を利用したワクチンのデリバリーシステムの構築を目指したユニークな研究で、論文や学会発表など成果は確実に上がっている。実際の商品化や知的財産権申請までには至っていないが、今後取り組むべき具体的な計画が示されている点は評価できる。
97 グリーンかつ高効率なアルコール酸化によるカルボニル化合物製造法の開発 満留 敬人 大阪大学 沼本 紀良 大阪大学 申請書の記載項目をほぼ実施し、計画通りに進捗している。特に、銀ナノ粒子固定化ハイドロタルサイト触媒の改良を行い、安価かつ汎用性の高い銅ナノ粒子がラクトン合成に高活性を示すことを見出したことは大きな成果である。今後はスケールアップ時の課題解決や工業化に向けた具体的なターゲット特定に努めることが望まれる。
98 タグ法による合成ペプチド精製 相本 三郎 大阪大学 土居 幹生 大阪大学 当初目指した完全タグ法は有効でないことが判明したが、可溶化タグ法ではそれなりの進捗が見られる。知的財産権確保についても具体的に計画されており、今後の成果次第では企業化に繋がることが期待される。
99 強度異方性を解消した高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム展伸合金の開発 近藤 勝義 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 目的に沿った研究成果が十分に得られており、今後商品化する上での解決すべき検討事項や知的財産権申請に向けた具体性などが示されており、今後の展開が大いに期待される。
100 微小癌の早期発見と術中蛍光診断を達成可能な蛍光−MRIバイモーダル複合造影剤の開発 向 洋平 大阪大学 大野 安男 科学技術振興機構 本研究の成果からPEG-Au/SPIOがin vivoでも利用できることが期待できるとともに、腫瘍特異性の高いモノクロナール抗体を変えることでPEG-Au/SPIOの汎用性が高まることが予想される。今後は、さらにin vivo実験を重ね、最終的にはヒトへの有効性を明らかにすることが望まれる。
101 次世代汎用型高強度・高耐摩耗性を有する耐熱金属間化合物合金の開発 金野 泰幸 大阪府立大学 阿部 敏郎 大阪府立大学 当初計画の実施項目を着実に遂行している。開発合金製のボールベアリングを試作するとともに、性能評価も明瞭であり、その成果を新聞報道にまでつなげた点は高く評価できる。企業化に向けた展開計画も明瞭であり、実用化の可能性はきわめて高い。
102 キシロース資化遺伝子発現変異酵母を用いた植物系廃棄物の再資源化 岸田 正夫 大阪府立大学 下田 忠久 大阪府立大学 キシロースからのアルコール生産にまで及んでおらず、アルコール生産の最適条件を求めるという当初目標の達成までには至っていない。企業化にはしばらく時間を要すると思われるが、今後、企業側が興味を示すような成果を提示するとともに、知的財産権確保に向けた具体的な計画を検討することが望まれる。
103 磁場に不感な極低温汎用温度計の開発 四谷 任 大阪府立大学 巴月 康彦 大阪府立大学 CrNが高磁場中でも使用できる温度計として有効なことを示しており、当初の目標を十分に達成している。また、企業との実用化に向けた共同研究や特許出願の準備も行われている。今後は経時変化や熱サイクルに対する点などの対策が進めば、実用化が進むものと期待される。
104 高強度・高弾性チタンクラッドマグネシウム合金薄板成形品の開発 井上 博史 大阪府立大学 巴月 康彦 大阪府立大学 計画目標を十分達成し、次の課題も明確となっている。また、 絞り加工での評価など、実用化を視野に入れて取り組んでいる。今後は、単純な絞り加工での段階から、少し複雑な絞り加工を共同で開発できる企業を探索し、実用化を進めることが期待される。
105 固体触媒‐高温溶液系の紫外可視マイクロフロー吸光分光計の開発 川村 邦男 大阪府立大学 植嶌 陸男 大阪府立大学 企業との共同研究や知的財産権確保に向けての検討など、企業化に向けた取り組みが行われている。実用化した場合に実際の市場がどの程度あるのかの問題はあるが、周辺技術の整備による製品化、企業化を期待したい。
106 新規機能性過熱水蒸気を得るためのボイラーレス過熱水蒸気発生装置 宮武 和孝 大阪府立大学 阿部 敏郎 大阪府立大学 目標以上の省エネルギー効果、殺菌効果を明らかにするなど、当初計画を十分に達成している。応用展開を企業と開始し、生産販売も予定されている。今後の進展が大いに期待される。

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 兵庫:5件  (JSTイノベーションプラザ大阪)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
107 レーザースキャナを用いた歩行者および車両動態計測システム 田中 雅博 甲南大学 安田 耕三 甲南大学 実際に歩行者や車両のカウントが行われており、実用的で、簡単に使えるシステムが試作されている。誤差10%以下の目標に対して5%以下を達成し、特許出願も行っていることは大いに評価できる。今後は企業化に向けた展開に努めることが期待される。
108 生体自己組織化構造リポソームの高効率生成装置の開発 鈴木 洋 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 製薬に重要なリポソームのフロー法による調製法の改良研究で、有機溶媒不要で乾燥工程を省略できることを見出している。しかし、調製したリポソームの安定性などについては更に検討する必要があると思われる。知的財産権確保に向けた具体的な計画も示されており、今後は、企業との共同研究などによる企業化への取り組みが期待される。
109 マルチチャンネルタンパク質フィンガープリントセンシングシステム 竹内 俊文 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 当初計画に対して十分な成果が得られ、国際学会での報告や論文作成も積極的に行われており、評価に値する。これらの成果を基にした展開が期待される。知的財産権の確保についても検討されているが、今以上に積極的な取り組みが望まれる。
110 自閉症者・知的障がい者の音声・画像処理による個人適応型支援機器の開発 滝口 哲也 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 当初計画の目標を概ね達成してはいるが、現時点では企業化の可能性を見出すには不十分な点がある。知的財産権確保に関する検討などを行うとともに、今後は戦略的な展開が期待される。
111 マイクロクラスタービームの開発 持地 広造 兵庫県立大学 上月 秀徳 兵庫県立大学 分析分野の潜在的重要技術であり、研究の目標は非常に興味深いものがある。当初計画の目標は未達成であるが、着実に進行している。目標を達成できれば知的財産権の確保や企業化が大いに期待できる。

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 奈良:2件  (JSTイノベーションプラザ京都)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
112 光応答性界面活性剤によるベシクル破壊と内包DNAの光放出 宇田亮子 奈良工業高等専門学校 芳野 公明 奈良工業高等専門学校 光応答性界面活性剤によるベシクル破壊によって、内包してある生体高分子DNAを放出する試みで、種々の検討がなされたが、期待した結果が得られていない。低分子のグルコース放出から高分子のDNA放出へと一歩を踏み出しているが、今回の結果の解析を基に、課題解決のアイデアを検討するなど、基礎に立ち戻ることが望まれる。
113 希土類ナノ結晶を含む新型光アイソレータ材料の開発 長谷川靖哉 奈良先端科学技術大学院大学 戸所義博 奈良先端科学技術大学院大学 今回、Euナノ粒子のポリマー中への高濃度分散について目標を達成できなかったが、ナノ結晶の形状評価など有用な知見が得られている。従来不可能であった波長領域でのアイソレータが可能となるので、実用化に向けての進展が期待される。共同企業との強い連携が望まれる。

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 鳥取:2件  (JSTイノベーションプラザ広島)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
114 がん組織特異的に作用する新規機能性間葉系幹細胞の創出 井上 敏昭 鳥取大学 山岸 大輔 鳥取大学 本研究課題は細胞治療の一種であり、遺伝子治療に対する優位性のアピール・棲み分けが必要と考える。今回は最終結論に達していないが、今後の展開に期待したい。
115 癌細胞を正常細胞へ形質転換するマイクロRNAの解析と医薬開発 三浦 典正 鳥取大学 清水 克彦 鳥取大学 当初目標を達成し、特許出願もなされており、癌抑制薬の開発に向けて着実に研究が進められているものと評価される。なお、申請書および報告書の文章をもう少し平明に整理することが望まれる。

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 島根:1件  (JSTイノベーションプラザ広島)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
116 新しい蛍光剤・酸化亜鉛ナノ粒子を活用した早期がん診断技術の開発 中村 守彦 島根大学 宮崎 稔 島根大学 がん細胞のナノイメージングプローブは国際的にも競合が多いが、本プローブはユニークな特性を持っている。消化管や膀胱の表面、近位気管支などに限定されると考えられるが、実用化に向けての今後の展開が期待される。

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 広島:4件  (JSTイノベーションプラザ広島)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
117 高延性・高強度ナノボールの開発と応用 吉村 敏彦 呉工業高等専門学校 繁村 龍彦 呉工業高等専門学校 Cナノボールの開発を進め、画期的な成果を得ている。企業化、知財化を図るためには、まだ地道な研究が必要と思われるが、今後の展開が大いに期待される。
118 水を用いるイオンクロマトグラフィーによる水質モニタリング法の開発 田中 一彦 広島大学 伊藤 勇喜 広島大学 個々の成果は評価されるものであるが、水質評価を1台の装置で可能とする申請時の目標の達成度について、明確化が望まれた。優れた研究目標であり、地球環境保全のためにもさらなる企業化推進が望まれる。
119 可溶性両極有機半導体の開発と塗布プロセス有機CMOSへの応用 瀧宮 和男 広島大学 榧木 高男 広島大学 CMOSについては当初の性能が得られなかったが、様々のチエノキノイド系材料を開発されており、n型単極材料としての開発をユーザーである企業との共同によって実施されることにより実用化が進展するものと考えられる。
120 高性能有機ラジカル電池の開発 井上 克也 広島大学 榧木 高男 広島大学 分子量580万と驚異的に高分子量のラジカル高分子が得られており、高機能化が期待される。電気伝導測定による性能評価は必要と思われるので、今後の研究での検討が望まれる。

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 徳島:1件  (JSTイノベーションサテライト徳島)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
121 金属ストロンチウムを用いる簡便な機能性材料合成手法の開発 三好 徳和 徳島大学 平岡 功 徳島大学 計画通り研究は遂行された。企業化に関しては、企業が求める具体的化合物に焦点を絞る方向で研究が進められている。出願の基本特許があるが、出願後、3年以内に審査請求したとの記述がないので、公開だけと思われる。技術には独自性があるので、新たな新規の出願をお勧めする。

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 香川:2件  (JSTイノベーションサテライト徳島)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
122 ホウ素含有ナノ粒子の中性子捕捉療法用薬剤化に向けた薬物輸送機能付与のため表面修飾試験 石川 善恵 香川大学 渡辺 利光 香川大学 オリジナルなホウ素含有ナノ粒子を用いたがんの中性子捕捉療法の開発を目的とした研究である。学術的な成果は得られているが、企業化のための具体的な企業との連携研究が実施されていない。ホウ素化合物と中性子照射の実用化は医療における重要な課題であり、動物実験の段階にまで至っていない点が惜しまれる。知的財産権確保の努力を期待する。
123 最先端民生技術を用いた地域宇宙開発の加速化 能見 公博 香川大学 渡辺 利光 香川大学 研究者はテザー宇宙ロボットという先進的な研究を行い、香川衛星1号機の打ち上げに成功したことは、インパクトの大きい出来事である。今回は、香川衛星2号機の開発のために地元企業の民生品の評価.検証を目的として試験研究を行い、概ね80%の達成度が得られたと記している。しかし、今回の成果について、商品化・企業化の具体策や特許出願の予定などが示されていないのは残念である。衛星打上げ延期のため、当初の目標を達成していない部分もあるが、それを上回る特筆すべき成果が得られたと判断する。地元企業の受けたメリットの報告がほしかった。

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 愛媛:3件  (JSTイノベーションサテライト高知)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
124 最高級魚”クエ”のマイクロサテライトDNA解析による親魚選抜技術の開発 山下 浩史 愛媛県農林水産研究所 金尾 聡志 愛媛県農林水産研究所 最高級魚”クエ”のマイクロサテライトDNA解析による親魚選抜技術の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,特筆すべき研究成果が得られたと認められ,高い実用化の可能性も見出されています.現時点では,この成果の企業化をどのように進めるかが明確ではありませんが,次のステップに向けた貪欲なチャレンジ精神が地域活性化のために期待されます.また,企業化に必要な知的財産権確保と,今後の特許取得戦略については,充分な検討が行われています.
125 前駆体塗布法有機電界効果型トランジスタ作成用試薬の開発 宇野 英満 愛媛大学 入野 和朗 愛媛大学 前駆体塗布法有機電界効果型トランジスタ作成用試薬の開発に関して,興味ある新規物質を見出すなどの成果が得られ,高い実用化の可能性が見出されています.また,事業化に向けた新たな具体的アクションと更なる研究計画,例えば,2社との共同研究を開始するなどが明らかにされています.さらに,事業化に必要な特許等の出願も行われています(出願予定を含む)し,今後の特許取得についての具体的戦略も示されています.
126 癌治療臨床応用に向けての癌細胞ミサイル攻撃機能を有する人工細胞の開発 加藤 敬一 愛媛大学 入野 和朗 愛媛大学 癌細胞ミサイル攻撃機能を有する人工細胞の開発に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの研究成果が得られたと認められます.新たな癌治療法として期待されますが,ベシクルの滅菌や大量製造法の開発や安全性の問題など,解決すべき問題が残されています.研究代表者は平成21年度で定年退職しており,2名の研究者が引き継ぐ予定であるなど,研究進展に向けた新たな具体的アクションが示されています.さらに,実用化に必要な特許等の出願も行われています(出願予定を含む)し,今後の特許取得についての具体的戦略も示されています.

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 高知:3件  (JSTイノベーションサテライト高知)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
127 牛の行動管理システムの応用開発 川原 尚人 高知県畜産試験場 宮村 和典 高知県畜産試験場 牛の行動管理システムに関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められ,高い実用化の可能性も見出されています.また,事業化に向けた新たな具体的アクション,例えば,総務省SCOPEのプロジェクトへ有効に継承されているなどが示されています.さらに,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われています.本研究成果は,発情発見のみならず,牛の状態把握のための補助ツールとして非常に優れていると考えられ,特に大規模農家において有用であると推測されます.他の類似技術との差別化・優位性確保に注意されて,研究をさらに進展されることを期待いたします.
128 皮膚癌多発マウスを用いた新規シグナル阻害薬の紫外線による前癌症状の抑制効果 横川 真紀 高知大学 石塚 悟史 高知大学 新規シグナル阻害薬の紫外線による前癌症状の抑制効果に関して,研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,当初の目標通りの成果が得られたと認められます.ただし,スタット3の阻害薬の抗皮膚癌効果については,動物実験で抑制効果が示唆された程度であるという懸念材料があります.しかしながら,高知という地域性(紫外線が強く,日光角化症が非常に多い地域である)を考えても,本研究は,非常に的を射たものであり,既に臨床実験も開始されていますので,今後の研究進展に期待いたします.なお,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても検討が行われています.
129 界面重合反応による新規ナノ構造体合成法を活用した機能紙の開発 市浦 英明 高知大学 安田 崇 株式会社テクノネットワーク四国 界面重合反応による新規ナノ構造体合成法に関して,当初計画からの変更はあったものの研究実施計画に記載されている事項が遂行されて,目標通りの成果が得られたと認められ,高い事業化の可能性も見出されています.特に,界面重合で多様な高分子表面を構築する調整条件の探索と支配因子の解明は高く評されます.さらに,企業化に必要な知的財産権確保と今後の特許取得戦略についても,充分な検討が行われています.本研究では,新規ナノ構造体に期待される多様な機能の評価法の確立と実用品の開発が待たれます.

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 福岡:6件  (JSTイノベーションプラザ福岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
130 静電誘導法を用いた超伝導体のナノ深さ表面抵抗測定装置 孫 勇 九州工業大学 大矢 伸宏 九州工業大学 実験装置の納期が遅れ、研究計画を変更したことはやむを得ないが、本試験研究において進展した部分が不明瞭である。これまでの研究成果と残された課題を整理し、引き続き、実用化にむかった研究を進めていただきたい。
131 データ圧縮の理論に基づく超大規模データ検索の実現 坂本 比呂志 九州工業大学 田中 洋征 九州工業大学 圧縮された索引構造、圧縮データから検索を行うためのデータ構造を実現し、超大規模データ検索を実現する準備を整えた。次のステップで日本語データに対応するとともに、知的財産の確保と実用化を図ることを期待する。
132 省資源と高特性を両立する微細粒高窒素チタン合金の開発 土山 聡宏 九州大学 古川 勝彦 九州大学 試験内容を変更しているが、2種類の合金系の内、1種のみしか実施されていない。また、疲労試験を行って窒素の影響について検討することになっていたが、実施されていない。企業化には製造メーカーとの連携研究が必要である。
133 ソフトウエア無線用リング型超低消費電力・リコンフィギュアラブルDCOの開発 ポカレル ラメシュ 九州大学 古川 勝彦 九州大学 擬フィボナッチ数列を応用したトランジスタ最適化手法を用いて、DCOの消費電力を従来型より7割ほど削減した。今後は、知的財産を確保するとともに、企業との共同研究等により実用化を図ることを期待する。
134 気相系光触媒及び放射線誘起表面活性における活性の定量評価方法の実用化 川口 俊郎 九州産業大学 藤本 敏樹 九州産業大学 本技術の基になる出願特許は、研究実施期間中に登録されていることから、新規性は高く、光触媒材料の新しい性能評価法として期待できる。しかし、得られた結果に関する具体的な記述に乏しい。具体的なデータを示した説明をすべきである。
135 機能性を有するシリカナノファイバーバイオデバイスの開発と応用 山口 哲 福岡県工業技術センター 鍛治 茂樹 福岡県工業技術センター シリカナノファイバー細胞培養担体の高機能化、その応用について、充分な成果が得られている。企業との共同研究も進み、共同出願も成されている。先行する細胞培養担体に対する優位性を確たるものとし、実用化が図られることを期待する。

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 佐賀:1件  (JSTイノベーションプラザ福岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
136 リグニンを原料とする中空炭素微粒子の環境調和型製造技術の開発と微粒子の実証評価 亀川 克美 産業技術総合研究所 安部 英一 独立行政法人産業技術総合研究所 実験は、予定通り実施されている。実用化を目指し、用途開発の実験と大量製造法の検討をされることを勧める。企業との共同開発を通して、実用化が加速化することを期待する。

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 長崎:2件  (JSTイノベーションプラザ福岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
137 下痢原性大腸菌の病原毒性の強さの蛋白化学的な手法による評価 和田 昭裕 長崎大学 藤原 雄介 長崎大学 設定した試験項目は全て達成され、それに基づき知財も確保されたことは評価できる。但し、検体中の未知の菌に対して、予め適切な培地を選択することは困難であり、さらに菌は培養条件によって分泌蛋白が変化することもあり、この問題を解決して、簡便な診断法として実用化することが課題である。また、発展途上国での応用が考えられるが、現行の技術・手法をしのぐ利点は何かを明らかにしていただきたい。
138 妊娠初期の母体血を用いた妊娠合併症の発症リスク検査法の開発と応用 三浦 清徳 長崎大学 藤原 雄介 長崎大学 新しくHELLP症候群および絨毛性疾患に特異的な分子マーカー(mRNA/miRNA)を同定している点が評価できる。この発見の臨床での確認と、この発見を基にした診断薬の開発がなされることを希望する。

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 大分:1件  (JSTイノベーションサテライト宮崎)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
139 新たな可変剛性型動吸振器による振動・騒音抑制技術の開発 劉 孝宏 大分大学 近藤 晋一 大分大学 振動と騒音を抑制する研究成果を基に、試作器を製作し、性能を実証している。数社から共同研究の提案もあり、早期の実用化が期待される。

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 宮崎:2件  (JSTイノベーションサテライト宮崎)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
140 高速充放電対応型二次電池用ニッケル系正極材料の開発 酒井 剛 宮崎大学 和田 翼 宮崎大学 高速放電用の各種の水酸化ニッケルの微細結晶構造の効果を明確にしている。同様の概念を展開することが期待される。
141 人工透析シミュレータ臨床システムの開発 竹澤 真吾 九州保健福祉大学 平井 澄夫 宮崎県産業支援財団 より汎用機器にするには、更なる改善が必要であると考えられるが、現段階の試作品でも使用可能であり、企業化の可能性が極めて高いものと判断できる。

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 鹿児島:2件  (JSTイノベーションサテライト宮崎)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
142 HB-EGF関連分子の難病治療への医薬化応用 小戝 健一郎 鹿児島大学 中武 貞文 鹿児島大学 HB-HGF関連分子XのsiRNAの導入により、血管新生が抑制され、VEGFやHGFで誘発される眼の血管新生の動物モデルで治療効果を示したことは大変興味深い。本研究の早期臨床応用が期待される。
143 p型導電性高分子を用いた可視光応答する光蓄電池電極材料の開発 野見山 輝明 鹿児島大学 中武 貞文 鹿児島大学 実用デバイス化の最低性能には5倍の高効率化が必要であるが、本研究で従来性能の20倍程度向上出来た成果は評価できる。電着以外のpTh成膜技術も検討し、高効率化されることを期待する。又、知財については1件の出願をし、さらに1件の出願を計画しており、特許取得に積極的な姿勢は高く評価できる。

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 沖縄:3件  (JSTイノベーションプラザ福岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 評価コメント
氏 名 所 属 氏 名 所 属
144 絶縁基板上光電機能素子用Si系半導体の製法と構造に関する研究開発 野口 隆 琉球大学 宮里 大八 琉球大学 0.2μm厚セルをレーザアニーリング後結晶化して光電特性を確認し、2μm厚セルでエネルギー変換効率20%の可能性を見出した等の成果があるが、電気的特性の実証は不十分である。今後の補強と企業等との連携推進を期待したい。
145 障害者用インテリジェント・コンピュータ・インタフェース 比嘉 広樹 琉球大学 宮里 大八 琉球大学 脳波計測ユニット、及び長時間入力可能な眼球運動検出ユニットを試作し、健常者を対象とした計測評価した点は評価できる。しかし、当初目標とした数chの脳波特定等5項目は手つかずとなっており、計画段階での課題の絞り込みが必要である。
146 沖縄産カンショの高度機能性成分を利用した応用研究 平良 淳誠 沖縄工業高等専門学校 宮里 大八 琉球大学 動物実験における機能性評価も含め研究計画はほぼ達成している。ただ、企業化に向けた方向性が示されていない。特に甘藷の葉をどのように加工し、食品として開発するかを示してほしい。

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