No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
20 |
熱潤滑挙動とトライボ設計を考慮した環境負荷低減型液圧ポンプの開発 |
風間 俊治 |
室蘭工業大学 |
花岡 裕 |
室蘭テクノセンター |
液圧ポンプは,高動力密度,高応答性を有するフルードパワー(液圧)システムの要である.その信頼性や効率は,摺動部のトライボロジー(潤滑,摩擦,摩耗)で決まる.本課題は,液圧工学とトライボロジーの科学と技術を礎として,信頼性や環境適合性の高付加価値を指向する機器要素開発研究である.特に,各摺動部の熱潤滑挙動に焦点を当て,そのトライボロジー特性を把握する. |
22 |
枝豆自動莢剥き機の開発 |
佐賀 良市 |
十勝圏振興機構 |
大庭 潔 |
十勝圏振興機構 |
莢を剥いた豆のみに着目する食品メーカーは多々あり、現場での莢剥きには他の使用目的である既存の機械を改良したり、人手によって剥かれたりしている。 そこで本課題では、食品加工工場において生産ラインに組み込むことが可能なクラスの莢剥き機械の開発を行うものである。大量の処理能力が必要とされることから、課題は莢剥きから豆の排出までに至る機構部分である。 |
180 |
粒子分散型機能性流体による電界ブレードを用いた微細加工技術の開発と応用 |
赤上 陽一 |
秋田県産業技術総合研究センター |
佐藤 明 |
秋田県 |
安価・簡便、高い信頼性の遺伝子解析機器の創出のため、マイクロ流路を容易に創製する加工技術の確立に向けた低環境負荷下における微細加工技術を開発する。現在までに、砥粒を分散させた機能性流体に電界を印加しその増粘効果を用いた、いわゆる電界砥粒制御技術を開発しており、この技術を微細流路加工に用いることで、半導体技術に依存せずに容易に数μm〜数十μm幅を有するマイクロ流路の形成方法を開発する。 |
209 |
EHDポンプ駆動による細管内振動熱輸送システムの開発 |
鹿野 一郎 |
山形大学 |
西岡 昭博 |
山形大学 |
本課題は,局所発熱体である電気デバイスの冷却を目的として、さらなる微細化、省電力化、低コスト化を実現できる省スペース液体冷却システムを開発する。具体的には、液体振動流(振幅1〜50mm,振動数1〜5Hz)を発生させるEHDマイクロポンプの開発、EHDマイクロポンプを液体振動源とした熱輸送システムの開発、液体振動流による熱輸送量を最大にする最適周波数の特定を行なう。 |
219 |
超臨界二酸化炭素を利用した有機固体混合物の自動分離装置の開発 |
加藤 昌弘 |
日本大学 |
松岡 義人 |
日本大学 |
本試験では,超臨界流体の逆行析出現象を利用し,特に医薬品や機能性材料など固体混合物を自動分離することが出来る省エネ性に優れた装置を開発することを目的とする。具体的には,超臨界流体として二酸化炭素を用い,循環ポンプを使用せず,装置内の温度勾配を利用した自然対流循環によるコンパクトな分離装置の開発と固体混合物の特性に応じた分離条件の検討を行う。 |
222 |
液晶用拡散反射板の微細表面形状加工のための振動切削装置の開発 |
小野 裕道 |
福島県ハイテクプラザ |
大河原 薫 |
福島県ハイテクプラザ |
屋内外で使用される携帯電話等の小型液晶パネルに組み込まれる拡散反射板は,屋外での輝度向上のため大きさ数十μm の凹球面を不均等間隔に配した表面形状(ディンプル形状)が有効である.本研究では母型(金型)に上記ディンプル形状を高速かつ安定して加工するための振動切削装置を開発し,振動と駆動部発熱の評価を行う.また,拡散反射板母型の加工実験を行う. |
223 |
マイクロインサート成形用金型の精密位置決め機構の開発 |
安齋 弘樹 |
福島県ハイテクプラザ |
大河原 薫 |
福島県ハイテクプラザ |
現在、インサート成形はインサート品の位置決めと保持が容易な縦型成形機で行われるのが一般的であるが、樹脂量を高精度に制御すること難しいため、微小部品の成形には向かない。一方、微小な成形に特化したマイクロ成形機は横型成形機が主流であるため、インサート品の高精度な位置決めが難しいのが現状である。本研究では、微小部品をインサート成形により作製する際の、インサート品の固定方法およびインサート品とプラスチック壁部の精密位置合わせ機構を開発することを目的とする。これにより、電極付マイクロ細胞培養チップや微細電子部品をインサート成形により作製することが可能となる。 |
256 |
だるま落とし保護法を用いた糖鎖自動合成機の開発 |
今場 司朗 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
小林 秀行 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
生物機能の解明と活用のためには、第3の生命鎖と呼ばれる糖鎖の機能解明が必須である。しかし現在においても、DNA自動合成機、ペプチド自動合成機は存在するが、満足のいく糖鎖自動合成機は存在しない。そこで、本提案では申請者が独自に開発した糖鎖合成手法である「だるま落とし保護法」に最適化した、市販化を見据えた廉価な糖鎖自動合成機の基本システムの構築を目指す。 |
266 |
河川水門制御用油圧シリンダの容積可変機構の開発 |
桜井 康雄 |
足利工業大学 |
枝村 一弥 |
東京都 |
河川水量調整用の用水路水門開閉用油圧システムにおいて、油圧シリンダに作動油を封入し水門の位置を保持する際、作動油の外気温依存による油圧シリンダ内の圧力変化が生じ、水門の位置を保持するために油圧源を駆動し弁制御により油圧シリンダ内の圧力を制御しているのが現状である。本研究ではシステムコストの低減ならびに省エネルギーの観点から、油圧シリンダ容積を可変としたシリンダ内圧力一定機構の開発を目指している。 |
293 |
表面機能を発現するレーザ微細加工装置の開発と機能製品の試作 |
池野 順一 |
埼玉大学 |
望月 弘章 |
埼玉大学 |
光学機能を発揮するためにディスプレイ表面には微細加工が施されている。この加工は職人技を必要とするブラスト加工であり,職人の減少によりこれまでの性能が維持できなくなることが危惧されている。しかも,機能を発揮する微細凹凸形状については未だ解明されていない。そこで表面機能を低調的に解明し,レーザ微細加工装置を試作して,より優れた表面機能を低コストで安定して実現できる新加工技術の確立を目指す。 |
316 |
ナノチューブの配向制御と電極化を目的とした光硬化樹脂の伸張流生成装置 |
水沼 博 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
ナノチューブのような棒状粒子を粘性液体に分散させて伸張させるとその粒子は伸張の方向に配向する。応募課題はこの原理を応用するものであり、1.ナノチューブを分散させた極微量の光硬化樹脂液を平板間に挟んで伸張させたり糸引き状に吐出させたりしてナノチューブを配向させ、2.紫外光で樹脂を硬化させ、3.伸張した樹脂端面に垂直に配向したナノチューブを露出させる、新規技術の開発とその基礎研究である。カーボンナノチューブの応用として期待される薄型ディスプレイなどの電子源を、通常の室内環境で容易に製造することを目的としている。 |
377 |
真空中での利用を目的とした安定化ERGの開発 |
柿沼 康弘 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
開発した電気粘性ゲル(Electro-rheological Gel, ERG)は,これに電界を印加するとERG効果と呼ばれる粘着現象が生じる機能性材料である.これまでの研究で,大気圧においてERG効果が発現することは確認しているが,真空下での効果発現は確認されていない.真空下でもERG効果が発現すれば,真空中で利用される様々な力伝達機器への応用が可能となる.そこで,本研究課題では真空中におけるERGの特性を解析し,真空中で安定してERG効果が発現するERGの開発を目指す. |
379 |
枚葉式スピン洗浄装置用完全純水駆動ウォータドライブスピンテーブルの開発 |
中尾 陽一 |
神奈川大学 |
雨森 千恵子 |
神奈川科学技術アカデミー |
ウォータドライブスピンテーブルは,回転テーブルが純水の圧力によって浮上するため,テーブルとケーシングは完全非接触となる.しかも,本装置は,純水のエネルギーを利用してテーブルを回転させる構造を有するため,電動機や伝導要素が不要である.ウォータドライブスピンテーブルの主たる用途は,特に,線幅45 nm以下のシリコンウエハーの洗浄に必要不可欠と考えられている,枚葉式スピン洗浄装置用スピンテーブルである. |
383 |
2倍の切断加工速度を実現するラジアル偏光レーザー光共振器の試作と評価 |
遠藤 雅守 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
従来の加工用レーザーに比べ約2倍の高速切断が可能なラジアル偏光を発生する共振器を試作、ラジアル偏光ビーム発生の実証とレーザー加工性能を確認する。光電場がビーム中心から放射状になったラジアル偏光のレーザー光は、材料に対する吸収率が円偏光ビームの約2倍であり、高速切断が期待されるが加工用では実現できていない。円錐形光学素子を用い、既存レーザーでも容易にラジアル偏光レーザー光が可能な光共振器を実現する。 |
409 |
インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊迅速検出法の開発 |
中野 和弘 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
鳥インフルエンザの突然変異による新型インフルエンザ流行の危険性が指摘されている。一方、ワクチン製造に不適な原料有精卵の選別は熟練作業員の肉眼で行われている。本課題の目的は、人間の肉眼によるワクチン製造不適卵の作業を代替する自動選別装置の開発である。この装置は、ワクチン製造技術の未熟な東南アジア諸国をはじめ世界的に貢献するものである。 |
418 |
多孔質含油材料の小型モータ用しゅう動接点(電気接点)への適用 |
金子 覚 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
近年,しゅう動接点(電気接点)は半導体産業の高度な発展と伴いますます小電力化の一途を歩むと同時に高信頼性が要求されている.しゅう動接点部で要求されることは(1)常時かつ長時間,通電できる,(2)低ノイズである,の2点である.本研究では,しゅう動接点の長寿命化と性能向上を目的として,多孔質含油軸受材料として実績のある焼結金属材料をしゅう動接点に適用し,しゅう動接点部での摩擦・摩耗および接触抵抗の低減をはかる. |
456 |
テナントビル厨房排気を対象とした高性能オイルミスト除去・脱臭装置の開発 |
瀧本 昭 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
焼肉・中華料理等の店舗からの厨房排気臭は,地下街や都市部テナントビルといった「都市・生活型」悪臭として大きな問題となっており,対策としての各種防止規制法が制定されている一方,賠償要求訴訟が増加し,近年ますます重要かつ緊急課題である。本研究では,従来法の「光触媒」脱臭法に凝縮を併用した「光触媒凝縮液膜法」を提案し,複合臭気成分のみならずオイルミストも効率的・経済的に回収する新技術の確立と装置開発のための試験を行う。 |
496 |
軸およびねじり負荷機構一体型多軸油圧シリンダーの開発と応用 |
伊藤 隆基 |
福井大学 |
谷 賢 |
福井大学 |
機械構造材料の強度評価試験の一つとして疲労試験があるが、その中でも特殊な試験として軸およびねじりの複合荷重を繰返し負荷する多軸疲労試験がある。同試験で一般的に用いられる電気・油圧サーボ式多軸疲労試験機で採用されている負荷装置は、軸負荷およびねじり負荷の別々の油圧シリンダーが直列に連結された機構となっている。本研究では、従来の軸およびねじりの各油圧シリンダーの機能を単一の油圧シリンダーで機能する軸・ねじり多軸油圧シリンダーを開発し、その応用・実用化に向けた検討を行う。 |
512 |
コンパクト差動ボールねじの開発とミリストローク超精密位置決め機構への応用 |
深田 茂生 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
本提案は、ボールねじを差動型とする新規構造と安価なロータリーエンコーダーの組み合わせで、これまで対応する製品のなかった1〜数mmストロークに対しナノオーダーの精度の位置決めを可能とする位置決め機構に関するものである。本検討においては、実用化を想定して、これまで試作し・検証に用いたシステムの小型化を目的に、差動ボールねじを新設計して製作し、単体・位置決め機構への組み込みにより性能評価を行う。 |
524 |
ナノ磁性微粒子を用いた毛髪駆動機構の開発 |
藤井 敏弘 |
信州大学 |
清水 信孟 |
長野県テクノ財団 |
本提案は、毛髪の外側のキューティクルと呼ばれる方向性と強度をもつ鱗状の構造体の特性を利用して圧電素子による直動と毛髪内に導入したナノ磁性微粒子による方向制御可能な、新しいタイプのアクチュエータの試作開発を行う。本提案では、内側を空洞化した毛髪内に磁性微粒子を形成する手法を検討し、作成した人工磁性毛髪を用いたアクチュエータを作成してその特性を評価し、マイクロマニピュレータとしての可能性を検討する。 |
528 |
横編機完全同期型ニット原糸染色システム(無縫製色柄編機)の開発 |
奥村 和之 |
岐阜県産業技術センター |
武藤 高義 |
岐阜県研究開発財団 |
ファッショナブルでカラフルなニット製品(セーター等)を製造する代表的な方法として、糸を染色しながら編み上げ生地やセーター1着を丸ごと仕上げる全く新規な装置(以下、「無縫製色柄編機」)を開発する。本装置によれば、ニット組織の凹凸と一体化した先染め特有の深みのある色の表現に加えて、単層の薄物のみならず、縫い目のない無縫製ニット、成型パーツ、組織柄など複雑なニット組織のフルカラー編成が可能となる。 |
599 |
準剛体回転流を用いた微粒子分級方式の高効率化 |
土田 陽一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究は、粒度分布をもつ微粒子群を、まったく乱れのない準剛体回転流中で、粒子に作用する遠心力と流体抗力の、粒度による差を利用して、高精度で粒度分級を行う湿式遠心分級方式の高効率化に関する研究である。本研究では、流れ及び粒子運動の数値シミュレーションを行って分級性能を評価するとともに、分級機を改造して分級実験を行うことにより、上記の分級性能を検証し、最適な分級方法・分級条件の決定法について考察する。 |
603 |
圧力振動場での非ニュートン流体中の複数気泡の移動現象に関する実験的研究 |
岩田 修一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
高分子材料の製造工程では、樹脂原料液に混入した微小な気泡を除去することが、高品質の製品を得るために不可欠である。このために高価で大がかりな脱泡装置が使用されている。本課題は、非ニュートン(Shear-thinning性)流体中に設置された複数気泡へ圧力振動を適用することにより、簡便な脱泡促進技術の開発を目指す。このために、今進めている気泡間の相互作用ならびに気泡移動特性を実験的に解析する研究の成果を発展させるものである。 |
622 |
CNx膜の超低摩擦現象の工作機械摺道面への適用 |
梅原 徳次 |
名古屋大学 |
長谷川 健 |
名古屋産業科学研究所 |
代表研究者は、1998年にイオンビームミキシング法により理論的にはダイアモンドと同程度の硬さを有するというCNxを成膜し、窒素吹き付け中における超低摩擦現象を発見した。しかし、実際の適用を待たれる工作機械の摺道面への適用が可能かは不明である。工作機械では、広い速度範囲で超低摩擦を発現することが重要であり、かつ加工精度を保つため、摺道面の隙間が速度に依存せず一定に確保することが必要である。そこで、本研究では、CNx膜を成膜したスラスト軸受により、工作機械ど同等のすべり条件を与え、工作機械の摺道面として適用可能であることを実証する。 |
648 |
脊椎用体内固定具の性能評価に対する6軸材料試験機の開発 |
稲葉 忠司 |
三重大学 |
加藤 貴也 |
三重ティーエルオー |
脊椎は複雑な構造を有しており、その運動は6自由度である。しかし、6自由度すべてにおける力・トルクおよび変位・角変位の計測・制御が可能な試験機は構築されておらず、脊椎外科で使用する体内固定具の性能を定量的に評価する方法も十分に確立されていない。その結果、体内固定具の多くは主に経験的観点より開発されている。そこで本研究では、脊椎強度測定用6軸材料試験機を開発するとともに、脊椎用体内固定具の評価方法の確立を目指す。 |
683 |
麻布の回転ローラー式砧加工装置の開発研究 |
堀川 武 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
宮古島に伝わる宮古上布など伝統産業の麻織物は吸湿性や肌触りに優れている。麻布は繊維が太く、硬いことから、木杵を使って職人が麻布を叩く、砧加工を行い、肌触りをよくし、光沢を出すことにより、高級な麻布を製作してきた。しかし後継者不足の為技術伝承が途絶える状況にある。本研究では、金属ローラーに無数の鋼球を埋め込み、麻布を挟み込んで砧加工の効果を与えると共に、布を繰返し折り曲げる金属疲労の原理を利用した方法を組み合わせた、新規の「回転ローラー式砧加工装置」を開発し、加工布の特性を調べ、繊維の割れ状態を電子顕微鏡を用いて観察する。 |
705 |
水平を維持する3次元免震台の開発 |
松久 寛 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
美術品、精密機械、建物など3次元免震が必要とされている。本研究では、リンク機構および連結液体封入ピストンを用いて水平を維持できる3次元免震台を開発する。前者は平行四辺形の対辺はつねに並行である、後者は2本のパイプで一対のピストンの上部と下部をクロス状に連結するとふたつのピストンは同じ動きに限定されるという特性を用いる。これらの水平維持機構とばね、減衰器を組み合わせた3次元免震台を開発する。 |
738 |
新型溝形状を有する高回転精度流体動圧軸受の開発 |
松岡 敬 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
OA、AV 機器の発達はめざましく、その回転主軸部に求められる振れ性能も年々厳しくなってきている。それら厳しい要求を満足し得る新しい流体動圧軸受として、「傾斜スパイラル溝付動圧軸受」の開発を行う。具体的には、従来のスパイラル溝付軸受に相対して、スパイラル溝の丘溝比、溝角度、溝深さを軸受長手方向に徐々に変化させた「新スパイラル溝軸受」を用意し、レーザビームプリンタ用ポリゴンミラーモータを用いて同期振れ回り性能、非同期振れ回り性能向上の確認を行うとともに、その溝諸元の最適設計指針を提案する。 |
772 |
燃焼合成反応熱を利用した新推進系小型ロケットの開発 |
山田 修 |
大阪産業大学 |
野村 健次 |
大阪産業大学 |
燃焼合成は強い発熱反応を伴い到達温度は3000℃04500℃に達する。この高い温度や化学反応熱を有効に利用することで,流体を急速にガス化させ,高温高圧ガスとしてチャンバーノズルから噴射させることで推力を得るロケットモーターを開発する。この燃焼合成反応熱による高圧ガス噴射の推進系は火薬類に該当せず安全であり,運用管理も容易であることから再使用できる小型ロケット産業の分野開拓と活性化を目指す。 |
880 |
石綿代替ガスケットの寿命短期予測手法の構築 |
高木 知弘 |
神戸大学 |
由雄 正保 |
神戸大学 |
今日,石綿による健康被害が社会問題となり,石油化学プラント等で多用されている石綿系ガスケットから代替品である非石綿系への仕様変更を迫られている.しかしながら,非石綿系ガスケットは長期の使用実績が乏しく,このためガスケットの寿命は未知である.そこで,申請者が構築した手法を用いることでガスケットの多用な使用環境に応じた寿命予測を短期間で可能とし,ガスケット設計,プラント設計および保守管理に有益な情報を提供することを目指す. |
912 |
植毛を用いたファン低騒音化技術の開発 |
西村 正治 |
鳥取大学 |
岡本 尚機 |
鳥取大学 |
生活に身近なOA機器の冷却ファンや,空調機用ファンなど各種ファンの静粛化は永年の課題である.この主な騒音源は流れの乱れと物体が作用して発生するいわゆる風きり音(空力騒音)である。今回物体表面に植毛するというまったく新しい手法で空力騒音の低減が可能であることがわかったので,本研究では,OA機器用冷却ファンや換気ファンを例にとり,どのように適切に植毛することにより,空力性能を損なわず静粛化できるかどうかを明確にする. |
957 |
精密ワイヤ放電加工用高性能ワイヤ電極の開発に関する研究 |
岡田 晃 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
精密ワイヤ放電加工の高性能化を実現するための新しいワイヤ電極の開発を目的とする.そのために,無負荷電圧印加時の極間の静電場解析を行ない,ワイヤ表面形状が電子放出特性に及ぼす影響を重点的に検討し,制作上可能な最適ワイヤ表面形状を解明する.つづいてワイヤを試作して放電加工実験を行い,放電加工特性とワイヤ表面形状の相関を明らかにする.そして,表面形状最適化による新しいワイヤ電極の可能性を探る. |
961 |
多様な産業ニーズへ対応したキャビテーション利用脱気・注気装置の実用化 |
鷲尾 誠一 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
研究者が発明した、キャビテーションで生まれる発達停留空洞を利用して、液体を流しながら連続的に脱気および注気が出来る技術の実用化を目的に、産業現場ごとに異なる個々のニーズに対する有効性を明らかにする。本年度の目標は (1)油、水以外の特殊液体への適用(2)食品産業を念頭に置いた水の脱気・注気連続試験(3)脱泡効果の確認(4)脱気・注気の高効率化(5)企業現場でのテスト、効用の実証 |
1004 |
流体扉の開発 |
梅田 眞三郎 |
福山大学 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
本研究では,無駄な熱の消散を防ぐ省エネ型装置や悪化した流体との分離膜装置としての空気や水による扉の機能を有するものの開発を目的とする.菱形角柱群を用いると,自励振動噴流であるフリップ・フロップ流れの発現によって,流出噴流場には均等流量多数噴流群を形成させることができる.そのフリップ・フロップ流れと並行にスリット噴流を供給し, 流れのせん断方向が異なる二層の混相流界面現象を利用して,破断し難い安定流体膜を形成させる流体扉の装置の開発を行う. |
1016 |
磨耗ゼロ・高効率を有する磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置への応用 |
原野 智哉 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
鋼材製歯車をネオジム製リング磁石等を利用し,磁気による引力あるいは斥力をかみ合い歯面間等に発生させることにより,磨耗ゼロ・高伝達効率・メンテナンスフリー・無潤滑を兼ね備えた高トルクおよび高減速比の非接触ウォーム歯車対および非接触平歯車対を開発し歯車性能試験を行う.さらに,太陽歯車・遊星歯車・内歯車から構成される遊星歯車機構の開発を行い,歯車性能試験を行う. |
1058 |
疾病媒介蚊幼虫駆除のための超音波殺虫装置の開発 |
村主 節雄 |
香川大学 |
白石 宏志 |
四国産業・技術振興センター |
年間8億人と3億人の感染者を出しているマラリア、フィラリアなどの疾病媒介蚊幼虫のコントロールを対象としたフィールドで有効な超音波を応用した搬送性の有る殺虫装置を開発する。この装置は国内およびソロモン諸島などの外国における我々の蚊の生態調査経験から広範な地域を対象とするため搬送性を持たす必要が有る。そのためには小型である事が第一条件であるが、この事は殺虫効率を上げるためには高出力が望ましい事と相反している。この両要因の最も理想的な解決点を見いだし、装置の開発を行う。 |
1095 |
超撥水処理だけで実現できる新しい軸受構造 |
竹内 彰敏 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
固体の表面エネルギーが低く、固液界面のエネルギーが高い超撥水面と、表面エネルギーが高い親水面との境界で発生するせん断流量の不連続性から、圧力流れを誘起して負荷を生み出す新しい軸受構造であり、超撥水処理を施すだけの簡単な操作で、幾何学的にフラットな平行2平面であっても、良好な潤滑膜を形成できる。また、疎油面と親油面の組み合わせに置き換えることで、そのまま、油潤滑にも適応できる技術である。 |
1097 |
液晶を使った表面実装アクチュエータの開発とプリント基板上への実装 |
三枝 嘉孝 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
現在、携帯電話など電子機器類の小型化、薄型化への要求がますます盛んになってきている。そのため、基板表面に実装できるデバイス装置が必要とされている。すでに、抵抗やコンデンサーなど表面実装技術の進んだ分野もあるが、アクチュエータやモータなど動力発生装置のチップ化技術の開発は遅れている。本試験では、プリント基板上に液晶を用いたアクチュエータ素子を作製し表面実装デバイスとして実用化可能かを検討する。 |
1119 |
超電導軸受式ターボ分子ポンプの開発 |
小森 望充 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
本応募課題では,この磁気軸受式ターボ分子ポンプに代わるものとして,高温超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行う。この超電導軸受式ターボ分子ポンプでは,タービン翼浮上のため取り扱いが容易な高温超電導軸受を用い,到達圧力10-7Paオーダを目指す。本応募課題では,ねじ溝ロータを高温超電導軸受および永久磁石軸受によって非接触浮上および高速回転させる超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行い,その実用化への基礎研究を行う。 |
1164 |
アクティブ制御コロイダルダンパーの開発と実用化研究 |
スウーチュー クラウデュヴァレンティン |
福岡工業大学 |
宮崎 賢 |
福岡工業大学 |
コロイダルダンパーは油圧ダンパーにおけるオイルの代わりに、水とシリカゲルからなるコロイド溶液を使用した高性能で環境に優しい液圧ダンパーである。従来の自動車用パッシブ制御コロイダルダンパーでは、路面凹凸の変位励振による減衰係数を調整できず、しかも効果的に振動のエネルギーを散逸できずに、自動車の乗り心地が悪くなる。その対策として、ダンパーのシリンダー内圧力と水の条件を制御すると共に、路面凹凸による振動を調整することのできるアクティブ制御コロイダルダンパーの開発を目指す。 |
1184 |
スーパークリーンディーゼルエンジン用ターボチャージャの開発 |
植木 弘信 |
長崎大学 |
森 紅美子 |
長崎大学 |
ディーゼルエンジンから排出される二酸化炭素を減らし排気ガスを浄化するには、高性能なターボチャージャが必要であり、現在の2倍の圧力比をもつターボチャージャが必要である。本研究では、次世代スーパークリーンディーゼルエンジンに必要な高性能ターボを開発することを目標とし、サージフリー遠心圧縮機を備えたターボチャージャを開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
296 |
可変キャパシタ機構を利用した容量型アクチュエータ制御システム |
水野 毅 |
埼玉大学 |
望月 弘章 |
埼玉大学 |
静電アクチュエータ,圧電素子など,電気回路的には静電容量として扱うことができるアクチュエータ(容量型アクチュエータ)を対象とした新しい方式の制御システムを開発する.具体的には,容量型アクチュエータと可変キャパシタ機構とを直列に接続し,その両端に一定の直流電圧を印加する.そして,直列に接続した可変キャパシタの容量を変化させることによってアクチュエータに印加される電圧を調整し,その出力を制御する. |
343 |
スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究 |
梶原 逸朗 |
東京工業大学 |
鹿田 洋 |
横浜企業経営支援財団 |
磁気ディスク装置の大容量化には,広い周波数帯域にわたる磁気ヘッドの振動低減が不可欠である.本研究は,記録密度の大幅な向上(大容量化)を可能とするため,磁気ヘッドにアクチュエータ機能を内蔵させ,磁気ヘッドの振動を抑制し,その位置決め精度を向上させることを目的とする.具体的には,広帯域振動抑制手法とMEMS構築を見据えた磁気ヘッド機構を開発し,次世代の大容量化につながる振制性能を達成させる.本システムは,センサー/アクチェエータ/コントローラを内蔵し,状態変化などのモニタリングや振動抑制に優れた性能を有する. |
472 |
安全性を考慮したネットワーク型バイラテラル遠隔操作システムの開発 |
河合 康典 |
石川工業高等専門学校 |
割澤 泰 |
石川工業高等専門学校 |
バイラテラル遠隔操作システムは,操作部と遠隔地に配置した作業ロボットとの間を双方向に位置と力覚の制御ができる有効なシステムである。しかし,操作部とロボット間の時間遅れが操作性を劣化させるために安全性に課題を残している。そこで本研究の目的は,時間遅れが存在する環境下で,操作部の誤った動作命令が作業ロボットに送られる前に修正できるモデル予測制御を用いて,安全性の向上をはかることである。 |
533 |
環境再生を目的とした植樹ロボットの開発 |
奥川 雅之 |
岐阜工業高等専門学校 |
砂田 博 |
岐阜県産業経済振興センター |
本研究の目的は、砂漠化や森林伐採などによる生態系破壊に対する環境再生活動の効率化や公園など公共施設の維持管理を目指した植樹もしくは植林作業支援遠隔操縦型移動ロボットの開発である。生分解性プラスチックによる自然分解機能及び植樹行程を考慮したドリル形状底面を有する育苗ポッド試作とドリル型育苗ポッドを用いた植樹機構の試作を行い、ロボット技術導入による植樹作業の半自律化を目指すものである。 |
542 |
ロボットハンド用小型関節トルクセンサの開発 |
毛利 哲也 |
岐阜大学 |
水谷 嘉之 |
岐阜大学 |
ロボットハンドでの物体の把持・操作には、指先だけでなく指の腹部においても高精度に力を計測し、制御することが要求される。しかし、市販の6軸力覚センサでは指先力しか計測できず、個々の関節トルクを十分に制御できない。そこで、小型モータへ装着可能な関節トルクセンサの開発を行っている。本課題では、これまでに試作した小型センサを実用化するために、高精度化の実現、実装に伴う技術的課題の解決を目指す。 |
627 |
身体の協調構造を利用した運動補助システムの開発 |
宇野 洋二 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
人間の身体は複雑な筋骨格から成るが、個々の筋肉がばらばらに働くのではなく、神経系により全体として調和のとれた動きを実現している。本研究では、このような運動の協調構造に着目して、高齢者や身体障害者の動作を補助し、転倒を防止するために、運動を予測的に制御するシステムの開発をめざす。特に、健常な身体部分の初期動作からユーザ(障害者)の意図する動きの全体を推定し、障害・麻痺のある身体部分の運動を補助するシステムを構築する。 |
659 |
自励振動を利用した生体粘弾性のリアルタイム測定装置 |
松村 雄一 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
生体表面下にある組織の“かたさ”を数値化できれば、乳ガンなど表在性組織の触診の定量化や筋組織の疲労評価などに有用であるとされる。しかしながら、ヒトの手指以上に安定かつ高精度に硬さを定量化できる手法は未だ実用化されていない。本研究では、ヒトが手指を生体表面に押し込むことで、形状や物理的性質の異なる部位の硬さを in vivo で瞬時に知覚するのと同様にして、計測装置の先端部を生体表面に押し込み、振動させることで、粘弾性硬さをリアルタイムに計測する装置を開発してきた。本課題では、商品化に向けて精度と応答性を向上させると共に、装置を小型可搬化する。 |
670 |
視覚を用いた布の展開と定置に関する技術開発 |
平井 慎一 |
立命館大学 |
西村 亮 |
立命館大学 |
ロボットがテーブルの上に置かれた布を摘み上げ、展開するとともに指定された位置に定置する技術を開発する。布を操作する技術は、柔らかく変形しやすい物体を扱う機械システムの基礎になる。本研究開発では、曲がっている布の形状を視覚で認識するとともに、布を展開する技術を開発することを目的とする。 |
761 |
大脳皮質による歩行制御様式の解明とその応用 |
中陦 克己 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
本研究では大脳皮質による歩行制御機序の解明を目的とし、その応用を目指す。我々は無拘束の状態で行動するサルの大脳皮質から神経細胞活動を記録する手法を確立した。本課題では流れベルトの上で四足歩行および二足歩行するサルの皮質運動領野から神経細胞活動を記録して、その活動様式から各領野における分担的歩行制御様式を解明する。得られる結果は、看護や災害救助分野で期待される環境適応型二足歩行ロボット等の人工システムの開発設計に応用できる。 |
844 |
主翼独立制御型水中グライダーの高度知能化に関する研究 |
有馬 正和 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
本研究課題の目的は,「主翼独立制御型水中グライダー」の高度知能化を図り,実海域での使用に耐える自律型海中ロボットとして進化させることである。本研究では,外部からの指令を必要とせずに,定められたゾーン内で複数機が協調して任務を遂行するための「自律型マルチエージェントモデル」を開発して現有機に組み込み,水槽試験によって有効性・妥当性を検証するとともに,新たな問題点の抽出を研究期間内の具体的な目標とする。 |
1047 |
民生部品を用いた宇宙ロボット電子基板技術の研究開発 |
能見 公博 |
香川大学 |
武藤 英一 |
香川大学 |
本研究開発では,民生品による宇宙電子基板技術を研究開発することを目的とする.香川大学における宇宙ロボット衛星の開発において,地域中小企業のもつ信頼性の高い電子基板技術と,大学の宇宙システム技術を融合させ,超小型人工衛星による宇宙実証へと繋げていく.地域企業が宇宙部品を手掛けることができ,宇宙実証された製品を宇宙ビジネス分野への供給へ繋げ,とくに中小企業の新しい分野を開拓する. |
1156 |
神経生理学的手法を推進するための実用的ロボットリハビリ装具の開発 |
坂井 伸朗 |
九州大学 |
坪内 寛 |
九州大学 |
脳卒中リハビリは、体の動きに合わせて麻痺半身に適切な運動を加える神経生理学的手法である。筋力トレーニング的な各関節のリハビリのみでは効果が小さいため、関節を協調させた上肢全体の運動を実現させる必要がある。そこで、肩甲骨を適切に駆動し、上肢全体の運動を実現できるロボットリハビリ装具を開発する。ロボット技術に加えて、身体運動と病理に対する高い理解が求められるので、リハビリ専門病院との連携を通して現場での試験運用を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
13 |
構造物崩壊予知センシング技術の開発 |
矢吹 信喜 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
今後大量の社会基盤設備が寿命を迎え,構造物の劣化による崩壊兆候をいち早く予知できるセンサネットワーク作りが待たれている.本研究は,人工あるいは自然構造物内部の応力や圧力変動を直接的に捉える半導体式圧力センサーとICタグ(RFID)をつなげ,崩壊予知センシングに資するシステムを構築するための研究を行うものである. |
286 |
石丸積の強さを定量的に示すための数値実験システムの開発 |
土倉 泰 |
前橋工科大学 |
塚原 信孝 |
前橋工科大学 |
群馬・石積協同組合は、三波石で名高い庭石産地の百年の伝統と技術を生かして「石丸積」を考案している。石丸積は、自然環境・生態系に好影響を及ぼすだけでなく、現地発生材の活用によるリサイクルで構造物建設に要する経費削減を可能とする技術である。ところが、一般に石積みは弱いというイメージから、この普及が思うように進まない。そこで、石丸積が十分に強いことを裏付けるために、粒状要素法を用いたモデル解析を試みる。 |
491 |
展開型常時微動アレイ観測に基づく地盤探査法の開発と応用 |
小嶋 啓介 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
地震工学の分野で、地下深部構造の評価に適用されている常時微動のアレイ観測(波、風、自動車などに起因する微小な地盤震動を、複数のセンサーで観測すること)を、建築・土木構造物の基礎地盤の三次元探査に応用できるように改良しようとする研究である。従来のボーリングを利用した地盤調査では、多大な費用と時間を必要とするのに対し、本研究では、対象地点全体で半日程度で終了する小規模アレイの展開観測情報に基づき、建設予定地の三次元地盤構造を精度良く評価し、構造物を安全かつ低コストで建設するために必要な事前情報を与えることを目標とする。 |
630 |
免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムの開発 |
伊藤 義人 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
橋梁やビルなどの社会基盤施設において、大規模地震に対しても被害を最少にするため、最近は免震ゴム支承を多く用いる。従来、免震ゴム支承の性能表示は出荷時の繰り返し載荷試験結果のみであり、構造物のライフタイム(供用期間)の経年劣化は、基礎データがないため無視してきた。しかし、社会基盤構造物の長寿命化が必須になっており、橋梁やビルなどでは100年間のライフタイムを想定する必要がでてきている。そこで、建設される周辺環境条件を個別に考慮できる劣化評価手法を確立し、免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムを開発する。 |
706 |
水気耕栽培屋上緑化システムを利用したマルチ型空調システムの開発 |
吉田 治典 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
都市ヒートアイランドの緩和策として屋上緑化が進められているが、緑がもつ日射遮蔽や蒸散作用を利用して、マルチ型空調システムの省エネルギーを目指すシステムの開発はまだ見られない。本研究では、蒸散量が一般の4倍程度ある水気耕栽培屋上緑化を利用して高効率な空調システムの実現を目指し、基礎データの収集とその数学モデルの開発を行う。本研究終了後には実システムにより性能を確認し、設計・普及に向けた事業化を目指す。 |
771 |
塔状構造物に関する新しい振動制御法の研究 |
飯田 毅 |
大阪産業大学 |
野村 健次 |
大阪産業大学 |
道路橋上には照明柱、標識柱等のスレンダーな塔状構造物が数多く設置され、風、交通、地震等により激しく振動し損傷の恐れが高いことが判明している。従来、交通・地震荷重を対象とする低振動数領域において十分効果的な制振装置が存在しなかった。実績のあるチェーンダンパーと他の装置を組合せた新振動制御システムの研究を行い、幅広い振動数領域で効果的かつコンパクトな装置と安全性の高い塔状構造物の制振方式を実現しようとするものである。 |
864 |
安全・安心な生活を守るための光る変位計の開発 |
芥川 真一 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
任意の人工構造物や自然斜面などの動きを察知して,その大きさを発光ダイオードの光の色に変換し,原位置で表示する装置を開発する.この「光る変位計」を作成し,それらを防災対策,あらゆる種類の土木&建築構造物,大型機械,遊園地の大型施設,などの安全監視,さらに新しいコンセプトに基づくエンタテイメントの創出に用いることを目指している. |
1080 |
閉鎖性海域の鉛直混合を促進する低反射護岸の開発 |
中村 孝幸 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
内湾域の水質浄化、特に海域の鉛直混合を促進させることで成層化に伴う海洋生物などへの弊害防止などを目的として、自然エネルギーを利用する海域環境改善型の護岸構造物の開発を進める。この内部には遊水室があり、遊水室内の波浪共振およびそれに伴う強い渦流れの生成を原動力として、海域での曝気や表層水の水底への輸送、混合を促進すると共に付加的に反射波の低減も可能な、多機能型の護岸構造物の開発を目指すものである。 |
1135 |
純アルミ板を挿入した高力ボルト高摩擦接合の開発 |
吉岡 智和 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
鉄骨構造物の継手に多用される高力ボルト摩擦接合の伝達力を,現行設計耐力の約1.5倍向上させることにより,添板の鋼材量や締め付けボルト本数の減少,ボルト締め付け作業の迅速化を図ることができ,工事費用の10〜15%の削減が可能となるとの試算がある。本研究では、そのような高力ボルト摩擦接合の伝達力(=すべり係数×ボルト張力)を向上させる「高摩擦接合」として,継手の鋼材摩擦面間に厚さ約0.1mmの純アルミ板を挿入し,その摩擦面において大きなすべり係数を発揮できる高力ボルト高摩擦接合の開発を目指す。 |
1136 |
非構造壁を利用した摩擦抵抗型制振システムの開発 |
山口 謙太郎 |
九州大学 |
山内 恒 |
九州大学 |
本課題においては、各種非構造壁に損傷を生じさせない範囲で最大の制振効果を発揮させるための、非構造壁と主体構造の最適な接合方法を検討することを目的とする。具体的には、コンクリート系非構造壁と比較的剛性の低い主体構造を接合した試験体の載荷実験を行って、その復元力特性を振動解析に適用し、提案する制振システムの効果を検証する。また、本課題の推進により地震動によって建物に生じる層間変形角を半減させるための条件を検討することを目標とする。 |
1148 |
先見知識・好みをレイアウト自動最適設計に反映させる対話型設計手法の開発と応用 |
高木 英行 |
九州大学 |
松尾 晃成 |
九州大学 |
住宅の間取り、建築・造園・敷地・都市等の空間計画等、更には電子回路基板配置にも応用できる各種レイアウト設計問題にユーザ・設計者の先験的知識・好みを反映させる最適設計手法の確立を目的とする。人間の主観的評価に基づいて対象システムを最適化する対話型進化的計算と、複数の評価項目を最適化する進化的多目的最適化との融合最適化手法を用いて、上述の各種レイアウト問題への広い適用可能性を、具体的事例(住宅間取り設計)で示すことが目標である。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
140 |
調湿機能を有する建築物用モルタル材料の開発と応用 |
北辻 政文 |
宮城大学 |
山口 一良 |
東北ニュービジネス協議会 |
本試験では、ペーパースラッジを混入した分離抵抗性の高い、高流動性・高機能モルタルと、秋田県から排出される緑石凝灰岩端材粉を組み合わせて、空間湿度を一定値に保持できる調湿機能を備えたモルタル材料を開発することを目的とする。具体的には、緑石凝灰岩端材粉の物理試験、混合モルタルの強度および耐久性試験、調湿および悪臭分解、抗菌性試験を行なう。 |
149 |
X線造影撮影によるコンクリート健全度評価手法の開発と応用 |
武田 三弘 |
東北学院大学 |
男澤 亨 |
仙台市産業振興事業団 |
この研究の目的は、コンクリートの健全性を定量的に評価する手法を開発することである。そのため、X線造影撮影を用いてコンクリート内部に発生したマイクロクラックや欠陥などの空隙量を測定し、この測定値とコンクリートの圧縮強度や耐久性との関係を求める事で、実コンクリート構造物の健全性や耐久性を評価するものである。目標としては、実用化を目指し、コンクリート供試体の寸法をΦ10mm程度の小径コアで実施できるようにすることである。 |
186 |
珪藻土とゴミ溶融スラグの混合による人工軽量骨材の開発 |
対馬 雅己 |
秋田工業高等専門学校 |
三浦 喜一 |
あきた企業活性化センター |
珪藻土は、比重が小さくポーラスであるため軽量であり、骨材の軽量化に寄与することができる。また、ゴミ溶融スラグはガラス質でケイ素が80〜90%も含有しているため、潜在水硬性が存在する。珪藻土とゴミ溶融スラグを粉砕して一定の割合で混合し、水量を加えることによって潜在水硬性による反応と、これに固化材を添加することにより、さらなる硬化反応が生じる。このような材料による反応プロセスのもとに、人工的な軽量骨材の製品化を目指すものである。 |
290 |
都市熱環境緩和にむけた水分自己調整機能材料の開発 |
藤野 毅 |
埼玉大学 |
市川 世司 |
埼玉大学 |
建物の屋上をはじめとする都市被覆面の熱収支を改善するための自己吸水・蒸発機能を有する材料を開発する。原材料は廃棄石膏ボードなど建築廃材等を再資源化し、調湿剤を添加する。その成型においてもCO2を極力放出しない製法で行う。開発した新材料は、粒状、板状、柱状など様々な形に成型され、既存の都市温暖化防止技術との併用も可能であり、これまで利用困難な場所にも適用できる。 |
387 |
廃EPS粉砕材を再生利用した高耐衝撃性を有する超軽量モルタルパネルの開発 |
笠井 哲郎 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
遠赤外線処理された廃EPS(廃棄された発泡スチロール)粉砕材は、密度0.1〜0.3g/cm3と従来のモルタル・コンクリート用軽量細骨材(密度1.2g/cm3程度)に比べ大幅に軽量である。この廃EPS軽量骨材を用いたモルタルを繊維補強することにより、従来の軽量モルタルパネルより大幅に軽量で、曲げ靱性、耐衝撃性および釘引き抜き抵抗性に優れた超軽量モルタルパネルが製造できる。また、廃棄物の有効利用の観点から、廃EPSの最終処分量の低減に資する技術である。 |
574 |
軟質木材に密度勾配を付加した機能性木質建材の開発 |
浅田 文仁 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
スギ材の両面から異なる条件で加温・加圧処理を施して、木材に密度勾配を発現させ、片面は高密度で硬い物性を持たせ、反対の面はスギ材が元々持っている柔らかい物性を維持することにより、傷付きにくく、しかも保温性や調湿性を残したスギ材を開発する。 |
666 |
下水汚泥溶融スラグのコンクリート用骨材としての実用化研究 |
児島 孝之 |
立命館大学 |
金丸 まや |
立命館大学 |
本課題は、下水汚泥溶融スラグのコンクリート用粗骨材としての利用用途拡大を目的とし、下水汚泥溶融スラグ粗骨材の生コンクリートおよび実構造物への適用に向けた実験的研究を行うものである。まず、下水汚泥溶融スラグの質管理・評価手法を提案し、長期強度発現性や耐久性、RCはりの曲げおよびせん断特性・耐荷挙動などについて検討することにより、下水道の普及に伴い年々増加傾向にある下水汚泥の有効な利用方法を提案する。 |
781 |
再帰反射材の日射照り返し抑制効果の高効率化試験 |
酒井 英樹 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
ヒートアイランド対策の1つとして既に実用化されている太陽熱高反射材は,日射受熱量を減らすことで適用した建物の熱負荷は軽減できるものの,建物の配置によっては反射した日射が隣接する建物や道路に吸収されることで,周辺を高温化してしまうという問題が指摘されている。本課題では,反射材に再帰反射特性(入射した光が再び入射方向へ帰る反射)を付与することで,高反射かつ日射照り返し抑制効果を有する建材として提案する。 |
975 |
コンクリートの諸元情報保持手段としてのICチップ活用に関する研究 |
河合 研至 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
解体コンクリートの大半は非構造用材料として低品質なリサイクルがなされている.構造用材料としての高度再生利用が進展しない大きな理由は,使用材料の種類・品質,配合などコンクリートの諸元が,長期供用後の解体時にはすでに保存されておらず不明な点にある.本研究は,ICチップを活用してコンクリートに諸元情報を間接的に保持させ,解体時における再生材料としての品質の確実性を高め,構造用コンクリートへの高度再生利用が可能なリサイクルを目指すものである. |
1001 |
建築物のひび割れ補修効果の簡易評価システムの開発 |
松本 慎也 |
広島大学 |
浜中 達也 |
東広島商工会議所 |
建築物の補修や改修工事の効果を速やかにかつ合理的に評価する技術があれば,近年社会問題化した住宅リフォーム詐欺の被害を減少できたはずである。本課題では住宅・建築物において,クレームによる補修実績が最も多い「ひび割れ補修」を対象とし,ひび割れ補修効果を現場で簡易に評価できる試験システムを開発・提案することを目的としている。本研究の目標は,建築外壁に生じたひび割れについて,高精度でひび割れ幅を検知できる「軽量・小型化が可能な透気試験方法」および「評価方法」を開発することである。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
109 |
低放射化金属ガラス創製に関する研究 |
古谷 一幸 |
八戸工業高等専門学校 |
山口 紀久 |
21あおもり産業総合支援センター |
耐熱ボイラー鋼を基に原子炉用材料(特に核融合炉用構造材)として改良された低放射化鋼は、高いレベルの放射性廃棄物にならず、放射線のダメージに強く、かつ高い機械特性などを有している。本研究は、(独)日本原子力研究開発機構が開発した低放射化フェライト/マルテンサイト鋼であるF82H鋼を金属ガラス化することにより、耐食性や機械特性などが向上する可能性があることに着想し、F82H鋼を金属ガラス化する技術の確立を目指すものである。 |
121 |
冷間加工可能な高機能コバルトクロムモリブデン合金の開発 |
野村 直之 |
岩手大学 |
阿部 博 |
岩手県工業技術センター |
本課題は、これまで高温での熱間加工のみに加工方法が限定されていたNiフリーのCoCrMo合金について、窒素添加と時効処理を組み合わせて、高い機械強度と延性を達成する冷間加工方法を開発するものであり、NiフリーCoCrMo合金の機械的特性と生体適合性の両立を目指すものである。 |
129 |
自動車車体用高マンガン鋼スクラップをリサイクルした高性能鋳造品の開発 |
小綿 利憲 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
自動車の衝突安全性のために、高強度で軽量な材料が望まれ、高マンガン鋼板が長年使用されている。高マンガン鋼板加工時に発生する屑は、リサイクルされてはいるが、硬くて脆く好ましくない。係る長年の問題を解決するために鋭意研究した結果、ある種の元素を添加することにより解決できるとの新規な知見を得るに至った。高マンガン鋼スクラップへのある種元素の好適な添加範囲、添加方法を見いだし、実用化する。 |
233 |
200℃動作パワー半導体用新アルミ銅合金ワイヤボンディングの開発 |
田代 優 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
ハイブリッド車に多数使用されているパワー半導体の最高動作温度を150℃から200℃に高めることができれば、冷却方法の大幅な簡易化によって軽量化・燃費向上・低コスト化が可能となり、ハイブリッド車普及のキー技術になるものと考えられる。本研究開発では、θ相(Al2Cu化合物)を粒界に析出させ、クラックの伝播を抑制できると考えられるAl-0.5%Cu合金ワイヤを用いた接合プロセスの開発ならびに接合部の信頼性を迅速に評価できる赤外線加熱方式を用いた高温高速ヒートサイクル試験による評価を目的とする。 |
458 |
高強度・高導電率銅合金薄板材の開発 |
北川 和夫 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
銅合金は電気伝導性、熱伝導性、耐食性に優れた機能材料である。近年、電気電子部品の軽量化・高速化に伴い、更なる高強度化が求められている。高強度化を目的に合金元素を多量に添加する手法は、導電性を損なうことやリサイクル上限界がある。本研究は、圧延を利用した強ひずみ加工法と時効熱処理を組み合わせることで、高強度で、かつ導電性と熱安定性に優れた高度複合機能を有する薄板(シート)状銅合金の開発を目指したものである。 |
514 |
カーボンナノファイバー複合高強度マグネシウム合金の開発 |
清水 保雄 |
信州大学 |
藤井 國久 |
信州大学 |
本提案は、金属と濡れ難くまたそれ自体が絡み合い分散性に劣るため複合化が困難なカーボンナノファイバーを、粉末冶金的に混合し均一分散させる技術により、少量添加で大きな強度改善を可能とした複合合金に関するものである。今回は、実用に供する部材での特性を評価するため、より大きな径のビレットを製作して射出成形により製品試作を行い、材料特性に加え、製品としての性能評価を行い、実用化の可能性を検討する。 |
591 |
非晶質/ナノ結晶超弾性材料の開発 |
土谷 浩一 |
物質・材料研究機構 |
松井 一雄 |
豊橋技術科学大学 |
TiNi合金,Co-Cr合金に代表される医用弾性材料はステント・カテーテル用ガイドワイヤーなどの種々の低侵襲医療デバイスへの応用が急速に拡大している。しかし、これらデバイスの更なる小型化・薄肉化の要求に応えるためには、従来より更に高強度,高剛性かつ大きな弾性回復を示す弾性機能材料の開発が急務である。本研究では各種合金を強加工(冷間圧延,高圧ねじり加工等)により非晶質/ナノ結晶化した材料について、組織・構造・機械的性質を系統的に調査し、加工・熱処理条件等を最適化することにより、新しい超弾性材料を開発、実用化する。 |
609 |
液相還元法による金属銅ナノ微粒子の合成と形態デザイン |
興戸 正純 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
金属ナノ粒子は電子材料など多くの応用が期待される。Pt, Au, Pd, Ag貴金属ナノ粒子はボトムアップ法で作製されるが、それら金属より卑であるCuでは有効な工業的手法がほとんどない。そこで、液相プロセスにより、10 nm〜100 nmサイズの単分銅ナノ粒子の合成を目的とする。微粒子のサイズ・形態制御法、微粒子間の凝集制御法、表面酸化防止法を検討し、寸法因子と機能因子の相関を明らかにする。 |
687 |
微粒子衝突法による金属材料の表面創製とナノ結晶化 |
森田 辰郎 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
微粒子衝突処理法を用いて金属材料の極表面に高圧縮残留応力を付与すると同時に表面組織のナノ結晶化を実現し、優れた機能性を有する表面層を創製する。本研究の具体的な目的は、上記の方法により各種金属材料の顕著な高疲労強度化と耐食性等の機能性改善を同時的に実現することである。また学術的側面から、各種分析機器を駆使して疲労強度および耐食性等が顕著に改善する理由を明確に把握しようと試みる。 |
701 |
低反応性熔融ルツボを用いたMg-Ag-Y水素吸蔵合金の開発 |
門野 純一郎 |
京都市産業技術研究所 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
電子状態に着目してデザインしたMg-Ag-Y系合金を、低反応性熔融ルツボを有する高周波溶解法を用いて溶製し、水素吸蔵・放出特性を測定、評価する。従来のアーク溶解炉では困難であった低沸点金属のMgと極めて高活性金属であるY を低反応性熔融ルツボで合金化することにより、水素の吸蔵量が大きく、脱吸着速度の大きな新たな水素吸蔵合金の開発を目指す。 |
755 |
電気泳動現象を利用した微粒子の分級技術の開発 |
芝田 隼次 |
関西大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
微粒子をその大きさによって分ける方法、すなわち微粒子を分級する技術は存在しない。サイクロンや比重差による分離は数μmが分級限界である。金属ペーストや貴金属ペースト製造などの分野では、0.1μm程度の粒子を用いるが、これには1μmまたは数μmの粗粒子が混入することが避けられない。この研究開発では、0.01〜1μm以下の微粒子と1μm〜数μmの粗粒子とを分級する方法と技術、並びに0.01〜0.05, 0.05〜0.1, 0.1〜1.0, 1.0〜5.0, 5.0〜10.0μmのような粒度区分で分級できる方法と技術を開発する。 |
787 |
粉体プロセスを用いた高強度・高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム合金の開発 |
近藤 勝義 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
工業用最軽量金属であるマグネシウム(Mg)合金を粉体固化押出プロセスによって創製する際,粉末内部の再結晶粒の球状化(等軸粒化)と層状構造を形成する旧粉末粒界配列との組識・構造最適設計により,従来の溶解法によるMg合金と比較して延性(伸び)の低下なく,高強度と高衝撃エネルギー吸収性を向上した構造用軽量合金部材(TS;300MPa以上,シャルピー衝撃値;30J以上)の開発を目指す. |
832 |
製造性に優れた超耐熱・超耐環境次世代型金属間化合物合金の開発 |
高杉 隆幸 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
最密充填金属間化合物を構成相とする新規な超微細2重複相組織からなるNi基超超合金の合金設計と組織制御を行うと共に、種々の製造プロセス技術と基盤加工・活用技術の確立を図り諸性能を向上させる。これにより、製造性、省エネルギー、省資源、信頼性、コスト、環境調和性に優れた次世代型超耐環境高温構造材料の開発を目指す。 |
845 |
水素機能性を有する次世代汎用型高強度耐熱金属間化合物の創製と応用展開 |
金野 泰幸 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
汎用多結晶鋳塊から温間圧延−焼鈍を繰り返す組織調整プロセスを経て作製されたNi基およびCo基金属間化合物冷間圧延箔は,既存のニッケル合金やステンレス鋼に比べて格段に高い強度特性を示す。さらに,Ni基金属間化合物箔はメタノール改質反応に対して高い触媒活性も示し,優れた機械的特性と水素生成触媒能を兼備する新規金属系材料としての応用が期待される。本課題では実用化に向けてさらなる高強度化,耐熱性向上,触媒能向上等を目指す。 |
848 |
Ti合金と同等の高比強度を有するFe3Al基耐熱合金の開発 |
小林 覚 |
東北大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
Fe3Al基合金は高温における優れた耐酸化性及び耐硫化性、軽量性、低素材費のため各国で注目されてきた材料である。申請者はこれまでに本合金の加工・熱処理プロセスによる結晶粒微細化法を見出し、Ti合金に匹敵する高比強度を発現した。本試験では、既存の耐熱鋼やTi合金と代替する高比強度・低コストFe3Al基耐熱合金の開発を目指して、微細粒材の高サイクル及び低サイクル疲労試験、水蒸気中での引張特性及び機械加工性の評価を実施する。 |
1000 |
複合イオンでカゴを充填した熱電変換材料の開発 |
高畠 敏郎 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
熱電変換性能の優れたp型材料として充填スクッテルダイトLaFe3CoSb12が知られている。本研究では,原子量と価数が異なるCaとLaで複合的に充填し,格子熱伝導率を低下させ,熱電変換性能を向上させる。La1-xCaxFe4-yCoySb12の元素組成x,yを調整した材料を作製し,その熱伝導率,電気抵抗率,熱電能を評価する。p型材料として熱電変換性能を最大化するだけでなく,FeとCoの組成比を調節してn型材料においても性能を最適化する。 |
1003 |
火災とその鎮火による温度と負荷履歴に対する鉄鋼材料と構造物の非弾性変形特性評価システムの開発 |
井上 達雄 |
福山大学 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
申請者がこれまで蓄積してきた変態・熱・力学の理論と相変態シミュレーション手法に関する一連の体系の応用として、室温から800℃以上に至る火災の発生時の昇温と消火による冷却までの温度変化と、同時に受ける負荷履歴による鉄鋼材料(特に耐火鋼)と構造物の強度評価システムの開発を行うもので、以下の順に沿った系統的研究を行う。 (1)各温度における鋼、特に耐火鋼の非弾性力学特性の把握とその温度変化におけるパーライト、マルテンサイト変態などの相変態も考慮した変動温度および応力下での特性変化の弾塑性・クリープ構成式の一般化と解析および実験による検証。 (2)構築した構成関係を用いた2、3次元構造物の有限要素法によるシミュレーション(開発済みのシミュレーションソフトCOSMAPによる)。 (3)火災における外部負荷を考慮した温度変化に対する構造物の強度の変化と残留強度の評価システムの開発 |
1006 |
水素吸蔵金属を用いた異種金属の接合技術に関する研究 |
村田 卓也 |
山口大学 |
森 健太郎 |
山口大学 |
本研究課題では,代表研究者らが開発した水素吸蔵接合法(水素吸蔵させた金属を挟んで加熱・加圧しながら脱水素処理を行う接合方法)により,金属や合金間の異材接合を試み,界面制御技術の確立を目的とする.異種金属の接合においては,界面の金属間化合物の析出状況の制御が重要なポイントであるため,本研究課題では,接合条件とせん断強度及び界面状況の関係を整理し,最適接合条件を求める. |
1052 |
衝突エネルギー吸収材としての中空金属球の新しい製造法 |
吉村 英徳 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
温室効果ガスCO2の排出量削減のため,自動車の軽量化による燃費向上が図られている.一方で,車体重量増加を伴う衝突安全部品の適用も求められており,軽量化は容易でない.この課題を解決するための新材料技術として,近年,超軽量,高非剛性,高エネルギー吸収特性を有する超軽量ポーラス金属材料が注目されている.しかしながら,性能やコスト面においてまだ実用化レベルにない.大量生産性に適した塑性加工技術を用いて,超軽量ポーラス金属の一種である中空金属球(MHS)成形体の新しい製造方法を開発し,薄肉パイプ材から高信頼性かつ安価な材料を製造する. |
1132 |
結晶形態制御による太陽電池用多結晶シリコンの発電高効率化 |
成田 一人 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
高い光/電気変換効率と低コスト化を同時に発現しうる多結晶シリコンインゴットを結晶方位学的立場から作製する。これまで双晶特有の成長形態を利用し、結晶核生成過冷度を制御することによりインゴット底面に粒界などの欠陥を低減させた粗大な結晶を得る知見を得た。本課題はインゴット底面に成長した@大型結晶の保持とA結晶方位制御により、単結晶品に匹敵する300μm 以上の拡散長を得るインゴットを作製することを目標とする。 |
1204 |
ケミカル・ミリングによる金属発泡体の気孔形態制御法の開発 |
松本 佳久 |
大分工業高等専門学校 |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
従来提案されている複雑な一次創製技術による密度制御法から脱却し、オープンセル(気孔形状)構造を有する金属発泡体にケミカル・ミリング(化学的加工)を施すことにより、二次的に気孔密度を制御した金属発泡体の加工技術を確立する。応用例は、工業分野では超軽量熱交換デバイス、密度勾配流体フィルター、また医療応用では海綿骨代替人工骨作製プロセスへの適用を想定している。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
14 |
優れた強度と延性を有する球状黒鉛鋳鉄薄板の開発 |
長船 康裕 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を向上させるには,基地組織の高強度高延性化と黒鉛粒の微細化を同時に行うことが有効である.オーステンパ熱処理による基地組織の強化と,チル組織を発生させない薄板鋳造法を融合させ,今までにない高性能球状黒鉛鋳鉄薄板を開発する.本提案では4mm以下の薄板(黒鉛粒を超微細化)の基地組織及び強度特性(1000MPa以上の引張強さ,7%以上の伸びを目標)を検討し,実用化の見通しを得る. |
53 |
プラズマ陽極酸化による軽量・高強度チタン合金への耐魔耗性コーティング |
幅崎 浩樹 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
本研究は,アルカリ水溶液中における陽極酸化という安価な表面処理法により,チタン合金表面へ高硬度で密着性が良く,耐摩耗性に優れたセラミックコーティングを施すものである。陽極酸化時に酸化膜の絶縁破壊によるマイクロアークの発生により,常温の水溶液プロセスながら高硬度のセラミックスコーティングを可能とすることに特徴がある。このプロセスにより,機械的特性が劣化するため高温プロセスが利用できないチタン合金への実用的耐摩耗性コーティングを達成する。 |
68 |
粉末RP鋳型による超迅速鋳物づくり技術の開発 |
戸羽 篤也 |
北海道立工業試験場 |
綿貫 幸宏 |
北海道中小企業総合支援センター |
粉末RP成形体を鋳型・中子に用いることにより、模型や木型を必要としない超迅速かつ低コストの新たな鋳造プロセス技術を開発する。 現状の粉末RP成形体を鋳型として用いる場合の通気性、ガスの発生、寸法制度などの問題点を解決するため、鋳型の表面処理方法や、型の補強方法、ガス欠陥を防止する方法等を開発し、アルミ合金鋳物や銅合金鋳物を製造する超迅速鋳物製作技術を確立する。 |
138 |
単結晶シリコンの微細切削加工技術の開発 |
渡邉 洋一 |
宮城県産業技術総合センター |
佐藤 明 |
宮城県産業技術総合センター |
シリコンウエハ上に作製されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)回路への電源配線用のΦ0.1mmの穴・溝加工の時間短縮化を実現するため、直径0.1mm以下の小径工具を用いた単結晶シリコンへの微細切削加工技術の開発を行う。切削工具形状の最適化、加工条件の最適化をはかり、割れ・欠けの無い加工表面を得ることを目標とする。 |
229 |
窒素マルテンサイトを利用した高強度・高耐食性表面改質法の開発 |
友田 陽 |
茨城大学 |
津田 征夫 |
ひたちなかテクノセンター |
マルテンサイト系ステンレス鋼の炭素を窒素に置き換えると焼戻しによって硬くなる。なぜ窒素の場合は硬化するのかを中性子小角散乱等を用いてナノ組織構造変化から明らかにし、高窒素マルテンサイト鋼の設計指針を得る。材料全体を高窒素化するのは製造において難点があり利用は限られるので、比較的低温で浸窒処理する方法を試み、表面層のみを高窒素マルテンサイトにすることをねらう。浸炭焼入れと異なって、高強度・高耐摩耗性に加えて耐食性の向上が期待できる。表面層に圧縮残留応力が残るので、疲労強度の向上も期待できる。 |
319 |
レーザーダイレス引抜きによる金属マイクロチューブの高速製造技術の開発 |
古島 剛 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
本研究は,金属マイクロチューブを,金型を用いないダイレス引抜きによって高速製造する技術を開発するものである.ダイレス引抜きは,チューブの局所加熱と引張変形の負荷のみで縮管を行う成形法である.そのため,ダイレス引抜きの高速化を実現するためにはチューブの急速・局所加熱が必須である.それらを実現するため,加熱源としてレーザーを用いた金属マイクロチューブの高速成形技術を開発し,さらにマイクロ化による寸法効果がもたらす伝熱挙動の高速応答を応用する. |
417 |
フェムト秒レーザーによる金型表面の機能化とその有効性の検討 |
伊藤 義郎 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
超硬合金のフェムト秒レーザーによる直接加工によって、金型を作成する技術をこれまで開発してきた。その過程で、加工部表面に微細構造が形成されることが、見出された。レーザーの偏光を変えて加工するとこの微細構造は変化する。このような微細構造は金型の離型性や打抜き加工の際の切断面性状の向上に極めて有用であると予想される。本課題では、この現象による金型面の機能化とその有効性の検討を行う。 |
439 |
フレキシブル導液シートを利用した環境調和型高能率研削加工技術 |
岩井 学 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
本研究では、研削加工時に使用される冷却・潤滑用加工液を有効に作用させ、加工能率、加工面品位を低下させずに加工液使用量を極少量に抑え、それに伴って消費エネルギーも大幅に低減させる、環境調和型研削加工の実現を目指す。具体的には、装置が簡便、安価で、各種の研削方式に柔軟に対応できる「フレキシブル導液シート法」を適用し、加工液供給の最適化を行うとともに、各種の研削加工における加工液の使用量、工具(砥石)の寿命、加工性能を調査する。 |
447 |
窒化物−炭素系ナノコンポジット膜の開発によるアルミ切削工具への展開 |
野瀬 正照 |
富山大学 |
石黒 雅熙 |
富山大学 |
これまで行ってきた新しいナノコンポジット膜の実用化を目指し、従来のDLC膜付き切削工具(ドリル、エンドミルなど)に比べ2倍以上の長寿命を有する切削工具の開発を行う。具体的には、遷移金属窒化物と非晶質カーボン (a-C) とのナノコンポジット膜の優れた特性を活かし、アルミ切削工具用保護膜として実用化を目指す。そのために本試験研究では、実際の切削試験によって窒化物相とa-C相との混合比の最適化を図る。 |
558 |
複雑形状焼入鋼部品の表面硬さと硬化層深さのX線非破壊検査法の開発 |
坂井田 喜久 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、X線回折を用いて焼入鋼部品の焼入状態(表面硬さ、焼入れ深さ)を非破壊で測定できる技術を応用した、工場の生産ラインにおける部品非破壊検査システムの実用化に関するものである。これまでは、測定点の位置決めや精度そのものに関し改良を加えてきており、今回の検討では実際の部品を想定して3次元計測が可能な多軸ステージを導入してシステム改良とモデル部品による評価を実施する。 |
559 |
拡張後絞る冷間前方押出しによる歯車の成形法の開発 |
吉田 始 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、複雑な切削加工による歯車製作を、押し出し成形に置き換えるにあたって、研究者が考案した二段充填法により面圧を低減する加工法に関するものである。これまでの検討では、成形後の端面のバリ除去が加工後に必須であったが、本検討では、マンドレル、ダイスの径を途中で変化させ、成形中の材料流動を制御することで、これまでの特徴を活かしつつ、プレス加工程度の後処理ですむレベルにバリ形成をとどめるべく試験、シミュレーションを行う。 |
573 |
抵抗溶接法によるニッケル合金と鋼材のクラッド材料の開発 |
古澤 秀雄 |
愛知県産業技術研究所 |
近藤 正夫 |
愛知県産業技術研究所 |
化学工業の分野において、高耐食性を要する熱交換器や貯槽などに、SS400などの鋼材を母材にチタンなどの耐食性に優れた材料をライニングしたクラッド材料が多く用いられている。クラッド材料は爆着法や圧延法などにより製造されるが、コストが高く、施設や設備も大がかりになる。本研究では、ライニング材にニッケル合金を取り上げ、抵抗溶接法によるクラッド材料の開発を目的とし、安価なクラッド材料の製造技術の確立を目指す。 |
658 |
マイクロナノ構造体成形に適した電鋳材料の開発 |
安田 吉伸 |
滋賀県東北部工業技術センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
電鋳技術は精密な転写性を有していることから、MEMS(微細電気機械システム)といった最先端技術に応用されている。しかし従来の電鋳材料であるニッケルや銅では@強度不足、A耐久性不足、B材料組織の不均一性などの問題があり、さらなる微細成形品へ応用するには問題があった。 そこで、上記3点の問題点を解決する様な、マイクロナノ構造材料に適した電鋳材料の開発を行う。 |
685 |
鋼表層へのMo粉末プラズマ溶接による高耐食性表面の創製 |
秋山 雅義 |
京都工芸繊維大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
プラズマ溶接技術を用いて鋼表層にMoを濃化させ、耐食性に優れた表面を創製する技術を開発する。Mo粉末を単にプラズマに載せて溶接すると、大半は飛散・燃焼し溶接表面が割れる。Mo粉末を予めシールしてベースメタル上に置き、それをベースメタル粉末を載せたプラズマで叩き、Moの飛散・燃焼を防ぐと共に溶接割れを防止する。シール材、シール方法、ベースメタル粉末を選定、Mo粉末とシール材の適性比を特定する。 |
804 |
電子実装用新低温固相接合技術開発 |
高橋 康夫 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
熱以外の振動エネルギーを併用した固相接合機構を解明し,その原理を利用した低温固相接合技術開発を実施する.電子実装で行われているボンディング温度は250℃以下の低温であるが.本研究では,常温から210℃で固相凝着接合が可能になる機構,すなわち阻害要因(特に酸化皮膜)の処理原理を探求し,それに基づき,低抵抗・耐熱・変形柔軟性インターコネクション界面形成技術の創成を試みる.熱と非熱(振動)エネルギーの高効率利用により,接合を達成し且つ凝固組織を残さない新接合技術開発を目標とする. |
829 |
超精密切削におけるダイヤモンド工具の熱化学的磨耗の抑制に関する研究 |
本田 索郎 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
森田 均 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密切削加工は、主に高機能光学部品の加工技術として既に一般化している。しかし、その対象材料は無酸素銅、アルミニウム合金、無電解ニッケルリンめっき膜等に限定され、鉄系材料やチタン・モリブデン等の機能性材料はダイヤモンド工具に急速な熱化学的摩耗を生じさせるため加工不可能である。本研究では、ダイヤモンド工具と被削材間に電流を流す通電切削によって熱化学的摩耗の抑制を試み、超精密切削の対象材料の拡大を図る。 |
835 |
高速回転偏心ねじり押出し法の開発と難加工マグネシウム合金への適用 |
高津 正秀 |
大阪府立大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
力ずくで変形させる従来の強加工微細化プロセスでは,大型バルク素材の創製や難加工材への適用が難しく,また,非効率、低歩留り、均一微細化が難しいなどの問題がある.高速回転偏心ねじり押出し法は,回転するビレットをダイに押し当て,摩擦による発熱と塑性流動による材料の自然流出を待つもので,上記従来法の課題の一挙解決が期待できる.ここでは,特に微細化効果の大きい難加工マグネシウム合金への適用を検討する. |
888 |
新規ウェットプロセスによる高密度垂直磁気記録媒体の製造 |
八重 真治 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
無電解析出させた金属ナノ粒子を用いる新規ウェットプロセスにより高密度ナノホールアレイを形成し、これにコバルト系硬質磁性合金を無電解自己触媒析出法を用いて充填することで、高密度な垂直磁化ナノロッドアレイを作製する。これにより、溶液に浸すだけの簡便で低コストな方法で、テラビット高密度垂直磁気記録媒体を製造することを最終目標とする。 |
906 |
金属プラズマを利用した大面積イオン源の実用化 |
重本 明彦 |
和歌山県工業技術センター |
前畑 進 |
わかやま産業振興財団 |
本研究では金属表面に対する金属イオン注入やドライコーティングを目的としてEBガン(電子ビーム蒸発源)を装荷した低ガス圧高電離金属プラズマによる金属イオン注入法を提案する。その特徴としてEBガンによる金属蒸気を2段階放電により高電離プラズマ化する技術があげられる。この金属イオン化技術と未電離金属蒸気の回収技術を工夫することにより大面積で取り扱いが簡便な金属イオン源を試作し、その性能評価を行う。 |
960 |
研削加工の生産性向上のための高感度型加工開始点検出システムの開発 |
藤原 貴典 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
金属加工に不可欠の研削加工は、ミクロン単位の加工を行うので、加工開始点の厳密な予測が困難で、空加工時間が長く生産性向上を図りにくい。 そこで、加工開始直前まで高速送りを可能にするため、干渉開始点までの距離を検出する「タッチセンサー」を開発する。本センサーは、多孔性構造を持つ砥石に特有の「研削液噴出現象」により、センサー表面に付着する研削液量で変化する電気抵抗変化を検出する。そして、抵抗変化変化量から加工開始点までの残り移動量を推定可能にする。 |
991 |
板材成形・スプリングバック高精度シミュレーションのための材料パラメータ自動同定システムの開発 |
吉田 総仁 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
板材成形・スプリングバック(成形後の弾性回復)の高精度のシミュレーションのためには,材料の硬化およびバウシンガー効果(応力反転時の塑性挙動)のモデル化が重要である.本研究では,板材の「引張り試験+大ひずみ繰返し曲げ実験」データを用いて,硬化・バウシンガー効果を記述する材料モデル中のパラメータを自動的に同定する実用的でユーザーフレンドリーなシステム(実験装置+ソフト)の開発を行うものである. |
1017 |
液圧張出・逆張出・しごき複合加工法の確立 |
畑中 伸夫 |
阿南工業高等専門学校 |
森本 巌 |
徳島県立工業技術センター |
金属板の張出加工は、通常,剛体工具を用いて行われるが、十分な成形高さを得ることができない。本研究は、液圧一次張出により製品外径より大きなダイスを用いて広い範囲の材料を薄肉化し、この薄肉化した材料を逆向きに二次張出させて製品外径を持つダイス内に流入させ、最後に剛体パンチを用いて側壁部材料にしごき加工を行う。これらの複合加工により、従来実現できなかった成形比と、高い寸法(径と板厚)精度の実現を目指す。 |
1019 |
キャビテーション援用による金属材料の高アスペクト比穴加工技術の開発 |
小川 仁 |
徳島県立工業技術センター |
大村 芳正 |
徳島県立工業技術センター |
直径0.1o以下の小径ドリル加工では主軸特性,工作機振動特性の影響を受け易く,また,ドリル剛性の低下により工具寿命は短く,工具折損が頻繁に生じる.特に切屑排出性に工具寿命は強く起因する. 本研究では,工作液に超音波振動を付与することにより生じるキャビテーションの援用により切りくず排出を促し、金属材料に対する穴あけについて、アスペクト比20(穴深さ/穴直径)を超える深穴を安定して加工する技術開発を行う。 |
1073 |
高周波誘導による局部予加熱での軸拡径加工法の開発 |
朱 霞 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
該当研究者が軸材に対して一定の軸圧縮応力条件下で回転曲げによる引張・圧縮の繰返し応力を重畳させ部分的に肥大加工させる塑性加工法を確立し、室温にて極めて短時間、省エネ・省資源な軸拡径加工機を開発した。本研究では既に独自で開発した大型軸拡径加工機に備えた高周波誘導予加熱装置を用い、軸拡径加工部を高周波誘導予加熱後、軸拡径加工を行い、より大きな軸拡径率・高い加工効率を達成する最適加工条件の確立を図る。 |
1120 |
抵抗クラティング法による軽量耐摩耗性複合材の開発 |
山口 富子 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
低融点物質を溶融凝固させてクラッド層を形成する方法を用いて、板厚2mmの鋼板上に WC-6.5Co及びWC等の耐摩耗金属粉末を単独にクラッディングして耐摩耗性改質層を制御する技術を開発する。さらに、板厚2mmの軽量材料にバインダ−を用いないで高硬度物質を溶融凝固させてクラッド化を図り新規な軽量耐摩耗複合材を開発する. |
1231 |
ステレオ動画解析法による3次元塑性変形可視化技術の開発 |
牟禮 雄二 |
鹿児島県工業技術センター |
平井 澄夫 |
科学技術振興機構 |
鍛造加工における加工品の欠陥を予測するため、金型設計時に材料変形を事前に可視化することは重要である。数値シミュレーションや実験シミュレーションにより可視化できるが、様々な問題を抱えている。 本研究では、加工品の外表面及び複数断面において、時系列的な3次元座標の追跡を可能とし、欠陥発生を予測するための独自の可視化手法を用いた低コストで簡便な3次元塑性変形可視化技術を確立し、プロトタイプ装置を構築する。 |