No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1 |
プロバイオティクスの有効成分を用いた新しい消化管疾患治療薬の開発 |
藤谷 幹浩 |
旭川医科大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
Lactobacillus菌やBacillus subtilis菌などのプロバイオティクスの培養液を分析して,ヒト消化管組織に対して保護作用や抗炎症作用を持つ有効成分を同定し,新しい治療薬として臨床応用する.さらに,遺伝子導入技術を用いて,これらの有効成分を持続的に産生する菌株を育種し,消化管の恒常性維持に役立つ健康食品の開発や新しいプロバイオティクス療法の確立を目指す. |
2 |
実体モデルをベースとする設計のための形状評価法の開発と応用 |
後藤 孝行 |
旭川工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
実体モデルや実製品形状をベースとする形状設計法(リバースエンジニアリング)では、形状計測技術および曲面生成技術の向上に加えて、加工モデルとCADモデルおよび実体モデルとの形状評価法を確立することが重要である。本研究では、加工モデルがCADモデルおよび実体モデルと同形状であるのかを評価する方法を提案し、デザイナの感性を表現した実体モデルをベースとする形状設計方法の確立を目指す。 |
3 |
生分解性架橋ポリアスパラギン酸の合成とその吸水能に関する研究 |
梅田 哲 |
旭川工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
ポリアスパラギン酸の中間体であるポリスクシンイミドの効率的かつ実用的な合成、生成したポリスクシンイミドの加水分解で得られるポリアスパラギン酸変性体、および架橋ポリアスパラギン酸の合成とその機能評価を行うものである。 |
4 |
磁気的非破壊検査装置の実現に向けた磁気シールド技術開発 |
松本 和健 |
釧路工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
従来より,非破壊検査や資源探査を応用目的とした超伝導センサを用いた微小磁場計測システムが提案されている。このような磁場計測システムは様々な場所で用いられるため,高感度磁場計測を実現するためのシールド技術には,十分な磁場除去性能を持つことともに,持ち運びが容易な構造であることも要求される。 本研究課題は,特に屋外への携帯が可能な構造で構成され,測定対象の特定周波数以外の周波数帯域で磁場除去できるシステムを開発することを目的とする。 |
5 |
海洋ユビキタスセンシングによる冷水塊の解明 |
和田 雅昭 |
公立はこだて未来大学 |
鈴木 孝司 |
公立はこだて未来大学 |
毎年夏季に北海道西部の沿岸に流れ込むとされている冷水塊の存在をユビキタスセンシングの技術により科学的に証明することを目的とする.冷水塊はホタテ養殖などの水産業に被害を与えることが経験的に知られている.そこで,臼谷沖の海域に開発した9基の多層計測式ユビキタスセンサを投入し,水面下の水温分布を可視化し冷水塊の解明を試みる. |
6 |
ユーザーインタフェースに用いるための視線検出装置の開発 |
長崎 健 |
公立はこだて未来大学 |
鈴木 孝司 |
公立はこだて未来大学 |
視線を用いたインターフェースを構築するとき,従来の装置では事前にキャリブレーションが必要になる.そこで,本課題では,ユーザーとシステムの操作から,自動的にキャリブレーションを行うことを目指す.ユーザーがシステムに対して操作するとき,視線は操作対象を注視しているので,この特性を利用し,キャリブレーションを行う. |
7 |
正常ヒト鼻粘膜上皮細胞培養系を用いた新しいDDS開発の基礎研究 |
澤田 典均 |
札幌医科大学 |
一瀬 信敏 |
札幌医科大学 |
鼻粘膜は、自然免疫の最前線で、インフルエンザやライノウイルスなど感染症の門戸であり、また近年その異常である鼻アレルギーが増加している。それらの治療の多くは対症療法である。本申請では正常ヒト鼻粘膜上皮細胞を用いて、鼻粘膜バリア制御機構を明らかにする。さらにその機構を応用して新しい治療薬開発や新しい薬物投与法を開発しようとするものである。 |
8 |
悪性中皮腫(アスベスト肺癌)の特異的細胞表面マーカー探索と早期診断法の開発 |
中村 公則 |
札幌医科大学 |
一瀬 信敏 |
札幌医科大学 |
悪性中皮腫は極めて予後が不良であることで知られている。その主な原因は現在,早期発見の方法がほとんど無いことにある。申請者らは癌細胞特異的な細胞表面分子をスクリーニング・同定と同時に高性能なモノクローナル抗体を得ることが出来る独自の方法を樹立している。この方法を用いて悪性中皮腫の細胞表面マーカーの探索を行い、その結果得られた抗体を用いた早期診断法や病勢のモニター法の開発、実用化を目指す。 |
9 |
ポーラスアルミナ光干渉を用いたラベルフリー型DNAチップの開発 |
池上 真志樹 |
産業技術総合研究所 |
太田 英順 |
産業技術総合研究所 |
陽極酸化ポーラスアルミナを用いた光干渉型バイオセンサの開発を行う。本センサは、測定物質を直径約100nmの細孔内に導入し、細孔内の誘電率の変化を光干渉を利用して検出するものであり、蛍光物質などのラベルを付加する必要がない(ラベルフリー)特徴を持つ。本課題では、細孔径や深さなどに関するセンサの特性を明らかにし、測定時間の短縮を目指す。またDNAチップのような多種類DNAの同時検出技術を開発する。 |
10 |
バイオアルコールによるAl合金の腐食挙動とその防食表面技術の開発 |
世利 修美 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
自動車用エネルギーとしてのバイオアルコールによるエンジン部材等の自動車部品の腐食劣化が指摘されている。アルミニウムの腐食に対しては、表面の不純物金属間化合物が有害である。この金属間化合物相の除去がアルミニウムの防食に一義的に有効である。本研究はアルミニウム部材の防食技術の実用化を目指す視点から、バイオアルコールによる腐食反応のメカニズムを実験的に調べ、その発生条件を解明し、劣化防止のための実用的な表面処理技術の研究開発を行う。具体的には、アルミニウムの表面皮膜を不連続にしている金属間化合物を選択的に除去し、表面に陽極酸化皮膜あるいはめっき処理を施し防食する。上記の方法を複合化し、アルミニウム表面の耐バイオアルコール防食技術に関する実用化の見通しを得る。 |
11 |
高炉ダストを再活用した環境汚染物質の親環境型処理技術の開発 |
チャン ヨンチョル |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
本研究開発は、製鋼用電気炉で発生する高炉ダスト(廃棄物)と硫酸塩還元菌との相互作用を活用し、有機塩素系化合物(TCE, DDT, PCB, endosulfan)や環境ホルモンによる汚染土壌をその場で浄化する画期的な親環境型処理システムである。本研究では高炉ダストの分解可能な有機塩素系化合物のデータベース構築及び分解特性を系統的に明確化させるとともに、硫酸塩還元菌の重金属安定化特性を検討し、実用化に向けた最適条件を見出す。 |
12 |
木質系バイオマスのリグニンからの酵素法による芳香族化学原料生産系の開発 |
安居 光国 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
白色腐朽菌は木質系バイオマスのうちリグニンを分解することが出来る。この酵素はリグニンから環状構造だけを切り出し、バイオマス資源の有効活用を図ることができる。石油製品から合成をすることに対して,香料等の原料となるハイドロキノン,キノンを安全に効率的に生産することが可能になり、白色腐朽菌の酵素の生産性を高めることを目的としている。 |
13 |
構造物崩壊予知センシング技術の開発 |
矢吹 信喜 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
今後大量の社会基盤設備が寿命を迎え,構造物の劣化による崩壊兆候をいち早く予知できるセンサネットワーク作りが待たれている.本研究は,人工あるいは自然構造物内部の応力や圧力変動を直接的に捉える半導体式圧力センサーとICタグ(RFID)をつなげ,崩壊予知センシングに資するシステムを構築するための研究を行うものである. |
14 |
優れた強度と延性を有する球状黒鉛鋳鉄薄板の開発 |
長船 康裕 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を向上させるには,基地組織の高強度高延性化と黒鉛粒の微細化を同時に行うことが有効である.オーステンパ熱処理による基地組織の強化と,チル組織を発生させない薄板鋳造法を融合させ,今までにない高性能球状黒鉛鋳鉄薄板を開発する.本提案では4mm以下の薄板(黒鉛粒を超微細化)の基地組織及び強度特性(1000MPa以上の引張強さ,7%以上の伸びを目標)を検討し,実用化の見通しを得る. |
15 |
強相関アモルファスCe合金の熱弾性・熱電特性の発掘と改善 |
村山 茂幸 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
強相関4f希土類化合物は、重い電子、スピン密度波(SDW)、非フェルミ液体、エグゾティック超伝導など、様々な磁性と電気伝導が観測されるとともに、巨大な熱膨張や熱電変換特性などの熱弾性・熱電性も出現する。本研究において、強相関アモルファスCe合金を作製して、熱膨張、比熱、磁化率、および電気抵抗測定から、構造不規則4f電子系における強相関電子状態および超伝導状態の発現機構を明らかにするとともに、実用化に向けた熱弾性・熱電特性の発掘・改善を行う。 |
16 |
三元遷移金属硫化物における強磁性発現材料の開発 |
本藤 克啓 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
三元遷移金属硫化物の一つである非磁性Rb2Ni3S4は一度水につけた後乾燥させることで強磁性が出現する物質である。この物質について,水含浸時間及び乾燥時間に対する磁化の依存性を調べ,水による磁性コントロールの可能性について見通しを得る。 |
17 |
微量試料の生体分子間相互作用を測定する表面プラズモンセンサーの開発 |
加野 裕 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
金属薄膜表面の局所領域(光の回折限界相当の領域)に励起される表面プラズモンを測定プローブに用いて金属表面の屈折率変化を測定することにより,局所領域で生じる生体分子の結合反応を検出するセンサーを開発する. |
18 |
事象に関連した確率推論による疲労度の収束的推論システム |
魚住 超 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
人間の疲労度は声や表情に表れる。本システムは、音声と顔つきに含まれる疲労情報をマイクとカメラにより事象(音声合成による質問)に対する反応として取得する。音声情報からはピッチや振幅,ゆらぎ等の特徴量を解析し、ユーザの動画像から瞬目の回数、眼の細さ等を解析する。ベイジアンネットワークを用いて複数の関連ネットワークから構成される疲労度の推論システムを構築し、音声での確認反応を取得するシステムである。 |
19 |
Database AMPACを有効に活用した生産支援システムの開発 |
湯浅 友典 |
室蘭工業大学 |
花岡 裕 |
室蘭テクノセンター |
現在,企業内に蓄積されてきた貴重なノウハウや技術情報が技術者と共に失われようとしている.本申請課題では,従来データベース化が困難であった,機械オペレーターなどの人に蓄積されてきた経験や知識,中でもトラブル発生時の原因と対策情報を,Database AMPACを用いて系統的に分類整理することで標準的な知識集約型データベースを構築し,次世代知能生産システムの開発につなげることを目的とする. |
20 |
熱潤滑挙動とトライボ設計を考慮した環境負荷低減型液圧ポンプの開発 |
風間 俊治 |
室蘭工業大学 |
花岡 裕 |
室蘭テクノセンター |
液圧ポンプは,高動力密度,高応答性を有するフルードパワー(液圧)システムの要である.その信頼性や効率は,摺動部のトライボロジー(潤滑,摩擦,摩耗)で決まる.本課題は,液圧工学とトライボロジーの科学と技術を礎として,信頼性や環境適合性の高付加価値を指向する機器要素開発研究である.特に,各摺動部の熱潤滑挙動に焦点を当て,そのトライボロジー特性を把握する. |
21 |
対地、対物速度測定用マイクロ波レーダーの開発 |
田村 知久 |
十勝圏振興機構 |
大庭 潔 |
十勝圏振興機構 |
国内外で市販されているマイクロ波ドップラモジュールを応用した、安価で精度の高い対地、対物速度測定用マイクロ波レーダの実用化研究を目的とする。実用化のためには、複数対象物検出時の信号処理や不要反射波対策など、信号処理技術の確立が重要である。本研究では、農地での利用を前提とした信号処理技術の開発を実施する。また、開発した信号処理アルゴリズムを実装した試作品を製作する。 |
22 |
枝豆自動莢剥き機の開発 |
佐賀 良市 |
十勝圏振興機構 |
大庭 潔 |
十勝圏振興機構 |
莢を剥いた豆のみに着目する食品メーカーは多々あり、現場での莢剥きには他の使用目的である既存の機械を改良したり、人手によって剥かれたりしている。 そこで本課題では、食品加工工場において生産ラインに組み込むことが可能なクラスの莢剥き機械の開発を行うものである。大量の処理能力が必要とされることから、課題は莢剥きから豆の排出までに至る機構部分である。 |
23 |
生体材料を利用した高効率・低劣化特性を有する個体色素レーザの開発 |
川辺 豊 |
千歳科学技術大学 |
中島 博之 |
特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアム |
生体高分子DNAを有機色素の母体材料とすることで、色素の発光効率が上がり、かつ高濃度状態の薄膜でも光増幅が可能である。この効果を利用することにより、高効率でコンパクトな波長可変固体化色素レーザの実用化が可能になる。本研究では本材料を共振器中に適切に装着することによって薄膜色素レーザを実現し、さらに経時劣化を逓減する条件を確定することによって実用化を図ってゆく。 |
24 |
遺伝子多型解析による伴侶犬の適性診断技術の開発 |
鈴木 宏志 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
少子高齢化や核家族化の進展という社会構造の変化の中で、国民が「ペットを飼う」ことから「ペットと暮らす」ことを志向し、さらに動物に「癒しを求める」ことに移行している。本研究課題では、イヌの性格関連遺伝子の多型解析によって、国民の飼育目的の多様化に合致したペットを提供する。 |
25 |
イヌ熱ストレス蛋白質複合型癌ワクチンの研究開発 |
嶋田 照雅 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
現在癌はイヌにおいて最も死亡率の高い疾患であることから、近年獣医療でも免疫療法特に癌ワクチン療法の研究開発が進められている。しかしながら、癌ワクチン療法では、癌抗原の選択と免疫補助効果の弱いアジュバントが問題となっている。そこで本研究では、多種の癌細胞に共通して発現する癌抗原と強い免疫補助効果を持つ熱ストレス蛋白質(HSP)に注目し、人工的に調製したタンパク質を複合した実用可能なHSP複合型癌ワクチンの研究開発を行う。 |
26 |
豚増殖性腸炎新規特異抗原検出診断キットの開発 |
古岡 秀文 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
豚の増殖性腸炎はLawsonia intracellularis(以下L.i)を原因菌とする致死性下痢症で,欧米を中心として流行がみられている.本研究ではこれまでに考慮されていないL.i関連特異抗原を新たに同定し,それに対する抗体の作製,さらには簡易診断キットの開発を目標に研究を進める. |
27 |
新規芳香族アミノ酸修飾反応を用いた固定化ペプチドライブラリーの生理活性スクリーニング法の開発 |
橋本 誠 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
新規芳香族アミノ酸特異的修飾反応による誘導体化を確立する事により、新しいコンセプトでのペプチド固定化法を開発し、生理活性ペプチドスクリーニングへの応用をはかる。 |
28 |
イネ科牧草の物理的強度測定装置の開発と応用 |
本江 昭夫 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
植物の葉や茎のように、柔軟性があり柔らかい物質の曲げ・せん断・引張り強度を測定するために、独自に測定装置を開発する。曲げ強度には3点支持の測定装置を使用する。せん断強度の測定装置では、部品をハサミと同軸となるように円運動させる方法を採用する。引張り試験のために新型クランプを開発する。これらの測定装置を応用して、今後のイネ科作物の育種における新たな指標の確立を目指す。 |
29 |
実用型根菜類肥大生長量測定装置の開発 |
柴田 洋一 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
てん菜、ダイコン、ニンジン等、根菜類の根部の生育状況を簡便に知る方法として、屋外圃場において、非破壊的に、リアルタイムで連続測定する実用的な小型装置を開発し、肥培管理のタイミングの最適化、収穫時期の決定、収量予測等生産性の向上に資する。 |
30 |
ビタミンCが分解しにくいニンジンの開発 |
得字 圭彦 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
ニンジンのアスコルビン酸オキシダーゼAAO遺伝子を標的としたRNA干渉を起こさせ、AAOの活性を抑え、ビタミンCの増量を目指す。ニンジンの栄養価を高めるとともに、他のビタミンCを多く含む野菜とのミックスジュースのような加工品の可能性を広げる。 |
31 |
室温乾燥型透明二酸化チタン膜の作製技術の開発と応用 |
古崎 毅 |
苫小牧工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
本研究者は,ゾルゲル法の技術を応用して透光性に優れ,光触媒特性を有する二酸化チタン薄膜の作製方法を既に開発した(特許出願済み)。本研究では,その薄膜を外壁タイル等にコーティングしてその自浄効果を経時観察し,実用化に向けた研究開発を行う。また,申請者は,同様の方法により可視光照射により光触媒を有する二酸化チタン微粒子の合成に成功しており,それを用いた薄膜化技術の開発も併せて行う。 |
32 |
放牧飼育で変動するウシ特異的発現マーカー因子の探索とそれを利用した放牧畜産物の判定システム開発 |
小酒井 貴晴 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
消費者の手元に届く畜産食品が放牧飼育されたウシから生産された乳や食肉であると、消費者に科学的根拠を持って提供する技術がない。そこで、1)放牧されたウシに特異的発現する遺伝子群を探索・検出する。さらに、2)そのマーカー遺伝子群により発現・誘発される代謝因子を探索する。最終的に、これらの検出技術を応用させ、生産者と消費者の両者に対して、科学的根拠に基づいた放牧畜産品判定システムの開発を目指す。 |
33 |
高品質・広帯域ホワイトノイズ発生器の開発と応用 |
高田 明雄 |
函館工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
従来のホワイトノイズ発生方法では、装置が大掛かりになるためコスト高が避けられないが、電子回路のカオス現象を利用すれば、回路が簡単になり二桁程度のコストダウンが見込まれる。申請者は、特定の電子回路において、カオス現象とホワイトノイズ発生との間に強い相関関係があることを見出しており、回路が安定状態からカオス状態へ容易に移行する条件等について実験および非線形解析の両面から検討し、実用化の見通しを得る。 |
34 |
自律駆動型水素吸蔵合金アクチュエータ実用化のための水素吸蔵放出特性試験 |
松村 一弘 |
函館地域産業振興財団 |
宮嶋 克己 |
函館地域産業振興財団 |
水素吸蔵合金(合金)は常温付近で多量の水素を吸蔵・放出する。この特性を用いれば小型高出力な自律駆動型水素吸蔵合金アクチュエータ(A-MHA)が構成できる。A-MHAは太陽光や廃熱など低密度熱エネルギを動力に変換できる。つまり、エネルギコストゼロで有益な仕事が得られる。本研究は、A-MHAの出力特性に影響する合金について、繰り返し水素の吸蔵・放出を行わせ特性を評価し、A-MHAの基礎データとする。 |
35 |
水分状態を指標とした乾燥中華食材の機械乾燥技術の研究開発 |
小西 靖之 |
函館地域産業振興財団 |
宮嶋 克己 |
函館地域産業振興財団 |
乾燥アワビは日本製が国際的に最も評価が高く、香港・台湾等に大量に輸出されているが、その製造は天日乾燥にて行われており、機械乾燥を用いた製造例はない。 本研究では、北海道産のエゾアワビなど乾燥工程中のアワビなどの水分状態変化を明らかにし、それらを指標としてボイル工程や機械乾燥工程の最適操作設計を行う。更に同様な技術を用いて、ナマコ等の中華食材の機械乾燥工程の最適条件の確立を目指す。 |
36 |
虫歯修復能を有する治療材料の開発 |
斎藤 隆史 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
虫歯の治療に用いられる修復材料中の成分である接着性モノマーに対して合成技術を用いてCa塩を作製して虫歯の治療に用いる技術を開発する。従来は虫歯の治療において虫歯部分を機械的に除去して修復していた治療技術を、虫歯を完全に削ることなく修復後、残存した虫歯部分を再石灰化(虫歯によって溶けた無機成分が再生し、元来の組織に戻ること)させる技術に転換させることができ、歯をなるべく削らない治療法が確立する。 |
37 |
生体安全性に優れた歯科用セメントの開発 |
遠藤 一彦 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
従来から歯科臨床で用いられてきたセメントは、いずれもアレルギー性を有する金属(Zn、Al)やレジンモノマーを含んでいる。本研究では、これらの毒性元素を含まない生体安全性の高いセメントを開発する。すなわち、リン酸カルシウム系のセメントをベースとして、高強度化と機能化(抗菌性など)を実現する。成分・組成を調整し、(1)仮着、(2)根管充填、(3)裏装、(4)合着などの用途に適したセメントを開発する。 |
38 |
一般歯科医院で使える偏性嫌気性細菌培養装置の実用化研究 |
中澤 太 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
感染根管には通性及び偏性嫌気性細菌が圧倒的優位に生息していることから、感染根管治療後に行う細菌培養検査は、充分な嫌気的条件下で行う必要がある。本研究では、嫌気性細菌用液体培地とpH指示薬を含むポリエチレン袋に、嫌気性混合ガスを充填することによって極めて高い嫌気度を確保し、簡便に且つ安価に一般歯科医院のチェアーサイドにおいて、精度良く細菌培養検査を行うための嫌気性細菌培養キットを開発・実用化する。 |
39 |
六価クロム(Cr6+)含有廃棄物の還元化処理法の実用化研究 |
岸 政美 |
北海道工業大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
クロム(Cr)は酸性・アルカリ性の何れの場合でも有害な「六価クロム(Cr6+)」として溶解することが知られており、現在有効な除去処理法の開発に苦慮している。本研究では、木質抽出液および木材蒸煮液を用いた六価クロム(Cr6+)含有廃水および廃棄物の還元化による無害化処理の実用化研究を行う。「木質ボイラー残滓」、「発電ボイラー燃え殻」および「発電ボイラー煤塵」に対し「木質抽出液」および「木材蒸煮液」の各溶液を添加し、温度制御のもとで一定期間六価クロム(Cr6+)還元化処理試験を行う。 |
40 |
低廃棄物新規バイオディーゼル燃料の製造方法に関する技術開発 |
西川 孝二 |
北海道自動車短期大学 |
能戸 正 |
北海道自動車短期大学 |
本研究は、植物油等の生物由来原料油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する手法として現在広く行われているメチルエステル化法に頼らず、原料油に対して、金属イオンを添加する手法を用いて、新規のBDFを製造する技術の開発を目的としている。添加物の混合比率を変化させ、機関性能試験を通して、この手法により製造されるBDFの性能評価を行うと共に、製造コストの低減を試み、その実用化を研究内容としている。 |
41 |
カーボンナノファイバーの高効率製造システムの実用化研究 |
向井 紳 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
申請者らは、ラボスケールの装置を用いて炭化水素と有機金属からカーボンナノファイバー(CNF)を製造する際に、原料を液パルス状で装置の高温部に接触するように間欠導入するという簡便な方法でCNFの高効率製造が可能であることを見出している。本研究は液パルスインジェクション法と名付けたこの方法によるCNFの高効率製造システムの実用化を目的に実施する。具体的には高効率製造を達成しているラボスケールの装置をスケールアップし、工業スケールで運転する場合の重要因子を明らかにする。 |
42 |
極微小ゲート集積化基板を用いた分子分別システムの構築 |
並河 英紀 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
幅数十〜数百ナノメートル程度の極微小ゲートにおける化学ポテンシャル変調現象に基づいた高汎用性分子分別システムの構築を行なう。分離媒体として生体細胞膜を用いることで、膜タンパク、抗菌性ペプチド、環境ホルモンダイオキシン類などの生体関連物質の高選択抽出・分離技術の確立を目指す。さらに、微小ゲートにおける光誘起増強電場を利用した単一分子検出技術との融合により、分子分別検出システムへの拡張を試みる。 |
43 |
耐摩耗性向上を目指した新規熱プラズマCVD法によるTiN−基板上への硬質酸化物コーティングの技術開発 |
清野 肇 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
金属切削工具において,環境問題や高効率化の観点から高温(〜1000℃)での性能維持が課題となっており,工具表面のTiNコーティングへの高温酸化対策が求められている.本研究では切削工具の耐熱性向上を目的に,熱プラズマCVD法においてアルコキシドを前駆体,水蒸気を酸化剤として用いることで, TiN膜を酸化させずにその上に遮熱および耐酸化性能を持つ硬質酸化物をコーティングする技術の確立を目指す. |
44 |
魚類の新たな生体指標蛋白を利用した環境エストロジェン評価系の構築 |
平松 尚志 |
北海道大学 |
小川 晴也 |
北海道大学 |
ビテロジェニン(卵黄前駆蛋白)は環境エストロジェン活性を評価する生体指標として汎用されているが,低濃度領域ではビテロジェニン誘導と生殖異常との相関が認められないこともある。本研究ではコリオジェニン(卵膜前駆蛋白)を用いることによる高感度測定法の開発を行なう。具体的には,ボラ科魚類の血清からコリオジェニンを分離精製,特異抗体を作製後SRID法による測定法を確立,ビテロジェニン法との比較を行なう。 |
45 |
DHAを高レベルにもつリン脂質の発酵生産 |
奥山 英登志 |
北海道大学 |
須佐 太樹 |
北海道大学 |
最近、機能性脂質の分子形態の基づく差別化が進み、その抗腫瘍性や抗酸化性などの生理機能から、DHAを含むリン脂質(DHA-PL)が注目されている。現在のDHA-PLの主な供給源は魚油である。本研究では、DHAを含む脂肪を高レベルで蓄積するラビリンチュラ類微生物を材料として用い、その代謝調節によってDHA含量のより高いDHA-PLを発酵生産する。安全性の高い健康食品素材の提供を目指す。 |
46 |
相補的長鎖オリゴヌクレオチドを用いた特異抗体の多種・大量生産技術開発 |
渡辺 雅彦 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
合成ペプチドや発現蛋白を用いた従来の抗体作成法は、費用や対象範囲等においてそれぞれに長所と短所を抱えていた。本シーズ研究では、両者の長所を生かした新たな抗体作成法として、「相補的な長鎖オリゴヌクレオチドを用いた新たな抗体作成法を開発し確立」する。特に、実験的に有用性の高いマウス・ラットと臨床的に有用性の高いヒトの分子に対するそれぞれ特異抗体を、安価で同時にかつ効率良く作成するための方法開発を行う。 |
47 |
新たに同定されたマクロファージ・サブセットの抗腫瘍活性の解析とがん治療への応用 |
笠原 正典 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
我々は,ラットの血球動態を解析している過程で,強い抗腫瘍活性を有する新しいマクロファージの集団を同定し,これをCD4/CD8 double-positive subset(以下,DP細胞)と命名した.本研究計画では,ラットDP細胞の抗腫瘍作用を解析するとともに,ヒトにおいてDP相当細胞を同定し,同細胞を用いたがんの免疫療法の開発を目指す. |
48 |
自分の歯と同じくらいに噛み心地のよい人工歯根植立療法の実用化研究 |
石崎 明 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
現行の人工歯根埋入法では、本来歯根と骨の間に介在すべき歯周靱帯が無いため、天然歯のような「噛む感じ」が全く無い。本研究によりその知覚神経を伴う歯周靱帯シートの作製を実現し、人工歯根と骨の間に介在させ、「噛む充実感」を伴う人工歯根療法を可能にする。 |
49 |
新規な不均一化酵素によるイソマルトオリゴ糖の製造と実用化 |
木村 淳夫 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
これまで主に2糖や3糖の短鎖オリゴ糖が利用の対象になり、産業に大きく貢献してきた。一方、4030糖の中鎖や長鎖オリゴ糖にも優れた機能が予想されるが、効率的な製造法がない。最近、イソマルトオリゴ糖の2糖や3糖から、グルコース残基を転移・伸長させ、4012糖の中鎖イソマルトオリゴ糖を与える新規酵素(不均一化酵素;転移酵素の一種)を発見した。中鎖オリゴ糖の実用化を目指し、効率的な製造法を確立するための試験を行う。 |
50 |
発現カセット法を用いた大腸菌による有用生物活性物質生産系の確立 |
及川 英秋 |
北海道大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
大腸菌による様々な生物由来の異種タンパク発現の有用性は確立されていたものの、複数の酵素を同時に発現させての有用物質生産は困難であった。そこで最近我々が開発した異種発現法により、臨床試験で有望視されていながらホヤから微量しか供給されない抗腫瘍性物質エクテナサイジンの生産に適用する。 |
51 |
近赤外光を用いた脳浮腫モニタリング手法の確立 |
西村 吾朗 |
北海道大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
本研究は光学的手法により脳浮腫を早期にモニタ可能とする技術を確立することが目的である。1μmを超える近赤外光領域を利用し浮腫形成を反映する組織の水の吸収および散乱特性を主として時間分解計測法を用いて評価する。これらのために高感度計測法を検討するとともに、小動物モデルを用いた組織の光学特性評価を行う。それにより、実用化に適した波長などの光学測定条件などを決定し、モニタリング手法の基礎技術を確立する。この結果をさらに、今までのMRIと異なるベッドサイドなどでのモニタが可能となるシステムへと展開することができる。 |
52 |
強磁性ナノエッジ接合を用いた高感度磁気センシングの実用化研究 |
海住 英生 |
北海道大学 |
蛸島 武広 |
科学技術振興機構 |
巻き取り式超真空蒸着装置を用いて強磁性ナノエッジ接合を作製し、その磁気抵抗効果を調べることにより、次世代の高感度磁気センサーへの応用可能性について探求する。 |
53 |
プラズマ陽極酸化による軽量・高強度チタン合金への耐魔耗性コーティング |
幅崎 浩樹 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
本研究は,アルカリ水溶液中における陽極酸化という安価な表面処理法により,チタン合金表面へ高硬度で密着性が良く,耐摩耗性に優れたセラミックコーティングを施すものである。陽極酸化時に酸化膜の絶縁破壊によるマイクロアークの発生により,常温の水溶液プロセスながら高硬度のセラミックスコーティングを可能とすることに特徴がある。このプロセスにより,機械的特性が劣化するため高温プロセスが利用できないチタン合金への実用的耐摩耗性コーティングを達成する。 |
54 |
含水バイオエタノールからの有用石油関連物質合成 |
増田 隆夫 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
精製前の含水粗バイオエタノールを原料に用い、触媒反応により、石油関連物質への選択的合成の技術開発を実施する。反応機構の解明と、粗バイオエタノール中に含まれる各種有機系不純物が触媒に及ぼす影響を検討する。また、生成物精製用水分離膜の合成とそれを蒸留塔に組み込んだ高度分離システムの提案を行う。さらに、プロセスシミュレータを用いて提案する分離の経済評価を実施する。 |
55 |
生体適合性を有する人工臓器用ポリノルボルネン複合材料の開発 |
佐藤 敏文 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
高強度を有するポリノルボルネンに極性部位を導入することにより、ポリノルボルネンの低接着性や低含水率性等の欠点を改良し、生体適合性を付加する技術を提供する。具体的には、「極性基を有するモノマーとノルボルネンを安価に共重合する技術の提供」、ならびに、「生成ポリマーの極性基にポリ乳酸を導入することで高強度かつ生体適合性を有する新規なポリノルボルネン−ポリ乳酸複合材料の開発」が目標となる。 |
56 |
ハスカップの胚乳を利用した新品種育成技術の応用と加工品開発研究 |
星野 洋一郎 |
北海道大学 |
鈴木 雍宏 |
科学技術振興機構 |
北海道に自生するベリー類の一種ハスカップは、果実が小さく食味の良い系統が少ないという問題点がある。果実が大きく食味の良い系統を育成するために、野生系統の選抜と倍数性育種に取り組み、新規系統を作出してきた。ハスカップの消費拡大にはそれぞれの特徴を活かした加工品の開発が必要である。そこで本課題では、新規系統の評価と加工適性試験を実施し、ハスカップの魅力をより引き出した加工品の開発を目標とする。 |
57 |
道産ネギ属食材活用による性的機能老化改善食品の開発研究 |
西村 弘行 |
北海道東海大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
一般に加齢に伴う性的機能の老化は、20〜30代の若い層にまで広がり出生率低下の点で懸念される。古くからニンニクやタマネギなどネギ属植物は精力食材として知られて来たが、科学的実証はこれまでなかった。これまで本課題代表研究者らは、性的機能老化改善物質として含硫アミノ酸を同定し、特許出願(特願2006-30844)を行った。そこでネギ属含硫アミノ酸を合成し、血清中の男性ホルモンであるテストステロン量増加効果を検証すると共に、タマネギ等の食材活用の新規機能性食品を開発する。 |
58 |
生体器官をつかった養魚飼料開発用実験装置の開発 |
木原 稔 |
北海道東海大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
安価で成長効率の良い魚類養殖用飼料を開発することは、養殖漁業を支えるために必須である。水中であり、生体内であるという可視化・評価が困難な環境ではなく、魚類の「消化」という現象を実験装置として確認できれば、これまでの飼料試験のように魚を長期間飼育する必要が無く、設備・時間・労力そして費用を大幅に削減できる。本研究では魚類用飼料を効率的に開発することを目的に、魚類の消化器官をつかった消化実験装置とその評価システムを確立する。 |
59 |
難治性呼吸器感染症の予防と治療を指向した新規肺投与型リポソーム製剤の開発 |
森本 一洋 |
北海道薬科大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
結核菌やクラミジアなどの細胞内寄生菌に起因する呼吸器感染症は、起因菌の生存増殖特性により重篤かつ難治性の場合が多く、その対策は世界的に急務である。本研究では、これらの予防と治療を指向し、寄生菌及びその感染細胞である肺胞マクロファージを標的とした抗菌薬や免疫賦活剤を含有する新規なリポソームを用いた肺投与型DDS製剤の開発を行う。予防及び治療効果を重視し、患者に応用できる実用的な製剤の開発に焦点を絞る。 |
60 |
新規機能性ケイ酸塩を応用した13族元素分離回収材の合成と実用化評価 |
國仙 久雄 |
北海道薬科大学 |
東 市郎 |
北海道薬科大学 |
GaとInは高度な生活水準を支えるエレクトロニクス分野で用いられている重要元素であり、埋蔵量の少ない希少鉱物資源である。本研究では資源再利用のため、13族イオン含有廃液中からGaとInを選択的に回収するための機能性ケイ酸塩分離材の合成を行う。分離材は、予備研究を行っている溶媒抽出試薬を表面修飾したシリカゲル上に担持して合成する。この分離材の金属イオン回収能と選択性の評価を行い、事業化への実現性を検討する。 |
61 |
北海道産天然物を活用する糖尿病に有効な機能性食品素材の開発 |
渡辺 一弘 |
北海道薬科大学 |
東 市郎 |
北海道薬科大学 |
近年、機能性食品等の開発が盛んであるが、これらの中には、その有用性に関して科学的根拠に乏しいものも多い。本研究では、北海道産エゾウコギとサケ卵巣から、小腸における糖質吸収抑制及び食品ではこれまで例が無いインクレチン機能亢進作用を有する機能性食品素材の探索を目的とし、さらにその実用化を目指す。これらの作用を有する素材は、日本人の2型糖尿病患者に多い食後高血糖の抑制に有用である。エゾウコギエキス及びサケ卵巣ペプチドおよびそれらの分画は、共同研究先より提供を受ける。 |
62 |
非破壊分析によるコンブの品質評価技術の開発 |
宮崎 亜希子 |
北海道立釧路水産試験場 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
コンブの品質は、従来、実入りの状態、異物や白粉の有無、色沢等の外観によって評価(等級付け)されているが、より客観的な品質評価手法の開発を目的とし、近赤外分光法により、コンブのうま味成分の測定法を確立する。 |
63 |
高比表面積を有する排煙処理用高反応消石灰の開発 |
長野 伸泰 |
北海道立工業試験場 |
後町 光夫 |
北海道立工業試験場 |
製糖副産物であるライムケーキを焼成・水和し、高い脱塩化水素・脱硫効率を有する排煙処理剤を安価にかつ容易に製造する技術を開発する。 |
64 |
爆砕法と遺伝子組み換え機能性酵母を用いた高効率草本系バイオエタノール生産に関する研究 |
北口 敏弘 |
北海道立工業試験場 |
後町 光夫 |
北海道立工業試験場 |
北海道内に豊富に存在し、食料と競合しない草本系バイオマスを原料とした高効率なバイオエタノール生産方法を開発することを目的として、@ ヘミセルロースの過分解抑制とリグニン除去ができる爆砕条件の検討、Aこの前処理に適合したヘミセルロース、セルロース糖化の酵素生産とC5,C6糖代謝を同時に行う機能を持つ酵母の構築とB 爆砕産物によるエタノール発酵試験を行う。 |
65 |
微細多孔質高分子膜によるバイオセンサーの開発 |
吉田 光則 |
北海道立工業試験場 |
鴨田 秀一 |
北海道立工業試験場 |
本研究は自己組織化法を用いてバイオセンサーの一つである表面プラズモン共鳴センサーチップの生体関連基質の固定化に用いる新規の機能性膜を開発するものである。その作製方法やセンサーチップの金薄膜と微細多孔質高分子膜との付着方法及び用いるポリマーの種類、膜の表面処理などについて検討する。 |
66 |
車両軌跡の解析による高効率配送支援システムの開発 |
奥田 篤 |
北海道立工業試験場 |
鈴木 耕裕 |
北海道大学 |
多積雪地域では、降雪や除排雪により道路上の積雪状態が頻繁に変化するため、降雪期に配送効率を維持することが難しい。特に、大型車両を用いる場合は、経路の選択肢が少ないため、運転手が配送先付近の地理をどの程度知っているかによって、配送効率が著しく変化する。本研究では、走行経路を収集して動的地理情報を評価することで、配送先付近の地理に慣れていない運転者でも効率的に配送を行える配送支援システムを開発する。 |
67 |
降雪環境に対応可能な画像照合を用いた視界状態検出方法の開発 |
三田村 智行 |
北海道立工業試験場 |
鈴木 耕裕 |
北海道大学 |
吹雪などによる視界の悪化は、車両走行の安全性に大きな影響を与えるため、視界情報は道路管理や車両運行管理などにおいて重要である。しかし、視界情報を得るために使用されている視程計は高価なため設置箇所が限られ、吹雪時は計測値と視認性が一致しない場合もある。そこで本課題では、イメージセンサと画像処理を用いた小型で安価なシステムを用いることにより、降雪に対応した視界状態の検出方法を開発する。 |
68 |
粉末RP鋳型による超迅速鋳物づくり技術の開発 |
戸羽 篤也 |
北海道立工業試験場 |
綿貫 幸宏 |
北海道中小企業総合支援センター |
粉末RP成形体を鋳型・中子に用いることにより、模型や木型を必要としない超迅速かつ低コストの新たな鋳造プロセス技術を開発する。 現状の粉末RP成形体を鋳型として用いる場合の通気性、ガスの発生、寸法制度などの問題点を解決するため、鋳型の表面処理方法や、型の補強方法、ガス欠陥を防止する方法等を開発し、アルミ合金鋳物や銅合金鋳物を製造する超迅速鋳物製作技術を確立する。 |
69 |
換気廃熱を利用する空気式融雪路盤の最適設計 |
富田 和彦 |
北海道立工業試験場 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
換気排熱は温度と風量に制限を受けるため、その保有熱を融雪に最大限利用するためには、抵抗の少ない通風方式、並びに熱抵抗が小さく同時に融雪ムラの少ない熱特性に優れた融雪路盤が必須の条件となる。著者らは、融雪ムラの解消策として路面温度を均一化する路盤モデルを提案しており、本研究では、本モデルによる融雪路盤の最適設計のため、シミュレーション解析とその結果に基づく実証試験を行う。 |
70 |
プロピオン酸菌を利用した乳製品の高付加価値化 |
川上 誠 |
北海道立食品加工研究センター |
長島 浩二 |
北海道立食品加工研究センター |
プロピオン酸菌の中には乳酸発酵し、整腸効果などの機能性が期待される菌種が存在する。しかし、多くの菌株は耐胃酸性、耐胆汁酸性が低くプロバイオティクスとしての利用が難しい状況にある。本課題では耐酸性、耐胆汁酸性に優れ、機能性を有するプロピオン酸菌を選抜し、これらを単独利用または各種乳業用スターター(乳酸菌、ビフィズス菌)と併用することによって、発酵乳、ナチュラルチーズ等の乳製品開発を目指す。 |
71 |
道産小果実残渣を活用したメタボリックシンドローム予防食素材の開発 |
太田 智樹 |
北海道立食品加工研究センター |
長島 浩二 |
北海道立食品加工研究センター |
本研究では北方系果実であるハスカップやアロニアなどの小果実の加工残渣から内臓肥満を基盤としたメタボリックシンドロームを予防する食素材を開発するために、残渣中に含まれる脂肪蓄積阻害や脂肪分解促進作用などの機能を有する成分を効率的に利用してその生産方法や用途開発など、実用化に際して必要な技術の確立を目指すものである。 |
72 |
ブタ腸内細菌叢による肉質評価法の開発 |
山内 和律 |
北海道立畜産試験場 |
小関 忠雄 |
北海道立畜産試験場 |
腸内細菌の16SrDNAにより腸内細菌叢を明らかにし、それらと豚肉の関連を調査して腸内細菌叢による豚肉評価方法を開発する。ホエイなどを利用する養豚など特徴のある養豚に対して腸内細菌叢を基に適切な給与量および給与方法を設定する技術を開発することが本研究の目的である。 |
73 |
牛の赤カビ中毒症制御のためのデオキシニバレノール現地検出技術の開発 |
川本 哲 |
北海道立畜産試験場 |
小関 忠雄 |
北海道立畜産試験場 |
デオキシニバレノール(DON)などのカビ毒による乳牛の赤カビ中毒症を予防するために、給与飼料中のDON汚染を監視することが重要である。しかし現在、DONは実験室での測定に限られるため、検体数は制約され、給与飼料の汚染状況は十分に監視されていない。そこで、特別な分析機器や操作を必要としない酪農現場で実施できるDON現地検出技術を開発する。なお、本技術はフロンティア研究所とともに共同開発する。 |
74 |
かび毒簡易検査キット開発のための高精度モノクローナル抗体の作製 |
竹内 徹 |
北海道立中央農業試験場 |
陰山 聡一 |
北海道立中央農業試験場 |
かび毒の簡易検査法としては、抗原抗体反応を利用した手法がもっとも適しているが、現場で使用できる簡易検査キットを開発するためには、精度が高い抗体を作製する必要がある。そこで、本試験では、コムギ赤かび病菌が産生するかび毒デオキシニバレノールに関して、簡易測定法に使用するための精度が高いモノクローナル抗体を作製する。 |
75 |
硬質小麦の品種開発を目的とした分子マーカーの開発 |
鈴木 孝子 |
北海道立中央農業試験場 |
陰山 聡一 |
北海道立中央農業試験場 |
小麦には、主にうどんに使う軟質小麦とパンや中華めんに使う硬質小麦がある。小麦の硬質性は、ピュロインドリン遺伝子の変異によって決まる。そこで、硬質小麦品種の開発のために、ピュロインドリン遺伝子のタイプを判別するための分子マーカーを開発する。さらに、分子マーカーは、育種選抜のルーチンに利用できるように、簡易で精度が高いものに改良する。 |
76 |
いちごリレー苗における花芽分化促進技術 |
田中 静幸 |
北海道立花・野菜技術センター |
陰山 聡一 |
北海道立中央農業試験場 |
現在北海道で生産するいちごリレー苗ではクリスマス時期に果実を出荷することはできない。花芽分化を促進し、苗の付加価値を高める技術を開発する。いちご苗の花芽分化促進技術として、短日処理法、体内窒素制御法、子苗採苗時期の検討を行い、果実収穫開始期、収量、品質等について調査する。 |
77 |
ホットプレスを用いた熱圧硬化処理木材の開発 |
澤田 哲則 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
圧縮木材の歴史は古く,20世紀前半には広葉樹材を高温圧縮する技術が欧州で実用化されている。日本においては第二次世界大戦中の飛行機部材開発を目的とした強化木の研究に端を発し,現在は軟質な針葉樹材,スギを主とした人工造林木の材質改善技術として研究・利用が進んでいる。本研究はこれら圧縮木材の生産技術を応用・シフトさせて,従来のものとは内容の異なる熱圧硬化処理木材の開発を行おうとするものである。 |
78 |
芳香性を有する木質材料の開発 |
秋津 裕志 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
木材は、接触温冷感、視覚、聴覚などの感性に優れた材料である。より快適な室内環境を形成させるために、芳香成分の放散をコントロールし、低濃度で長期的に芳香成分の放散を持続させることが可能な材料を開発する。 |
79 |
立木での非破壊評価法の道産針葉樹への適用と応用 |
安久津 久 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
北海道の主要造林樹種であるトドマツとアカエゾマツを対象とし、立木の応力波伝播速度を用いた非破壊評価法の確立を目標とする。そのため、立木の応力波伝播速度の樹種特性を把握し、センサーの打込み部位や輪生節の影響などから誤差を小さくするための測定方法を検討する。さらに、立木の伝播速度と丸太や製材のヤング係数の関係から、立木の伝播速度で丸太や製材のヤング係数が推定できる汎用性のある関係式を提示する。 |
80 |
きのこを用いた機能性アミノ酸(GABA)の富化技術の開発 |
原田 陽 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
γ−アミノ酪酸(ギャバ)は、血圧上昇抑制作用や精神安定作用のあることが知られている。本課題では、担子菌(きのこ)由来の内在酵素を利用することにより、機能性アミノ酸であるギャバ含有量を大幅に高めると同時に、きのこ独特の風味および機能性を併せ持った素材を作出することを目的とする。栽培法、保存法および加工法を改良することにより、ギャバ富化技術の最適化を行う。 |
81 |
化学修飾反応によるポリイミド微粒子の機能化 |
渡邉 眞次 |
北見工業大学 |
鞘師 守 |
北見工業大学 |
ポリイミド(PI)粒子に化学反応を行うことにより粒子の機能化を行う。PI粒子表面をヒドラジンで処理してアミノ基、さらにブロモイソブタンアミドに変換し、ここからリビングラジカル重合を行い、表面に他の高分子鎖がついたPI微粒子の作製を試みる。表面に高分子鎖があると構造の異なる高分子と混ざりやすくなり、優れた構造材料が得られると期待される。 |
82 |
個人用ホログラム作製法の研究 |
原田 建治 |
北見工業大学 |
鞘師 守 |
北見工業大学 |
本研究では、機能性高分子材料に表面レリーフ型ホログラムを記録・複製することにより、従来のように複製に金属の鋳型を必要とせず、簡易かつ安価にホログラムを少量生産(数十枚から数百枚)できる技術を確立する。今年度は本技術実用化に向けたキー課題、@複製ホログラム作製時間の短縮、A耐久性の向上、B厚み低減、の解決技術を生み出す具体的検討を研究目標とする。 |
83 |
ハイブリッド車用PWMインバータ駆動IPMSMの効率最適化制御に関する研究 |
村田 年昭 |
北見工業大学 |
鞘師 守 |
北見工業大学 |
本研究はPWMインバータ駆動IPMSMドライブシステムのハイブリッド車への応用を目指して、ドライブのモデリングと最大効率運転のアルゴリズムを確立することにある。鉄損を考慮したモデルにより効率最適化制御系のフィードバックゲインを求める。このフィードバックゲインをC言語で書かれた制御アルゴリズムに読み込み、最大効率運転特性を把握する。鉄損分抵抗の同定がキーポイントになるので、磁気エネルギーモデルによるダイレクトトルク制御系を構成し、鉄損分抵抗の推定に関して、インバータ運転の特性を求める。 |
84 |
修飾アパタイト材料へのタンパク質吸着および脱離特性の評価 |
菅野 亨 |
北見工業大学 |
鞘師 守 |
北見工業大学 |
骨補填材等の生体材料としても使用されているヒドロキシアパタイト(HAp)は骨や歯の生体硬組織の主成分であり、生体HAp中には数重量%の炭酸イオンが含まれている。また近年、HAp材料の用途として、タンパク質医薬の薬物送達(ドラッグデリバリー)システムの担体に関心が持たれている。この見地から、本研究では、HAp構造内へ炭酸イオンを導入し、種々タンパク質の吸着および脱離特性の炭酸イオン含有量依存性を定量的に調べることを目的としている。 |
85 |
木質由来導電性メソ孔炭素の電気二重層キャパシタ電極特性 |
鈴木 勉 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
鉄塩を水溶液含浸した木材を800-850℃で炭化し、高導電性で直径4nmのメソ孔に富む木炭を製造した後水蒸気賦活、微粉化、酸洗浄して電気二重層キャパシター(DELC)電極としての特性を調査する。これらの結果から、導電性、4nmメソ孔の存在、比表面積等がDELC特性に及ぼす影響を明らかにし、通常の活性炭を用いるDELC電極との性能比較を行って上記の木炭由来DELC炭素電極の実用化可能性を検討する。 |
86 |
糖応答性色素放出ポリマーの薄膜化による目視型糖検出チップの作製 |
兼清 泰正 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
簡便かつ正確に糖濃度を測定可能な新規センシング材料の開発を行う。そのために、酵素に代わる次世代の糖質インターフェイスとして注目されるボロン酸を用い、糖との結合に応じて色素を放出する機能性薄膜を基板上に複合化する。これを用いて、糖濃度に応じて多色変化を示す目視型センシングチップの実現を目指す。 |
87 |
固体電解質膜作製のためのドライプロセス技術の開発 |
阿部 良夫 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
電子機器の超小型エネルギー源として期待される薄膜バッテリーや薄膜スーパーキャパシタには、高イオン伝導性の固体電解質膜が必須である。本研究では、代表的なドライプロセス技術であるスパッタリング法において、水蒸気を反応ガスとして用いることで、プロトン伝導性のTa2O5固体電解質膜を作製する。 |
88 |
銀薄膜微細構造の作製とサイズ効果の検討 |
川村 みどり |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
現在の銅配線においては、更なるダウンサイズ化に伴う線幅の減少に起因した、急激な配線抵抗の増大が問題視されてきている。一方、銀は金属中で最も低抵抗であり、またEM耐性にも優れるとの研究結果は報告されているが、新規配線材料を目指した基礎的な研究は十分行われていない。そこで本課題では、銀薄膜の微細構造を作製し、そのサイズが抵抗率へ及ぼす影響を調査する。 |
89 |
新たな微生物変換系の開発と効率化 〜P450を用いた変換反応を効率化するRedox Partnerの開発と応用〜 |
住佐 太 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
シトクロムP450を触媒酵素とした微生物変換の系は、様々なファイン・ケミカルの生産に応用されつつある。本研究は、こうしたP450の触媒反応をより効率的に行い、本格的な工業生産レベルを目指すものである。そのために、既に遺伝子配列および反応特異性が明らかになっているP450をターゲットとし、それらの活性をより効率的に引き出す新規のRedox Partner遺伝子を取得、機能的に発現させる系を開発する。 |
90 |
超音波顕微鏡による骨組織の粗鬆化度評価システムの開発 |
柴野 純一 |
北見工業大学 |
二俣 正美 |
北見工業大学 |
これまでに、超音波顕微鏡のCモード画像輝度値から超音波反射強度を推定する方法を考案し、XZモードによる表面波音速測定結果と合わせて、固体材料のミクロンオーダー微小領域の材料・力学特性を連続的にかつ迅速に測定するシステムを開発した。本研究では本法を応用して、粗鬆骨のような微細な不均一構造を有した骨組織の構造・材料特性及び力学特性測定法を構築し、粗鬆骨の粗鬆化度評価システムを開発する。 |
91 |
青函排出泥を活用した電磁波シールドセラミックスの開発 |
伊藤 英信 |
北見工業大学 |
二俣 正美 |
北見工業大学 |
青函トンネルの排水沈殿槽に堆積する「茶泥」と呼ばれる廃棄物は主成分として酸化鉄と酸化マンガンを含み、1000℃以上で熱処理をするとマンガンフェライトが生成する。本研究では電磁波吸収機能を有する建材の製造を目的として、茶泥と道内産粘土と複合したフェライト組成傾斜型セラミックスを試作して電磁波シールド効果の高い組成(組合わせ)、焼結法を明らかにする。 |
92 |
道路ユーザーの安全・安心感に影響を与える路面凹凸形状の自動検出法の開発 |
白川 龍生 |
北見工業大学 |
百瀬 雅将 |
北見工業大学 |
道路上を走行する車両(道路パトロール車)の振動データと走行上考慮すべき路面プロファイル形状との相関性を利用し、道路ユーザーの安全・安心感に影響を与える路面プロファイルを定量的に維持管理するためのシステム開発を行う。データを十分に蓄積することにより、将来、道路パトロール時に取得した振動データから交通量や気象条件等により生じる路面損傷の「予兆」を自動検出することが可能と思われる。 |
93 |
連続繊維補強土地盤の凍結サンプリングと品質管理法の開発 |
山下 聡 |
北見工業大学 |
百瀬 雅将 |
北見工業大学 |
連続繊維補強土工法において,現場で実施可能な品質管理方法を確立することを目的として,表層地盤を凍結してサンプリングする方法を開発し,乱さない試料を採取する。さらに,採取試料に対して室内試験を実施し,変形・強度特性から本工法の有効性を確認するとともに,繊維混入率や分布を把握し,現場で実施可能な品質管理手法を確立する。 |
94 |
地中探査レーダーによる知床峠積雪観測 |
佐藤 研吾 |
北見工業大学 |
百瀬 雅将 |
北見工業大学 |
地形、環境、風向などにより複雑に変化する積雪の堆積状況を知ることは重要である。雪渓・氷河の涵養機構や吹雪に伴う積雪の再配分機構を考える上で、堆積環境の把握は重要といえる。従来行われている断面観測や小規模なコアサンプル取得は、季節積雪の水当量や内部層構造は空間的変化に富むため、広範囲の堆積環境を知るという目的には不適当である。本研究では、電波を放射することで内部構造を非破壊かつ短時間で捕らえることのできるGPRを用いて、知床峠の積雪分布、積雪内部構造を観測し、知床における積雪特性について検討する。 |
95 |
BSE血液のメタボローム解析による生前検査診断への応用 |
横田 博 |
酪農学園大学 |
山田 龍翁 |
酪農学園大学、酪農学園大学短期大学部 |
本研究の目的は、BSE血液中の代謝物や逸脱生体成分を網羅的に分析し、生前診断に応用するものである。スクレーピーマウスやBSEウシ血液中代謝物を電気泳動装置や質量分析機などを用いて網羅的に分析し、病態特異的シグナルを検索し特定する。その後、シグナル生体成分に対する特異抗体を作成し、ELISA等を用いた簡便な生前診断に応用してゆく。 |
96 |
遊牧民の民族飲料「馬乳酒」からの分離菌を用いた新規発酵乳(もしくは乳酒)の検討 |
石井 智美 |
酪農学園大学 |
山田 龍翁 |
酪農学園大学、酪農学園大学短期大学部 |
酪農王国北海道では、牛乳飲用消費が減少し問題になっている。牛乳中には、高齢化社会を控えた今日、カルシウムをはじめ必要とされる栄養が豊富に含まれている。そうした牛乳を有効活用するために、モンゴル国で遊牧民が大切に伝えてきたウマの乳を発酵させた発酵乳「馬乳酒」に注目した。「馬乳酒」は複数の乳酸菌・酵母の発酵によってつくられ、免疫賦活作用があることで知られている。本研究はモンゴル国の「馬乳酒」から分離・同定した複数種の乳酸菌・酵母を用いて、牛乳をベースに機能性を持つ新規発酵乳の開発を目指すものである。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
112 |
微粉砕・非晶質化キチン系バイオマス資源の酵素分解技術の確立 |
戸谷 一英 |
一関工業高等専門学校 |
丸山 政之 |
岩手県南技術研究センター |
カニ殻やエビ殻を原料とし、メカノケミカル粉砕という新規な粉砕機構により微粒子化・非晶質化を行い、キチン分解酵素に対する感受性を向上させ、穏和な酸素反応だけで単糖(N-アセチル-D-グルコサミン)や、高級キチンオリゴ糖の製造原料となる二糖(ジ-N-アセチルキトビオース)を直接生産するバイオプロセスの構築への取り組み。有害な薬品を極力使用しない“環境負荷低減技術”であり、粉体工学と糖鎖工学とを組み合わせた、まさに異分野融合型のバイオプロセスである。効率のよいキチン分解酵素の選択と、二糖を単糖に分解する酵素の選択、反応の最適化を行う。 |
113 |
歯垢形成抑制効果を持つ多糖の開発 |
吉田 康夫 |
岩手医科大学 |
佐々木 蔵寿 |
いわて産業振興センター |
初期口腔バイオフィルムの主要な構成菌であるレンサ球菌と放線菌は、レセプター多糖(RPS)と呼ばれるレンサ球菌の菌体表層多糖と放線菌の2型繊毛を介して結合することが知られている。以前我々はIn vitroの実験系を用いて、GalNAcb1-3Galを含むRPSがこのレクチン様結合を強く阻害することを明らかにした。本研究では、流動系を用い実際にバイオフィルムを作製させ、同多糖のバイオフィルム阻害効果を明らかにする。 |
114 |
血管内膜損傷の診断マーカーとしてのS100A12の有用性の検討 |
人見 次郎 |
岩手医科大学 |
大島 修三 |
いわて産業振興センター |
生活習慣病である糖尿病、高脂血症、高血圧はいずれも、血管の内膜の傷害と動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞の原因となるアテローム血栓症を引き起こす。アテローム血栓症の予防には、血管内膜の損傷の程度を把握できる診断薬の開発が期待されるが、現状では病変を正しく評価することは難しい。本研究では申請者が発見した血管内膜の損傷部位に存在するS100A12(CAAF1)蛋白の動脈硬化症での血中濃度を解析することにより、S100A12の血管内膜病変の診断マーカーとしての価値を評価する。 |
115 |
火炎検知用紫外線検出器の開発 |
遠藤 治之 |
岩手県工業技術センター |
町田 俊一 |
岩手県工業技術センター |
ワイドバンドギャップ酸化物半導体であるZnOは、安全で無公害、安価といった特徴を持ち、更に可視光に対し透明で紫外線吸収率が高いことから、LED材料としてだけでなく、紫外線センサなどの受光デバイス材料としても期待されている。本研究開発では火炎検出を目指し、ZnO単結晶基板上へ多元スパッタ法によりMgZnO薄膜をエピタキシャル成長し、ショットキーフォトダイオード型紫外線検出器の開発を行なう。 |
116 |
新規植物成長調整剤の実用化研究 |
臼井 紀子 |
岩手県農業研究センター |
川嶋 明澄 |
岩手県農業研究センター |
岩手県農研センターでは、あるアミノ酸の一種を添加した培地でリンドウを培養した結果、顕著な生育促進効果のあることを観察している。本研究では、当該物質が無菌培養のリンドウ以外の条件や作目で生育に及ぼす効果を調査するとともに、最大効果を発揮する処理方法について検討し、種苗生産場面等の使用を想定した安価で安全安心な植物成長調整剤への実用化を目指す。 |
117 |
ギガイーサインタフェースを有する小型軽量全方位映像伝送システム |
柴田 義孝 |
岩手県立大学 |
岸本 輝昭 |
岩手県立大学 |
本研究は新型映像伝送システムの実用化を目指すものである。具体的には、小型軽量の全方位映像カメラにギガビット/秒クラスの高速イーサネット・インタフェースを装備して任意の場所に取り付け、一度に360°の広範囲高精細映像の高速リアルタイム配信を可能とするもので、画面上の任意の領域の切出し・拡大機能や人物の抽出・追従機能を付加することにより、多地点TV会議、広域防犯監視、車載での全周囲映像確認表示等への適用が期待できる。 |
118 |
生体情報を活用するセンサネットワーク防犯システムの開発研究 |
瀬川 典久 |
岩手県立大学 |
岸本 輝昭 |
岩手県立大学 |
日常生活において強盗などの凶悪犯に襲われた場合、普通の人は極度の緊張に見舞われ、とっさに防犯ベルを押す等の行動を取るのは難しい。また、防犯ベルを押す等の行動が犯人に知られると報復を招く恐れがある。本研究は、このような問題を解決するものであり、@人間に超小型の脈波センサを取り付け、A脈波の変化から人の緊張度を検出し、B検出情報をセンサネットワークで通信して外部に異常状態を伝えるシステムを開発することを目指す。 |
119 |
トランスポゾン配列を利用したリンドウ品種識別技術の開発 |
西原 昌宏 |
岩手生物工学研究センター |
勝部 和則 |
岩手生物工学研究センター |
岩手県特産の花きであるリンドウは公的機関及び民間により多数の品種が育成されている。近年は海外にも輸出されるなど一層の需要拡大が期待されている。その一方では品種の育成者権を保護するための科学的根拠に基づく品種識別技術の確立が急務とされている。しかし、従来手法だけでは他殖性が強く、交雑の進んでいるリンドウの系統識別が困難である。そこでリンドウゲノム中に散在するトランスポゾン(転移因子)を利用し、品種識別技術を開発する。 |
120 |
工業用鋳物部品の寸法自動計測システムの開発 |
横山 隆三 |
岩手大学 |
大島 修三 |
いわて産業振興センター |
本課題の最終目標は、工業用鋳物部品の3次元形状データに横山の特許(特許3684217)を適用して寸法の自動計測をおこないその結果をCAD図面に取り込んで現物との差異を比較・判定する情報処理システムを確立することにある。本年度においては、典型的な形状を有している鋳物部品に関して、(1)3次元形状データを効果的に取得すること、(2)3次元形状データからエッジ形状のベクトルデータを抽出すること、の手法を確立して計測自動化にあたっての技術的問題を解決する。 |
121 |
冷間加工可能な高機能コバルトクロムモリブデン合金の開発 |
野村 直之 |
岩手大学 |
阿部 博 |
岩手県工業技術センター |
本課題は、これまで高温での熱間加工のみに加工方法が限定されていたNiフリーのCoCrMo合金について、窒素添加と時効処理を組み合わせて、高い機械強度と延性を達成する冷間加工方法を開発するものであり、NiフリーCoCrMo合金の機械的特性と生体適合性の両立を目指すものである。 |
122 |
河川護岸への適用を考慮した自己崩壊型ポーラスコンクリートの開発 |
小山田 哲也 |
岩手大学 |
細越 健志 |
岩手県 |
近年、景観や環境、そこで生息する動植物に優しい河川護岸が求められている。 本研究は、河川護岸に植物を根付かせるため、護岸に使用するカキ殻を用いたコンクリートの時限的崩壊条件と、自然に影響を与えない護岸形成用の材料を検討する。 コンクリートを崩壊させるには、使用材料や配合、施工方法等の要因が影響するものと考えられるが、崩壊後に自然に調和し、悪影響を及ぼさない条件選定が必要であり、本課題で検討する。 |
123 |
血中アディポネクチンレベルを高める雑穀ヒエの機能食品素材の開発 |
西澤 直行 |
岩手大学 |
田山 敬太郎 |
岩手県 |
増え続ける2型糖尿病を食品で改善・予防をすることは我が国の健康増進、医療費削減に貢献する上で極めて重要である。本課題では、他に研究例のない岩手産雑穀ヒエから抗2型糖尿病機能等を有するアディポネクチンの血中レベルを高める機能性成分を、2型糖尿病モデルマウスのアディポネクチン遺伝子発現から解明する。研究成果は、岩手大学発ベンチャーの(有)いわて西澤商店との連携で機能性雑穀パンへの実用化を目指す。 |
124 |
世界最高性能有機薄膜トランジスタの開発 |
小川 智 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
近年、アモルファス状態での有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタのキャリアー移動度が1 cm2/Vsを超えるものが報告されている。しかしながら、それらは、無機半導体におけるアモルファスシリコンでの性能を追従するものに過ぎない。本応募課題の目的は、無機半導体におけるポリシリコングレードのキャリアー移動度(100 cm2/Vs)を超え、これまでに誰も実現することができなかった世界最高性能の有機薄膜トランジスタを開発するものである。 |
125 |
新規澱粉特性を有するヒエ新品種「長十郎もち」の利用 |
星野 次汪 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
最近、食の多様化や米アレルギーなどにより、雑穀、特にヒエが注目されているが、ヒエにはモチ(糯)性が存在しないため、米と混合炊飯するとボロボロ感が強くなり、ヒエの食味改善が求められている。そこで、モチ性遺伝子(Wx)、モチ性(Wx)蛋白質の変異を解析し、品種登録したモチ性品種の栽培適地を確定し、加工・利用特性を明らかにし、米の代替食品、米とのブレンド、和菓子など、従来にない利用法を提案する。 |
126 |
新規糖尿病合併症マーカーとしてのアミノ酸―グルコース化合物の応用 |
喜多 一美 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
動物の体内では、高血糖状態が持続されるとアミノ酸とグルコースが結合する。このアミノ酸―グルコース化合物は、さらに多くの多段階反応を経て、糖尿病合併症の原因の一つである終末糖化物質に変化する。本研究では、終末糖化物質の前駆体の一つであるトリプトファンーグルコース化合物を糖尿病合併症の早期診断マーカーとして利用するために、血中トリプトファンーグルコース化合物の検出と定量化のための技術開発を目標とする。 |
127 |
生物酸化と共沈によるヒ素汚染地下水の簡易浄化技術の開発 |
伊藤 歩 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
本技術は、地下水に含まれる亜ヒ酸(As(III))を、ヒ素酸化微生物によってヒ酸(As(V))へ酸化し、ヒ素を金属水酸化物ポリマーによって除去しようとするものである。本研究の目的は、ヒ素酸化微生物が生息する生物膜のプラスチック担体への形成の可能性とその形成条件を明らかにするとともに、共沈剤としての金属水酸化物ポリマーの有効性を明らかにすることである。最終的には、ヒ素汚染地下水の効率的な簡易浄化技術を開発する。 |
128 |
ウルトラクリーン潤滑剤の開発 |
南 一郎 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
新たな液体として注目されているイオン液体は、@熱・酸化安定性に優れA難燃性Bほとんど蒸発しないC熱容量が大きい、などの潤滑油としてふさわしい性質を備えている。本研究では潤滑性と分子構造の関係を解析し、特に清浄性が要求される環境下で使用する機器をターゲットとした潤滑剤分子を設計する。さらに実験室レベルでの評価とメカニズム解析を通して既存油と比べた優位性を検討する。 |
129 |
自動車車体用高マンガン鋼スクラップをリサイクルした高性能鋳造品の開発 |
小綿 利憲 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
自動車の衝突安全性のために、高強度で軽量な材料が望まれ、高マンガン鋼板が長年使用されている。高マンガン鋼板加工時に発生する屑は、リサイクルされてはいるが、硬くて脆く好ましくない。係る長年の問題を解決するために鋭意研究した結果、ある種の元素を添加することにより解決できるとの新規な知見を得るに至った。高マンガン鋼スクラップへのある種元素の好適な添加範囲、添加方法を見いだし、実用化する。 |
130 |
ローヤルゼリー機能代替ペプチドの応用開発 |
鈴木 幸一 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
ローヤルゼリーペプチドには、免疫賦活機能と女王バチ誘導補助因子機能があることを明らかにしている。しかし、製品開発のためにはいくつかの課題がある。糖鎖付加したローヤルゼリーペプチドが強力な免疫賦活活性を有しているが、製品化のためには、ローヤルゼリーに変わり得る機能代替ペプチドの応用開発を目指すことが重要な目的になる。 |
131 |
神経回路再生を促進するローズマリー由来のカルノシン酸 |
佐藤 拓己 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
神経変性疾患は、脳の特異的な部位の神経回路機能の破綻が起点となって症状が現れる。これを予防・治療するためには神経回路を再生させる化合物が有効である。私は、ローズマリー由来のカルノシン酸が神経回路を再生させる作用を有することを見出している。ローズマリー抽出物を、脳機能を改善する機能性食品として実用化することを目的として、本研究は、カルノシン酸が神経回路再生作用を発現するための分子基盤を明らかにする。 |
132 |
スギ樹皮抽出物を原料とする天然抗酸化剤の開発 |
小藤田 久義 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
未利用資源である樹皮を有効活用するには、可溶成分を抽出・分離し、それぞれの生理機能を生かした高付加価値商品に転換したのち、残渣を農業用または緑化用資材とするカスケード(多段階)的な利用法が望ましい。スギ樹皮からパラフィン系溶剤にて抽出される脂溶性成分には、主要物質としてフェルギノールとよばれるテルペノイド化合物が含まれている。フェルギノールは強力な抗菌活性と抗酸化活性を併せ持つ生理活性物質であり、本研究では、その抗酸化能の実用的評価および作用機構の解明について検討する。 |
133 |
伝統家具に使用するための簡易的接合部品の構造開発とその応用 |
田中 隆充 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
日本の伝統工芸技術を活用し、且つ、使い手が簡易的に組み立てられる接合部品を開発する。日本の伝統工芸は海外で大変高い評価を受けている反面、家具類のほとんどは組み立てが出来ないため、輸送コストがあがり、結果的に販売価格が高く販路拡大が難しい状況にある。そこで、伝統工芸の高級家具としての付加価値要素を損なわず、且つ強度とユーザービリティーが保持される接合部品の基礎的開発を行うことが目的である。 |
134 |
ネコ尿タンパク測定キットの開発 |
山下 哲郎 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
ストレスの多い現代社会においてペットに安らぎを求める人が多くなり、ネコの飼育頭数は年々増加しているが、獣医療の発達やペットフードの普及によりペットの高齢化が進行し、腎臓病を患う飼いネコが増えている。本申請課題は、ネコの腎臓病の早期発見の目的で、ネコの尿タンパクを簡便に測定できる臨床検査方法の確立と臨床検査キットを開発することを目指すものである。 |
135 |
リンゴ小球形潜在ウイルスのX線結晶解析によるウイルス粒子構造解析とその応用 |
磯貝 雅道 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
これまでリンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)のウイルスベクター化に成功しているが、このALSVウイルスベクターから発現させたタンパク質は植物体中で分解され、植物体中でのタンパク質生産には適用できていない。そこで、植物体中で分解されずに蓄積するウイルス粒子の性質に着目し、ウイルス粒子表面に有用ペプチドを提示させることで植物体中に有用ペプチド生産させる新たなALSVウイルスベクターの開発する。 |
136 |
サケ頭部の未利用部位を有効活用したウナギ稚魚の成長促進技術の開発 |
森山 俊介 |
北里大学 |
佐々木 守衛 |
いわて産業振興センター |
ウナギの養殖に用いる種苗は全て天然シラスウナギに依存しているが、近年、資源量は激減している。また、養殖ウナギの多くはオス化し、成長に個体差を生じる等の問題を抱えている。本研究は、サケ頭部の未利用部位から調製した成長促進活性成分を高度有効活用して、ウナギ自身の成長促進機構を活性化させて、健康で大型の稚魚を育成し、生産性を向上させる増養殖技術の開発を図る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
137 |
雑魚の臭気に着目した使用可能期間予測手法と延長技術の開発 |
毛利 哲 |
宮城県産業技術総合センター |
佐藤 明 |
宮城県産業技術総合センター |
本試験では、脂肪族性臭気の評価や酸化促進活性の強度によって臭気発生の予測法を開発することを目的とする。具体的には、魚種毎に問題となる成分の確定と使用可否濃度を決定する。また発生メカニズム(酸化促進活性)に着目し臭気発生がその強度に依るか否かを見出し、使用可能期間を予測する。 |
138 |
単結晶シリコンの微細切削加工技術の開発 |
渡邉 洋一 |
宮城県産業技術総合センター |
佐藤 明 |
宮城県産業技術総合センター |
シリコンウエハ上に作製されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)回路への電源配線用のΦ0.1mmの穴・溝加工の時間短縮化を実現するため、直径0.1mm以下の小径工具を用いた単結晶シリコンへの微細切削加工技術の開発を行う。切削工具形状の最適化、加工条件の最適化をはかり、割れ・欠けの無い加工表面を得ることを目標とする。 |
139 |
自己組織化作用を利用する新規有機薄膜太陽電池材料の開発 |
遠藤 智明 |
宮城工業高等専門学校 |
小野 堯之 |
宮城工業高等専門学校 |
新規な有機薄膜太陽電池材料として、同一分子内にn型、p型の半導体の性質を有するユニットを導入し、自己組織化の作用によって、電子移動層とホール移動層のネットワークが自己形成される材料の開発を行う。n型半導体ユニットの材料としては、C60誘導体、p型半導体ユニットの材料としては、ポリチオフェン誘導体を想定している。太陽電池の研究用として上市できる性能を有する化合物の開発を目指す。 |
140 |
調湿機能を有する建築物用モルタル材料の開発と応用 |
北辻 政文 |
宮城大学 |
山口 一良 |
東北ニュービジネス協議会 |
本試験では、ペーパースラッジを混入した分離抵抗性の高い、高流動性・高機能モルタルと、秋田県から排出される緑石凝灰岩端材粉を組み合わせて、空間湿度を一定値に保持できる調湿機能を備えたモルタル材料を開発することを目的とする。具体的には、緑石凝灰岩端材粉の物理試験、混合モルタルの強度および耐久性試験、調湿および悪臭分解、抗菌性試験を行なう。 |
141 |
ウシ精子の保存補助物質(PAS)の開発とその応用 |
小林 仁 |
宮城大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
精子の被覆抗原として知られるラクトフェリンを、精子の凍結保存における保存補助物質(PAS)としての応用を検討する。本試験では、耐凍性の低い精子にラクトフェリンを添加して凍結保存を行い、ラクトフェリン添加が凍結融解精子の運動性および受精に及ぼす影響を検討する。具体的には、精子の運動性解析、細胞膜の状態、細胞内cAMP 濃度およびミトコンドリアの活性を測定することでラクトフェリンのPASとしての有効性を調べる。 |
142 |
赤外複合レーザ光用超耐久性無機膜内装中空ファイバの長尺化 |
岩井 克全 |
仙台電波工業高等専門学校 |
小野 堯之 |
宮城工業高等専門学校 |
各種医療分野で応用が期待されている複合赤外レーザ光(止血レーザ光、切開レーザ光)伝送に環状オレフィンポリマー(COP)内装銀中空ファイバを用いているが、伝送光電力が大きくなるとCOP膜の損傷克服が課題である。本研究では、この問題を解決するために、ポリシロキサン溶液を基とし、耐環境性、耐熱性、耐久性に優れた無機薄膜内装中空ファイバの製作を試み、医療装置に必要な長さ2〜2.5 m、伝送特性70 %程度のファイバの実現を目的とする。 |
143 |
ワイヤレス磁気マーカを用いた生体内挿入用チューブの位置・方向検出システム |
荒井 賢一 |
電気磁気材料研究所 |
引地 智 |
みやぎ産業振興機構 |
本試験では、ワイヤレス磁気マーカを生体内挿入用チューブに貼付し、その位置・方向をリアルタイムにモニタ可能なシステムを開発することを目的とする。ワイヤレスマーカへの適用に適している材料の検討、胴体内部のチューブ位置を高精度に検出できるセンサ配置の検討および健常者へのチューブ挿入試験を行なう。 |
144 |
PCサウンド入出力端子を用いた画像化装置の開発と応用 |
星宮 務 |
東北学院大学 |
吉村 洋 |
仙台市産業振興事業団 |
従来直流付近での特性が十分でなかったためにA/D変換器としては本格的な活用が行われていなかったパーソナルコンピュータ(PC)のサウンド入力端子を、励起源を変調する事によって信号周波数をオーディオ周波数帯域(20Hz-20kHz)にシフトして十分な性能を持つA/D変換器として活用する研究で、本方式による各種映像化装置を開発する。当面の販売マーケットとしては光学顕微鏡の画像化装置、等電位線画像化装置などの理科教育機器の商品化を目的とする。 |
145 |
MEMS対応赤外線吸収膜の開発と応用 |
木村 光照 |
東北学院大学 |
宮尾 俊三 |
仙台市産業振興事業団 |
従来の赤外線吸収膜は、MEMS(微小電気機械システム)製造工程に耐えず、更に経時変化の問題があり、ニクロム膜やSiNx膜も使用されているが吸収率が小さく(80%以下)、熱型赤外線センサの性能に直結する新しい赤外線吸収膜が求められていた。本開発研究は、赤外吸収膜の吸収メカニズムに基づき、本提案者の特許を実現するもので、赤外線波長と疎密傾斜型赤外線吸収膜の最適化とその実証を中心に、所望の赤外線波長帯で90%以上の吸収条件を確立する共に、赤外線センサに適用する。 |
146 |
パーソナル通信用小型・薄型マルチバンドアンテナの開発 |
塩川 孝泰 |
東北学院大学 |
宮尾 俊三 |
仙台市産業振興事業団 |
一点給電マルチバンドアンテナによる小型・薄型の移動通信用アンテナの開発に向けて、高比誘電体基板を用いた場合の、特に、低周波数域の狭帯域化の問題、及び、反射板を有するスロット系アンテナにおける薄型化の問題に関する研究開発を進める。 |
147 |
インピーダンス計測によるコンクリート壁・柱内部の含有塩分成分および埋め込み配管の非破壊評価装置の開発 |
芳賀 昭 |
東北学院大学 |
三浦 吉臣 |
仙台市産業振興事業団 |
本課題の目的は、物のリニューアル工事の工期短縮・低コスト化の実現を目指してコンクリート構造物および内部に埋設されたCD配管の評価・検出を非破壊的に行う装置を開発するものである。コンクリート構造物の電気的インピーダンス測定により、@コンクリート構造物の含有塩分濃度を、Aコンクリート中のCD配管(可とう性の樹脂管)を、非破壊的に評価し検出する装置の開発である。 |
148 |
変形可能なガラス基板上へのダブルゲート微結晶Si TFTを利用したインバータの試作 |
原 明人 |
東北学院大学 |
小野澤 瑞大 |
仙台市産業振興事業団 |
変形可能なガラス基板上にプラナー型自己整合メタルダブルゲート微結晶Si 薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、移動度50cm2/Vs の低温 poly-Si TFT に匹敵する電流駆動能力を有するTFT を低コストで実現することを目指す。さらに回路の基本となるインバータを試作してその特性・性能を把握する。 |
149 |
X線造影撮影によるコンクリート健全度評価手法の開発と応用 |
武田 三弘 |
東北学院大学 |
男澤 亨 |
仙台市産業振興事業団 |
この研究の目的は、コンクリートの健全性を定量的に評価する手法を開発することである。そのため、X線造影撮影を用いてコンクリート内部に発生したマイクロクラックや欠陥などの空隙量を測定し、この測定値とコンクリートの圧縮強度や耐久性との関係を求める事で、実コンクリート構造物の健全性や耐久性を評価するものである。目標としては、実用化を目指し、コンクリート供試体の寸法をΦ10mm程度の小径コアで実施できるようにすることである。 |
150 |
中赤外アイセイフ固体レーザーの小型・軽量化 |
佐藤 篤 |
東北工業大学 |
野澤 壽一 |
東北工業大学 |
本試験では、波長2ミクロン帯で発振する数百mWオーダーの中赤外域固体レーザーの開発を行う。この波長領域のレーザーは、可視光や近赤外光に比べ目に対する安全性が非常に高いため、ハイパワー動作においても安全なレーザー計測が可能であり、各種気体分子などをターゲットとした大気環境計測や分光、より長波長の赤外光を発生させるための励起用光源などへの応用が期待できる。特に、製品化に向けた小型・軽量化を目指し、研究を進めていく。 |
151 |
ユビキタスネットワークのための超小型・高性能・位相直線・超低損失弾性表面波フィルタ・信号処理デバイスの基礎的研究 |
山之内 和彦 |
東北工業大学 |
野澤 壽一 |
東北工業大学 |
GHz帯の位相直線性、低損失、広帯域、シャープカットオフの超小型の弾性表面波フィルタを圧電基板上に作製したアップ方向及びダウン方向の一方向性分散型すだれ状電極を用いて実現するとともに、移動体通信・UWB通信システムなどに応用する研究を行う。 |
152 |
内熱式電磁溶融法による石炭灰の溶融減容化および利材化 |
谷口 尚司 |
東北大学 |
大野 健一 |
科学技術振興機構 |
わが国の石炭火力発電所から発生する石炭灰の総量は年間920万トン(2002年度)に上り、その75%がセメント原料に充てられているが、公共事業の縮小により、セメントの需要は減退しており、新たな利用先の開拓が求められている。石炭灰は嵩密度が小さく有害な重金属を含むため、ガラス化して減容化し、かつ重金属を封じ込めることが、最終処分あるいは利材化に有効である。本研究では、熱効率が高い内熱式の電磁溶融法によって、石炭灰の溶融・減容化および利材化を目指す。 |
153 |
デバイス特性揺らぎにRobustな20GHz動作超高速ロジック回路の開発 |
遠藤 哲郎 |
東北大学 |
大野 健一 |
科学技術振興機構 |
本試験では、Current Control-MOS Current Mode Logic(CC-MCML)回路という独自技術を用いて、20GHz動作速度にて安定に動作させることができるロジック回路技術を開発することを目的とする。具体的には、回路シミュレータを用いて、デバイス特性揺らぎの影響で数GHzレベルに留まっていたロジック回路の動作速度を20GHz帯域まで高速化することを目指す。 |
154 |
マトリックス無しのタンパク質質量測定可能なTOF-MS用導電性基板の開発 |
佐藤 義倫 |
東北大学 |
大野 健一 |
科学技術振興機構 |
タンパク質はイオン化により熱分解を起こすため、親イオンの質量が測定できない。熱的に安定なイオン化しやすいマトリックス分子を仲立ちして電荷を目的のタンパク質に移動させて親イオンを測定するが、それぞれのタンパク質に合わせたマトリックスが必要になる。本試験では、平面配向した多層カーボンナノチューブの固化体基板を使用し、マトリックス無しでタンパク質質量を測定できる飛行時間型質量分析用導電性基板を開発する。 |
155 |
インクジェット式電子回路印刷用銅ナノ粒子合成および酸化防止技術開発 |
バラチャンドラン ジャヤデワン |
東北大学 |
峠 竹彌 |
東北大学 |
導電性ナノ粒子インクを原料としたインクジェット印刷法が提案されている。その原料として銅ナノ粒子分散インクの開発が望まれており、酸化雰囲気中でも安定な銅ナノ粒子開発が大きな課題となっている。“ポリオールプロセス”を用いてナノ粒子合成を行ってきたが、現時点で得られた粒子の直径は最終目的であるインクの原料としては大きいことから、粒子径の更なる減少と酸化雰囲気中での安定性を有する銅粒子の実現を目指す。 |
156 |
ナノパルスレーザを用いた単結晶Ge加工変質層の完全修復技術の開発 |
閻 紀旺 |
東北大学 |
峠 竹彌 |
東北大学 |
本試験では、パルス幅が数ナノ秒の Nd:YAG レーザ第2高調波を加工面に1回照射するだけでGe加工変質層における相変態や転位などを一括して完全な単結晶構造に修復する技術を開発することを目的とする。具体的には、単発レーザ照射による深さ方向の結晶構造変化および変質層除去特性の検討、面方向の変質層修復特性および最適照射条件の検討を行なう。 |
157 |
マイクロスラッシュ噴霧流利用型超高熱流束電子冷却システムの開発 |
石本 淳 |
東北大学 |
井硲 弘 |
東北テクノアーチ |
超高熱流束106 W/m2レベルの超高熱流束冷却性能を有する新型電子冷却システムを開発することを主目的とする.次世代のプロセッサは全体の発熱が大きいだけでなく,ナノオーダ配線により発熱密度が不均一となり複数の「ホットスポット」がプロセッサ上に現れることが予想されている.本研究は,このような次世代のプロセッサに対しても高い冷却性能を有する電子冷却システムを開発するため,超高熱流束冷却を可能にする冷媒として新たに微小固体窒素粒子からなるマイクロスラッシュの高速噴霧流を採用し,その基礎熱伝達特性に関する検討を行う. |
158 |
強磁場と相平衡を利用した新しい電気炉ダスト処理法の開発 |
長坂 徹也 |
東北大学 |
井元 尚充 |
東北大学 |
本試験では、ダストをCaO と反応させることにより、ZnO とカルシウムフェライトに相分離せしめた後、両相の磁気的性質の違いを利用して強磁場を作用させてZnO を分離・回収するオンサイト処理の実用化を目指す。具体的には、相転化速度の向上策の検討、最適の磁場設計、Waeltz 法等既存のEAF プロセスとの比較検討を行なう。 |
159 |
2波長レーザ照射が可能な内視鏡治療装置の開発 |
松浦 祐司 |
東北大学 |
井元 尚充 |
東北大学 |
単一の波長のみで切開のみに使用されてきたのレーザ手術において、組織の切開に有効な波長と血液の凝固に有効な波長を合わせて用いることにより、止血をしながら効率的に切開・蒸散が可能なレーザ治療システムを開発することを目的とする。具体的には、各種の生体組織に応じた最適レーザ照射条件の探索、複数レーザ照射が可能な内視鏡レーザ装置の試作を行なう。 |
160 |
次世代フラットパネルディスプレイ用EL蛍光体BaAl2S4:Euの溶液法による合成プロセス開発 |
ペトリキン ヴァレリー |
東北大学 |
熊谷 望 |
東北大学 |
BaAl2S4:Eu蛍光体は、TDEL(厚膜誘電体無機EL)平面 ディスプレイ開発におけるキーマテリアルである。金属硫化物間での固相反応は、BaAl2S4:Euの一般的な合成法である。従来法ではEuドーパントの均一な分散が困難であり、高価な出発原料BaCO3が用いられる。本提案の目標は、ELディスプレイ製造用スパッタ ターゲットに用いるBaAl2S4:Euの高品質粉末の工業化に 有望な、水系溶液プロセスによる新規合成法を開発する。 |
161 |
ハード・ソフトウェア最適分割による高度組み込みシステム設計開発 |
堀口 進 |
東北大学 |
熊谷 望 |
東北大学 |
近年,携帯電話,情報家電, ディジタルオーディオなどに組込まれる機器は,画像や音声などの多彩なメディアへの対応や,ネットワークやセキュリティ機能も求められている.本シーズ応用研究では,ハードウェア量や処理時間などの拘束条件に対してハードウェアとソフトウェアの最適分割手法を考案することにより高度組み込みシステムの構築方式を確立し、組み込みステムの容易な設計開発を行なうことを目的とする. |
162 |
膵島の発現するTissue Factor制御を目的とした新規膵島分離溶液の開発 |
後藤 昌史 |
東北大学 |
熊谷 望 |
東北大学 |
我々はこれまでに膵島移植特有な早期グラフト障害の機序を明確に解明し、その治療法を考案する上で有用なモデルの確立に成功している。本試験では、移植された膵島グラフト生着の鍵となる Tissue Factorを、効率よく制御し得るような薬剤を混入した臨床応用可能な至適膵島分離溶液を開発し、重症糖尿病に対する理想的根治療法として膵島移植を確立する事を目指す。 |
163 |
高効率・精密加工性を有する「光ファイバーレーザー増幅器」の開発と応用 |
佐藤 俊一 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
レーザー加工は、自動車を代表とする機械や半導体・電子などの産業界で広く利用されているが、さらなる省エネルギー化や精密加工性が待望されている。 偏光が放射状に分布した新しいタイプの径偏光レーザーは、高効率性と精密加工性を兼備した、次世代加工用レーザー光源として期待されている。本課題は、ビーム品質の優れた径偏光レーザー光の光ファイバー増幅装置開発を行い、材料加工への実用性を実証する。 |
164 |
紫外線遮蔽機能を有する「新規体質顔料」の開発 |
佐藤 次雄 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
450 nm 以下の波長の光を吸収可能で、流動性に優れた含水リン酸セリウムの単分散板状ミクロン粒子を水熱法で作成し、紫外線遮蔽能を有する新規体質顔料を開発することを目的とする。具体的には、製造最適条件の検討、薄膜透過スペクトルの測定、試料のすべり摩擦抵抗の測定および官能試験、光照射下における一重項酸素生成特性評価を行う。 |
165 |
新生児中耳疾患の早期発見を目指した「スクリーニング用診断装置」の開発 |
和田 仁 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
本試験では、音響インピーダンス周波数特性計測による新生児のための中耳疾患スクリーニング用診断装置の開発を目指す。具体的には、プローブの作製、診断に用いる入力音の周波数と大きさ・外耳道圧の値を決定、新生児用から成人用まで広範囲に設定変更可能なプログラムを開発、それらを実現するハードの作製を行う。また理論解析による診断基準の作成も行なう。 |
166 |
オンチップ細胞応答計測システムの開発 |
新井 史人 |
東北大学 |
平泉 健 |
東北大学 |
細胞の未知特性の調査研究においては、細胞集団の不均一性に対して分析精度を高めるため、個々の細胞ごとに解析を行う実験系が必要である。本試験では、微細加工技術を利用して、内部に微小な流路網を有するバイオチップを製作し、個々の細胞の応答計測を効率的に行う卓上システムの開発を目指す。具体的には、バイオチップの製作、温度制御実験、細胞固定、分析実験、システムの改良を行なう。 |
167 |
ナノ狭窄電子系STTマイクロ波発振器の研究 |
土井 正晶 |
東北大学 |
平泉 健 |
東北大学 |
超微細磁性薄膜のスピントランスファートルク(STT)効果を利用した、直流電流駆動型マイクロ波発振器に関するものであり、研究代表者らが提案しているナノ狭窄電子系構造体を用いることで、これまでにない簡素なGHz帯発振器を実現するための基礎検証を行なうものである。具体的には、導電チャネルの分布と品質(純度)の評価、マイクロ波計測用発振素子の作製、スピン電流駆動マイクロ波発振の計測を行なう。 |
168 |
ポリイミドナノ粒子を用いた次世代低誘電率層間絶縁膜の開発 |
石坂 孝之 |
東北大学 |
平泉 健 |
東北大学 |
大規模集積回路の高密度化に伴う信号遅延問題のため、2013 年には誘電率(k)2以下の層間絶縁膜が必要になるとされている。本研究ではポリマーの中でも最高レベルの高耐熱性、高強度、高粘弾性を有するポリイミド(PI)を用いて、粒子表面や内部に空孔を有する多孔性PI ナノ粒子の作製を行う。更に、得られた多孔性ナノ粒子を用いて、粒子内部、且つ、粒子間に空隙を有する膜を作製する。以上よりk<2(@1MHz)の次世代低誘電率膜の開発を行う。 |
169 |
低分子組換え抗体の臨床応用に向けた新規調製プロセス開発 |
浅野 竜太郎 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
申請者らは、新規がん治療薬を目指した低分子組換え抗体の開発を行い、より安価な製造を目指して抗体医薬では、例のない大腸菌不溶性画分から、巻き戻しによる調製の検討を行ってきた。本試験では、新規がん治療薬の製造を見据えた低分子組換え抗体の調製プロセスの開発を目的とする。具体的には工業スケール化が可能な希釈法による巻き戻し、及び濃縮と精製を一連化させた吸着系カラムを用いた新規調製法を開発する。 |
170 |
癌のリンパ管新生抑制によるリンパ節転移抑制法の確立 |
佐藤 靖史 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
癌のリンパ節転移におけるリンパ管新生の重要性が明らかとなり、リンパ管新生を効果的に制御する癌の治療法の確立が望まれている。申請者は、血管内皮細胞が産生し、自らに作用して血管新生を抑制する新規血管新生抑制因子であるバソヒビン(Vasohibin)およびそのホモログ(Vasohibin-2)を発見しているが、最近、バソヒビンは、リンパ管新生に対しても抑制作用のあることを見出している。本研究の目標は、独自の研究成果を背景とし、バソヒビンのリンパ節転移の抑制による癌治療法を確立することである。具体的には、マウスを用いた動物実験を用いて、バソヒビンが腫瘍リンパ管新生とリンパ節転移を抑制するか否かを検討する。 |
171 |
新規骨再生治療法確立のための幹細胞培養装置の開発 |
穴田 貴久 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)は患者の骨髄から容易に分離可能で、多分化能を有するため、再生医療で用いる移植用細胞として有望視されている。本研究は生体外においてMSCの迅速な骨芽細胞への分化を可能とする培養装置の開発を目的とする。本装置を用いて分化誘導したMSCと担体材料を組み合わせることによって新規骨再生治療法を確立することを最終目標とする。 |
172 |
ヒト胎盤幹(TS)細胞を用いた新規細胞毒性判定システムの開発 |
有馬 隆博 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
難治性小児疾患や奇形の発症原因として、有害化学物質の過剰摂取がある。これらの物質は、妊娠中胎盤を通して胎児に移行し、胎児の発育や出生後の成長に影響を及ぼすと考えられている。また、その長期間の蓄積により、母子双方の健康に重大な影響を及ぼすことも懸念されている。しかし、その細胞毒性機序や代謝動態については未だ明らかではない。そのため、本研究課題では分化誘導系の確立したヒト胎盤幹(TS)細胞を用い、環境ホルモンと重金属の影響について検討することを目的とする。さらに、この解析技術は新規細胞毒性試験(TST)法としてシステム化し、医薬品や食料品等の安全性評価法として実用化することを目標とする。 |
173 |
認知症予防用プロリン異性化酵素薬剤の開発 |
内田 隆史 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
申請者らは、プロリン異性化酵素Pin1の活性低下が、アルツハイマー病の発症に関係することを見出し、Pin1を神経細胞に補充し、老人性痴呆を予防することを考えた。Pin1にProtein Transduction Domain (PTD)を付与したPTD-Pin1を作成し、細胞内に直接Pin1を導入する方法を確立し、Pin1を補充して、細胞のストレス抵抗性を増強することで、アルツハイマー病の予防薬を創出することを最終的な目的とする。 |
174 |
チタンインプラントへの多層化・傾斜化リン酸カルシウムコーティング |
成島 尚之 |
東北大学 |
東城 恵里子 |
東北大学 |
骨形成能の向上を目的としたチタン表面へのスパッタリング法によるリン酸カルシウムコーティングは、現行の溶射法と比較して低プロセス温度、相制御が容易、薄膜化可能、などの優位点がある。本試験では、スパッタリング法によりチタン基板との密着性に優れたリン酸カルシウム膜と骨形成能に優れたリン酸カルシウム膜を多層化または傾斜化することによるチタンインプラントの骨適合性向上を図る。 |
175 |
酸化亜鉛粒子膜の精密構造制御と高次機能化 |
殷 しゅう |
東北大学 |
平塚 洋一 |
東北大学 |
溶液中での自己組織化反応を利用し、基板上にマイクロメートルレベルの酸化亜鉛柱状粒子を所定方向に成長、或いは配列させた粒子膜を直接溶液中で合成し、さらに粒子膜の表面構造及び形態をナノレベルで制御し、従来の方法で得られない発達した微細構造を有する高機能性無機酸化物粒子膜を合成する。また、均一な粒子膜合成条件の最適化およびスケールアップを行い、酸化亜鉛の形態に依存する新しい機能性について検証を行う。 |
176 |
ガス除去フィルタの開発とその応用 |
野ア 淳夫 |
東北文化学園大学 |
半田 篤志 |
東北経済連合会 |
現在、室内空気汚染に対する有望な対策技術の一つとして空気浄化装置に期待が寄せられている。しかし、当該装置に設置される吸着方式のガス除去フィルタはある使用時間を超えると化学物質除去性能が著しく劣化し、それ以降の化学物質除去性能は期待できない現状にある。 本課題では代表研究者の開発した新技術により、化学物質除去性能の向上とその長期的維持のため、1)化学吸着剤をガス除去フィルタの濾材や吸着材に定期的に添加する機構、2)固相物理吸着材を定期的に交換する機構を確立するものである。 |
177 |
新規抗癌・抗カビ薬の評価と創薬開発 |
浪越 通夫 |
東北薬科大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
癌は発生メカニズムや病巣部位によって治療法が異なる厄介な病気であり、これまでの抗がん剤は臨床現場で満足されず、常に新規な抗癌剤が求められている。更に、抵抗力の衰えた癌患者に真菌が感染すると極めて重篤となる。抗癌と抗真菌性を併せ持つ治療薬も満足できるものはない。本研究課題では、特殊なホヤから単離した抗癌活性と抗カビ活性を併せ持つ新規化合物の抗癌(大腸癌)活性と抗カンジダ活性などを評価し、前臨床試験へ進める化合物を選抜する。 |
178 |
抗ウイルス薬開発を目的とする新規双環性ヌクレオシド誘導体の合成 |
吉村 祐一 |
東北薬科大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
AIDS治療に使用される抗HIV薬には、薬剤耐性の問題が常に存在する。そのため、今なお新規抗HIV薬の開発は緊急を要する課題といえる。本課題は、抗HIV薬の内、核酸系逆転写酵素阻害剤に注目し、同阻害剤の新規誘導体の開発を目的とする。ラミブジンは代表的な核酸系逆転写酵素阻害剤であるが、このラミブジンをもとに新規双環性イソヌクレオシドを設計し、その合成とHIVを含む抗ウィルス活性の評価を行う。 |
179 |
神経突起伸長作用をもつ糖鎖の神経再生の可能性試験 |
伊左治 知弥 |
東北薬科大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本試験の目的は、神経突起伸長作用のある糖鎖に注目し、神経ネットワークが再び形成できるかどうか初代神経培養細胞や脊椎損傷モデル動物を用いて試験を行い、脊椎損傷や脳梗塞の予後を改善する薬剤のリード化合物を創ることである。具体的には糖鎖の大量精製、初代培養での神経突起の伸長および神経シナプスの形成の検討、薬理試験を行なう。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
227 |
先進ナノ有機薄膜のための高感度力学特性計測技術の開発 |
金成 守康 |
茨城工業高等専門学校 |
城戸 隆行 |
ひたちなかテクノセンター |
本研究の目的は、厚さ数百ナノメートルの有機半導体などの軟質先進ナノ有機薄膜の力学特性を、数ナノメートルの分解能で高感度かつ高精度に計測できる新規な圧子押込み硬さ試験機に関して、その計測技術を確立することである。期間内に、すでに開発した計測部を基に試験機を試作して、標準的なナノ有機半導体薄膜について押込み試験を行い、実用化のための測定精度を検証し計測技術に関するノウハウを蓄積することが目標である。 |
228 |
動的マイクロスペックルパターン干渉とマイクロ磁気探傷法による材料評価システムの開発 |
冨永 学 |
茨城工業高等専門学校 |
柏渕 泰彦 |
ひたちなかテクノセンター |
材料の劣化や破壊のメカニズムは複雑で、その診断には今なお経験による所が大きい。近年、この課題を解決するために,数値および実験的なマルチスケール解析の構築が求められている。そのために、我々が開発した材料の変形状態が光の波長の精度で動的に観察できる動的スペックル干渉法を顕微鏡下での動的マイクロスペックル干渉法へと発展させると共に、磁気探傷法による材料評価との新たなハイブリッド法を構築する。 |
229 |
窒素マルテンサイトを利用した高強度・高耐食性表面改質法の開発 |
友田 陽 |
茨城大学 |
津田 征夫 |
ひたちなかテクノセンター |
マルテンサイト系ステンレス鋼の炭素を窒素に置き換えると焼戻しによって硬くなる。なぜ窒素の場合は硬化するのかを中性子小角散乱等を用いてナノ組織構造変化から明らかにし、高窒素マルテンサイト鋼の設計指針を得る。材料全体を高窒素化するのは製造において難点があり利用は限られるので、比較的低温で浸窒処理する方法を試み、表面層のみを高窒素マルテンサイトにすることをねらう。浸炭焼入れと異なって、高強度・高耐摩耗性に加えて耐食性の向上が期待できる。表面層に圧縮残留応力が残るので、疲労強度の向上も期待できる。 |
230 |
米由来の廃棄バイオマスの燃料資源化技術の開発と応用 |
金野 満 |
茨城大学 |
高木 宣輔 |
茨城大学 |
国内で大量に生産されている米由来のバイオマス資源の内、食料需要と競合しない米ぬか,稲わら等の廃棄バイオマスから燃料を製造し,それを利用する基盤技術を開発することを目的とし,@米ぬか油のモノエステル燃料化と性状分析および燃焼特性の把握,A稲わらのマイクロパウダー化と物性および燃焼特性の把握を試みる。 |
231 |
熱ショックを利用した農作物の病害抵抗性誘導技術の開発と応用 |
佐藤 達雄 |
茨城大学 |
高木 宣輔 |
茨城大学 |
作物がごく短時間40℃以上の高温に遭遇することにより耐病性やストレス耐性を増強させることに着目し、これを農薬代替技術として利用することを目指す。最初に生育中の農作物に対して温湯散布や一時的な施設の密閉による熱ショック(一時的な高温)を与え、病害抵抗性や老化防止に関わる遺伝子を強制的に発現させる技術を開発する。次に現行の栽培体系への組み入れを前提とした処理方法を検討し、実用的な処理技術としての展開を図る。 |
232 |
食品の残留農薬分析のための試料導入法の開発 |
池畑 隆 |
茨城大学 |
高木 宣輔 |
茨城大学 |
最近、諸外国から輸入される野菜・果物などに許容量を超える残留農薬が検出されて食の安全に対する懸念が広がっており、食品の安全検査体制の一層の強化が求められている。本研究は、高感度で分子選択性の高いレーザーイオン化質量分析法に、新たに食品試料導入装置を組み合わせた、残留農薬等のオンサイト迅速測定装置を開発し、食の安全をハード面から支援することを目的としている。 |
233 |
200℃動作パワー半導体用新アルミ銅合金ワイヤボンディングの開発 |
田代 優 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
ハイブリッド車に多数使用されているパワー半導体の最高動作温度を150℃から200℃に高めることができれば、冷却方法の大幅な簡易化によって軽量化・燃費向上・低コスト化が可能となり、ハイブリッド車普及のキー技術になるものと考えられる。本研究開発では、θ相(Al2Cu化合物)を粒界に析出させ、クラックの伝播を抑制できると考えられるAl-0.5%Cu合金ワイヤを用いた接合プロセスの開発ならびに接合部の信頼性を迅速に評価できる赤外線加熱方式を用いた高温高速ヒートサイクル試験による評価を目的とする。 |
234 |
短波長・短距離光通信用ナノフォトニッククリスタルファイバの開発と応用 |
小峰 啓史 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
クラッド中に多数の空孔を設けたフォトニッククリスタルファイバ(PCF)は1.5μm帯光通信用ファイバとして従来のファイバにはない特性を実現できる可能性がある.情報量増加に伴い青色波長域でのPCF利用が考えられるが,石英ガラスの伝送損失が大きいためあまり検討されてこなかった.しかし,CPU内の光配線化など短距離光通信にPCFを利用することで情報量増加に伴う様々な課題が克服できる可能性がある.本研究では短波長・短距離光通信を想定したナノスケール空孔を有するPCFを作製するための技術シーズを開発する. |
235 |
出芽酵母を用いた脂質蓄積関連薬剤スクリーニング系の開発 |
神坂 泰 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
ヒトなどの真核生物のモデル生物である出芽酵母サッカロミセス・セレビジアを用いて、脂質蓄積を制御する薬剤のスクリーニング系の開発を行う。既に我々が遺伝子の過剰発現、破壊によって脂質含量を増加させた株を用いて、遺伝子発現、蛋白質発現などの解析を行い、脂質蓄積と相関して発現する遺伝子、蛋白質を同定する。その発現を脂質蓄積と相関する指標として、この酵母株を用いた薬剤のスクリーニング系を構築する。 |
236 |
骨髄高転移性乳癌細胞の転移マーカーの解析 |
岡田 知子 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
近年日本人女性に増えて来た乳癌は、高率に骨髄転移を起こし、激しい痛みにより患者の生活の質を低下させる。一方で、乳癌の骨髄転移マーカーは全く未解明のままであり、これを解析する事を本研究の目的とする。私達が近年新規に樹立した骨髄高転移性乳癌細胞と、その親株の遺伝子発現を比較解析し、発現の低下した遺伝子を強制発現させたり、発現の亢進した遺伝子の発現を抑制したりして、性状がどのように変化するかを解析する。 |
237 |
病原性微生物のヘリケース活性を阻害する物質を迅速・高感度・低コストにスクリーニングする技術の開発 |
秋光 信佳 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
ヘリケース蛋白質は二重鎖DNAあるいは二重鎖RNAを一本鎖へと乖離させる酵素であり、各種病原性微生物の増殖に必須な蛋白質である。したがって、病原性微生物のヘリケース蛋白質は薬剤開発の標的蛋白質として有望であり、ヘリケース蛋白質の活性のハイスループット検査技術は分子標的医薬品の開発にとって重要な基盤技術である。本研究では、申請者らが開発したヘリケース活性の迅速・高感度・低コスト検査技術を活用し、様々な病原性微生物由来のヘリケース蛋白質の活性検査キットを開発するための研究を行う。 |
238 |
骨関節健康増進への応用を目指した動的な関節力学特性計測方法の開発 |
金子 文成 |
産業技術総合研究所 |
池田 喜一 |
産業技術総合研究所 |
変形性膝関節症(膝OA)による疼痛を予防する運動教室など,フィールドで使用することを想定した,動的な関節力学特性(DJMP)の計測装置を開発する。またその装置を用いて,膝前十字靭帯(ACL)損傷例および継続的医療の対象ではないが日常に膝痛を訴える膝OA症例について,DJMPの特徴を明らかにする。DJMPとして,膝関節に対して多方向から矩形状に負荷量が変化する負荷を与え,その時の応答を解析する。 |
239 |
大気中での微小アパタイト皮膜作製技術の開発 |
清水 禎樹 |
産業技術総合研究所 |
名川 吉信 |
産業技術総合研究所 |
歯科医療インプラント用の金属小片表面に、生体親和性に優れたアパタイト皮膜を大気中で溶射・作製する技術を開発する。卓上型プラズマ装置を利用した作製技術であり、直径サブmm〜数mmの大気圧プラズマ中に、アパタイト粉末などを導入し、ノズル下流に設置したインプラント用金属片表面にアパタイト粉末をコーティングさせる。将来的に歯科医自らが医療現場で実施できるような簡易技術の開発を目指す。 |
240 |
プロテインチップ用ナノチューブマトリクス |
青柳 将 |
産業技術総合研究所 |
名川 吉信 |
産業技術総合研究所 |
本研究は臨床診断に必要不可欠なプロテインチップにおいてタンパク質固定化用の新規ナノチューブマトリクスの実用化に向けた試験を目的とする。 従来のプロテインチップはチップ作成および乾燥保存時にタンパク質が変性、失活する問題があった。申請者が開発している脂質ナノチューブは、親水性の表面と中空ナノ空間を有することから、タンパク質の固定化および乾燥状態での長期保存を可能にするマトリクスとして有望である。 |
241 |
ホウ素ナノ構造体を用いた原子力施設用臨界検出チップの開発 |
桐原 和大 |
産業技術総合研究所 |
名川 吉信 |
産業技術総合研究所 |
原子力施設での臨界事故の際、臨界発生の場所や規模を正確かつ迅速に把握することが出来る微小な半導体チップを、ホウ素ナノベルトを用いて開発する。中性子の吸収断面積の大きな同位体ホウ素10Bからなるナノベルトを実装したSi基板を作る。これに照射した熱中性子の積算照射量を、電気抵抗変化で簡便に、かつガンマ線の影響を無くして検出するデバイスである。本研究開発により、原子力エネルギー開発の安全面での支援が期待できる。 |
242 |
酢酸菌由来のセルロースナノファイバーを用いる機能性フィルムの創製 |
菱川 裕香子 |
森林総合研究所 |
山本 幸一 |
森林総合研究所 |
酢酸菌が菌体外に産生したセルロースナノファイバーは、産生直後に、3次元網目構造を形成する。このような構造体に対して、水中カウンターコリジョン法を適用することにより、3次元の網目が解きほぐされ、セルロースナノファイバー分散水を得ることができる。本課題では、このセルロースナノファイバー分散水を用いてフィルムを調製し、得られたフィルムの諸物性を評価し、その知見をもとに応用展開を検討することを目的とする。 |
243 |
創外固定器の応用を高める新しい膝関節運動・支持装置の臨床応用化開発 |
石井 朝夫 |
筑波大学 |
小谷 純久 |
つくば研究支援センター |
創外固定器用膝関節支持装置は、急性・慢性の膝関節機構損傷に対する早期運動や再生医療に使用可能である。代表研究者はヒト膝関節(大腿骨・脛骨関節)の動きを模したfour-bar linkage運動する創外固定器用膝関節支持装置を試作した。今回は臨床応用をより具体化するべく,同試作品の軽量化とX線撮影を考慮したデザイン上のスリム化を行うと同時に、膝蓋大腿関節部の膝蓋骨支持装置を開発し、両者を一体型とした臨床応用試作品を開発する。 |
244 |
天然有機物由来フルボ酸を用いた抗アレルギー物質の研究開発 |
山田 パリーダ |
筑波大学 |
角井 修 |
筑波大学 |
本研究開発は、天然有機物抽出フルボ酸(FA)を用いた抗アレルギー物質の研究開発を目的とする。既往研究より、カナダ産草炭抽出FAの化学伝達物質遊離阻害活性は確認されている。当研究により、生化学手法にてその作用メカニズムを分子レベルで突き止め、動物実験より効果の確認を行うことで、抗アレルギーサプリメント、食品添加剤、化粧品添加剤などとなり得る新規天然抗アレルギー物質を開発する。当研究より、食品や化粧品製造メーカに対し新規付加価値製品用シーズ提供が可能になる。 |
245 |
カフェオイルキナ酸を用いたアルツハイマー症予防食品の研究開発 |
礒田 博子 |
筑波大学 |
角井 修 |
筑波大学 |
フェオイルキナ酸の安全性を確認するため、動物実験を行い、アルツハイマー発症抑制製品および老化防止製品としてのカフェオイルキナ酸の実用化を目指す。 具体的には、ラットなどの動物を用いて、カフェオイルキナ酸の投与による影響を毒性試験により評価する。その評価方法としては、毒性の強さを定量的に表すためにLD50(半数致死量)を求め、カフェオイルキナ酸の安全性を確認する。 |
246 |
チュニジアオリーブ由来 apigenin 7-glucosideの白血病細胞分化誘導作用 |
韓 o奎 |
筑波大学 |
角井 修 |
筑波大学 |
すでに特許出願しているチュニジアオリーブ由来apigenin 7-glucosideによる ヒト白血病細胞の顆粒球への分化誘導のメカニズム解明を行うことにより、がん予防機能性食品の素材開発につなげる。白血病細胞の分化は、増殖抑制とアポトーシスによるものであるため、分子レベルでのメカニズム解析が必要である。具体的には、細胞毒性及びアポトーシスに関する細胞周期解析、マルチカスパーゼ解析、ウエスタンブロッティング、リアルタイムRT-PCRによる解析を行うこととする。 |
247 |
金属内包フラーレンに基づく機能性センサーの開発 |
赤阪 健 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
フラーレンの内部に常磁性金属原子を閉じ込めた金属内包フラーレンは、金属原子からフラーレンケージへの電子移動によって通常の空フラーレンに比べ電子受容能、供与能が非常に優れていると共に、磁性化反磁性化も非常に容易であることから大変興味深い化合物として注目されている。本研究では金属内包フラーレンが有する、非常に優れた電子的性質と磁気特性に着目し、さらに有機ドナー分子との超分子系を構築することによって外部環境応答型の機能性センサーへの展開を目指す。 |
248 |
解剖学知見に基づく3次元人体モデルの直感的な操作インタフェースの開発 |
鈴木 健嗣 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
本研究課題は,解剖学的見地に基づく詳細な人体モデルを,ユーザが直感的に操作可能とするシステムを構築する.既に開発済であるインターネット等の通信網を通じて3次元人体モデルを配信する技術に加え,カメラ画像からの実時間手形状認識技術,及びセンサデバイスの着用によるジェスチャ認識技術を有機的に結合することで,これまで2次元的であった医学教育教材や人体標本図面を3次元空間で提示されるだけでなく,ユーザが直感的に操作することを可能とする. |
249 |
細胞組織体の非侵襲的な回収を可能とする培養皿の開発 |
福田 淳二 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
微細加工技術や電気化学的な手法を用い、in vitroにおいて2次元細胞シートや3次元細胞組織体の形成を誘導し、かつ非侵襲的に回収する技術を確立する。これにより、医療分野または研究開発用ツールとして利用できる培養器具を創製する。 |
250 |
酵素分析のためのマイクロシステムの開発 |
鈴木 博章 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
酵素活性あるいは酵素基質濃度を簡便に測定するための携帯型マイクロ分析システムの研究開発を推進する。凍結乾燥基質の使用等により、既に開発した消化酵素検査用システムの高性能化、実用化検討を進める他、コレステロール、中性脂肪等の新規検査項目を多項目同時に検出するためのマイクロシステムの開発を推進する。 |
251 |
気体調節と半導体技術を組合わせた生化学、工学融合による新規青果物検疫処理技術の開発 |
弦間 洋 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
青果物の輸出入時における燻蒸等の植物検疫処理は、現在、燻蒸処理として臭化メチルや青酸ガスなどの有毒薬剤が使用されているが、地球温暖化など環境への悪影響や残留農薬による健康被害の懸念がある。そのため、薬剤を使用せず、40℃以上の高温と50%以上の高濃度炭酸ガスを組合わせた雰囲気による生化学的処理技術と半導体製造における工学的洗浄技術を融合した新規燻蒸処理技術を開発し、無農薬かつ超短時間処理を可能とするものである。 |
252 |
マイクロバブル技術を用いたバイオガス生物脱硫システムの開発 |
北村 豊 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
バイオ燃料の一つであるメタン発酵バイオガスに含まれる腐食性・毒性の強い硫化水素を,硫黄酸化細菌を利用した生物触媒により除去する生物脱硫法を確立する。ここでは触媒の活性化をマイクロバブル技術を用いた液相曝気法によって行なうことにより,従来の脱硫剤吸着法あるいは気相曝気法よりも安全で,効率が高く,かつ低コストでバイオガスを脱硫する技術の実用化を目指す。 |
253 |
DNAM−1 リガンドを標的とした消化器癌治療のための抗体療法の開発 |
田原 聡子 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
DNAM-1 (CD226)は、NKや細胞傷害性T細胞に発現し、細胞傷害活性やサイトカイン産生の活性化シグナルを伝達する受容体である。申請者は、DNAM-1リガンドが、ポリオウイルスレセプターファミリーに属するCD155およびCD112であることを明らかにした。本研究では、胃癌および大腸癌で発現が亢進するDNAM-1リガンドに対する抗体を用いて、これら消化器癌に対する新規抗体治療法を開発する。 |
254 |
発生工学技術を応用したカーボンナノチューブの生体リスク評価系の確立 |
高橋 智 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
カーボンナノチューブは、従来のマクロ材料にはない特性を有しており、エレクロトニクスをはじめ、バイオやエネルギー産業といった産業への応用が広く期待されている。しかし一方で、ナノ素材の安全性に対して社会的に様々な不安や懸念が持たれている。そこで本申請は、遺伝子工学技術を用いて、ナノ素材に対して、正常の動物より鋭敏な感受性を示すモニター動物を開発し、生体に対する鋭敏なリスク評価系の開発するものである。 |
255 |
放射線を用いたアスベストの無害化と可溶化に関する技術開発 |
永石 隆二 |
日本原子力研究開発機構 |
飯塚 隆行 |
日本原子力研究開発機構 |
アスベストは建築資材に多量に含まれ社会問題化しているが、高温溶融の処理法では1000度の高温加熱や大量の薬品を必要とする。そこで新たに放射線を用いた、環境適合性に優れたアスベストの処理法を開発する。すでにアスベストにガンマ線や電子線を様々な条件で照射し,構造変化や溶解度変化の予備的な知見を得ている。さらに研究を進め、粒状化や完全溶解による無害化を図り、環境負荷の低い画期的な処理法の開発を目指す。 |
256 |
だるま落とし保護法を用いた糖鎖自動合成機の開発 |
今場 司朗 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
小林 秀行 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
生物機能の解明と活用のためには、第3の生命鎖と呼ばれる糖鎖の機能解明が必須である。しかし現在においても、DNA自動合成機、ペプチド自動合成機は存在するが、満足のいく糖鎖自動合成機は存在しない。そこで、本提案では申請者が独自に開発した糖鎖合成手法である「だるま落とし保護法」に最適化した、市販化を見据えた廉価な糖鎖自動合成機の基本システムの構築を目指す。 |
257 |
生分解性プラスチック分解促進酵素の開発 |
北本 宏子 |
農業環境技術研究所 |
對馬 誠也 |
農業環境技術研究所 |
地球温暖化を防止するために、生分解性プラスチック(生プラ)の導入が図られている。しかし生プラは、使用中の崩壊や、使用後分解しにくいといった問題が、導入の障害になっている。提案者は既に、生プラ分解活性が高い微生物を分離し、生プラ分解酵素を単離している。本研究では、分解酵素の遺伝子とアミノ酸配列を明らかにする。また、酵素生産微生物をさらに効率よく分離する手法を開発する。 |
258 |
高配向カーボンナノチューブファイバの開発とコンポジット素材への応用 |
唐 捷 |
物質・材料研究機構 |
青野 正和 |
物質・材料研究機構 |
カーボンナノチューブ(CNT)は、極めて軽く、高い弾性率と強度をもつと同時に、高導電性や高熱伝導性等の機能を併せもつ高機能素材でもある。我々は、純水中に分散させたCNTを電気泳動法を用い、金属チップ先端に集積・成長させることに成功した。本研究では、この技術を応用し、高導電性及び高熱伝導性をもつ軽量・高強度・高弾性の構造用あるいはコンポジット素材と成る、高配向のCNT集積体としての長尺ファイバ作製プロセスを開発する。 |
259 |
高い細胞保持率をもつ複合足場材料の研究開発 |
川添 直輝 |
物質・材料研究機構 |
立石 哲也 |
物質・材料研究機構 |
損傷した生体組織・臓器を患者自身の細胞から再生し、機能回復をはかる再生医療が注目されている。再生医療では、細胞の足場として組織の再生に導く足場材料が重要である。高い細胞保持率と力学強度をもつ足場材料は、組織を効率よく再生する上で不可欠であるが、従来の材料はその要求を十分には満たしていなかった。そこで本試験では、90%以上の細胞保持率と形態安定性をもつ足場材料を材料複合化技術により作製する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
313 |
Complex Regional Pain Syndrome 早期診断における拡散強調MR画像の有用性 |
中村 俊康 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
局所の激しい疼痛、局所の血流異常、発汗、発毛異常、局所の浮腫を特徴とする難治性の疼痛疾患であるComplex Regional Pain Syndrome (複合性局所疼痛症候群 CRPS:反射性交感神経性ディストロフィーRSDともいう)では局所の浮腫が高率に発生する。そこで本研究ではCRPS動物モデルを用い、早期の水の拡散情報に鋭敏な拡散強調MR像でのCRPS超早期診断技術の確立を目指す。 |
314 |
UMGT用1円玉サイズ高負荷超小型プロパン燃焼器の試作研究 |
湯浅 三郎 |
首都大学東京 |
栗田 良夫 |
首都大学東京 |
本研究では、モバイル機器の電源や超小型推進機関となりうるウルトラマイクロガスタービン(UMGT)の中心的要素の一つである、プロパンを燃料とする1円玉大の高負荷超小型燃焼器に関わる先導的な技術開発と試作を行う。具体的には、プロパンを狭い空間で高負荷燃焼させる際の問題点の抽出と燃焼条件の特定、Flat-Flame燃焼方式における触媒燃焼の有効性の実証と熱損失の評価、超小型の圧縮機やタービン等とマッチング可能な内径20o・高さ2oサイズの高負荷極超小型プロパン燃焼器の試作、を行う。ここで取得される燃焼器技術は、世界最小・最軽量・高燃焼負荷・低NOxな燃焼器開発に不可欠なものであり、次世代の各種超小型パワープラント開発のシーズとなる要素技術である。 |
315 |
液中における物体の超音波による姿勢制御試験 |
舘野 寿丈 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
水中に浮遊する微小な固体状の物体に超音波をあて,その物体の位置と姿勢を制御しようとする技術の開発を行う.物体の大きさが波長よりも十分小さい場合,物体は伝播する振動波の節の部分に集まることが知られているが,その技術では,物体の位置のみを拘束する.これに対し,本課題では振動波の特性を利用することで姿勢をも制御する技術の開発を行う.この技術が実現できれば,多くの検査装置への応用が期待できる. |
316 |
ナノチューブの配向制御と電極化を目的とした光硬化樹脂の伸張流生成装置 |
水沼 博 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
ナノチューブのような棒状粒子を粘性液体に分散させて伸張させるとその粒子は伸張の方向に配向する。応募課題はこの原理を応用するものであり、1.ナノチューブを分散させた極微量の光硬化樹脂液を平板間に挟んで伸張させたり糸引き状に吐出させたりしてナノチューブを配向させ、2.紫外光で樹脂を硬化させ、3.伸張した樹脂端面に垂直に配向したナノチューブを露出させる、新規技術の開発とその基礎研究である。カーボンナノチューブの応用として期待される薄型ディスプレイなどの電子源を、通常の室内環境で容易に製造することを目的としている。 |
317 |
インクジェットチップによる極微小試料送達と蛍光測定による超高速診断計測システムの開発 |
内山 一美 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
プリンタに、用いられているインクジェットマイクロチップにより試料・試薬をピコリットル〜ナノリットル単位で吐出し、微少液滴とする。この微少液滴を形成する表面を物理・化学的に機能化し、抗原抗体反応を実施し、高感度蛍光測定により分析する。従来の1/1000の試薬・試料量と1/10の測定時間で迅速・精密に診断可能な超高速計測システムを提案するものである。 |
318 |
地物データGISを活用した精緻な都市洪水流出予測モデルの開発 |
河村 明 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
都市型洪水被害の低減を目的として、人工的に形成された非常に複雑な都市型洪水流出に対し、まず、従来の土地利用情報のみならず、一つ一つのビルや家屋の地物データに、1/2500 地形図から得られる個々の土地利用要素の情報を抽出し、さらにマンホール、雨水・下水道網、河道網の情報を付加して洪水流出のための高度な地物データGIS を構築する。そして、正確な流出要素毎に水理・水文モデルを適用し、降雨の流出経路を物理的に忠実に表現可能な精緻な都市型洪水流出予測モデルを開発する。 |
319 |
レーザーダイレス引抜きによる金属マイクロチューブの高速製造技術の開発 |
古島 剛 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
本研究は,金属マイクロチューブを,金型を用いないダイレス引抜きによって高速製造する技術を開発するものである.ダイレス引抜きは,チューブの局所加熱と引張変形の負荷のみで縮管を行う成形法である.そのため,ダイレス引抜きの高速化を実現するためにはチューブの急速・局所加熱が必須である.それらを実現するため,加熱源としてレーザーを用いた金属マイクロチューブの高速成形技術を開発し,さらにマイクロ化による寸法効果がもたらす伝熱挙動の高速応答を応用する. |
320 |
環境ストレスに強いイネの開発 |
小柴 共一 |
首都大学東京 |
尾形 佑美子 |
首都大学東京 |
地球温暖化、あるいは、食糧問題への対策として悪環境に耐性を有する植物の開発が強く求められている。我々は、塩、乾燥ストレス時にイネの根で発現する遺伝子(RSOsPR10)を恒常的に発現させることにより、乾燥や塩などに強いイネを作出した。本課題においては、この過剰発現イネの塩や乾燥への耐性獲得機構について詳細な検討を加えるとともに、本組換え体の成長、稔実率、種子の栄養価など総合的な生育評価を進める。 |
321 |
5.8GHzマイクロ波および光触媒を用いた塩素系汚染物質の分解 |
堀越 智 |
上智大学 |
坂本 和夫 |
科学技術振興機構 |
本研究では、光触媒へ紫外線と周波数5.8GHzのマイクロ波を同時に照射できる装置を試作し、この装置を用いて塩素系化合物(塩素系農薬やダイオキシン類など)の迅速分解を行うことを目的とする。また、その分解メカニズムを解明することで本装置が二次汚染のないクリーンで効率の高い処理法であることを示す。本装置の周波数特性やエネルギー効率から、本装置の環境浄化装置としての実用性を明確にする。 |
322 |
夾雑イオンに影響されない含フッ素亜鉛イオン蛍光プローブ試薬の研究開発 |
田中 潔 |
成蹊大学 |
枝村 一弥 |
東京都 |
亜鉛イオン(Zn2+)はDNAの転写調節などに対して重要な役割を演じている。これまでに開発されているZn2+の蛍光プローブ試薬は、Ca2+等の夾雑イオンの影響を受けやすい。そこで本研究では、夾雑イオンに影響されないZn2+蛍光プローブ試薬を開発することを目的とした。具体的には、Zn2+の捕捉部位にフッ素原子を導入した含フッ素蛍光プローブを合成し、夾雑イオン下でのZn2+の特異的捕捉性を検討する。 |
323 |
高圧力処理による香水の熟成期間短縮技術の研究開発 |
清水 昭夫 |
創価大学 |
中江 博之 |
タマティーエルオー |
一般に香水は、数十種類から数百種類の香料成分を調合してつくられるが、調合後すぐに出荷されるのではなく、半年から1年以上冷暗所で静置して自然熟成させる必要がある。そこで、高圧力処理により熟成を促進し、わずか1日程度で熟成させる技術を開発する。また、そのメカニズムの解明を試みる。この技術により新製品開発時間や香水製造時間の大幅な短縮、熟成時に必要なエネルギーや保管場所を削減することが期待される。 |
324 |
プラズマガス化システムによる廃携帯電話の効果的処理 |
稲葉 次紀 |
中央大学 |
佐藤 矩正 |
中央大学 |
本システムは、プラズマを用いて、安全かつ効率的にプラスチックを主体とする廃携帯電話などの都市廃棄物を、有用なガス燃料として再利用可能なエネルギー源に変換するシステムである。これまで、プラスチック類は焼却処理されており、発生熱量は発電や給湯などで再利用されてきたが、排ガス処理等の問題が有る。本システムを用いることで、プラスチック廃棄物類から、H2、CO、CO2、CxHyなど有用なガス燃料の回収が期待できる。 |
325 |
血液検査による睡眠時呼吸障害のスクリーニングシステムの開発 |
川杉 和夫 |
帝京大学 |
船渡川 伊久子 |
帝京大学 |
睡眠時呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群を含む)患者を血液検査で簡便にスクリーニング(早期発見)するための、新たな診断技術を開発することが本研究の目的である。睡眠時呼吸障害患者および非患者を対象とした臨床研究を通じて、睡眠時呼吸障害との関連が推測されるマーカー候補について有効性を検討するため採血・検査を実施する。各マーカー候補に関する解析(疾患の有無や重症度との相関性解析等)を実施し、有効なマーカーの選定を行うことを目標とする。 |
326 |
強靭耐摩耗用DLC膜作製法の改良 |
田中 勝己 |
電気通信大学 |
高橋 めぐみ |
キャンパスクリエイト |
低価格の設備投資により、炭化水素の熱分解を利用して機械的強度に優れた強靭な耐摩耗用DLC膜を、膜厚制御して材料表面上に作製する(技術内容)。現段階で我々が持つ特許技術の改良により炭化水素の分解温度を更に下げ、金属製接触部品表面にDLC膜を堆積加工し(目的、実施内容)、耐磨耗強度に優れ、画期的に使用時間の延びた工業製品を開発する技術を啓発する(目標)。 |
327 |
機能と形状の関係性に基づく物体認識手法の開発と応用 |
長井 隆行 |
電気通信大学 |
須藤 慎 |
キャンパスクリエイト |
物体を認識する際に重要なのは、物体の見た目だけでなく、その機能や使い方である。本課題ではこれら3つの要素(見た目、機能、使い方)の関係性を確率モデルでモデル化した物体の学習・認識手法を確立し、これを計算機やロボットに実装することを目的とする。これは、物体を単にパターン認識するものではなく、「理解」する枠組みであると考えており、ロボットの物体理解や理解に基づく物体(道具)の使用が可能となる。 |
328 |
エネルギー回生ダンパ装置の研究開発 |
中野 和司 |
電気通信大学 |
須藤 慎 |
キャンパスクリエイト |
経済産業省と国土交通省は、乗用車には04年度比で15年には燃費を23.5%改善することを義務付けると公表した。提案の新技術は、燃費を改善する効果がある。自動車1台に4本使用されている油圧ダンパ(ショック・アブソーバとも呼ばれている)は、自動車の振動を抑えるために、運動エネルギーを熱に変えてエネルギーを消費している。そこで、油圧ダンパを廃止し、発電機を利用して電気エネルギーとして回生するとともに、スカイフック理論等に基づいた理想的な減衰特性を実現できる、エネルギー回生電磁ダンパ装置を開発する。 |
329 |
耐ビット反転とプログラム進化を可能にする宇宙機用CPUの開発と応用 |
高玉 圭樹 |
電気通信大学 |
須藤 慎 |
キャンパスクリエイト |
本研究では,人工衛星をはじめとする宇宙機上のコンピュータシステムにおいて根源的な問題であるSEU(Single Event Upset)に着目し,(i)宇宙線によってメモリのビット反転が起こってもハングアップしないCPU,ならびに,(ii)そのビット反転をプログラムの突然変異ととらえ,より良いプログラムへの進化を可能にするメカニズムを考案する.特に,開発するCPUはシールド不要,多重化不要,現在のハイスペックCPUを利用可能であり,「安く」「小さく」「速い」宇宙機用CPUの実現が期待できる. |
330 |
超磁歪素子を用いた完全埋め込み型骨導補聴器の開発 |
小池 卓二 |
電気通信大学 |
田川 毅 |
キャンパスクリエイト |
従来の骨導補聴器の問題点を解決し、簡単な埋め込み手技で、良好な音質と快適な補聴環境を提供する、完全埋め込み型の骨導補聴器を開発することを目的とする。体外ユニットで集音プロセッシング後、コイルにて磁場を作り、乳突部皮下の側頭骨に埋め込んだ超磁歪素子を振動させ、骨伝導にて聴覚を獲得する新補聴システム構築を目指し、難聴者に良質の会話や音楽を提供することで生活の質(QOL)を向上させると共に、社会参加型の自立支援を援助する。 |
331 |
携帯端末用高性能省電力並列プロセッサシステムの実用化評価 |
曽和 将容 |
電気通信大学 |
李 瑩玉 |
キャンパスクリエイト |
モバイル端末に「パソコン以上の性能と通信環境」を実現するキー技術として,「並列FIFOコンピューティング」という新しい計算モデルによるコンピュータシステムに関する研究である.省電力でハードウエア量が小,プログラム長半分でパソコンの2倍程度の性能を持った高性能なプロセッサとその基盤ソフトを設計し,出願,または取得した9件の特許をもとに実用化を目指した検証実験を実施する. |
332 |
蛍光性π拡張複素環化合物の開発と材料化 |
平野 誉 |
電気通信大学 |
鈴木 基子 |
キャンパスクリエイト |
我々は簡便な縮合反応を用いて、ピラジノイミダゾール(PI)の縮環したヘキサアザアントラセン(HAA)化合物が合成できることを見出した。これらは溶液中で優れた蛍光性を示す化合物である。本研究では、PI-HAA基本構造に、薄膜状態での蛍光性、導電性、安定性が発現できるよう化学修飾を施した新規誘導体の合成を行い、これらの化合物を用いて有機EL素子(OLED)に応用可能な蛍光・導電性薄膜材料の開発を目指す。 |
333 |
歯周病治療のための新規の殺菌用光線器具の開発に関する研究 |
渡辺 久 |
東京医科歯科大学 |
小沢 三千晴 |
東京医科歯科大学 |
本研究では,光エネルギーを応用した新たな口腔内除菌器具として、歯周ポケット内の歯周病細菌の殺菌用の治療器具および青色光線がヘッドから照射される光歯ブラシの開発を目指している。青色光線は、従来の青色のアルゴンレーザーおよびハロゲンライトを低出力で用い、青色光線の照射時間と殺菌効果および発熱量との関係について比較検討する。さらに、臨床的に応用が可能な低出力にて十分な殺菌効果を得るための光増感剤として新しい候補色素の検索と色素併用時の殺菌効果の増強の程度について検討を行う。 |
334 |
船外機における冷却水系統の洗浄システムの開発 |
酒井 久治 |
東京海洋大学 |
伊東 裕子 |
東京海洋大学 |
本研究は,船外機の冷却水通路の洗浄の目的とする。基本となる技術は,冷却水にホタテ貝殻の粉末,圧縮空気を混入させ,冷却水通路壁面に付着した汚れを除去するものである。この技術を利用して,船外機の冷却水系統を洗浄する。研究内容は,基礎実験と実機実験に分けられ,前者は汚れたアクリル管を供試して洗浄効果を定量的に把握する。後者は得られた最適条件を適用し船外機を洗浄するものである。これにより,船外機の冷却水系統を洗浄できることを目標とする |
335 |
キヒトデ抽出物の抗真菌剤としての利用 |
石崎 松一郎 |
東京海洋大学 |
松山 祐子 |
東京海洋大学 |
本研究は、日本全国の沿岸部において採取されるキヒトデの有効利用方法を構築することが狙いである。キヒトデの抽出物に存在するさまざまな生理活性物質の中で特にヒトデサポニンの抗カビ作用の強さに着目し、天然成分由来の安全・安心な抗カビ剤の開発を目的としたキヒトデサポニンの高収率な回収方法を提案し、従来法とは異なるn-ブタノールを介さない新規抽出方法の開発と同時に有効成分であるヒトデサポニンの収率改善を目指す。 |
336 |
衛星情報を用いた沿岸域での漁場予測システムの開発と応用 |
山崎 秀勝 |
東京海洋大学 |
馬場 文雄 |
東京海洋大学 |
漁業における漁場予測は過去の漁獲データに基づく経験知と現地での魚群探知機に頼っているのが現状である。当該開発試験は、地球観測衛星データと二層モデルを用いて現場の水温構造を推定する方法と三次元水理モデルによるコンピュータシミュレーションを併用し、沿岸域の海洋構造を予測する方法を開発する。さらに当該開発システムに過去の漁獲データを導入し、多獲性浮魚類(アジ・サバなど)の好漁場位置の推定方法を立案する。 |
337 |
牽引車輌の重心検知・横転限界速度予測装置の実用機の開発と適用 |
渡邉 豊 |
東京海洋大学 |
林 進一郎 |
東京海洋大学 |
牽引車輌(トレーラトラック)のコンテナ貨物は内部の積載状態が積載前に確認出来ず、移送されている。トラクタに加速度センサーを取り付け、初期走行におけるピッチングとローリングの周波数データの演算からトレーラトラックの三次元空間の重心を検知し、さらにカーブ走行における横転の危険のある限界速度を曲率半径毎に予測する装置を開発した。最低限のデバイス要素と表示(警報)システムを得る試作機を作製し、検証して、コストを踏まえた最適な実用装置を提案する。 |
338 |
Webサーバ連携方式による大規模コンテンツ共有機構の構築と応用 |
田胡 和哉 |
東京工科大学 |
佐藤 亮 |
東京工科大学 |
複数Webサーバを連携し、双方向性のあるWebサービスを広域の利用者に安価に提供するためのシステム基盤の開発を行う。これは、広域データ共有機構とWebサービスミドルウェアから構成され、利用者はWebブラウザだけを用いて双方向性eLearning等のサービスを受けることが可能になる。海外を含む複数教育機関に対してサービス提供して実証試験を行うとともに、サービスビジネス実施の可能性について検証する。 |
339 |
DNAの分岐構造を利用した一塩基多型(SNPs)の蛍光検出法の開発 |
加藤 輝 |
東京工科大学 |
山岸 勉 |
東京工科大学 |
遺伝子の一塩基多型(SNPs)を調べることにより,各個人の疾患の罹りやすさや医薬品の副作用の有無を予測できることから,その検出法は今後の「個の医療」の普及に必要不可欠と考えられている。一方,代表研究者らは,これまでにステロイド化合物の一種であるコール酸が3本のステムからなるDNAの分岐構造に結合することを見出している。本課題は,この現象を利用したSNPsの簡便な蛍光検出法の開発を目的とする。 |
340 |
バイオミメティックニオイセンサの開発と応用 |
三田地 成幸 |
東京工科大学 |
山岸 勉 |
東京工科大学 |
研究代表者らはβカロチンがガス分子と相互作用すると、電気伝導度が著しく増加することを応用し、人間の嗅覚器を模倣した(バイオミメティックな)、粘膜状のニオイセンサを新規に開発している。この課題では、作製した新規バイオミメティックニオイセンサ(BMOS)の検出濃度限界を各種の匂い成分(食用油の過熱によるミストも含む)に対し明らかにする。さらに、寿命試験も行い、家庭において火災に至る前のいわゆる焦げ臭い匂い段階でアラームを出す早期異常発見システムの実現を目指す。 |
341 |
Web学習用コンテンツを自動作成する講義収録システムの開発と評価 |
市村 哲 |
東京工科大学 |
辻 文代 |
東京工科大学 |
従来、教室で行われた講義を収録してWeb学習用コンテンツを作成するためには、講師や板書の映像を撮影するカメラマンや映像編集スタッフが必要であった。本提案システムは、講義の模様を1台のハイビジョンカメラにより無人撮影し、撮影映像から講師の部分を自動的に切り出してサイズの小さなストリーミング動画を作成すると共に、黒板領域を静止画アニメーションとして出力し、時々刻々と変化する板書内容と講師映像とを同期させたWBTコンテンツを自動作成するものである。講師や学習者が容易に使えるシステムを構築し、その効果を視線軌跡等から測定・分析する。 |
342 |
雑音・音楽融合型再生システムの開発 |
井上 亮文 |
東京工科大学 |
辻 文代 |
東京工科大学 |
携帯型音楽プレイヤの普及により、屋外での音楽聴取が増えた。しかし、音量の上げすぎによる聴覚への影響や、雑音の過度の遮断が原因の交通事故が多発している。そこで本課題では、人間の認知特性を利用して、音楽の再生速度を変更するだけで雑音の影響を感覚的に低減する手法の開発及び実用化を目指す。 |
343 |
スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究 |
梶原 逸朗 |
東京工業大学 |
鹿田 洋 |
横浜企業経営支援財団 |
磁気ディスク装置の大容量化には,広い周波数帯域にわたる磁気ヘッドの振動低減が不可欠である.本研究は,記録密度の大幅な向上(大容量化)を可能とするため,磁気ヘッドにアクチュエータ機能を内蔵させ,磁気ヘッドの振動を抑制し,その位置決め精度を向上させることを目的とする.具体的には,広帯域振動抑制手法とMEMS構築を見据えた磁気ヘッド機構を開発し,次世代の大容量化につながる振制性能を達成させる.本システムは,センサー/アクチェエータ/コントローラを内蔵し,状態変化などのモニタリングや振動抑制に優れた性能を有する. |
344 |
破骨細胞応答型薬物放出材料の開発 |
吉岡 朋彦 |
東京工業大学 |
金古 次雄 |
東京工業大学 |
本申請では、骨の主成分に近いリン酸カルシウムを用いて、破骨細胞が関わる難治性骨疾患(転移性骨腫瘍・ガン)の治療に有効な薬物送達(DDS)担体の開発を目標とする。そのため、骨の代謝・免疫系のバランスを維持する薬剤を選定して上記材料に複合化する。 |
345 |
CADデータ修復技術の開発 |
萩原 一郎 |
東京工業大学 |
松本 和也 |
東京工業大学 |
CADデータ欠損の修復問題はデジタル設計の最重要課題である。これまでもIGESやSTEPなどがCADデータの標準フォーマットとして提案されているが、必ずしも未だ十分な機能をしていない。そのためウエーブレット変換を前処理にして従来の画像修復技術を格段に向上させて特許化した画像修復システムにCADに必要な隣接間の連続性を付与する技術を開発し組み込むことにより、CAD修復システムへの拡張を図る。 |
346 |
大気圧非平衡プラズマを用いた無触媒水素化プロセスの開発 |
関口 秀俊 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
本課題では、水素ラジカルを含有する大気圧非平衡プラズマジェットを様々な有機化合物に照射する無触媒水素化プロセスの実用化に資する知見の取得を目的とし、適用できる有機化合物の拡大と収率や選択率を向上させるための方策の検討を行う。この手法は、合成の経路の簡略化と触媒を使わないという革新的な化学プロセスの創出に結びつき、まさに次世代化学プロセスとして求められているシンプルグリーンケミストリーの概念にマッチする。 |
347 |
有機金属分解法を用いた磁気イメージング用高性能磁気転写膜の開発 |
石橋 隆幸 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
磁気転写を用いた磁気イメージング技術は、空間分解能、計測速度、磁気感度、定量性など高い性能を安価に実現できる技術として注目されている。その技術を実用化し、一般に広く普及させるためには高性能な磁気転写膜が必要である。本課題では成膜方法として、組成制御が容易で均一な成膜が可能な有機金属分解法を用いて、偏光顕微鏡観察下において高い空間分解能を有する高性能な磁気転写用ガーネット膜の開発を行う。 |
348 |
鳥類赤血球に発現する薬物代謝酵素を指標にした環境汚染評価法の開発 |
渡辺 元 |
東京農工大学 |
高田 誠 |
東京農工大学 |
ウズラを用い、肝臓に誘導される薬物代謝酵素mRNAを解析する。鳥類は哺乳動物と異なり有核赤血球であるため、同様の酵素が赤血球でも発現していることが予想される。そこで、赤血球で発現している薬物代謝酵素のmRNAを解析し、投与された薬物と赤血球で発現する薬物代謝酵素mRNAの関連を明らかにする。その結果から、野鳥から採血して得た赤血球に発現する薬物代謝酵素を指標にして、野鳥が環境中から取り込んだ環境汚染物質の生物学的評価法を開発する。 |
349 |
地殻変動監視のためのレーザ距離変位測定装置の開発 |
黒川 隆志 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
精密な距離変位の測定は、トンネルや橋梁の変状測定や地殻変動の監視など防災への応用上重要である。特に高精度で低コストの装置が実現すれば、活断層上の多地点間の距離変位を常時監視することが可能となり、地震対策上極めて有効である。 本課題では、多点間の距離変位を精密、かつ簡便にレーザ計測する装置を開発する。実際にフィールドで試験できるよう測定時間の短縮に取り組み、小型、軽量な装置を試作する。 |
350 |
静電噴霧-熱フィラメント法を用いたダイヤモンド単結晶高速育成技術 |
松嶋 雄太 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
ダイヤモンドは電気的絶縁性に優れ、高い熱伝導率、高硬度など、他の材料にないさまざまな有用な性質を有している。ダイヤモンド単結晶の高速成長技術の開発は、ダイヤモンドを工業材料として活用する道を広げるものである。本申請課題では、代表研究者がこれまで独自に開発してきた静電噴霧-熱フィラメント装置に改良を加え、毎時百ミクロンのダイヤモンド単結晶の高速成長を実現する。 |
351 |
高分子エレクトロニクスデバイスへ向けた薄膜パターンの無溶媒形成技術 |
臼井 博明 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
高分子デバイスの開発には高分子薄膜の微細パターンを形成する必要があるが、フォトリソグラフの手法を適用することは困難である。そこでモノマーの物理蒸着と光照射による重合を組み合わせ、高分子薄膜パターンを無溶媒で形成する、新規真空ドライプロセスを開発する。すなわち機能性モノマーを光重合開始剤と組み合わせて蒸着し、光照射部分のみに選択的に高分子薄膜を成長させ、真空中ワンバッチで製膜及びパターン化を行う。 |
352 |
環境センシングへ向けた超高分解能・高確度な分光光度計/周波数計の開発 |
塩田 達俊 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
大気汚染やCO2による温暖化、オゾンホール拡大などの環境変化が問題となる中で、スペクトル計測とレーザー光の周波数を同時に観測できる計測器の開発が望まれている。本課題ではこの要求に役立つ高分解能な分光光度計と絶対周波数確度が高い周波数計測器の2つの機能を併せ持つ光測定器を開発する。従来のスペクトル解析器や波長計に比べて1〜3桁以上の高精度で可搬性を持つ計測器を実現する。 |
353 |
土砂災害早期避難勧告発令用斜面モニタリングシステム開発 |
白木 克繁 |
東京農工大学 |
八木 茂 |
東京農工大学 |
豪雨時の土砂災害発生危険度の判定は、現在では主に降水情報に依存しており、地質や地形の相違を危険度予測に組み入れることが難しい。本課題では土壌水分情報や地下水位変動の観測値と、浸透数値シミュレーションによる予測値をカップリングさせてより確度の高い災害予測ができるシステムの構築を目指している。このためには地下水位などの地点情報がどの程度空間的代表性があるかを明らかにする必要がある。さらに、斜面における多点での土壌水分・地下水位変化の観測結果と、シミュレーション結果とどのように対応するかを明らかにし、新たな土砂災害発生危険度判定システムの構築を目指す。 |
354 |
ポリメトキシフラボノイドを活用した歯周病予防ケア製品の開発 |
宮浦 千里 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
歯周病は細菌感染が原因の生活習慣病であり、患者数は2000万人を超えている。新規の歯周病評価システムを用いて、カンキツ由来のポリメトキシフラボノイドが歯周病の予防効果を示すことを見出した。そこで、ポリメトキシフラボノイドの高機能化と製品の形状を視野に入れた解析を実施し、歯周病予防ケア製品(歯磨き剤、デンタルリンスなど)としての実用化を目指した開発研究を行なう。 |
355 |
加水分解ケラチン含有高湿潤フェイスマスクの創製 |
野村 義宏 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
羽毛の主要タンパク質であるケラチンは、フェザーミールとして利用されてきたが、環境問題ならびに設備コストの問題から焼却処分されている。その利用用途の開発として、より付加価値の高い化粧品用基材としての可能性に関し研究を進める。すなわち、加水分解ケラチンを基材とした湿潤性のゲルを作製し、美顔目的のフェイスマスクを試作する。 |
356 |
ペプチドリガンドの新規探索法in silico panning法の開発 |
池袋 一典 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
酵素・レセプターのペプチドリガンドはそのアミノ酸配列の多様性が膨大で、実験で探索するのは難しい。そこでdocking simulationにより、任意のペプチドの標的酵素に対する結合能を計算し、遺伝的アルゴリズムにより、そのアミノ酸配列を組換えて、コンピュータ内で標的酵素に対するリガンドを進化させ、スクリーニングする、in silico panning 法を開発した。本申請でその改良と応用を試みる。 |
357 |
アフィニティートラップリアクターの新展開 |
清水 幸輔 |
東京農工大学 |
保坂 真一 |
東京農工大学 |
申請者らが開発したアフィニティートラップリアクター(ATR; 酵素と基質を捕捉するリガンドを固定化したバイオリアクター)は、多くの夾雑物を含む試料から基質を選択的に捕らえて効率的に反応を進め、さらには反応生成物の精製をも可能とする世界初の技術である。本研究では、この技術をさらに発展させ、産業利用するための基盤を構築する。 |
358 |
耐薬品性に優れた鋳型高分子ゲルを利用する遷移金属捕集材料の開発 |
前山 勝也 |
東京農工大学 |
高田 誠 |
東京農工大学 |
耐薬品性、成型加工性に優れた芳香族ポリケトンの機能材料への利用展開を図ることを目的とし、耐薬品性に優れた遷移金属塩の効率的・選択的捕集剤の開発を行う。具体的には、捕集したい遷移金属塩を配位させた状態で重合・架橋反応を行い芳香族ポリケトンゲルを得た後、脱金属化により、鋳型ポリマーを得る。得られた空孔を利用して当該金属を選択的に捕集できるよう、適切な分子設計・反応設計を行う。 |
359 |
大口径シリコンウェーハの形状測定技術の確立 |
夏 恒 |
東京農工大学 |
江口 元 |
東京農工大学 |
本研究課題は、大口径シリコンウェーハの形状測定技術を確立することを目的とする。大口径ウェーハは測定時の支持によって変形するので、形状測定の再現性が低く、満足できる測定技術が未だに確立されていない。そこで、大口径シリコンウェーハの測定において避けては通れない非測定物の変形問題と、低い測定再現性の原因を明らかにし、ウェーハの変形量をFEM解析で求め、補正によりサブミクロン精度の形状測定を実現する。 |
360 |
渡り鳥尾腺ワックス中のマーカー分析による渡り経路の特定手法の開発 |
高田 秀重 |
東京農工大学 |
八木 茂 |
東京農工大学 |
本研究では渡り鳥の尾腺から体外に分泌されるワックス(羽にぬり撥水機能を維持する物質)中のマーカー化学物質を分析することから渡り鳥の渡り経路を簡便・迅速に特定する手法の開発を目指す。人為起源物質の中には特定の地域でのみ使用されている物質(マーカー化学物質)が多数存在する。尾腺ワックス中のマーカー化学物質の測定からその鳥のマーカー化学物質への曝露地域、渡り経路の特定ができる可能性がある。本研究ではその手法の確立を目的とする。 |
361 |
パイプライン輸送における脈動性を用いた摩擦抵抗低減技術の開発 |
岩本 薫 |
東京農工大学 |
保坂 真一 |
東京農工大学 |
21世紀における持続可能な社会の構築のためには、有限であるエネルギーをより一層有効利用することが肝要である.本研究では,石油や天然ガスのパイプライン輸送において,エネルギー消費量のほとんどを占めている乱流摩擦抵抗によるエネルギー損失を抑制し,省エネルギーに寄与する基礎技術を開発することを目的とする. |
362 |
多成分縮合反応による強力な抗乳がん剤、抗骨粗鬆治療薬の創製 |
椎名 勇 |
東京理科大学 |
加藤 篤行 |
東京理科大学 |
天然ステロイド系ホルモンに類似したトリアリールブテン類はエストロゲン拮抗剤として働き、乳がんや骨粗鬆症の治療薬として広く利用されている。我々は新規3成分カップリング反応を開発してこれらの短工程供給を可能とする優れた手段を明らかとし、次世代の骨粗鬆症治療薬として有望視されているラソフォキシフェンの全合成法を明らかとしている。本研究では上述の既知化合物、あるいはこれらから派生したより高活性なタモキシフェン類縁体合成のプロセス化を図り、大規模かつ生産性の高い物質供給法の確立、ならびに新薬開発のシーズ発掘を試みる。 |
363 |
ナノ粒子を利用した細胞イメージング・癌治療技術の開発 |
大塚 英典 |
東京理科大学 |
山内 進 |
東京理科大学 |
近年、タンパク質分子レベルの高感度検出法に裏打ちされた、信頼性が高くかつ簡便な疾病検査・治療技術の確立が強く望まれている。本研究はこれまで手掛けて来た金属ナノ粒子合成法に関する経験的蓄積を利用して,高感度生体分析を達成しようとするものである。本課題では、独自の発想の表面官能基と特定ポリマーの組み合わせにより、高感度のナノ粒子分散液を現出し、新たな医療工学技術の創出を目的とする。 |
364 |
ホスファターゼ発現によるポプラの成長速度の促進およびセルロース生合成能の向上 |
海田 るみ |
日本女子大学 |
神谷 靖雄 |
つくば研究支援センター |
タバコ細胞およびシロイヌナズナ植物体でパープルホスファターゼを過剰発現させた結果、成長速度の促進およびセルロース含量の増加が確認された。本研究では、モデル樹木であるポプラにパープルホスファターゼを過剰発現させ、パープルホスファターゼの成長促進作用を検証する。パープルホスファターゼの過剰発現により樹木の成長を早めることが可能となれば、地球温暖化防止対策やバイオマス生産性向上につながる人工林を創る。 |
365 |
東洋医学における脈診計測診断システムの基礎開発 |
武居 昌宏 |
日本大学 |
加根魯 和宏 |
日本大学 |
高齢化社会にあたって、未然に体調不良箇所を発見する診断システムが必要である。本課題では、家庭内で気軽に使える東洋医学脈診計測診断システムの実現を最終目標とする。実施内容は、その試験装置の製作を行い、模擬血管に対する三つの主応力変化をインプットとし、血流情報をパラメータとし、圧力センサとLCRメータにより測定したアウトプットの動脈圧変化パターンから、そのパラメータ値を類推し、その精度について検討する。 |
366 |
酵素機能を有する新規酸化剤系の創製と未利用天然資源への高度利用 |
飯田 隆 |
日本大学 |
志村 夏美 |
日本大学 |
本応募課題は、天然チトクロムP-450の酵素機能に限りなく類似した新規バイオミメティク酸化剤(金属ポルフィリン錯体触媒 / 酸素ドナー系酸化剤)を開発し、それを利用して脂溶性の未利用有機天然資源(ステロイド,テルペノイド)から水溶性の有用生理活性物質の産生を企てるものである。具体的にはコレステロールを用いてスクアラミンの合成を計画している。本計画が達成されれば、これまで多段階ルートを経なければ合成できなかった様々な医薬品の短段階合成が可能になり、これら医薬の低コスト化につながるものと考えている。 |
367 |
生体埋込型バイオセンサ製造のためのプラズマアクティベーション装置の開発 |
平田 孝道 |
武蔵工業大学 |
雨森 千恵子 |
神奈川科学技術アカデミー |
本課題は、埋め込み型バイオセンサの測定部及び周辺部の化学修飾を行うためのプラズマイオン照射(プラズマアクティベーション)装置開発へ向けた実験、並びに生体適合性向上の検証を行なうものである.このプラズマアクティベーション装置は、バイオセンサ検出部への測定対象物の安定した固定化のみならず、センサ自体の生体適合性を向上させるための表面処理を行なうことが可能であるため、幅広い用途があるものと考えている。 |
368 |
フォスファターゼ調節医薬の開発 |
町並 智也 |
明星大学 |
佐野 浩 |
木原記念横浜生命科学振興財団 |
カリウムイオン包接能を有する環状糖脂質グルコリプシンは、フォスファターゼ調節活性を持ち、新規な糖尿病治療薬リードとして期待される。グルコリプシンと環状糖脂質類とのアルカリ金属イオン包接能の相似性に着目して、新規合成法により、包接能を有する各種環状糖脂質を合成し、立体構造を明らかにする。合成した環状糖脂質についてフォスファターゼ活性とアルカリ金属イオン包接能との関連性を調べるとともに、構造活性相関の研究を進める。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
369 |
超高速・低電圧動作ポテンシャル制御量子井戸光スイッチの開発 |
荒川 太郎 |
横浜国立大学 |
永井 義人 |
横浜国立大学 |
次世代光ネットワークにおいて光スイッチはキーデバイスの一つであり、動作の高速化、低動作電圧化が求められている。本課題では、通常の半導体量子井戸とは異なる特殊な構造を有するポテンシャル制御量子井戸を利用した超高速・低電圧動作の光通信波長帯2入力2出力光スイッチを開発する。本量子井戸の巨大な電界誘起屈折率変化特性を用いることにより、従来、その応用範囲が極めて広いにもかかわらず実用化が困難であった超高速・低電圧動作の電界屈折率型半導体光スイッチの実現を目指す。 |
370 |
炭素系複合ナノ材料の開発 |
荻野 俊郎 |
横浜国立大学 |
片桐 望 |
横浜国立大学 |
炭素は、その結合様式によって、グラファイト、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル、カーボンナノウォール、など、異なる形状と性質を発現する。本計画では、炭化水素を原料とする熱化学気相成長での成長条件の制御によって、同一基板上にこれらの異なる形態の炭素材料を作り分け、複合化させることによって、新たな機能を有する炭素系複合材料を創出する。カーボンナノチューブとカーボンナノウォール・ダイヤモンドとの複合構造を目標とする。 |
371 |
眼の加齢度計測装置の開発 |
岡嶋 克典 |
横浜国立大学 |
片桐 望 |
横浜国立大学 |
人間の眼の分光視感度は、加齢によって変化し、個人差も大きく、測定も困難である。しかし、視力測定のように簡便に分光視感度を測定できれば、個人の眼の加齢度を決定し、高齢者の眼の特性に合わせた視環境・デザイン・表示機器等をカスタムメイドできる他、眼疾患の予防や診断にも応用できる可能性がある。そこで本研究では、簡便に個人の分光視感度と眼の加齢度を推定でき、卓上に置ける程度に小型で可搬性を有する装置を開発する。 |
372 |
ゼオライトを出発原料とした窒化物蛍光体の開発 |
脇原 徹 |
横浜国立大学 |
片桐 望 |
横浜国立大学 |
本研究では各種原子が原子レベルで均一に混合されている “ゼオライト”に着目し、これをアンモニアガス中で窒化させることにより、発光中心元素の局所周辺環境が制御された窒化物蛍光体の開発を行うことを目標としている。特に、本研究ではEuイオン交換ゼオライトと各種金属元素化合物の混合物を窒化させ、新規窒化物蛍光体の作製を行う。また、合成条件を最適化させることにより200℃での発光の相対強度が室温の80%以上の蛍光体の開発を目指す。 |
373 |
ネガ型反応現像画像形成による高性能かつ低環境負荷型感光性エンプラの開発 |
大山 俊幸 |
横浜国立大学 |
北 憲 |
横浜国立大学 |
我々は、市販エンプラなどに感光性を付与する手法として「反応現像画像形成(RDP)」を開発しているが、実用化に向けて感度や感光剤添加量などに問題点があった。本研究では、最近見出した新手法である「ネガ型RDP」について原理の詳細な解明を行い、その知見をもとに感光剤量の低減や高感度化などを実現し、エレクトロニクス実装における従来型感光性エンプラの代替を始めとする様々な分野に応用可能な実用レベルの感光性エンプラを開発することを目標とする。 |
374 |
ゲルテンプレート法によるナノ多孔性シリカを用いた近赤外光遮蔽材 |
車田 研一 |
横浜国立大学 |
北 憲 |
横浜国立大学 |
ある種の有機物質は近赤外光(波長1000nm前後)を選択的に吸収するので、それらの有機物質を必要な部位に分散するのは近赤外光遮蔽には有効な方法である。そこで本計画ではそれらの有機光フィルター性物質を今後の発展的応用が期待される高空隙率ナノポーラスシリカのナノ孔へ安定に固定化(カプセル化)することをねらう。これにより製品ポットライフおよび安全なハンドリングが保証される。申請者らは従来までにナノ孔空隙率80%の多孔質シリカを簡便・安定に作製する方法を確立している。本計画では、全シリカ重量に対して10-20%の有機光フィルター性物質をナノ孔内に安定に格納する技術の確立を目的とする。 |
375 |
インターフェロン応答性プロモーターの遺伝子ワクチンへの応用 |
武下 文彦 |
横浜市立大学 |
小塚 彩 |
横浜市立大学 |
CMVプロモーターにIFN反応性の転写因子結合配列(エンハンサー)を付加し、インターフェロンに反応して転写活性が増強され得るプロモーター(インターフェロン応答性プロモーター)を開発した。本研究課題では1)マウス感染症モデルおよび移植がんモデルを用いてIFN応答性プロモーターを応用したワクチンの予防・治療効果を解析し、2)ウイルスベクターを用いたワクチンへの応用も検討することを目的とする。 |
376 |
骨転移を起こす前立腺癌を予測する診断薬の開発と応用 |
梁 明秀 |
横浜市立大学 |
小塚 彩 |
横浜市立大学 |
今回我々は、前立腺がんの骨転移の可能性を高い精度で診断できる抗体を開発した。これは手術時や検査時の前立腺癌組織標本を用いた免疫組織化学染色法により、将来的に骨転移を起こしやすい前立腺癌を約60070%の確率で予測することが可能である。本抗体による診断方法は、現在主流である「Gleason Score」による診断法とは異なる角度からがんの悪性度を評価するため、骨転移の可能性診断をより適切に行うことが可能であり、将来的には前立腺がんの治療の際にスタンダードな診断方法となる可能性が高い。 |
377 |
真空中での利用を目的とした安定化ERGの開発 |
柿沼 康弘 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
開発した電気粘性ゲル(Electro-rheological Gel, ERG)は,これに電界を印加するとERG効果と呼ばれる粘着現象が生じる機能性材料である.これまでの研究で,大気圧においてERG効果が発現することは確認しているが,真空下での効果発現は確認されていない.真空下でもERG効果が発現すれば,真空中で利用される様々な力伝達機器への応用が可能となる.そこで,本研究課題では真空中におけるERGの特性を解析し,真空中で安定してERG効果が発現するERGの開発を目指す. |
378 |
多糖を利用したタンパク質/ペプチドの経口投与製剤の開発 |
佐藤 智典 |
慶應義塾大学 |
佐野 浩 |
木原記念横浜生命科学振興財団 |
遺伝子やタンパク質/ペプチドの生体内での安定性を向上し、細胞との親和性を付与するドラッグデリバリーシステムは次世代の製剤として注目されている。本研究ではタンパク質/ペプチドの生体内でのデリバリーを目指した微粒子作製において、経口投与に適した多糖の活用の可能性を探索する。生体適合性に優れた天然由来の多糖を利用することで、実用化が期待される経口投与可能なタンパク質/ペプチドのデリバリーシステムを構築する。 |
379 |
枚葉式スピン洗浄装置用完全純水駆動ウォータドライブスピンテーブルの開発 |
中尾 陽一 |
神奈川大学 |
雨森 千恵子 |
神奈川科学技術アカデミー |
ウォータドライブスピンテーブルは,回転テーブルが純水の圧力によって浮上するため,テーブルとケーシングは完全非接触となる.しかも,本装置は,純水のエネルギーを利用してテーブルを回転させる構造を有するため,電動機や伝導要素が不要である.ウォータドライブスピンテーブルの主たる用途は,特に,線幅45 nm以下のシリコンウエハーの洗浄に必要不可欠と考えられている,枚葉式スピン洗浄装置用スピンテーブルである. |
380 |
食育を通した糖尿病予防ストラテジー |
井上 肇 |
聖マリアンナ医科大学 |
雨森 千恵子 |
神奈川科学技術アカデミー |
現在20歳以上の国民の6人に1人にあたる1620万人が糖尿病あるいは予備軍とされる。さらに現在透析治療を必要とする慢性腎不全患者25万人の内40%以上が糖尿病に由来する腎不全である。透析治療は糖尿病性腎症患者の社会復帰を促すが、同時に莫大な医療費も拠出する。生活習慣病に見る労働力の低下、治療に関わる医療費の削減の抜本的対策には例えば糖尿病自体の発症を予防する、あるいは発病を遅延させる事以外に無い。本研究課題は食育の観点から機能性食品を用いた糖尿病発症のインターベンションを試みることである。 |
381 |
三極型高周波プラズマCVD法による32nm 世代LSI用カーボンナノチューブ配線の作製技術の開発 |
庄 善之 |
東海大学 |
田巻 一彦 |
神奈川科学技術アカデミー |
2010年に実用化が予定されている32nm世代の大規模集積回路(LSI)では,配線材料として カーボンナノチューブ(CNT)の使用が提案されている.本研究では,代表研究者が開発した三極型高周波プラズマCVD法を用いて,大面積のSiウエハー(300mm)上の配線部分に,400℃台で,CNTを作製する技術を開発する.その結果,32nm世代のLSI開発に必要なCNT配線の作製技術を確立する. |
382 |
人の行動解析に有効で長時間使用ができる可搬型眼球運動測定装置の開発 |
山田 光穗 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本課題は、認知症の早期発見、リハビリにおけるモニターなどに使われる眼球運動測定装置に関するものであり、可搬型としての小型・軽量化を実現し、人間の行動解析を長時間に渡って可能とするものである。眼球運動測定装置は、眼球運動検出センサーと視野画像撮影カメラを顔に装着し、その出力を処理するモバイルパソコンで構成する。本課題では、主に超小型検出センサーと処理ソフトウェアの開発を行う。 |
383 |
2倍の切断加工速度を実現するラジアル偏光レーザー光共振器の試作と評価 |
遠藤 雅守 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
従来の加工用レーザーに比べ約2倍の高速切断が可能なラジアル偏光を発生する共振器を試作、ラジアル偏光ビーム発生の実証とレーザー加工性能を確認する。光電場がビーム中心から放射状になったラジアル偏光のレーザー光は、材料に対する吸収率が円偏光ビームの約2倍であり、高速切断が期待されるが加工用では実現できていない。円錐形光学素子を用い、既存レーザーでも容易にラジアル偏光レーザー光が可能な光共振器を実現する。 |
384 |
半導体レーザ励起自己混合薄片固体レーザによる流体・微粒子計測装置の開発 |
大塚 建樹 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本課題は、半導体レーザ励起薄片固体レーザを用いた自己光混合変調効果を基本原理とする、非接触での流量・流速・粘度計測、流体に分散した粒子の運動・粒径分布解析などを迅速・精確に行える流体・微粒子解析装置の開発を目的する。本装置は、簡便な光学系・光検出器と電気系で構成されており、安価で汎用性の高いシステムが構築できる。流体・微粒子計測装置を試作し、流体計測・微粒子計測・粒子解析などの性能評価を実施する。 |
385 |
超臨界流体を用いた熱CVDによる高アスペクト比ホールの埋め込み技術の開発 |
秋山 泰伸 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
超臨界流体を利用し、高アスペクト比を要するホールの穴埋め技術の開発であり、半導体材料に関する研究である。半導体の高集積化において、三次元の高アスペクト比の凸凹上への配線、絶縁体あるいはその他半導体材料を凸凹上に均一に成膜する技術の開発が要求されている。そこで、本研究では超臨界流体を用いた熱CVD装置を試作し、次世代半導体に要求される高アスペクト比でナノスケールの穴埋めや均一成膜の達成を目的とする。 |
386 |
物体を通すスクリーン及びそれを活用したコンテンツの試作と評価 |
濱本 和彦 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本システムは,伸縮性があり短冊状の白色膜材でき,物体を通過させることができるようにしたスクリーンとプロジェクターからなるシステムである。スクリーンを通過する物体の通過情報とそれに対応して生成された映像により通過物体と映像を融合させ,バーチャルリアリテイの世界に新たな可能性を提供する。物体のスクリーンへの通過特性,投影映像の乱れ等の試験・評価,本システムの特長を活かしたコンテンツの試作と評価」を行う。 |
387 |
廃EPS粉砕材を再生利用した高耐衝撃性を有する超軽量モルタルパネルの開発 |
笠井 哲郎 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
遠赤外線処理された廃EPS(廃棄された発泡スチロール)粉砕材は、密度0.1〜0.3g/cm3と従来のモルタル・コンクリート用軽量細骨材(密度1.2g/cm3程度)に比べ大幅に軽量である。この廃EPS軽量骨材を用いたモルタルを繊維補強することにより、従来の軽量モルタルパネルより大幅に軽量で、曲げ靱性、耐衝撃性および釘引き抜き抵抗性に優れた超軽量モルタルパネルが製造できる。また、廃棄物の有効利用の観点から、廃EPSの最終処分量の低減に資する技術である。 |
388 |
光化学分解によるディーゼル燃焼排ガス中NOxのカスケード除去試験 |
大山 龍一郎 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
ディーゼル燃焼排ガス中のNOxを光化学分解する技術に関するものである。NOxの光化学分解には、結合解離エネルギーから189nm以下の波長の光が適しており、申請者は、キセノンランプからのエキシマ光によってNOxを選択的に光化学分解できることを実証してきた。今回、光解離酸素の再結合によるNO2へ変化等の問題を解決するため、光反応をカスケード構成にした照射システムを構築し、NOx除去プロセスを確立する。 |
389 |
高輝度LEDを使った局在プラズモンバイオセンシングチップ |
梶川 浩太郎 |
東京工業大学 |
松下 近 |
東京工業大学 |
金ナノ構造に起因する局在プラズモン共鳴を使った多チャンネル局在プラズモンバイオチップの作成とその検出システムの開発を行う。局在プラズモン共鳴を用いれば、全反射減衰法を用いる必要がないため、安価で使い勝手がよい小型の検出装置化が可能となる。この手法は、簡単な装置で蛋白やDNA、抗原抗体反応などの生体由来分子を非標識で網羅的に解析できるという特徴がある。生化学分野だけでなく医療やセキュリティー分野での応用をめざす。 |
390 |
巨大電荷制御トランジスタを用いたセラミックスエレクトロニクス |
徳光 永輔 |
東京工業大学 |
松下 近 |
東京工業大学 |
低コストで基板を選ばず様々な場所に集積化でき、透明でかつフレキシブルなセラミックス材料で構成される演算素子、メモリ素子を開発する。Bi2Nb2O7等の高誘電率材料、または(Bi,La) 4Ti3O12等の強誘電体をゲート絶縁膜に用い、それらが誘起する大きな電荷量で、インジウム・スズ酸化物、In-Ga-Zn-O等の導電性酸化物チャネルの導電率を制御する新コンセプトのトランジスタ素子を開発する。 |
391 |
高精度・高感度認識が可能な革新的修飾プローブの開発と応用 |
大窪 章寛 |
東京工業大学 |
松本 進 |
東京工業大学 |
遺伝子診断を精密かつ高感度に行うために、塩基部アミノ基にアシル基を残したままでも、従来のDNAプローブより高い二重鎖形成能と塩基識別能を有する革新的な修飾DNAプローブ「保護プローブ」を開発する。このプローブの合成過程では、アミノ基の脱保護行程を省略できるため短時間でプローブ合成が可能である。また、従来法では脱保護行程でプローブの大幅な脱離が問題となったが、このプローブでは脱離が全く生じない。 |
392 |
エチレンとメタノールからの選択的プロピレン合成 |
馬場 俊秀 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
本研究では,エチレンとメタノールから選択的プロピレンの新規合成法を提案する。 CH2=CH2 + CH3OH → CH2=CH-CH3 + H2O 触媒には新たに合成するゼオライト系物質を用い,SAPO-34によるエチレン単独でのプロピレン転化速度に比べ,プロピレン選択率80%を維持しながら,プロピレン生成速度を10倍速くすることを目指す。 |
393 |
メタン−メタノール直接転化反応に利用する生体触媒の大量調製法の構築 |
宮地 輝光 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
石油代替炭素資源である天然ガス主成分のメタンからメタノールを合成するプロセスは、メタノールが燃料あるいは種々の化学製品の原料となるため、特に重要である。本課題では、メタンをメタノールに直接変換する触媒として利用できる生体触媒、膜結合型メタン水酸化酵素(pMMO)を大量に調製することをめざす。特に本課題では、pMMOのうちメタン−メタノール転化反応にかかわる活性部位領域を含むドメインのみを大量調製する方法を確立する。 |
394 |
ポルフィリンのリン光を利用した色変化型光学酸素センサー |
朝倉 則行 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
これまで、酸素分子による白金ポルフィリンのリン光の消光を利用した光学酸素センサーの研究が行われており、空気の流れ方を検知するなどに実際に利用されているものである。この方法では、酸素濃度に依存してリン光強度が変化するが、色は変化せず、酸素濃度の視覚的検知に適していない。本課題では、装置の小型化と低価格化を目指し、酸素濃度に依存して色が変化する酸素センサーを開発を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
395 |
マイタケ酵素を利用した高血圧予防食品素材の開発 |
西脇 俊和 |
新潟県農業総合研究所 |
真島 操 |
にいがた産業創造機構 |
タンパク質の分解により派生するアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチドは、高血圧の改善・予防作用をもつとして注目されている。本研究は、食用キノコであるマイタケに豊富に含まれるタンパク質分解酵素を利用して、ダイズタンパク質を分解し、ACE阻害ペプチドを作出するものである。これは、マイタケの新たな利用方法を提供するとともに、ダイズ、マイタケの栄養的、機能的特徴を生かしつつ、高血圧予防機能を付与した食品素材の開発を目的としている。 |
396 |
RFID(無線ICタグ)を組み込んだ口腔内リモートコントローラーの開発 |
寺島 正二郎 |
新潟工科大学 |
目黒 正義 |
にいがた産業創造機構 |
重度障害者にとっては,一般の製品は勿論,福祉機器の操作においても困難が伴うため,新たな操作装置の開発が望まれている. そこで,本研究では重度障害者においても最後まで残される生体の運動機能の1つである舌動作に着目し,舌先で操作ができるマウスピース型リモートコントローラーの開発を行う.尚,この装置はRFID技術を応用することにより無線化を図る.当該申請では試作機の開発を行うと共に有効性の検討を行う. |
397 |
ダイヤモンド薄膜の環境制御化学研磨技術の開発 |
西口 隆 |
新潟大学 |
小田原 勝夫 |
MMS |
ダイヤモンド薄膜のローカル結晶方位に依存しない、グローバル平坦化化学研磨条件の確立を目的とし、現在実用化されているダイヤモンド多結晶薄膜を対象にした最適化学研磨条件を研磨雰囲気の制御により明らかにする。 |
398 |
睡眠時無呼吸症候群治療用NIPPV鼻マスクのフィッティングシステム |
尾田 雅文 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究は、睡眠時無呼吸症候群の治療で用いられるマスク式陽圧人工呼吸器(NIPPV)用鼻マスク装着時において,しばしば生ずる褥瘡等の皮膚障害を解決することを目的とする。そのために,現在開発中のレーザー技術、超音波技術、有限要素応力解析技術を駆使した皮膚障害を生じにくくかつ個々人に適した鼻マスク形状を決定可能なシステムについて、臨床の現場,特に在宅医療における適用を考慮し,安価かつコンパクトで持ち運びのしやすさを目指した改良を施す. |
399 |
超広視野レーザ走査装置を用いた高精度キズ検出装置の試作 |
新田 勇 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
微細なキズの検査は目視またはCCDカメラによる方法が一般的である.CCDを用いる方法では,検出素子の画素数に限界があり,広い領域をカバーし,かつ高精度に観察することはできない.一方で,透明物体あるいは低反射率物体のキズ検出が求められている.CCDカメラなどの現状の技術でこれらの測定に対応するのは困難である.そこで,シュリンクフィッタ法に基づいたレーザ走査光学装置を用いることで,従来の技術では測定困難な物体に対しても,広範囲を高精度に検査できる装置を試作する. |
400 |
米由来機能性タンパク質の特性評価と動物性タンパク質代替食品素材の開発 |
谷口 正之 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
イネ由来のシステインプロテアーゼ阻害成分の食肉中のプロテアーゼ活性に対する阻害作用を解明することができれば、その成分を動物性タンパク質を代替する新しい植物タンパク質素材として、有効活用できると期待される。本試験研究では@精白米などから抽出した米タンパク質中のプロテアーゼ阻害成分の生化学的な特性を解明する。また、A食肉の原料などのプロテアーゼによる品質劣化(軟化)を、米タンパク質を用いて防止する技術を開発する。最終的にB精白米などからプロテアーゼ阻害活性を含有するタンパク質の製造技術を開発する。 |
401 |
石灰化能誘導が可能なヒト未分化歯根膜細胞の新規クローン化 |
吉江 弘正 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究の目的は、歯周病に関する治療技術、薬剤、および基材の開発に有用な、生体内の歯根膜細胞に近似した細胞株を提供することにある。そのために、ユニークな細胞培養法、凍結保存法、クローニング法を開発・応用し、得られたクローンごとに増殖活性や分化誘導反応性を検討し、有望な株をいくつかに絞り込む。これらの細胞は、医療関連産業の製品開発を後方から支援する有力なツールとして実用化が期待される。 |
402 |
皮膚疾患用広視野レーザ光干渉断層画像化装置の研究開発 |
趙 学峰 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究の目的は、シュリンクフィッタ法(高精度レンズ締結方法)を用いた新開発f-thetaレンズにより、広領域・高精度な皮膚疾患用光コヒーレンストモグラフィー技術を確立することである。これまで開発した皮膚科用レーザ治療装置に備えることにより、アザ・ホクロの原因であるメラニン色素の深さと濃度分布が明らかになり、最適な治療に必要なレーザの波長および出力パワーを決定することができ、医師の技量に左右されない、自立型のピンポイントレーザ治療器が開発される。 |
403 |
ペンシル型強磁場超伝導バルク磁石に関する開発研究 |
岡 徹雄 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
手で簡単に持ち運ぶことができ、細い磁極の先端に希土類磁石をはるかに超える強磁場を発生する。小径筒状の磁極に数Tの磁場を発生する高温超伝導バルク体を断熱して収納し、小型冷凍機で極低温に冷却したのちに、静磁場またはパルス磁場で着磁する。応用として、小型モータ回転子の多極励磁、ドラッグデリバリーシステムの薬剤の血管内誘導、半導体製造プロセスでの減圧プラズマの密度向上などが考えられる。 |
404 |
電解重合法による導電性マイクロファイバーの作製とスマート・アクチュエータの開発 |
山内 健 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究では、電解重合法により導電性マイクロファイバーをワンステップで作製して、マイクロサイズの新規スマート・アクチュエータを開発することを研究目的としている。この手法を開発することで、無機化合物や生体関連物質などを複合化したマイクロファイバーの作製も可能となり、外部刺激に応答して機能するセンサ(人工感覚器)やアクチュエータ(運動素子)などの生物模倣デバイスの開発が期待できる。 |
405 |
腰椎回旋不安定性診断システムの開発 |
北原 恒 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
椎間板ヘルニアなど,多くの腰痛疾患の原因と考えられている腰椎回旋不安定性の診断装置の構築を目指す.回旋不安定性は,腰椎の回旋方向への力学的機能(荷重支持,可動性)が低下し痛みを伴う状態を言うが,有効な診断方法は確立されていない.本研究では,回旋不安定性の力学的測定装置の開発を行い,ブタ腰椎を用いて装置の安全性,有用性の検討後,臨床研究を行い,製品化に向けた基礎データを蓄積と更なる高精度化を目指す. |
406 |
C57BL/6系統ES細胞を用いた遺伝子改変マウスの高速作成法の開発 |
崎村 建司 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
ノックアウトマウスなど遺伝子改変マウスは、生命科学研究に無くてはならないリソースであるが、その作成には特殊な技術と時間、さらに多大な費用を要する。本研究は、短時間でかつ安価に近交系遺伝子改変マウスを作成する方法を開発することを目的に、我々が樹立した効率的に生殖系列細胞に分化するC57BL/6系統ES細胞株RENKAを用いて、マウス作成のボトルネックとなる、組み換えベクター構築の迅速化と相同組み換え頻度を上昇させる方法を開発する。 |
407 |
放出速度と生体適合性を最適化可能な複合型薬物徐放材料の開発と応用 |
田中 孝明 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究課題は,ゲルと生分解性多孔質材料を組み合わせた新規な薬物徐放材料の開発を目的とする。手術時に埋め込み,抗菌剤を局所的に徐放して手術部位の感染を防止することにより,組織再生を確実に行うための材料である。本薬物徐放材料はゲル濃度により薬物の放出速度を,多孔質材料の内部構造により力学的生体適合性を制御する点を特徴とする。抗生物質ゲンタマイシンやストレプトマイシンなどの放出速度及び材料の力学的特性の最適化を検討する。 |
408 |
組織移植のための血管縫合が可能な双眼ルーペの開発 |
柴田 実 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究の目的は、組織移植や切断指再接着に必要な血管吻合が快適に行える双眼拡大鏡を開発、商品化することである。作業距離400ミリ程度で6〜8倍の拡大視野が得られれば指動静脈の吻合も可能となり、顕微鏡なしで拡大鏡下に指の再接着術を行うことまで可能となる。この目的に適した拡大鏡の開発については、これまで、全く手がけられていない状況であり、国内外ともに新しい開拓分野であるが、組織移植のための血管縫合が可能な双眼ルーペは国内外で広く貢献する。 |
409 |
インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊迅速検出法の開発 |
中野 和弘 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
鳥インフルエンザの突然変異による新型インフルエンザ流行の危険性が指摘されている。一方、ワクチン製造に不適な原料有精卵の選別は熟練作業員の肉眼で行われている。本課題の目的は、人間の肉眼によるワクチン製造不適卵の作業を代替する自動選別装置の開発である。この装置は、ワクチン製造技術の未熟な東南アジア諸国をはじめ世界的に貢献するものである。 |
410 |
周期的空間勾配のある強磁場下での反磁性有機微小球の微細配列手法の開発 |
福井 聡 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
ポリスチレンなどの有機高分子材料のサブミクロン微小球を基板上に規則的に精度良く配列することができれば,光学用素子等としてのニーズがある。ポリスチレン等は弱い反磁性であり,強磁場に対しては反発する性質を持つ。本研究では,この性質を利用して,超伝導マグネットによる強磁場下で,有機微小球を基板上に配列させる手法を研究する。 |
411 |
新潟県産プチヴェールを用いた機能性食品開発 |
西田 浩志 |
新潟薬科大学 |
内山 雅彦 |
にいがた産業創造機構 |
「プチヴェール」は、ケールと芽キャベツの交配により日本で誕生した。ビタミンやミネラルなどの栄養素を豊富に含んでいることから近年注目を集めている。しかし、その機能性を科学的に検討した例は少ない。本研究では食品としてのプチヴェールの機能性を疾病予防および疾病改善の観点から評価する。とくに、メタボリック症候群の予防や改善、さらに抗ガン活性など複数の機能性を指標にして研究を進め、付加価値を持った新潟県特産の野菜として紹介すると共に商品化の可能性を検討する。 |
412 |
酵母によるバイオマスからの2−デオキシーシローイノソースの発酵生産システムの開発 |
高久 洋暁 |
新潟薬科大学 |
佐々木 峰子 |
新潟ティーエルオー |
2-デオキシ-シロ-イノソース(DOI)は、炭素六員環構造を持つベンゼン系化合物であり、医薬・農薬、酸化抑制剤や香料等の各種有用化学品の合成のための非常に重要な中間原料である。本技術は、試験管内或いは生体内でグルコースを炭素六員環化合物であるDOIに閉環する反応を触媒するDOI合成酵素を作用させることにより、これまで化学合成が困難であったDOIをグルコースから容易に合成することが可能とした。本研究では原料としてバイオマスを利用し、酵母を利用したDOI生産システムの構築を目指す。 |
413 |
食品中の難培養性微生物の検出技術の開発と応用 |
重松 亨 |
新潟薬科大学 |
佐々木 峰子 |
新潟ティーエルオー |
現在の一般的な食品中の微生物検査法は固体培地での増殖を指標としているため、生きているが固体培地では増殖しない難培養性微生物の検出には対応できない。最近、難培養性微生物の一部が液体培養では増殖することが分ってきた。本研究では、食品中の微生物を、マイクロプレートを用いた液体培養法に基づき、分離・培養し検出する技術を開発する。この技術により、従来の手法で検出可能な微生物に加えて、液体培地で増殖可能な難培養性微生物を比較的簡便・ハイスループットに検出することを可能とする。 |
414 |
多方向同時測定による精密ボールねじ軸の空間精度測定法の開発 |
岡田 学 |
長岡技術科学大学 |
吉原 英雄 |
にいがた産業創造機構 |
本研究は,高精度ボールねじ軸(C0〜C3級相当:JIS B 1192)の幾何精度測定を,自動的かつ高精度に連続的に行うものである.すなわち,軸方向の移動量誤差測定と半径方向の有効径変動測定を同時に行う装置の開発である.本研究では,螺旋形状のねじ溝の精度を幾何精度としてのねじ溝の「位置度」として評価する計測・評価システムの開発を行い,高精度ボールねじ軸を自動的に評価する測定装置の実用化を目指す. |
415 |
プリズム集光器を用いたコンパクト太陽追尾モジュールの開発 |
山田 昇 |
長岡技術科学大学 |
佐々木 峰子 |
新潟ティーエルオー |
薄型集光器と簡便な追尾機構の導入により、高価な太陽電池セル(以下、PVセル)の面積を抜本的に削減し、民生用に普及可能な低コストで設置性に優れた集光型太陽光発電システムを開発する.本モジュールは、プリズム集光器の集光面に小面積のPVセルを貼った複数のパネルがリンクされ,追尾アクチュエータにより追尾動作する新型の集光型太陽光発電モジュールである。試作試験により性能を検証し、実用化への課題を明らかにする. |
416 |
ハプトグラフに基づく個人認証技術の開発研究 |
桂 誠一郎 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
インターネットをはじめとする情報通信技術が発達するにつれ、個人認証技術の開発はますます重要視されている。その中で、代表研究者は人間の感じる触覚情報を可視化する「ハプトグラフ」の開発に世界で初めて成功している。「ハプトグラフ」により、署名を行う際に生じる触覚情報を可視化し、個人の持つ特有の癖を抽出することが可能になる。本研究では「ハプトグラフ」を筆記作業に応用し、筆圧情報の解析に基づく新しい個人認証方法の確立を目的とする。 |
417 |
フェムト秒レーザーによる金型表面の機能化とその有効性の検討 |
伊藤 義郎 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
超硬合金のフェムト秒レーザーによる直接加工によって、金型を作成する技術をこれまで開発してきた。その過程で、加工部表面に微細構造が形成されることが、見出された。レーザーの偏光を変えて加工するとこの微細構造は変化する。このような微細構造は金型の離型性や打抜き加工の際の切断面性状の向上に極めて有用であると予想される。本課題では、この現象による金型面の機能化とその有効性の検討を行う。 |
418 |
多孔質含油材料の小型モータ用しゅう動接点(電気接点)への適用 |
金子 覚 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
近年,しゅう動接点(電気接点)は半導体産業の高度な発展と伴いますます小電力化の一途を歩むと同時に高信頼性が要求されている.しゅう動接点部で要求されることは(1)常時かつ長時間,通電できる,(2)低ノイズである,の2点である.本研究では,しゅう動接点の長寿命化と性能向上を目的として,多孔質含油軸受材料として実績のある焼結金属材料をしゅう動接点に適用し,しゅう動接点部での摩擦・摩耗および接触抵抗の低減をはかる. |
419 |
縦渦励振発電を利用した電力自立型河川監視装置の開発 |
高橋 勉 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本課題は河川の流速・水位などの測定と結果の無線送信を自動で行い,これらの動作に必要な電力を河川の流れのエネルギを電力に変換することにより自給できる装置を開発する.電力の発生には本申請者らが開発中の縦渦励振現象を利用した振動発電装置を使用し,流速測定にはリングから流出するカルマン渦による抗力変動を利用する.本課題では発電部の最適化と流速測定部の検討を目標とする. |
420 |
流動性複雑流体の平面伸張粘度測定法の開発 |
白樫 正高 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
フィルム加工,コーティング,液晶ディスプレイの製造等では高分子や液晶などの複雑流体を原料として薄い膜を一方向に引き延ばし厚さを減少させるような流れ(平面伸張流)が使用される.この流れを予測し制御するには変形と張力の関係を規定する平面伸張粘度が必要であるが,市販の測定機は存在しない.本研究は,市販の粘度計に部品を追加するだけで複雑流体の平面伸張粘度を測定する手法を確立し,装置を開発することを目的とする. |
421 |
環境浄化機能を有する新規添加型酸化セリウム光触媒の開発 |
斉藤 信雄 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
光触媒は有害物質の除去やエネルギー創成などの幅広い分野において近年、盛んに研究されている。本申請者は最近、異種元素を添加した酸化セリウムが水分解反応に対し、高い光触媒活性を持つことを新たに見出した。光触媒においては、高い光触媒活性を持つことはもとより、毒性の低い化合物で構成されることが求められる。本申請課題では、この2つの機能を兼ね備えた添加型酸化セリウム光触媒を用い、環境中の有害物質の除去を目指す。 |
422 |
特別支援教育における児童問題行動の動画を含む教育電子カルテ実用化研究 |
永森 正仁 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
特別支援教育においては,対象児童に直接関わる現場教員および遠隔地教育機関に在籍する障害児教育の専門研究者が協調し,指導およびその事例検討を継続的に行うことが必要である.本課題では児童問題行動およびその指導の動画記録が蓄積でき,児童支援者らが分散した視点から情報を共有,事例検討可能な教育電子カルテの構築を試みる.実際に教育現場でシステムを活用し,その実践から得られるフィードバックにより,運用を含めたシステムの実用化研究を行うことを目的とする. |
423 |
高磁場と反応焼結法を用いた高性能非鉛圧電デバイスの開発 |
田中 諭 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
超伝導磁石を用いた高磁場空間で作製した酸化ビスマス粒子配向体に、金属酸化物を添加させて反応焼結を起こし、非鉛系の高性能圧電セラミックスとする技術を開発する。本研究では、焼結時の粒子配向体中への金属イオンの拡散機構を解明し制御することで、高い配向構造を維持し、かつ高密度の圧電セラミックスを得る。単結晶と同等の特性を達成することを目標とする。これらは鉛系圧電体に代わる高温作動高性能圧電デバイスへの応用が可能である。 |
424 |
ナノマトリックス構造形成による天然ゴムの高機能化 |
河原 成元 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
耐熱性、耐油性、耐候性に優れかつ弾性と粘性という二律背反の性質を相乗的に両立するソフトマテリアルを創製することを目的とする。厚さ数nm〜数十nmのガラス状高分子または結晶性高分子のマトリックスに平均直径1mm程度の天然ゴムを分散した熱力学的に非平衡なナノマトリックス構造を形成すること検討する。マトリックスである少量ポリマーの耐熱性、耐油性、耐候性および剛性と多量成分であるエラストマーの粘弾性とを兼ね備えることにより、高機能制振材料を作る。 |
425 |
耐環境型液体分析マイクロチップの実用化研究 |
河合 晃 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究では、耐環境性の混合液体の分離・供給および液中微粒子の捕獲機能を有したマイクロチップの実用化を目指している。このデバイスを用いると携行タイプの口腔鼻腔内のバクテリア検査や血液検査などが可能となり、鳥インフルエンザや花粉症検査などの重要検査の迅速化に貢献する。また、このデバイスでは、分析だけでなく、伸縮性を活かして、傷口の乾燥防止・保護と薬剤の塗布にも有効である。既に基本となるマイクロチップの試作は終了し、本研究では、マイクロチップの動作信頼性と安定性の検証を行う。 |
426 |
高窒素含有・超硬質アモルファスカーボンナイトライドの創製 |
伊藤 治彦 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究課題は高窒素含有・高硬度を合わせ持つアモルファス窒化炭素(a-CNx)薄膜の形成を目的とし、以下の研究を行う。a-CNxの形成方法として、ArのプラズマフローによるBrCNの分解反応で生成したCNラジカルを基板上に堆積させ、同時に、外部から別のRF電源を用いて基板ステージにRFバイアス電圧を印加する。電子とイオンの移動度の違いによって基板上に負の直流成分が現れ、イオン(主にAr+)が引き付けられて膜表面を衝撃、結合改質を生じさせる。目標は硬度40 GPaを上回るa-CNxを再現性よく形成させることである。 |
427 |
異種積層材料の精密成形・切断法の開発と展開 |
永澤 茂 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究では,くさび刃の押抜き加工において切刃に微小な上下・左右の2方向振動を付加し,励起振幅条件が異種積層材の切断性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,既存の法線(横)揺動励起式装置に対してまず接線揺動励起式装置を新たに追加して2自由度軌跡励起を実現する.これらを用いて異種積層板材の切断・曲げ成形に対して,精密加工性能を実験的に解析するものである. |
428 |
ニッケルフェライトポーラスバルクを利用した高温エステルセンサー |
末松 久幸 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
申請者らが発見した、ニッケルフェライトポーラスバルク材料における有機物吸脱着反応による電気抵抗率急変現象を活用し、環境ホルモンなどのエステル類を200℃以上で高温検知可能な素子を開発する。これにより、連続使用が不可能だった高温有機物センサーの実現を目指すことにより、煙突など高温下の環境浄化に寄与することを目指す。 |
429 |
原子・イオンレベルでの非破壊局所欠陥解析手法の開発と応用 |
黒木 雄一郎 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
様々な無機材料における多種多様な欠陥は、その物性(たとえば電気伝導度や機械的強度)に大きな影響を及ぼすことが知られている。しかし、その挙動については種々のメカニズムが存在しており、材料の特性改善のための指針を得るために体系化が強く望まれている。特に、イオン・原子空孔、置換、進入といったナノ領域での欠陥種、濃度、分布を光による非破壊的手法で詳細に調査することは、材料の特性向上に極めて効果的な分析手法である。本試験研究では、主にレーザーを用いた無機材料の欠陥解析手法を開発、応用することを目的とする。 |
430 |
PCB分解酵素系の塩化安息香酸分解菌での発現 |
福田 雅夫 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
環境中の汚染浄化に有効な手段と期待されるPCB(ポリ塩化ビフェニル)の微生物分解では、分解産物として塩化安息香酸(CBA)が蓄積することがネックとなっている。本課題では多様なCBAを分解できるCBA分解菌バークホルデリアNK8株に、強力PCB分解菌ロドコッカスRHA1のPCB分解酵素系遺伝子を導入して高発現させるシステムを構築し、浄化に有効な完全分解システムの構築をめざす。 |
431 |
稲わらの効率的メタン発酵技術の開発 |
小松 俊哉 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
下水道浄化センターの消化槽を利用した混合メタン発酵によって,未利用バイオマスから効率的なエネルギー回収が可能である。本課題では,稲わらを未利用バイオマスとして注目し,高温消化を適用した下水汚泥と稲わらの混合嫌気性消化法のシステムを構築することを目的とする。研究期間内の目標として,1)高濃度消化の系列も含めて連続実験を実施し,稲わらを投入した場合の消化特性を明らかにする。2)中温消化の結果も合わせてシステム全体のLCA評価を行う。 |
432 |
食味・保存性の優れた災害備蓄用低水分蒸煮・部分アルファ米の開発 |
菅原 正義 |
長岡工業高等専門学校 |
内山 雅彦 |
にいがた産業創造機構 |
食味・保存性に優れた低水分蒸煮・部分アルファ米化により災害用備蓄や早炊き可能な米飯開発を目的とする。低水分蒸煮は米飯周辺に溶出澱粉糊液(おねば)ができないため、アルファ米製造工程における乾燥が容易で乾燥後のアルファ米粒の損傷が少ない。また、低水分蒸煮では米粒中の澱粉が完全に糊化せず、部分アルファ米となるため、炊飯・煮沸調理後の食味・食感が通常のアルファ米・早炊き米に比較して優れている。 |
433 |
マルチライン用異品種混入・花粉交雑検定ネガマーカーの開発 |
田淵 宏朗 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
安藤 益夫 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
イネいもち病真性抵抗性に関するマルチライン「コシヒカリ新潟BL1〜4号」による病害抑制効果を長期維持するには、交雑による抵抗性遺伝子脱落系統や他品種の混入を防止する必要がある。しかし、目視形質による選抜・抜き取りが困難なため、検査法の早急な開発が求められている。本課題では、「コシヒカリ新潟BL1〜4号」について、異品種混入・花粉交雑を効率的に検定できるDNAネガマーカーセットの開発を行い、問題の解決を図る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
448 |
視野障害者の生活支援機器の開発 |
下村 有子 |
金城大学 |
久野 光広 |
金城大学 |
視野狭窄者の視野は狭く、危険が多い。本研究では、健常者の視野を視野狭窄者に提供するためのハードウエア・ソフトウエアを構築し、実用化を図る。健常者の視野を視野狭窄者に提供するために、健常者の視野を頭部装着のカメラで入力し、画像処理後、視野画像を提供する。健常者の視野を絶えず提供するのではなく、危険な物体が向かってくるときのみ、その部分の視野を拡大し、健常者の視野を提供する。 |
449 |
DNAマイクロアレイにおける外部標準データベース構築 |
石垣 靖人 |
金沢医科大学 |
増田 浩子 |
金沢医科大学 |
DNAマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析は、疾患の治療標的やマーカーの探索に必須のツールとしてハードウエアとしては成熟してきた。現在必要とされているのは得られた膨大なデータをいかに効率よく正確に処理するかというソフトウエア面での開発である。本試験は補正方法とそれに必要な方法論を提供し、今後蓄積していく膨大なマイクロアレイデータの処理の精度向上を促進することを目指す。 |
450 |
紫外線反射防止サングラスレンズ開発とその効果の実証 |
小島 正美 |
金沢医科大学 |
増田 浩子 |
金沢医科大学 |
太陽紫外線による眼疾患には急性で一過性の角・結膜傷害と長期曝露による翼状片や白内障が知られている。眼の健康維持にはこれらの有害光線を出来るだけ浴びないことが重要とされている。本課題は最大で100%に達する紫外線のレンズ裏面反射に焦点を当て、眼内に進入する紫外線、青色光をレンズ特殊裏面反射防止コートにより減少させることで加齢性眼疾患の予防、軽減が可能なサングラスレンズを試作しその効果を確認する。 |
451 |
施設入所高齢者の転倒予防のための擬似体験型歩行訓練器具の開発 |
佐藤 進 |
金沢工業大学 |
角井 嘉美 |
金沢工業大学 |
高齢化社会が急速に進行する我が国において、高齢者の転倒予防対策は重要課題の一つとされている。現在、様々な観点から高齢者の転倒予防に関する研究や取り組みが行われている。本研究は、環境への適応を重視した、現有の身体能力による効率的な高齢者のための転倒予防を意図し、居住環境内での移動を疑似的に体験できる歩行訓練装置の開発を主目的としている。 |
452 |
針状焦電センサを用いた新規な赤外線顕微鏡の開発 |
會澤 康治 |
金沢工業大学 |
角井 嘉美 |
金沢工業大学 |
赤外線顕微鏡は工学や生物分野で広く使われているが、ナノレベルの観察を行うためには分解能の向上が必要である。本研究では、強誘電体薄膜を探針先端に形成した焦電型センサを試作し、ナノ領域までの分布計測が可能な赤外線顕微鏡の開発を目指している。試作するセンサは、導電探針先端に形成された強誘電体薄膜を使っており、先端径程度(最小数十nm)に限定された領域の赤外線を高感度で検出できる。本課題では、金属探針先端に形成した強誘電体薄膜の焦電センサーとしての諸特性と、これを用いた生体試料等の赤外線測定まで視野に入れて研究を行う。 |
453 |
余剰汚泥からの共存型嫌気性プロセスによるエネルギーとりん回収技術の確立 |
池本 良子 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
@バイオガス回収が可能なメタン発酵,A酸発酵を促進しリン回収可能な硫酸塩還元を活用した下水汚泥の嫌気性消化プロセスの実験的検討を行う。メタン発酵を主体とする嫌気性消化は,消化率が低いこと、リンの回収が困難などの指摘はあるが,資源回収システムとして見直されている。硫酸塩還元は,酸発酵とリン放出の促進に加え生成した硫化水素が脱窒に利用可能なことから,その利点を生かした共存型の嫌気性消化プロセスを提案する。従来型の嫌気性消化法と比較して大幅な汚泥発生量の削減とバイオガスおよびりんの回収,水処理系における窒素除去率の向上が期待出来る。 |
454 |
無拘束心電・呼吸同時検出による健康・安全シルバーバスシステムの開発 |
本井 幸介 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
本研究では、高齢者の健康・安全支援を目的とし、体にセンサ等を装着せず無拘束で入浴中の心電図及び呼吸波形を計測することにより高齢者の健康を自動チェックすると共に、水没の危険性をモニタ・アラームするシステムの構築を目的とする。本試験においては病院施設にシステムを構築し、心疾患等の患者・高齢者を対象とした計測を行い、健康・水没危険度の解析・表示アルゴリズムを開発し、プロトタイプシステムを完成させることを目的とする。 |
455 |
新規インドール化合物による骨粗鬆症治療薬の研究開発 |
鈴木 信雄 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
急速な高齢化が進む我が国では、骨粗鬆症の患者数が増加の一途をたどり、大きな社会問題となっている。老人性の骨粗鬆症は骨芽細胞(骨を作る細胞)の活性が低下したことにより引き起こされるが、現時点で実用化されている治療薬は、主に破骨細胞(骨を壊す細胞)の活性を抑制する方式である。我々は、キンギョのウロコを用いた新規検定系を開発し、新規インドール化合物が骨芽細胞を活性化することを、最近見出した。そこで、哺乳類を用いた実験系によりキンギョで得られたデータを再確認し、実用的な骨粗鬆症治療薬の研究開発を行なう。 |
456 |
テナントビル厨房排気を対象とした高性能オイルミスト除去・脱臭装置の開発 |
瀧本 昭 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
焼肉・中華料理等の店舗からの厨房排気臭は,地下街や都市部テナントビルといった「都市・生活型」悪臭として大きな問題となっており,対策としての各種防止規制法が制定されている一方,賠償要求訴訟が増加し,近年ますます重要かつ緊急課題である。本研究では,従来法の「光触媒」脱臭法に凝縮を併用した「光触媒凝縮液膜法」を提案し,複合臭気成分のみならずオイルミストも効率的・経済的に回収する新技術の確立と装置開発のための試験を行う。 |
457 |
腫瘍血管新生を標的にした癌普遍的内用照射治療薬剤の開発 |
吉本 光喜 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
血管新生は腫瘍増殖や転移に必須の役割を果たすことが知られているため、血管新生は癌治療を行う上で非常に魅力的な標的である。血管新生に特異的にターゲティングするためには、新生血管を構成する血管内皮細胞に特異的に集積する薬剤開発が重要である。本課題の目的は、血管内皮細胞に発現している血管内皮増殖因子受容体に特異的に結合するペプチドを合成し、臨床で使用されている治療用核種131Iで標識した癌内用照射治療薬剤の開発である。 |
458 |
高強度・高導電率銅合金薄板材の開発 |
北川 和夫 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
銅合金は電気伝導性、熱伝導性、耐食性に優れた機能材料である。近年、電気電子部品の軽量化・高速化に伴い、更なる高強度化が求められている。高強度化を目的に合金元素を多量に添加する手法は、導電性を損なうことやリサイクル上限界がある。本研究は、圧延を利用した強ひずみ加工法と時効熱処理を組み合わせることで、高強度で、かつ導電性と熱安定性に優れた高度複合機能を有する薄板(シート)状銅合金の開発を目指したものである。 |
459 |
バーチャルスクリーニング陽性物質を候補とする新規糖尿病合併症薬シーズ化合物開発 |
山本 博 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
腎症,網膜症などの血管合併症を克服できるなら,糖尿病はもはや怖い病気ではなくなる。糖尿病患者の生命予後とquality of life(QOL)を損ねる元凶は血管合併症にほかならないからである。山本らは,糖化蛋白レセプター(receptor for advanced glycation endproducts, RAGE)が糖尿病血管合併症克服のための分子標的であることを世界に先駆けて明らかにした。平成18年度シーズ発掘試験で,ヒトRAGE蛋白の三次元構造に基づくバーチャルスクリーニングを行い,リガンド結合を阻止しうる数種の候補化合物を同定した。平成19年度試験ではこれらの化合物の薬効をインビボ評価し, 糖尿病血管合併症薬シーズ化合物の開発を目指す。 |
460 |
分子鋳型を用いた立体識別型分離剤の開発とクロマトグラフィー充填剤への応用 |
国本 浩喜 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
分子鋳型ポリマー法では,分離対象となる光学活性物質と相互作用可能な官能基を有する機能性モノマーおよび架橋剤を共存させて重合する.反応後にポリマー内から鋳型分子を除去することにより,鋳型分子と相補的な結合部位を有するポリマーを得る.本研究では,分子鋳型ポリマー法を用いて高純度の光学活性体が要求される5-置換1,3-オキサゾリジン-2-オン誘導体に対して立体選択性に優れた分離材料を開発し,それを充填剤としてクロマトグラフィーに応用する. |
461 |
癌細胞特有の染色体欠損(遺伝子多型とアレル欠失)を利用した癌特異的治療薬開発 |
川上 和之 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
フッ化ピリミジン系抗癌剤の標的であるチミジル酸合成酵素(以下TS)の遺伝子型がヘテロの個体で、かつ、TS遺伝子座にアレル欠失を認める癌では正常組織と癌組織間に遺伝子型の相違が発生する。この相違を癌治療に利用し、TS阻害を癌特異的に増強する核酸医薬を開発する。具体的には、癌組織側で1本のみ残るアレルからのTS蛋白発現を特異的に抑制するsiRNAを設計し、その有効性をin vivo治療実験により検証する。 |
462 |
超音波波形(Aモード)を用いた新規簡便型筋力測定装置の開発 |
宮本 賢作 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
○超音波波形(Aモード)より算出する筋収縮時・弛緩時変化率を応用した新規簡便型筋力測定装置の開発を最終目標とする。○超音波断層画像(Bモード)より,筋収縮と弛緩時の筋厚変化率から筋力を推定する可能性を我々の研究により見出した。本応募課題では,より簡便かつ新規なAモード超音波波形からの筋力推定法確立を目的とし,測定装置およびソフトウェアを試作する。○超音波波形ピーク値の筋収縮時と弛緩時の変化率と筋力との関連から新しいパラメタを算出することにより実用化への端緒を見出す。 |
463 |
超音波を利用した凝固制御による食品の高品質冷凍技術の開発 |
多田 幸生 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
食品の凍結保存は,低温化と活性水分の低減により品質の長期維持を図るものであるが,凍結の過程で細胞レベルでのミクロ現象が生じ,これが機械的・膠質的な凍結損傷に繋がる.本課題は,超音波照射により細胞内外の氷晶形成を制御し,高品質な冷凍を実現する技術の開発を目的とする.具体的には,食品組織を供試した定在音場中での凍結実験を行い,凍結特性を操作条件と関連づけるとともに,装置構造の最適化を追究する. |
464 |
分岐網創成法による電子基板発熱冷却チャンネル網の設計法の開発とその応用 |
山崎 光悦 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
生物に見られる分岐網形態創成メカニズムを擬似した分岐網生成アルゴリズムを活用して,最適な熱吸収・廃熱チャンネル網形態設計に適用し,分岐網の試作・性能評価を通じて従来の設計・製造プロセスでは実現が困難とされてきた高度な冷却性能実現の可能性を実証する. |
465 |
土壌不均一性を考慮した土壌不溶化技術の確実化手法の開発 |
川西 琢也 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
土壌は極めて不均質な媒体であるにもかかわらず,従来の汚染対策はこの不均質性を定量的に考慮していない。本研究は,(a) 基礎実験としての吸着量・速度に関する回分実験,(b) 1次元パラレル流路モデルに流路性状に分布を与えたモデル解析,(c)同一条件下でのカラム実験による再現性の検討,を通じて土壌汚染不溶化技術に土壌不均質性が及ぼす影響を定量的に検討し,確実な不溶化技術の確立を目指す。 |
466 |
超小型・超高速画像処理機能を持つ高解像度イメージセンサ |
秋田 純一 |
金沢大学 |
高田 律子 |
金沢大学ティ・エル・オー |
小型かつ低価格な視線検出装置の実現を目的とし、画像を取得する撮像素子と信号処理回路を同一チップに集積することで、VGA程度の高い解像度と毎秒500フレーム程度の高速処理性を両立できる視線検出用の高機能イメージセンサの実用化に向けた要素回路の基礎検討を行う。これにより、コンピュータ等の有用な入力手段として期待されながら、従来は学術研究などの特殊用途に限られていた視線情報の広範囲な利用が可能になると期待される。 |
467 |
チップ磁気共鳴技術 |
北川 章夫 |
金沢大学 |
常山 知広 |
金沢大学ティ・エル・オー |
電子スピンや核磁気の磁気共鳴測定は、材料科学、化学、生物学、医学などの学術的分野で広く用いられている。しかし、測定装置が大掛かりであり、民生・産業用途の開拓は進んでいない。本研究ではその小型化を目指し、シリコンチップ上に集積化された磁気共鳴センサを試作する。また、信号検出プローブをマイクロメートルまで縮小する実験を行い、生体内や各種製造装置内の微量物質測定や対象物質の局所的な分布測定に対応させる。 |
468 |
PAH類を様態別に測定出来る装置の開発 |
早川 和一 |
金沢大学 |
常山 知広 |
金沢大学ティ・エル・オー |
多環芳香族炭化水素(PAH)類は強い発がん性や内分泌かく乱性を有し,大気中では化合物の蒸気圧に依存してガス状/粒子状,また水中では溶解性/不溶解性と様々な存在様態を取る。PAH類は異なる存在様態に移り変わりながら環境中を循環していくが,様態の違いによって環境中の挙動は大きく異なることから,ヒトの健康に及ぼす影響を正確に把握するためには存在様態も含めて測定することが重要となる。そこで本研究では,大気及び水中のPAH類の存在様態別測定を可能にすることを最終目的とする。 |
469 |
放射菌によるP450系酵素群の大量発現系の開発 |
荻野 千秋 |
神戸大学 |
五十嵐 泰蔵 |
金沢大学ティ・エル・オー |
放線菌はストレプトマイシンに代表される様々な抗生物質など2次代謝物(生物の成育に関係のない有用物質)を大量に生産する工業的利用価値の高い宿主であることが以前から知られている。しかしながら、遺伝子工学的アプローチを行い、有用物質(タンパク質)の生産性を高めた報告例は殆どない。本研究では、既に構築した放線菌における汎用性遺伝子組み換え生産システムをベースに、これまで、大腸菌などでは発現が困難とされているP450酵素群の大量分泌生産を目指す。 |
470 |
レーザー光とインクジェットプリントを併用した難染性繊維の染色技術開発 |
沢野井 康成 |
石川県工業試験場 |
奥野 孝 |
石川県産業創出支援機構 |
スーパー繊維の一つであるアラミド繊維は、高強度・耐熱性等の優れた性質を有するが、後加工による染色が困難である。そのため、本研究ではアラミド繊維の新規染色技術の確立を目的とする。インクジェットプリント手法等で昇華性の染料を塗布した各種アラミド繊維布表面へのレーザー光による実験より、照射条件の最適化と染料面からの検討を行うことで、環境負荷の少ない染色技術の開発を目指す。 |
471 |
高硬度ナノ炭素膜中の水素含有量を制御した長寿命切削工具の開発 |
安井 治之 |
石川県工業試験場 |
塚林 和雄 |
石川県産業創出支援機構 |
従来のダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は、2000HV程度の低い硬さと膜中に多くの水素を含むことから、アルミ合金に対して摺動特性には優れるが、耐摩耗特性が低く、切削工具としての利用は困難であった。そこで、DLCとナノダイヤモンドを多層化したハイブリッドナノダイヤモンド(HND)膜や水素フリーDLC膜などの高硬度ナノ炭素膜中の水素含有量を共鳴核反応分析法を用いて定量評価し、その含有量や硬さを制御した長寿命切削工具を開発する。 |
472 |
安全性を考慮したネットワーク型バイラテラル遠隔操作システムの開発 |
河合 康典 |
石川工業高等専門学校 |
割澤 泰 |
石川工業高等専門学校 |
バイラテラル遠隔操作システムは,操作部と遠隔地に配置した作業ロボットとの間を双方向に位置と力覚の制御ができる有効なシステムである。しかし,操作部とロボット間の時間遅れが操作性を劣化させるために安全性に課題を残している。そこで本研究の目的は,時間遅れが存在する環境下で,操作部の誤った動作命令が作業ロボットに送られる前に修正できるモデル予測制御を用いて,安全性の向上をはかることである。 |
473 |
新規リポソーム融合技術に基づく細胞模倣マイクロラボラトリーの開発 |
濱田 勉 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
細胞サイズの人工脂質2分子膜小胞(リポソーム)を反応場とする新規のマイクロラボラトリーを開発する。実際の生体膜とほぼ同じ構造・組成を備えたリポソームは、種々の生化学反応実験に最適な細胞模擬空間を作り出す事が出来る。集光レーザーにより形成された局所的なエネルギー場を利用したリポソーム融合法を確立し、化学反応を自在にコントロール可能な細胞模倣マイクロラボラトリーを構築する。 |
474 |
有機ELデバイス用超精密評価・分析機器の開発 |
村田 英幸 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
有機EL 素子の耐久性は素子作成時および駆動時の雰囲気に極めて敏感であり、微量の酸素や水分の存在によって急速に劣化することが知られている。従って素子の本質的な劣化要因を特定するためには、外部因子を完全に排除した超高真空下で素子を作成し、同時に素子の劣化状況を評価・分析することが必要である。しかしながら、これらの仕様を満たす評価装置は現存しない。そこで本研究では超高真空中で作成した有機EL 素子を、そのままの環境で駆動させ耐久性評価を可能とする評価装置を開発し素子の劣化機構に関する知見を得る。 |
475 |
歪半導体カンチレバー応用次世代プローブカードの研究開発 |
山田 省二 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
代表研究者のオリジナルなアイデアである、化合物半導体歪み多層構造を応用した、1)超精細特殊形状カンチレバー(特願2006-262739)の作製技術を確立し、2)大規模集積回路(LSI)検査装置用次世代プローブカードへの応用開発を進め、それに基づくMEMS新市場形成を狙う。本試験研究では、1)の超微細(超柔軟、多機能)個別カンチレバーの作製技術確立を達成し、2)の超微細カンチレバー高集積化製品(プローブカード)開発へと発展させる。 |
476 |
漢方薬の作用原理に基づく副作用がない糖尿病治療薬の探索 |
古林 伸二郎 |
北陸大学 |
大桑 優子 |
北陸大学 |
防已黄耆湯は6生薬からなる漢方方剤であり、肥満を伴う糖尿病患者において高血糖や脂質代謝異常を改善するとされる。防已黄耆湯は実験的糖尿病モデル動物の高血糖値を低下させ、その作用本体は粉防已であり、黄耆が粉防已の作用を増強することを見出した。この粉防已と黄耆との複合作用を成分レベルで明らかにし、この複合作用機序をインスリン遊離機構の面から解析し、新規糖尿病治療薬の開拓へと展開させたい。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
548 |
定量位相顕微鏡による生物細胞の定量解析技術に関する研究開発 |
池田 貴裕 |
光産業創成大学院大学 |
袴田 祐治 |
光科学技術研究振興財団 |
デジタル・イメージホログラフィ技術を導入した定量位相顕微鏡に高速撮像装置を組み込み、得られた細胞の3次元情報と時間情報を時空間解析することにより、細胞膜の物理量(弾性率、張力値など)の定量測定を行う。本顕微鏡と蛍光顕微鏡の複合観察により、細胞膜の物理量とタンパク質の発現状態の比較を行い、新しい細胞の定量解析技術を開発する。本技術は生物・医療・創薬分野で役立つ複合顕微鏡及び、細胞自動解析装置開発に貢献できる。 |
549 |
低コストで簡便な手法による芳香族化合物の直接酸化製造法の開発 |
押川 達夫 |
沼津工業高等専門学校 |
小野 義光 |
浜松科学技術研究振興会 |
本研究は光触媒を用いた芳香族化合物(アルキルベンゼン類)の直接酸化よりカルボニル化合物やエポキシド化合物を化学選択的に製造するというものである。研究シーズである「低圧水銀灯と光触媒を組みああわせた水溶液酸化システム」を元に、光源を紫外線LED化することで低エネルギーコスト化を図り、ガラス管内面に光触媒を担持させることでフロー系とする、システム装置の開発を行う。ターゲットはアルキルベンゼン系とする。 |
550 |
免疫細胞活性化ビーズの開発 |
丸山 宏二 |
静岡県立静岡がんセンター研究所 |
八十 昌夫 |
しずおか産業創造機構 |
本課題の目的は、抗原提示細胞(樹状細胞、DC)等の生細胞に代わり細胞障害性T細胞(CTL)を誘導できる人工ビーズの開発であり、MHC クラスIや共刺激分子等の蛋白を調製、これらを表面に接着させた磁気ビーズを作出する。現在広く用いられているDC によるCTL 誘導効果と同等もしくはこれを凌駕するデバイスを開発し、抗腫瘍効果を示すCTL の簡便な誘導法の確立と臨床応用を目標とする |
551 |
先端医療応用に向けたsiRNA搭載リポソームの開発 |
浅井 知浩 |
静岡県立大学 |
鈴木 次郎 |
静岡県立大学 |
本試験研究では、一般的な非ウイルス系デリバリーシステムで用いられるリポプレックス(リポソーム/siRNA複合体)よりも有益性が高い、ワンステップで調製可能なsiRNA搭載リポソームを調製する。試験期間内に(1)ワンステップで調製したsiRNA搭載リポソームのキャラクタリゼーションおよび(2)小動物を用いたin vivo実験系における遺伝子ノックダウン効果の証明を実施することを目標とする。 |
552 |
化学物質に応答し可逆的にゾル-ゲル転移する親水性低分子ゲル化剤の開発 |
山中 正道 |
静岡大学 |
粟田 正志 |
静岡大学 |
本試験研究は、水系環境でのゲル化に焦点を絞り、アニオン応答型低分子ヒドロゲル化剤の開発を行う。低分子オルガノゲル化剤の化学構造に、親水性官能基としてオリゴエーテル鎖、糖鎖を導入した分子を、有機合成化学の手法を用いて合成する。合成した化合物群の、水および各種溶媒における低分子ゲル化剤としての機能を評価し、さらにゲル化した系においては、アニオン応答型ゾル−ゲル相転移について検証を行う。 |
553 |
高感度脈波検出機能を有する筋疲労計測装置 |
庭山 雅嗣 |
静岡大学 |
出崎 一石 |
静岡大学 |
測定したい筋肉に3×5cm 程度の薄いシート状センサを当てるだけで,筋組織と動脈の酸素飽和度,脈拍の3 変量が,運動時でも無拘束でリアルタイムにわかる装置を実現することを目標とする。具体的には脈波検出回路とソフトウェアの改良を行い,擬似試料を用いた実験で微小血液量変化をどの程度の精度で測定できるかを検証する。また,実測を行い,筋収縮にともなう偽の拍動を見分ける手法を検討する。 |
554 |
酸化物半導体を用いた紫外・可視領域受発光素子開発 |
中村 篤志 |
静岡大学 |
出崎 一石 |
静岡大学 |
本提案は、ZnOを用いた発光ダイオードを形成するにあたって、p型ZnOをリモートプラズマによる不純物ドープと表面処理により安定化し、用いる電極材料、構造について低接触抵抗とするべく検討を行うものである。形成したZnOの物性から、良好な電気的接合が期待できる材料を絞り込み、発光輝度・寿命の向上に必要な電極材料の選択及び電極構造の最適化を目標として条件設定を、解決することで表示・照明素子実現への足がかりとする。 |
555 |
熱電デバイス用均一組成SiGeバルク単結晶成長技術の開発 |
早川 泰弘 |
静岡大学 |
斉藤 久男 |
静岡大学 |
本提案は、溶液から結晶を成長させる際に、意図的に熱パルスを加えて不純物を導入することで結晶成長速度を計測し、この結果を元に、成長中の溶液、結晶の組成が一定となるような結晶育成環境を整えることで、均一組成領域の長い熱電デバイス用のSixGe1-x バルク単結晶成長技術を開発するものである。今回は、組成を一定に保つ冷却速度を求めるとともに、成長速度に影響する温度勾配の効果についても検討する。 |
556 |
機械式冷凍機を用いた高感度テラヘルツ半導体検出器システムの開発と評価 |
廣本 宣久 |
静岡大学 |
斉藤 久男 |
静岡大学 |
本提案は、応用範囲の広いテラヘルツによる計測分野において、鍵となる高感度テラヘルツ検出器システムに関するものである。通常、低雑音、高感度を達成するため、冷却に使用される液体ヘリウムにかわって、機械式冷凍機を使用し、取り扱いを容易にする。本検討では、評価の基準となる標準テラヘルツ光源を新たに構築し、本方式で課題となる振動、雑音に対する評価を進め、室温背景における最高感度を達成することを目標とする。 |
557 |
抗菌性物質と生体膜の相互作用を検出・解析する単一GUV法の開発 |
山崎 昌一 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
申請者が開発した単一巨大リポソーム(GUV)法は物質と生体膜の相互作用に関する新しい質の情報が獲得できる。本研究はこの実験方法や解析方法の最適化を行うことで、抗菌物質のスクリーニングの方法や、生体膜と物質の相互作用の研究に用いられる実験キットの開発を目指している。本年度は単一GUV法の実験方法の最適化のために、1個のGUVと物質の相互作用を同時に多くのGUVで観測できるシステムの構築のための要素技術の開発を行う。 |
558 |
複雑形状焼入鋼部品の表面硬さと硬化層深さのX線非破壊検査法の開発 |
坂井田 喜久 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、X線回折を用いて焼入鋼部品の焼入状態(表面硬さ、焼入れ深さ)を非破壊で測定できる技術を応用した、工場の生産ラインにおける部品非破壊検査システムの実用化に関するものである。これまでは、測定点の位置決めや精度そのものに関し改良を加えてきており、今回の検討では実際の部品を想定して3次元計測が可能な多軸ステージを導入してシステム改良とモデル部品による評価を実施する。 |
559 |
拡張後絞る冷間前方押出しによる歯車の成形法の開発 |
吉田 始 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、複雑な切削加工による歯車製作を、押し出し成形に置き換えるにあたって、研究者が考案した二段充填法により面圧を低減する加工法に関するものである。これまでの検討では、成形後の端面のバリ除去が加工後に必須であったが、本検討では、マンドレル、ダイスの径を途中で変化させ、成形中の材料流動を制御することで、これまでの特徴を活かしつつ、プレス加工程度の後処理ですむレベルにバリ形成をとどめるべく試験、シミュレーションを行う。 |
560 |
0.1アトリットルを滴下する超微小液滴塗布装置の滴下量安定化制御法の開発 |
岩田 太 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、開口径がナノメートルオーダーのピペットと対象物の間に電界を印加することで開口部からサブアトリットルオーダで内容物を塗布・堆積させることができるプローブシステムに関するものである。本計画では、安定かつ継続した滴下を可能とし、かつ、滴下量も制御することを目的に印加電圧パターンの検討、液体ならびに対象面性情との関連に関するデータ蓄積による条件最適化、その成果を活用した新システムの製作と評価を行う。 |
561 |
光ファイバーを利用した表面張力測定プローブの開発 |
齋藤 隆之 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
本提案は、液体と接触した光ファイバー先端にできるメニスカスの形成速度から表面張力を求めることを原理とする光計測による表面張力計の実用化に関する研究である。計測には、ファイバーと液体の濡れ性が誤差要因となることから、本検討ではファイバー形状、信号処理両面から濡れ性の除去を検討するとともに、装置の小型化、メーカー現場での評価を通じて問題点の抽出と改良を加え、小型軽量で、かつ、耐環境変動に優れたシステムの構築をめざす。 |
562 |
分布増幅光ファイバ伝送路の高感度多重散乱光干渉量測定法の研究 |
相田 一夫 |
静岡大学 |
名和 英夫 |
静岡大学 |
本提案は、光ファイバ内で生じる二重レーリ散乱や離散反射等が原因となり発生する多重散乱光干渉量 を高感度・高確度で評価できる測定法を確立するものである。これまでの研究から、試験光として周波数変調されたレーザ光を用いることで多重散乱光干渉量を計測できることが計算されており、今回、評価用伝送路を作成するとともに、改良された試験光を用いて実際の計測特性を評価しその有効性を実証する。 |
563 |
口コミ分析のモニタ調査活用によるハイブリッド型ブランド計測手法の開発 |
佐藤 哲也 |
静岡大学 |
藤田武男 |
静岡大学 |
本提案は、口コミメディアにおけるブランドに関する「評判」を解析、整理する技術、ならびに、整理されたデータから「モニタ調査」にて精査すべき事項を検討する技術である。これらを組み合わせることで口コミメディアの「即時性・自由度」とモニタ調査の「分析性・安定度」に代表される各長所を組み合わせた,ハイブリッド型ブランド計測手法の実現を目的としている。 |
564 |
衛星画像を用いた大規模災害時救助支援用道路閉塞検知システムの開発 |
佐治 斉 |
静岡大学 |
藤田武男 |
静岡大学 |
近年入手が容易になっている衛星画像を入力データとし、 広域道路情報を自動解析することで、災害時の 救助活動に役立てられるシステムの構築を目的とする。具体的には、災害後に撮影された衛星画像を入力とし、 道路閉塞領域を自動検知し、救助活動時での ルート選定に役立つソフトウェアシステムの構築を行う。 |
565 |
水熱酸化による窒素含有バイオマス廃棄物のクリーン処理・熱回収装置の開発 |
岡島 いづみ |
静岡大学 |
鈴木 孝典 |
静岡大学 |
含水率が高く腐敗しやすい家畜排泄物などの難処理窒素含有バイオマス廃棄物を、高圧加熱水蒸気と空気の混合流体を溶媒として用いて分解することにより、@乾燥や脱臭などエネルギーやコストがかかる前・後処理工程なしに、A短時間で二酸化炭素、水、窒素ガスといった無害な無機ガスまで完全分解でき、B分解時に発生する燃焼熱を効率よく回収・利用できる廃棄物のクリーン処理+エネルギー変換するためのプロトタイプの二段式水熱酸化反応装置を開発する。 |
566 |
バイオマス+プラスチック混合廃棄物からクリーン・高発熱量燃料合成装置の開発 |
佐古 猛 |
静岡大学 |
鈴木 孝典 |
静岡大学 |
本技術は、現在処理に困っている高含水率で腐りやすく場合によっては悪臭の発生する生ごみ等とプラスチックの混合廃棄物を、無害な200〜250℃の高温水を用いて、分別や乾燥といった人手やエネルギーを要する工程なしに、短時間にクリーンで高品位のエネルギー資源(石炭並みの高発熱量)に変換する技術を開発する。そして5 年以内に大学発ベンチャーによる実用化を目指す。 |
567 |
ジメチルエーテルを原料とした水素製造、それに用いる触媒の開発およびその大量試作 |
武石 薫 |
静岡大学 |
鈴木 孝典 |
静岡大学 |
燃料電池に必要な水素の貯蔵体として注目されているDMEから効率的に水素を製造できる触媒の開発を行う。われわれが開発した触媒は活性は高いが、多少高価になる可能性が大きい。そこで、新たに改良製法を開発することにより、安価な触媒にすることを試みる。本提案では1kgの大量試作を試み、実験室で従来行ってきた触媒調製(2g程度)での触媒との反応比較を行い、活性低下のない触媒とするのが目標である。 |
568 |
表情画像を用いたリアルタイム心理状態推定技術の開発 |
野須 潔 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本提案は、コンピュータ画面を見ている人やビデオゲームを享受している人等の顔をビデオカメラで撮影し、その顔表情から心理状態をリアルタイムでかつ高い確率で推定するものであり、顔表情解析プログラムに、新たに顔画像から特徴点を自動的に解析・抽出するプログラムを開発して実現する。映像提供→顔表情撮影→心理状態の推定→映像制御等のループは組めるので、アミューズメント等で新たなコンテンツ提供も可能になる。 |
569 |
含りん非天然物型化学合成物質による新規抗ガン剤の開発 |
藤江 三千男 |
浜松医科大学 |
四本喬介 |
浜松医科大学 |
バイオアッセイ法・遺伝子発現マイクロアレイや実験動物を用いて、含りん非天然型抗ガン作用物質のガン細胞に対する分子レベルでの作用機序を明らかにするとともに、ガン移植ヌードマウスで実際に効果があるかも検証するものである。また、約100種類の類似構造体のスクリーニングにより発見した抗ガン作用物質構造を基に分子設計した化合物の抗ガン作用を検証するものである。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
570 |
高耐熱性、高耐水蒸気性を有する自己複合化水素分離膜の開発と応用 |
永野 孝幸 |
ファインセラミックスセンター |
山本 義明 |
ファインセラミックスセンター |
水素は、現在その多くが複雑な製造工程を必要とする天然ガス(主成分:メタン)の水蒸気改質反応(800℃)によって製造されている。しかし、耐久性に優れた無機系水素分離膜を開発し、膜反応器を利用した天然ガスの水蒸気改質に応用することで、複雑な製造工程を一体化し500℃という低い反応温度でこれまでと同等のメタン転化率(80%)を得ることができる。本研究においてはアモルファスシリカ及びγ-アルミナ中間層の耐熱性、耐水蒸気性の向上を図り、膜反応器を用いた新しい水素製造システムの実用化を推進することにより、クリーンな省エネ社会の実現に貢献する。 |
571 |
合金選択酸化法による表面改質技術の開発 |
北岡 諭 |
ファインセラミックスセンター |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本研究では、熱力学平衡計算を基に予測した酸素分圧下において、耐熱性鉄基合金に含まれる所定の成分のみを選択酸化させることにより、合金表面にAl溶湯に対して耐久性に優れる酸化物膜を形成する技術を開発する。本技術で得られる酸化物膜はAl溶湯に対し優れた非濡れ性と耐摩耗性を合わせ持つことから、Al鋳造用治工具の耐久性の飛躍的向上とメンテナンス費用の大幅削減、並びに、鋳造製品の品質向上を達成することが期待できる。 |
572 |
ヒトサイトメガロウイルス弱毒ワクチン株の効率的作成 |
磯村 寛樹 |
愛知県がんセンター |
瀬野 義隆 |
科学技術交流財団 |
重篤な胎児発育不全をおこす先天性ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染症を予防するため思春期のHCMVワクチン接種の実施が望まれる。しかし、HCMVは白血病等の治療で行われる造血幹細胞移植等の免疫不全状態で体内に潜伏しているHCMVが再活性化して肺炎、骨髄抑制等の重篤な合併症を引き起こす。ワクチン接収した株が将来、これらの合併症を引き起こす可能性を排除するために、我々は弱毒HCMVワクチン株を作成してきた。しかし、現時点の作成株では免疫原性も低下している可能性がある。その弱毒株の作成をこれまでに蓄積されたHCMVの遺伝情報をもとに、大腸菌内でHCMV遺伝子制御領域の特異的ターゲティングを駆使して免疫原性の低下がなく再活性化しない弱毒ワクチン株を作成する。 |
573 |
抵抗溶接法によるニッケル合金と鋼材のクラッド材料の開発 |
古澤 秀雄 |
愛知県産業技術研究所 |
近藤 正夫 |
愛知県産業技術研究所 |
化学工業の分野において、高耐食性を要する熱交換器や貯槽などに、SS400などの鋼材を母材にチタンなどの耐食性に優れた材料をライニングしたクラッド材料が多く用いられている。クラッド材料は爆着法や圧延法などにより製造されるが、コストが高く、施設や設備も大がかりになる。本研究では、ライニング材にニッケル合金を取り上げ、抵抗溶接法によるクラッド材料の開発を目的とし、安価なクラッド材料の製造技術の確立を目指す。 |
574 |
軟質木材に密度勾配を付加した機能性木質建材の開発 |
浅田 文仁 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
スギ材の両面から異なる条件で加温・加圧処理を施して、木材に密度勾配を発現させ、片面は高密度で硬い物性を持たせ、反対の面はスギ材が元々持っている柔らかい物性を維持することにより、傷付きにくく、しかも保温性や調湿性を残したスギ材を開発する。 |
575 |
導電性織物を利用した身体挙動検知システムの開発 |
池口 達治 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
導電性織物は特定の構造とすることによりその変形量を検出することができる。この理論を応用して身体の挙動を検知するシステムを開発する。従来、身体の挙動を検出するためには身体に加速度センサ等を貼り付けるかカメラを用いたモーションキャプチャーシステムなどを利用していた。本システムでは織物がセンサであるため身体に装着しても被験者の身体的・心理的負担が小さい。またモーションキャプチャーシステムと比較して小規模かつ安価である。 |
576 |
複雑組織を有する編地の3次元モデリング及び変形予測手法の研究 |
太田 幸一 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
メッシュ編みなど複雑な編組織からなる編地について、最終製品形状加工時におけるしわや過度の緊張の発生を、糸の物性(引張、曲げ、圧縮挙動等)から編地を作らずコンピュータ上で予測する手法を開発する。編地を曲面形状に加工した時に発生する歪み量を予測するため、編地の3次元モデルを作成し、糸の物性と編地の編成条件から、最終製品の形状に加工した編地全体の歪み量を予測計算を行う。 |
577 |
フレキシブル色素増感太陽電池用酸化チタン多孔膜の低温成膜技術 |
加藤 一徳 |
愛知県産業技術研究所 |
深谷 英世 |
愛知県産業技術研究所 |
フレキシブル色素増感太陽電池の実用化には負極の酸化チタン多孔膜を樹脂基板上に低温で成膜する必要がある。ナノサイズの酸化チタン微粒子を用いた電気泳動法により多孔膜を成膜後、「無電解析出法」および「ゾルゲル法」を併用してこの膜内に新たに酸化チタンを析出させることにより微粒子が相互に接合した多孔膜に改質する。膜の微構造、光電変換特性などから成膜および膜改質条件を最適化し、高光電変換効率のフレキシブル太陽電池を目指す。 |
578 |
ライスヌードル用水稲育種素材の開発 |
中村 充 |
愛知県農業総合試験場 |
野口 正樹 |
東海地域生物系先端技術研究会 |
ライスヌードル用水稲品種の育種素材を開発する。米の澱粉組成(アミロース、アミロペクチン含有量やその構造)はいくつかのタイプに分類することができる。そこで各澱粉組成タイプの米粉に馬鈴薯澱粉等の澱粉を配合して製麺試験と官能試験を実施し、製麺性と官能評価がともに高くなる米の澱粉組成タイプを選定する。次に、多収性品種と上記で選定した澱粉組成タイプ品種の交配、または交配後代の初期選抜を行い、育種素材を得る。 |
579 |
水ガラスを用いた有機ー無機複合材料の開発 |
井上 眞一 |
愛知工業大学 |
今井 淳夫 |
愛知工業大学 |
有機高分子化合物の特性(強靭性、耐熱性および耐候性など)の向上手段として、無機化合物との複合化は非常に重要である。とりわけブレンド手法ではなく、無機化合物を有機高分子化合物の結合内に導入する分子レベルでの複合化が重要である。本研究は安価な水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)から酸分解・有機溶媒抽出によって得られるシラノールを用いて有機高分子化合物(ポリウレタン化合物など)との分子レベルでの複合化により耐熱性の向上を行うものである。 |
580 |
新規リン酸系プロトン導電体を使用した中温作動燃料電池の開発 |
冨田 衷子 |
産業技術総合研究所 |
亀山 哲也 |
産業技術総合研究所 |
In3+ドープのリン酸第二スズ(Sn0.9In0.1P2O7)は、150から300℃の中温・無加湿条件で高いプロトン導電率(約0.2S/cm)を示す。本研究では、このSn0.9In0.1P2O7を電解質として使用することで中温・無加湿条件で作動する燃料電池を開発する。中温作動燃料電池の優位性を実証するために、無加湿条件や一酸化炭素含有燃料中での安定性を実証し、高性能化および耐久性向上のために電解質の膜化を行う。さらに白金代替電極触媒の探索を行う。 |
581 |
ユニバーサル核酸を利用する一塩基多型解析技術 |
片岡 正典 |
自然科学研究機構 |
瀬野 義隆 |
科学技術交流財団 |
ポストゲノム時代の最重要課題である一塩基多型解析技術において、従来法に比してコスト・タイムパフォーマンスを大きく改善しうる新手法の基本技術について開発する。研究者がすでに開発済みの、核酸塩基の種類に拘わらず塩基対を形成する人工核酸塩基(ユニバーサル塩基)に、蛍光発光特性を付与し、そのユニバーサル塩基と4種の天然塩基の複合体について構造と発光特性を広く調査し、一塩基多型解析技術に応用可能な蛍光性ユニバーサル核酸を開発する。 |
582 |
MEED波動場を利用した表面吸着構造の解析法の開発 |
堀尾 吉已 |
大同工業大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本課題は、中速電子回折(MEED)を利用した結晶表面の吸着原子の識別と吸着サイトの新しい解析法の確立と実用化を目指すものである。すなわちMEEDの入射電子線により形成される結晶試料表面近傍の波動場(入射電子密度分布)を利用するものであり、その波動場により励起される吸着原子からのオージェ電子強度を測定することにより吸着構造の解析を可能とする。吸着サイト上の波動場の計算強度と実験測定から得られるオージェ電子強度との相関関係を検証することにより本手法の確立を図る。 |
583 |
人物の顔形状および表情変化3次元計測システムの開発 |
宮阪 健夫 |
中京大学 |
鈴木 勝也 |
中京大学 |
本研究課題では人物の顔の3次元形状および表情変化(3次元運動)を同時に計測できるシステムを開発する。このシステムの特徴は顔をビデオカメラのように連続的に計測し、3次元形状のみならず、3次元運動を取得することができることである。それにより、人間の表情変化を十分な解像度と精度で3次元的にとらえることが可能となる。本システムは2台のカメラと1台のプロジェクタによって構成され、我々が研究を進めてきた3次元計測手法によって、3次元情報を連続的に取得する。さらに得られた3次元動画像から必要な情報を抽出・保存・利用するためのソフトウェアの開発も行い、本システムの応用の可能性を調査する。 |
584 |
OK量子化理論を用いた新しい画像圧縮符号化法の研究 |
輿水 大和 |
中京大学 |
鈴木 勝也 |
中京大学 |
ブロードバンド時代となり動画像などの大容量の画像・映像コンテンツの高品質伝送・蓄積が必須な状況を迎えている。このような時代背景を受けて、本申請者が提案した、画像濃度値の確率密度関数の復元性を保証する量子化原理(OK量子化法)を基盤とした画像圧縮符号化方式(OKQ圧縮符号化方式)の構築を目的とする。そのために、@JPEGなどの画像圧縮符号化法との基本的性質を比較実験的に明らかにする、A符号化・複合化アルゴリズムを試作する、B圧縮率と画質との関係を詳細に明らかにする、Cこれらを元にOKQ圧縮符号化方式の基盤を実現する。以上より、表題の「OK量子化理論を用いた新しい画像圧縮符号化法」を確立することを目標とする。 |
585 |
モデル動物(線虫)を用いた有害物質感知バイオセンサーの研究 |
三輪 錠司 |
中部大学 |
永井 義明 |
中部大学 |
モデル動物である線虫を用いて、残留農薬などの食品危害物質や薬物など外来異物(以下、毒物と総称する)の代謝経路に働く様々な分子を標識することで、これら毒物やそれを緩和する物質を迅速、簡便、経済的に検出できる“生きた”バイオセンサーを作製してゆき、広範囲の毒物とその毒性緩和物質のスクリーニング法を開発してゆくことを目的とする。毒物の検出能だけでなく、その毒性を中和したり緩和したりする食品や物質のスクリーニングも同時におこなう機能をもつことで、科学に基づいた「安全と安心」の備わった社会づくりに貢献する。 |
586 |
高保水性樹脂の開発に関する研究 |
山本 敦 |
中部大学 |
木本 博 |
中部大学 |
本研究では水分の保持力が強く、しかも物理的な強度を持った基材を開発し、これを導入した繊維状樹脂を、高親水性揮発性物質のための高機能性吸着剤としての基礎評価を行なう。ここで作成した樹脂は、フィルタ材質の表層として応用展開すれば室内空気中の親水性の高い有害物質や悪臭成分の捕集剤として、また壁紙やカーテンの素材とすれば湿度調整機能性の用途が期待される。 |
587 |
汎用糖鎖固定用抗体の作製とそれを用いた早期疾患診断用糖鎖チップの開発 |
林 宣宏 |
藤田保健衛生大学 |
吉田 勝 |
名古屋産業科学研究所 |
国内外における糖鎖研究の過程で蓄積された膨大な数の糖鎖リソースの活用を可能とする汎用糖鎖固定用抗体を作製し、得られた抗体を用いて糖鎖チップのプロトタイプの作製を行う。糖鎖リソースのなかで発ガンとの関連が指摘されているものを基盤に固定することで高精度、高感度な早期がん診断用糖鎖チップが作製できる。また、近年、アレルギー性疾患や糖尿病など、がん以外の多因子性疾患においても特異的な糖鎖の関与が解明され、その情報に基づいた当該疾患診断用糖鎖チップが開発可能である。 |
588 |
筋ジストロフィーに対する画期的新治療法のモデル動物を用いた基礎評価 |
土田 邦博 |
藤田保健衛生大学 |
吉田 勝 |
名古屋産業科学研究所 |
筋ジストロフィーは代表的な難治性疾患であり、現在に至るまで有効な治療法は存在しない。本研究課題では、モデル動物を用いて薬物療法と細胞移植治療の統合的な治療法の有効性の基礎評価を行なう。薬物療法としては、骨格筋形成の負の制御因子マイオスタチンを阻害する方法に着目し、細胞移植治療としては、セルソーテイングの手法で純化した骨格筋幹細胞を用いる。薬物療法と幹細胞移植療法を組み合わせる事で筋疾患の再生医療に対して新たな展開が期待される。 |
589 |
撥水性と光触媒活性を併せ持つ高機能表面の設計と性能評価 |
松田 厚範 |
豊橋技術科学大学 |
遠藤 一明 |
豊橋キャンパスイノベーション |
本課題では、ゾル‐ゲル法で作製した種々の有機官能基Rを有するRSiO3/2-TiO2系無機−有機ハイブリッド透明膜に選択的に紫外光照射を行なってSi-C結合を開裂させ、さらに温水処理を行なうことによって光照射部分のみにアナターゼ微結晶を析出させる技術の開発を行う。得られるハイブリッド膜は、有機官能基Rに由来する撥水などの機能とアナターゼ微結晶由来の光触媒・親水性などの機能を併せ持つ高機能表面であり、セルフクリーニング、印刷など様々な分野への応用が期待される。 |
590 |
環状型RNAアプタマー調整法の安価大量精製法への応用と実用化 |
梅影 創 |
豊橋技術科学大学 |
上松 正和 |
豊橋キャンパスイノベーション |
RNAアプタマー薬剤開発において、効能持続性と副作用の懸念の排除は相反する課題である。申請者はこの相反する課題を、環状化という単純な手法によって克服可能であることを示してきた。本研究では、高価であるため薬剤が発展途上国に行き届かないといった治療薬の南北問題解決への貢献を目的とし、前述の環状化手法を大腸菌内発現系へ応用した環状RNAアプタマーの安価かつ大量創製法および簡便な迅速精製法の開発を行う。 |
591 |
非晶質/ナノ結晶超弾性材料の開発 |
土谷 浩一 |
物質・材料研究機構 |
松井 一雄 |
豊橋技術科学大学 |
TiNi合金,Co-Cr合金に代表される医用弾性材料はステント・カテーテル用ガイドワイヤーなどの種々の低侵襲医療デバイスへの応用が急速に拡大している。しかし、これらデバイスの更なる小型化・薄肉化の要求に応えるためには、従来より更に高強度,高剛性かつ大きな弾性回復を示す弾性機能材料の開発が急務である。本研究では各種合金を強加工(冷間圧延,高圧ねじり加工等)により非晶質/ナノ結晶化した材料について、組織・構造・機械的性質を系統的に調査し、加工・熱処理条件等を最適化することにより、新しい超弾性材料を開発、実用化する。 |
592 |
プラズマ溶射法による窒化アルミニウム皮膜作製技術の開発 |
山田 基宏 |
豊橋技術科学大学 |
松井 一雄 |
豊橋技術科学大学 |
窒化アルミニウムは安定した溶融状態を持たない材料であるため、原料の溶融を前提とする溶射法による皮膜作製は不可能とされてきた。これに対し、本研究では金属原料粉末とプラズマとの反応を利用した反応性プラズマ溶射法を用いて成膜を試みる。特に、原材料をアルミニウム/窒化アルミニウム複合粉末とするなどの工夫を施し、窒素プラズマとの反応を用いて最終的に窒化アルミニウム皮膜を形成するプロセス開発を行うものである。 |
593 |
フィルタードアークプラズマビームによる細管内壁へのスーパーDLCコーティング |
滝川 浩史 |
豊橋技術科学大学 |
村田 勝英 |
豊橋技術科学大学 |
燃料インジェクションノズル、樹脂成形ノズル、あるいは造糸ノズルなどでは、細管内に摺動性耐磨耗コーティングを施すことが望まれている。摺動性耐磨耗コーティングとしては、無潤滑で摩擦抵抗が極めて低く、高硬度で、かつ相手攻撃性が低いダイヤモンドライクカーボン(DLC: Diamond-Like Carbon)膜が望まれている。本研究では、磁界によって制御したビーム性高純度カーボンプラズマを用いて、細管内にDLC薄膜を形成する技術を確立する。 |
594 |
音響インピーダンスを利用した画像化技術のための生理分子特徴化技術 |
吉田 祥子 |
豊橋技術科学大学 |
村田 勝英 |
豊橋技術科学大学 |
本課題は物理的な反射特性によって画像化される超音波像の中に、特定の機能分子や構造、がんなどを特徴化する技術、いわば「超音波像の染色」技術を提供するものである。本研究では@機能分子を特異認識する反応分子に金属を付加した分子プローブの作成、A分子プローブによる生体組織中のインピーダンス特異点の観察、を行い、超音波像中に機能分子分布を可視化することを目的とする。無侵襲測定という超音波顕微鏡の利点を生かし、有機化学、電子工学、生命科学の技術融合によって分子的情報の取得を可能にする。 |
595 |
新たな寄生離散ウェーブレットによるリアルタイム異常診断システムの開発 |
章 忠 |
豊橋技術科学大学 |
村田 勝英 |
豊橋技術科学大学 |
飛行機や生産ラインなどでは高信頼性の初期異常診断が要求されている。しかし、故障の初期段階での異常現象は変動的で非定常性が強く、リアルタイムでの検出と診断は極めて困難である。本技術では、1)複数の変動的な異常信号を用いて複合マザーウェーブレットを構成する技術、2)世界初の革新的な寄生的離散ウェーブレット変換技術の2つの要素技術により、リアルタイムで高信頼性の初期異常診断システムの実現を目指す。 |
596 |
被介護者の安心と介助者の負担軽減を両立するパワーアシスト移動リフトの開発 |
三好 孝典 |
豊橋技術科学大学 |
大石 和彦 |
豊橋技術科学大学 |
本研究では、パワーアシスト技術を用いて、被介護者にとっても安心、かつ介助者にとっても負担の軽減が図れる移乗用リフトを開発する。従来の移乗においては、介助者が被介護者を直接抱きかかえる、または吊りリフトなどを用いていたが、介助者にとって負担が著しいことや、リフトが揺れるために不安感を覚える、などの課題を有していた。この問題点を解決すべく、介助者が被介護者を直接抱きかかえながらも、パワーアシスト吊り具が持ち上げ力を補助し、わずかな力で移乗を手助けできるワイヤ式介護用リフトの開発を目指す。 |
597 |
新規ZnOナノ構造体の開発とUVランダムレーザーへの応用 |
苗 蕾 |
ファインセラミックスセンター |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
製造コストが安価で低閾値のUVランダムレーザー発振素子の実用化と応用開拓を目的に以下の研究を行う:“蒸気輸送法”を適用し、Si等の基板上に粗密のあるZnOナノロッド(直径約80-150nm、六方晶系、成長軸[001])群を形成、あるいはナノロッドの(010)面を互いに融合成長させることにより3Dのナノハニカム構造(壁の厚さ:80-100nm、壁の隙間(ホール)の直径:20-100nm、厚さ数百nm以上)層を得る。次に、これらのナノ構造体にNd・YAGレーザーの3倍波(355nm)を入射させ、360-400nm範囲のUV波長域で多重レーザー発振(ピーク値が高く、半値幅の狭い)を起こす閾値を評価し、低閾値を実現するナノ構造と作成条件を解明する。 |
598 |
交流モータ駆動用高効率・小型電力変換器の入力共振抑制 |
竹下 隆晴 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本課題は産業分野の電力消費量の約7割を占めるモータ駆動装置の高効率、小型化を扱う。本研究では、商用交流を直接、任意の振幅と周波数の交流に、1回で電力変換することで、インバータに比較して変換器損失と体積をそれぞれ約1/2に低減できる高効率・小型電力変換器(マトリックスコンバータ)を実現する。本研究では、スイッチングノイズ抑制用の入力LCフィルタにより発生するLC共振の抑制法を開発し、さらなる高効率・小型化を実現する。 |
599 |
準剛体回転流を用いた微粒子分級方式の高効率化 |
土田 陽一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究は、粒度分布をもつ微粒子群を、まったく乱れのない準剛体回転流中で、粒子に作用する遠心力と流体抗力の、粒度による差を利用して、高精度で粒度分級を行う湿式遠心分級方式の高効率化に関する研究である。本研究では、流れ及び粒子運動の数値シミュレーションを行って分級性能を評価するとともに、分級機を改造して分級実験を行うことにより、上記の分級性能を検証し、最適な分級方法・分級条件の決定法について考察する。 |
600 |
IPTG代替品を指向した新規糖鎖高分子の開発 |
高須 昭則 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
大腸菌の遺伝子組み換え技術を応用したタンパク質の生合成の発現量(生産量)は、社会的な需要を十分満たすには至っていない。大腸菌を発現ホストとして用いる場合、lacプロモーター による発現システムが用いられ、ガラクトース残基がリプレッサーと作用にすることによってmRNAの翻訳が開始される。これまでは、イソプロピル チオガラクトシド(IPTG)が最も大きな効果を示すことが知られてきた。本研究では、IPTG代替品を指向した新規複合糖質を合成し、発現効率の向上や発現時間の短縮を目指す。 |
601 |
柔軟性を有する人工毛皮面を用いた流動抵抗低減技術の開発 |
伊藤 基之 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
鮫肌を模擬したリブレット(微細な縦溝を持つ壁面形状)よりも流動抵抗低減効果が大きく、流れの変化が大きい工業製品への応用に適した新しい抵抗低減素材を開発する。本研究では、柔軟性を有する人工毛皮面に着目し、その最適な毛皮性状を明らかにする。さらに、実用化のための繊維の加工方法ならびに接着方法についても検討する。そして、開発した人工毛皮面を、ビル空調用配管、船底等へ適用することを目標とする。これにより、ビル空調用循環冷却水のポンプ動力のコスト削減、また、船舶の低燃費化に役立てる。 |
602 |
細胞操作用導電性ナノバイオ探針の開発 |
種村 眞幸 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
安全で確実な細胞操作技術の確立は、再生医療等の分野で今後益々その重要度を増す。その発展の鍵を握るものの一つが、ナノサイズの探針である。本研究では、独自の「イオン照射誘起カーボンナノファイバー(CNF)室温合成技術」を基に、複数配列された市販走査プローブ顕微鏡カンチレバー群の各先端に「導電性、機械的特性、サイズ、成長方向の制御された長時間の細胞操作用CNF探針」を一括生産するための基本技術を開発する。 |
603 |
圧力振動場での非ニュートン流体中の複数気泡の移動現象に関する実験的研究 |
岩田 修一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
高分子材料の製造工程では、樹脂原料液に混入した微小な気泡を除去することが、高品質の製品を得るために不可欠である。このために高価で大がかりな脱泡装置が使用されている。本課題は、非ニュートン(Shear-thinning性)流体中に設置された複数気泡へ圧力振動を適用することにより、簡便な脱泡促進技術の開発を目指す。このために、今進めている気泡間の相互作用ならびに気泡移動特性を実験的に解析する研究の成果を発展させるものである。 |
604 |
不均一場を利用する高性能分離カラムの開発 |
北川 慎也 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
現在、生体中のタンパク質や代謝物の時間的・空間的変化の網羅的解析が精力的に研究されている。これらの研究においては数多くの物質を分析するための分離分析技術が不可欠であり、その高性能化が強く求められている。本研究は、分離性能の向上のため、従来のカラムよりもピーク巾を小さくすることが可能である、不均一場を利用した新規液体クロマトグラフィー用カラムの開発を行う。 |
605 |
圧電アクチュエータ用鉛フリー積層薄膜の開発 |
柿本 健一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
現行の圧電材料の多くには人体に有害となる鉛を含有しているが、これを排除するための代替材料技術が未だ確立されていない。本研究では環境と調和する循環型社会の実現のために、代替が困難と考えられている圧電体薄膜の鉛フリー化を目的にした材料開発研究を行う。アルカリニオブ酸系金属アルコキシドを主原料にして、化学溶液堆積(CSD)法によってシリコン基板上に積層薄膜を精密合成するプロセス開発とその特性評価を実施する。 |
606 |
WWW上の電子商取引のための自律的宣伝交渉ソフトウエアの開発と応用 |
伊藤 孝行 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究では、ユーザーが広告を通して実際に売買が成立した場合にのみカウントする(Cost Per Engagement:EPC)という新しい広告配信課金メカニズムを実現する。今までの研究の成果を適用し、EPCを実現するために、広告自体をひとつの自律的に宣伝と交渉を行うソフトウェアモジュールとして実装する。すなわち、広告自体が、ある程度の推論機構を持つことで、顧客と直接商談を進める。 |
607 |
脂肪族オリゴエーテルデンドロンのリチウムイオン電池用添加剤としての応用 |
石垣 友三 |
名古屋市工業研究所 |
瀬野 義隆 |
科学技術交流財団 |
リチウムイオン二次電池の不良の原因で最も多いのは「膨れ」である。この不良はサイクル時と高温貯蔵時の活性な電極表面上で溶媒あるいはリチウム塩が副反応により気体分子に分解されることによって引き起こされる。本研究では電解液に数%添加すると電極表面と優先的に反応することで皮膜を形成し、溶媒分子やリチウム塩が直接電極表面と接触するのを阻害して副反応を抑制し、膨れを低減する添加剤を開発する。 |
608 |
荷電コロイド結晶を用いた大型・高品質フォトニック材料の開発 |
山中 淳平 |
名古屋市立大学 |
羽田 裕 |
名古屋産業科学研究所 |
本課題では、本代表研究者らが最近見出した、一方向加熱による大型・高品質コロイド単結晶の作成原理に基づき、当該単結晶をフォトニック結晶として実用化するための試験研究を実施する。具体的には、 (a)回折波長:可視光領域(400〜800 nm)の任意の値、(b)回折波長の空間均一性:標準偏差0.1%以下、(c)回折効率:99.5 %以上、(d)結晶端面に結晶格子面が平行に配向、の諸特性を持ち、かつ(e)単結晶サイズ:1cm×1cm×4cm以上のコロイド結晶を、(f)数十分以内に作製することを目標とする。 |
609 |
液相還元法による金属銅ナノ微粒子の合成と形態デザイン |
興戸 正純 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
金属ナノ粒子は電子材料など多くの応用が期待される。Pt, Au, Pd, Ag貴金属ナノ粒子はボトムアップ法で作製されるが、それら金属より卑であるCuでは有効な工業的手法がほとんどない。そこで、液相プロセスにより、10 nm〜100 nmサイズの単分銅ナノ粒子の合成を目的とする。微粒子のサイズ・形態制御法、微粒子間の凝集制御法、表面酸化防止法を検討し、寸法因子と機能因子の相関を明らかにする。 |
610 |
新しい可視光応答型光触媒の開発に関する研究 |
鈴木 憲司 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
太陽エネルギーを有効に利用するために可視光応答型光触媒の開発が求められている。ブラウンミラライト型複合酸化物であるカルシウムフェライト(Ca2Fe2O5)粉末をメチレンブルー水溶液に分散し、可視光のみの照射で、濃青色から淡青色へに脱色することを確認した。また、反射スペクトルから求めたCa2Fe2O5の吸収端は633nm(1.96eV)であり、可視光応答型光触媒として有効であることが確認された。本研究では、ブラウンミラライト型複合酸化物であるカルシウムフェライトの可視光応答型光触媒への実用化を図る。 |
611 |
ブロック共重合体パターンを鋳型とした微細造形技術の開発 |
関 隆広 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
ブロック共重合体が形成するミクロ相分離構造は、光や電子線リソグラフィーの高価な装置を要せずして数10nmサイズレベルの規則パターンが自発的に形成されるため、高分子ナノテクノロジー分野における新たな展開が切望されている。当グループでは、水面展開単分子膜系において、平面に大面積にて再現良く規則パターンを形成する手法を開発した。本研究は、この規則パターンを鋳型に用いて、安価な真空紫外光照射装置にて汎用高分子膜に数10 nmの微細な造型を施す手法の開発と確立を試みる。 |
612 |
導電性を有する耐摩耗性DLCコーティング法の開発 |
大竹 尚登 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本研究は、代表研究者らの開発した「セグメント構造DLC膜」を発展させ、具体的には従来の連続膜に対して碁盤の目の構造を有するDLC膜を形成し(セグメント構造)、さらにこの溝部に金属を導入することにより、導電性を有し、かつ高い耐摩耗性を有するDLC膜を開発する研究である。既に基礎的試験でセグメント構造にすることにより摩耗が改善されること、及びその原因がアブレシブ摩耗の低減であることが確認できており、自動車部品や機械部品等、導電性が必要不可欠で、かつ高い耐摩耗性性能が要求される幅広い部材への適用が期待される。 |
613 |
発光性色素 / 粘土ハイブリッド固体材料を用いた温湿度センサーの開発 |
笹井 亮 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本研究課題では、無機固体ホストとしてカチオン交換性粘土を用い、その二次元ナノ空間へ”発光性色素”と色素間の分子間相互作用による発光消光の抑制を担う"短鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩"を共包接することで『層間の水分量に依存した単量体発行量子収率をもつ固体材料』を創製し、発光型湿度センサーへの実用を目指す。また、近年問題となりそのオンサイトでのセンシングが必要とされている各種有害有機化合物の吸着に伴う発光性色素の発光量子収率変化について精査することにより、湿度にとどまらず多くの有機化合物をセンシング可能な発光型センサーの開発も目指す。 |
614 |
計測・制御のためのキロヘルツ帯電力線通信方式の高信頼性化 |
片山 正昭 |
名古屋大学 |
山田 義憲 |
名古屋産業科学研究所 |
電力線通信で、キロヘルツ帯(10kHz〜450kHz)を用いて、計測・制御での利用に耐える高い信頼性を実現する技術の試験開発を行う。このために電力線の信号伝送特性・雑音特性について長期間の多点連続観測を行い、定常的特性だけでなく、信頼性を低下させる原因となる単発的な伝送性能低下現象の抽出を行う。さらに、電力線特有の性質を活用した適応符号化・変調および適応復調・復号を行う通信システムの提案・評価を行う。 |
615 |
高効率並列タンデム型色素増感太陽電池の開発に関する研究 |
森 竜雄 |
名古屋大学 |
山田 義憲 |
名古屋産業科学研究所 |
従来のタンデム素子はタンデム化により透明電極基板と背面半透明金属基板の透過率は低いので、前面素子を透過した光強度は40%未満になる。また縦列接続のため、インピーダンスが高い部分の影響を素子全体で受ける。そのため、効果的ではなかった。本アイデアは、従来の背面電極の代わりにメッシュ電極(透過率は50%以上)を利用して、光を背面側の活性層に到達させることができるので、極めて有効に発電させることができる。また、並列接続であるために個々のインピーダンスの影響は小さいのでマッチングが簡便である。 |
616 |
低毒性半導体ナノ粒子を用いる増感太陽電池の開発 |
鳥本 司 |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
無機化合物の1つである半導体ナノ粒子は、量子サイズ効果の発現のために化学組成は全く同じであってもその形状に依存して、物理化学特性が大きく変化するという特徴をもつ。このような特徴は、有機色素にはない。本研究では、有機色素に代わる増感剤としてカルコパイライト構造半導体ナノ粒子をもちい、粒子サイズを精密に制御することにより、太陽光吸収特性を向上させる。さらに、酸化物半導体多孔質電極上に固定して増感太陽電池を作製し、そのエネルギー変換効率の向上を目指す。 |
617 |
金属ナノ粒子の高純度合成法の開発 |
岡崎 健一 |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
液相化学合成法では、均一なサイズの金属ナノ粒子を大量に得ることができるが、前駆体として用いた化学種の分解生成物が共存する。そのため得られた粒子をそのまま触媒として利用することはあまり適切ではない。そこで、本研究では、未反応の前駆体や副生成物が生じない新規ナノ粒子合成法を開発する。具体的には、蒸気圧の極めて低い液体に、金属を真空蒸着することによって、バルク材料から直接的に金属あるいは合金のナノ粒子を作製するとともに、そのサイズ分布制御法を確立する。 |
618 |
非金属系超原子化ヨウ素化合物を触媒に用いる高効率環境低負荷型アルコール酸化反応の開発と実用的応用 |
ウヤヌク ムハメット |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
環境に優しい有機分子酸化剤である超原子価ヨウ素が触媒的に作用する真に有効な酸化反応の開発を行う。まず、既存の超原子価ヨウ素化合物を出発点に置いて、その構造骨格と酸化能力及び安定性の関係を精密に検討する。新規超原子価ヨウ素化合物の設計を行い、アルコールの酸化による力量の高いカルボニル化合物の合成プロセスの実現を目指す。そして、ラセミアルコールの酸化反応による速度論的分割に有効な不斉酸化触媒を設計する。 |
619 |
マイクロエレクトロメカニカルシステムデバイス用非鉛系圧電体薄膜の開発 |
坂本 渉 |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
本試験研究では、環境に優しい簡便かつ低コストな化学溶液法により、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)デバイス用非鉛系圧電体薄膜を開発し、発現する諸特性を評価して実用化への問題点と対策を明らかにする。ここでは、望む機能を達成するために重要な非鉛圧電体組成を有する前駆体溶液設計、実用化を見据えた基板上への直接作製および半導体プロセスに適応可能な加熱処理条件など作製条件の最適化、さらに圧電変位量向上のための結晶成長方位制御の達成も目指す。 |
620 |
イオン交換ヘテロポリ酸による高効率固体ルイス酸触媒の開発 |
清水 研一 |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
Friedel-Crafts反応は医薬品や香料の製造に必要不可欠な反応であるが廃棄物を多量に副生する点が問題である。固体酸触媒とカルボン酸を用いるアシル化反応は従来法と比べ副生成物を大幅に減少できるが、反応性が低いため多量の触媒や高い反応温度など過酷な反応条件が必要とされている。本研究では金属イオン交換ヘテロポリ酸を固体ルイス酸触媒として用い高効率でFriedel-Crafts反応を促進させることを目的としている。 |
621 |
多価カチオン導入ヘテロポリ酸による高効率エステル化触媒の開発 |
薩摩 篤 |
名古屋大学 |
大森 茂嘉 |
名古屋産業科学研究所 |
エステル化反応には酸触媒として均一系の硫酸などが用いられるが、廃酸などの廃棄物が大量に生成する。これに対し高活性、分離が容易でリサイクル可能な固体酸触媒として多価カチオンを導入ヘテロポリ酸を、申請者らは報告している。本申請研究では、この新規な固体酸触媒によるエステル化の適用範囲を幅広く検討し、他の脱水環化等にも応用するとともに、その構造と反応機構の検討を行い、実用化に向けて基盤を固める。 |
622 |
CNx膜の超低摩擦現象の工作機械摺道面への適用 |
梅原 徳次 |
名古屋大学 |
長谷川 健 |
名古屋産業科学研究所 |
代表研究者は、1998年にイオンビームミキシング法により理論的にはダイアモンドと同程度の硬さを有するというCNxを成膜し、窒素吹き付け中における超低摩擦現象を発見した。しかし、実際の適用を待たれる工作機械の摺道面への適用が可能かは不明である。工作機械では、広い速度範囲で超低摩擦を発現することが重要であり、かつ加工精度を保つため、摺道面の隙間が速度に依存せず一定に確保することが必要である。そこで、本研究では、CNx膜を成膜したスラスト軸受により、工作機械ど同等のすべり条件を与え、工作機械の摺道面として適用可能であることを実証する。 |
623 |
フッ素樹脂のパルスプラズマ昇華によるガス無供給でのフッソ含有DLC成膜 |
上坂 裕之 |
名古屋大学 |
長谷川 健 |
名古屋産業科学研究所 |
フッ素含有DLC(Diamond−Like Carbon)は、DLC本来の高硬度・低摩擦・低摩耗といった良好な機械特性を備えつつ、C-F結合に起因する低表面エネルギー面を形成する。よって、次世代のDLCのひとつとして期待され、撥水膜、生体材料との付着を抑制する膜、金型と樹脂成型品との離型性を向上する膜などへの応用が期待されている。本研究では、フッ素系固体樹脂のパルスプラズマ昇華現象を利用した新しいフッ素含有DLC成膜法を提案する。提案方法は、従来のプラズマCVD法のようにガス供給の必要がなく、従って簡素な装置構成により低コストでフッ素含有DLC成膜が行える。 |
624 |
古民家等の改修における古材の物性に関する非破壊評価法の開発と応用 |
佐々木 康寿 |
名古屋大学 |
伊藤 靖浩 |
名古屋大学 |
現在、木造建築物の改修・改築等においては、熟練大工の目視と経験によって、部材(木材)の再使用を決定しており、保有強度に関する科学的検証は行われていない。このため、代表研究者は、建築物の状態で部材の「応力波伝播速度」を測定することにより保有強度を推定する方法を新しく開発した(特許出願中)。今回、実大の構造部材(柱、梁など)に対して新開発の方法により強度を推定すると同時に、解体後、静的負荷による曲げ強度試験を実施し、両者から得られる強度値の比較・検討を行い、部材保有強度推定法の妥当性を確認し、実用化に結びつける。 |
625 |
すす粒子赤熱法を利用した小型ディーゼル微粒子濃度計の開発 |
山本 和弘 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
ディーゼル排気ガス中のすす粒子は健康被害の一因となっていることから、その排出低減が強く望まれている。近年、ディーゼル車の排気ガス規制が次第に強化されており、走行車両の排ガスや微粒子の高精度測定は重要な課題となっている。従来の測定装置は大型で非常に高価であり、またデータを解析するのにかなりの時間が必要であった。そこで我々は、小型で安価なディーゼル微粒子濃度計の開発を行う。 |
626 |
ノーマリオフ型 GaN MOSFET の開発 |
水谷 孝 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
ノーマリオフ型GaN FETは高周波、高耐圧、高出力で動作するトランジスタとして期待が高い。しかし従来のデバイスでは寄生抵抗が大きい、オン電流が小さいという課題を有していた。本研究ではこの課題を解決する方法として新たに提案したゲートオーバーラップ構造MOSFETによりゲート順バイアス電圧の増大を図るとともに、これにより寄生抵抗の低減・オン電流の飛躍的増大を実現する。 |
627 |
身体の協調構造を利用した運動補助システムの開発 |
宇野 洋二 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
人間の身体は複雑な筋骨格から成るが、個々の筋肉がばらばらに働くのではなく、神経系により全体として調和のとれた動きを実現している。本研究では、このような運動の協調構造に着目して、高齢者や身体障害者の動作を補助し、転倒を防止するために、運動を予測的に制御するシステムの開発をめざす。特に、健常な身体部分の初期動作からユーザ(障害者)の意図する動きの全体を推定し、障害・麻痺のある身体部分の運動を補助するシステムを構築する。 |
628 |
高密度分散量子ドット埋め込み構造を用いた広帯域光源の開発 |
渕 真悟 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
分散量子ドットを用いた広帯域光源を開発している。既に、分散量子ドットから十分な広帯域発光を得ており、又、光出力の増大を目的として、高密度InAsP分散量子ドットの形成に成功している。しかし、キャップ層成長のために昇温すると、InAsP量子ドットが肥大化し発光しなくなる。本研究では、高密度InAsP量子ドットを肥大化させずに埋込む方法として、二段階成長キャップ層を用いる。そのために、キャップ層材料や具体的なガスフロー・温度シーケンスを検討する。 |
629 |
定量測定可能な摩擦力顕微鏡用マイクロプローブの開発 |
福澤 健二 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
走査型プローブ顕微鏡の一種である摩擦力顕微鏡は、ナノメートル分解能で摩擦特性分布の可視化を可能とし、ナノ摩擦・摩耗・潤滑現象の解明、および複合材料の構成材料分布の可視化など、学術・産業両分野で広く用いられている。しかし、従来のカンチレバー形(矩形)プローブでは、構造上の問題から、摩擦特性の定量評価に必須な水平力(摩擦力)と鉛直力(荷重)の精密測定が原理的に困難であった。本研究では、二方向に独立変形可能な全く新規な構造のマイクロ・メカニカルプローブを開発し、定量測定可能な摩擦力顕微鏡を実現する。 |
630 |
免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムの開発 |
伊藤 義人 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
橋梁やビルなどの社会基盤施設において、大規模地震に対しても被害を最少にするため、最近は免震ゴム支承を多く用いる。従来、免震ゴム支承の性能表示は出荷時の繰り返し載荷試験結果のみであり、構造物のライフタイム(供用期間)の経年劣化は、基礎データがないため無視してきた。しかし、社会基盤構造物の長寿命化が必須になっており、橋梁やビルなどでは100年間のライフタイムを想定する必要がでてきている。そこで、建設される周辺環境条件を個別に考慮できる劣化評価手法を確立し、免震ゴム支承のライフタイム性能表示システムを開発する。 |
631 |
多元系溶媒による3C−SiC結晶の低温溶液成長 |
宇治原 徹 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
SiCは次世代パワーデバイス用材料として期待されるが、その実用化においては、基板結晶の高品質化と同時に、これまであまり研究が行われていない低温安定3C-SiC相基板の実現が重要である。高品質結晶や低温安定相の成長には、溶液法が有効であるが、基板結晶サイズを作製するには、低温でかつ高速成長が必要となる。本研究開発では、多元溶媒により溶液成長による3C-SiCバルク結晶の実現を目的とする。 |
632 |
金属ナノ粒子複合化による高機能光材料の開発と応用 |
中村 新男 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
金属ナノ粒子は表面プラズモンによる光電場の増強効果によって特異な光学応答を示す。一方、一次元の構造と電子状態をもつカーボンナノチューブは光通信波長域において鋭い光学応答を示す。本研究は、金ナノプリズム、ロッドとカーボンナノチューブの複合化によって光学特性の増強を図ることを目的とする。両者を複合化した配向膜を作製する技術を開発し、光通信波長を含む近赤外光領域における直線偏光特性(2色性)と過飽和吸収特性の増強、および光強度に対する耐性向上を目指す。 |
633 |
高硬度で親油性の高いコーティング膜の低温合成技術 |
田邊 靖博 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
複雑形状を有する可動部材、あるいは耐熱樹脂へのコーティングを可能にする、硬くて高い親油性を有する高性能な低摩擦・低摩耗コーティング膜を溶液から低温で簡便かつ省エネルギーなプロセスで合成する。本プロセスの確立と材料の創出は、輸送機器のエネルギー効率向上、耐熱樹脂部材の耐久性向上、さらには機械システムの部材軽量化による省エネルギーに大きな貢献が期待できる。 |
634 |
多孔質ナノ微粒子凝集体の調製と触媒の展着・高分子材料への分散 |
棚橋 満 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
各種高分子材料中への触媒の新規均一分散技術の開発を目的とした研究である。シリカナノ粒子の水溶液分散系(コロイダル水溶液)の安定度を制御することにより、広大な比表面積を有する多孔質シリカナノ粒子凝集体を調製する。このシリカ凝集体の表面に触媒機能を有する種々の金属酸化物を展着し、溶融混練法により、この触媒担持シリカ凝集体を各種高分子材料中で破砕・分散させる。このようにして、通常の高分子材料にない優れた特性を有するポリマーコンポジットを簡便に調製するプロセスの確立に取り組むと同時に、調製したコンポジットの各種特性評価も実施しコンポジット材料の用途探索も試みる。 |
635 |
複合酸化物中のエルビウムの配位数で整理した広帯域波長通信用光増幅器材料の開発 |
吉野 正人 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
光ファイバ通信の通信容量の増大に対応するため、実用化している帯域以外での光増幅器の開発が期待されている。酸化物結晶中のエルビウムの発光を利用する提案がなされており、本課題では、これに関連して、複合酸化物中のエルビウムの配位数と増幅可能な波長域との関係に注目し、実用化にかなう性質を持った材料を開発することを目的としている。実用と同じ波長域の励起光によるフォトルミネッセンスのデータの蓄積を行い、実用化のための次のステップに繋がるデータベースを構築することを目標としている。 |
636 |
ナノスケール接合技術の開発と応用 |
安坂 幸師 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
近年、サブナノメートルサイズ構造を有する新規機能性材料のデバイス開発が精力的に行われている。このような極微細なデバイスを製造する場合、サブナノメートルサイズ領域を高精度で接合する技術が必要になる。そこで本研究では、カーボンナノチューブを用いて金属をサブナノメートルサイズ領域に輸送して固定する技術、すなわち、ナノスケール接合技術を開発する。 |
637 |
腸内ガス分析に適した貴金属ナノ粒子機能薄膜の医療応用 |
八木 伸也 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
世界的規模で深刻化している死亡理由の大腸ガンや直腸ガンの早期発見に関する研究は、非常に急務な課題である。しかしながら、その発見や検診については患者の肉体的かつ精神的な負担が非常に大きく、また自覚症状がほとんど見られない状態で進行するため、その適切な治療が手遅れになるという状況が多く存在する。本研究課題では、腸内に発生したガン患部から放出されているガス成分に注目し、非常に微量ではあるが、そのガス成分を特定してそのガス分子を効率よく検出するシステムの構築を行う。 |
638 |
大型複合セラミックの無焼結・ネットシェイプ成形 |
小橋 眞 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
現用セラミックス部材の製造方法には高温が必要であるが、本研究では、低温での大型部材の合成と形状付与を同時に可能にする新たな製造方法の実用化について検討するものである。反応によりセラミックを化学合成する原料粉末を充填した精密鋳型中に、溶融金属を流し込み(無加圧浸透充填)、その後のin situ反応を利用して大型セラミックを無焼結でネットシェイプ合成する新しいプロセス(反応浸透合成法)を開発する。 |
639 |
ナノ分子膜によるリサイクル可能な超はっ水繊維の開発 |
石崎 貴裕 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
本研究では、膜厚1〜2nmの有機単分子膜の「疎水性官能基(ナノレベル)」と「繊維本来の凹凸構造(マイクロレベル)」の特性を融合させ、超はっ水性発現の必要条件である「ロータス効果」を巧みに繊維に導入し、「リサイクル可能な超はっ水繊維」の開発をめざす。ナノ分子膜を被覆した超はっ水繊維は被覆前の繊維と見た目に遜色が無いため、衣類、傘、布帛への応用展開が可能である。 |
640 |
大容量光リング連接ノードシステムの開発 |
佐藤 健一 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
通信ネットワークノードで信号を光信号のまま分岐/挿入並びにルーティングを行う光リング網同士を接続する、超大容量リング間連接ノードシステムの開発を行う。現在インターネットトラフィックの指数関数的な増加に対応するため、北米、日本において光リング網が大規模に導入されつつある。本研究は、そのリング網を接続するノードシステムに関するものである。新しいアイデアに基づくシステム構成により、従来の構成と比べて40-80% 程度の大幅なハードウエア規模の削減が可能となるノードシステムを開発している、今回、そのキーとなる波長パス並びに波長群を統合して合分波できる新しい素子の機能検証を行い、提案ノード構成の実現性を実証する。 |
641 |
フレキシブル透明磁性ナノコンポジット材料の開発 |
余語 利信 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
分子設計した金属−有機化合物前駆体を出発原料に用いて、in situ合成法により、ナノ粒子の結晶性と粒径を制御し、ポリマーマトリックスと化学結合を生成させ、凝集と光散乱を防止することにより、透明でフレキシブルな磁性膜を調製する。特に、マトリックスポリマーの3次元構造、分子量および吸光係数を制御して、成形性とともにその機械的強度を向上させ、フレキシブルかつ磁性透明ナノコンポジットの磁気光学材料としての製造法を確立する。 |
642 |
分子クラスター二次電池の開発と応用 |
阿波賀 邦夫 |
名古屋大学 |
藤縄 祐 |
名古屋大学 |
携帯電話やポータブル電子機器には、広くリチウムイオン二次電池が使用されている。その負極には金属酸化物が用いられているが、充放電にはLiの浸入・排出過程を伴うことから、充放電時間の大幅な短縮はきわめて難しい。そこで本研究においては、二次電池の正極活物質に、配位子を介して遷移金属が結合した金属錯体クラスター分子を用いた『分子クラスター二次電池』を研究開発する。このような分子種を電子プールとして利用し、1分子の多段階酸化還元反応を利用することによって、高出力かつ迅速充放電を実現する。 |
643 |
縦型マイクロチャンネルエピタキシーを利用した結晶基板作製技術の開発 |
成塚 重弥 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
当研究室が提案する独創的な転位低減化結晶成長技術であるマイクロチャンネルエピタキシーを縦型に展開し、太陽電池用結晶基板を安価で量産性の良く作製する手法を開発する。選択成長マスクパターンを作製した基板上に、縦型マイクロチャンネルエピタキシーにより、厚さ100ミクロン程度の板状の結晶構造を配列的に成長する。この板状の結晶構造を分離取り出すことにより、そのまま太陽電池用基板として使用できる。本手法を用いれば、無駄ならびに労力が大きい切削研磨という過程無しに、膜厚がそろった半導体結晶基板を効率よく量産することが出来る。 |
644 |
GaN系窒化物半導体による高性能電力変換素子の開発 |
岩谷 素顕 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
本研究課題では、ワイドギャップかつ、2 次元電子ガスという量子構造が適用可能な、GaN 系III 族窒化物半導体による高性能電力変換素子実現を目指す。特に本研究課題では、電力変換素子として、実用化のキーテクノロジーであるノーマリーオフ型を実現するために、本研究グループが開発したp型GaN層をゲート部分に用いる接合型FETを用いることによって、高性能デバイスを実現することを目的に研究を実施する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
656 |
微量試料中の溶存酸素分子数を絶対測定する装置の開発と応用 |
石田 哲夫 |
滋賀医科大学 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
本課題では、溶液中の酸素分子数の絶対測定を目指している。自然界には、空気飽和よりも低酸素の様々な環境がある。本課題で開発する方法は、低酸素下にある試料の酸素濃度測定を得意とする。測定原理は、酸素分子を等量の有機化合物に共有結合で完全捕獲してからその数を数えるもので、そのために高性能の二原子酸素添加酵素を利用する。当面は、実証試験のための装置を作製するが、将来的には野外でも使用できる小型の専用装置への改良を目標にしている。 |
657 |
新規多孔質ポリ乳酸フィルムの孔径制御による高機能化 |
山中 仁敏 |
滋賀県工業技術総合センター |
川嶋 眞生 |
滋賀県産業支援プラザ |
ポリ乳酸は、バイオマスの有効利用また生分解性を有することから環境負荷の小さい材料として注目されている。一方、多孔質フィルムはその高機能性を利用して菌除去等のフィルター、電池用のセパレーター等の幅広い用途に利用されている。 我々はこれまでの研究開発により、ポリ乳酸で1〜5μmの連続気孔多孔質フィルムおよび0。1〜8μmの独立気泡多孔質フィルムの開発に成功している。このフィルムを高機能化して実用化するために、孔径の分布を小さくしたフィルムの開発、また平均孔径が違えたフィルムの作製を開発する。 |
658 |
マイクロナノ構造体成形に適した電鋳材料の開発 |
安田 吉伸 |
滋賀県東北部工業技術センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
電鋳技術は精密な転写性を有していることから、MEMS(微細電気機械システム)といった最先端技術に応用されている。しかし従来の電鋳材料であるニッケルや銅では@強度不足、A耐久性不足、B材料組織の不均一性などの問題があり、さらなる微細成形品へ応用するには問題があった。 そこで、上記3点の問題点を解決する様な、マイクロナノ構造材料に適した電鋳材料の開発を行う。 |
659 |
自励振動を利用した生体粘弾性のリアルタイム測定装置 |
松村 雄一 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
生体表面下にある組織の“かたさ”を数値化できれば、乳ガンなど表在性組織の触診の定量化や筋組織の疲労評価などに有用であるとされる。しかしながら、ヒトの手指以上に安定かつ高精度に硬さを定量化できる手法は未だ実用化されていない。本研究では、ヒトが手指を生体表面に押し込むことで、形状や物理的性質の異なる部位の硬さを in vivo で瞬時に知覚するのと同様にして、計測装置の先端部を生体表面に押し込み、振動させることで、粘弾性硬さをリアルタイムに計測する装置を開発してきた。本課題では、商品化に向けて精度と応答性を向上させると共に、装置を小型可搬化する。 |
660 |
残存能力を生かす片手用アシスト機能付車椅子の開発 |
安田 寿彦 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
片手しか車椅子操作に使用できない方のために、各種アシスト機能を有する自走式車椅子を開発し、残存能力を有効に活用した自立を支援する。片手で自走式車椅子を操作するために、「安定した直進性と確実な停止能力を生み出す操作機構」、「残存能力の低下を抑制する適度なパワーアシスト」および「“上り坂での逆転防止”、“下り坂での最大速度制限”、“その場旋回制御”などインテリジェントなアシスト機能」を実現する。 |
661 |
高発電特性を有するYSZ/SDC-NiO 電解質膜のCVI 法による作製 |
菊地 憲次 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
SDC-NiOのペレット上にCVI(Chemical Vapor Infiltration)法で透明で緻密なYSZ薄膜を作製する。SDC-NiOの面をカソードにして得た燃料電池の700℃での発電時の電力密度は同じ厚さのYSZ/SDC固体電解質を用いた燃料電池より約2.5倍大きくなる。さらに、NiOの含有率、NiOの粒径やSDCの粒径を制御して発電効率の向上を図り、YSZ/SDC固体電解質を用いた燃料電池より電力密度で4倍程度に大きくする固体電解質の作製を目的とする。 |
662 |
充填材料としての再生反毛わたの品質評価と感性価値製品への適用 |
與倉 弘子 |
滋賀大学 |
宇佐美 照夫 |
滋賀大学 |
充填材料としての再生反毛わたの品質評価と、それを用いた感性価値のある製品の開発を目標とする。再生わたの素材特性として力学特性と熱・水分移動特性を取り上げる。まず、再生わたの素材特性と使用時の快適性との関係、繰り返し圧縮による性能変化の範囲と特徴を明確にする。そして、「人の感性との適合性」と「繊維資源の有効利用」の視点を踏まえた感性価値のある充填材料として、用途の開発に資する技術的方途を提案する。 |
663 |
バクテリアセルロース・コンポジットの流動誘起構造の解析と成形技術への応用 |
千葉 訓司 |
滋賀大学 |
宇佐美 照夫 |
滋賀大学 |
デザートなどの食材「ナタデココ」に含まれるバクテリアセルロースと呼ばれる極細繊維のシートに樹脂を注入すると、複合材料として優れた強度特性を発揮する。更に、紙のように曲げられる次世代の薄型ディスプレイの基板にもなり得る可能性がある。この有望な複合材料を有効に利用するためには、ナノファイバーの構造を用途に応じて制御する成形技術が不可欠であり、この試験研究では、ナノファイバーの流動誘起構造を制御するための基本的な知見を得ることを目的とする。 |
664 |
TEMトモグラフィー技術を用いたナノスケール・イメージベース力学解析手法の確立 |
高野 直樹 |
立命館大学 |
近藤 光行 |
立命館大学 |
X線CTによるマイクロメートルの分解能を持つイメージベース力学解析手法が確立され、多孔質材料や生体分野に普及しつつあるが、本研究では1ナノメートルの高分解能を持つTEMトモグラフィーに基づき、ナノ粒子分散型複合材料を対象としたモルフォロジー分析手法・数値モデリング手法・マルチスケール応力解析手法を確立する。 |
665 |
防災を目的とした超音波による地中含水量評価システムの開発 |
深川 良一 |
立命館大学 |
金丸 まや |
立命館大学 |
降雨による斜面崩壊を予知するために、土砂中の水分量のモニタリングが重要である。現在、その方法として間隙水圧計測をベースとするテンシオメータが使われているが、常時計測セル内の水の補給管理が必要である。また土砂の導電率や誘電特性を電気的に測定して水分を測定する方法もあるが、設置上の問題などがある。そこで本研究では、小型で容易に設置できて常時メンテナンスを必要としない土砂中水分モニタリング法として、超音波を利用した非接触計測法を提案し、実用化に向けて基礎特性と有効性を明らかにする。 |
666 |
下水汚泥溶融スラグのコンクリート用骨材としての実用化研究 |
児島 孝之 |
立命館大学 |
金丸 まや |
立命館大学 |
本課題は、下水汚泥溶融スラグのコンクリート用粗骨材としての利用用途拡大を目的とし、下水汚泥溶融スラグ粗骨材の生コンクリートおよび実構造物への適用に向けた実験的研究を行うものである。まず、下水汚泥溶融スラグの質管理・評価手法を提案し、長期強度発現性や耐久性、RCはりの曲げおよびせん断特性・耐荷挙動などについて検討することにより、下水道の普及に伴い年々増加傾向にある下水汚泥の有効な利用方法を提案する。 |
667 |
ライフサイエンスのためのナノバイオエレクトロニクスの開発研究 |
磯野 吉正 |
立命館大学 |
工藤 真弓 |
立命館大学 |
本研究目的は、MEMS技術およびナノ加工技術を用いて「電界効果トランジスタ(FET)型ナノバイオデバイス」を開発することにより、同デバイス内で生じる抗原抗体反応を電荷信号として検知する、新規なラベルフリー・タンパク分析技術を確立することである。 本研究で提案するデバイスは、新規なライフサイエンス・ツールとして活用できるだけでなく、将来のバイオエレクトロニクスへの発展も期待できるデバイスである。 |
668 |
牛乳をベースとする新規機能性調味液の製造法の開発 |
若山 守 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
食は生の源であり、健康な生活を送るうえで最も基本となるものである。近年、食に対して、美味しさはもちろんのこと、基本としての栄養に加えて付加的な機能を付与した機能性健康食品が人気を集めている。本応募課題では、生産調節が難しく、余剰生産においては廃棄処分せざるを得ない状況にある牛乳の有効活用技術として、牛乳をベースとする発酵調味液の生産法の開発を行うことを目的としている。牛乳をベースとすることにより、これまでにない風味を持つと共に、牛乳に含まれる機能性成分を十分に保持した日本発の西洋料理に適した機能性調味液を創出することを目標にしている。 |
669 |
ヒトの筋出力特性を三次元曲面により評価する新手法の開発とその応用 |
伊坂 忠夫 |
立命館大学 |
西村 亮 |
立命館大学 |
これまでの筋出力特性の評価法において、これまで三次元曲面のデータが提示された研究はみられるが、定性的な評価のみで定量的な解析は行われていなかった。われわれは、すでに制御精度の高いインピーダンス可変測定装置を開発し、それを利用して、角度・角速度・トルクのデータを同時取得し三次元定量評価法を開発している。本研究ではさらに詳細な検討と実際のトレーニング場面へ応用するための試験的なトレーニング実験を行う。 |
670 |
視覚を用いた布の展開と定置に関する技術開発 |
平井 慎一 |
立命館大学 |
西村 亮 |
立命館大学 |
ロボットがテーブルの上に置かれた布を摘み上げ、展開するとともに指定された位置に定置する技術を開発する。布を操作する技術は、柔らかく変形しやすい物体を扱う機械システムの基礎になる。本研究開発では、曲がっている布の形状を視覚で認識するとともに、布を展開する技術を開発することを目的とする。 |
671 |
感度安定型PZT素子を用いたインフラ構造物の健全性監視システムの開発 |
日下 貴之 |
立命館大学 |
矢野 均 |
立命館大学 |
トンネル等でのコンクリート剥落事故に見られるように、様々なインフラ構造物で老朽化や強度不足が問題視されるようになっている。従来、この種の構造物の健全性評価は、定期検査ベースで行われるのが一般的であったが、近年、構造欠陥の早期発見、検査コストの削減などの観点から、構造物中に各種のセンサーを埋め込むことによって、構造物の健全性を常時監視できるシステムの開発が精力的に行われている。本研究では、これまでに申請者らが開発した高性能PZT素子と損傷可視化技術を応用して、鉄道橋や道路橋などの健全性を常時監視できるシステムを開発し製品化することを狙う。 |
672 |
能衣装のデジタルアーカイブ化及び新作デザインの試作シミュレーション |
CAI KANGYING |
立命館大学 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
無形文化財のデジタルアーカイブ化においては、光学特性の忠実な再現にまでは至っていない。能衣装は複数の光学特性を持っており、光学特性を観測するためには無数の光源・視線方向の組み合わせた条件が必要である。本研究では、能衣装の各種の光学特性を視線方向の固定下で獲得した画像から忠実にモデル化し再現することを目的とする。能衣装のデジタルアーカイブ化及び新作デザインの試作シミュレーションを目標とする。 |
673 |
レオロジー物体の変形シミュレータの構築 |
田中 弘美 |
立命館大学 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
医用画像処理やコンピュータグラフィックスの分野においては、柔軟物体の変形シミュレーションが技術的に重要な課題であり、変形シミュレーションに適した高精度なリアルタイムの表現手法が必要となる。しかしながら、レオロジー物体の変形シミュレーションを高速かつ高精度に行う技術は未だ確立されていない。そこで、本研究では、レオロジー物体の変形シミュレーションを高精度にリアルタイムに行う技術を提供することを目的とする。 |
674 |
針先端形状を考慮した穿刺シミュレーションモデルの開発 |
山口 哲 |
立命館大学 |
柳瀬 圭志 |
立命館大学 |
近年、低侵襲外科手術療法の一つとして広く行われている穿刺療法は、従来の外科手術に比べ、患者への負担が少なく、術後の早期回復が可能である。しかし、医師の意図に反して穿刺中に針が曲がって進むことがあり、正しく患部に到達させることは非常に困難である。本研究では臓器のような軟性組織へ穿刺した際に針先端、側面に生じる物理現象を解明し、術中に的確な穿刺軌道を提示可能な穿刺シミュレーションモデルの構築を目指す。 |
675 |
文書間の類似性に基づく柔軟な情報検索システムの開発 |
小柳 滋 |
立命館大学 |
廣瀬 充重 |
立命館大学 |
電子文書の急激な拡大により、従来の検索技術では精度よく検索することが困難となっている。このため、単純なキーワードの一致ではなく、文書の内容全体の類似性を判断する柔軟な検索方法、及び検索結果をわかりやすく整理して提示する技術の必要性はますます高まっている。本提案は文書間の類似性を判断することにより関連する文書を階層的にクラスタ化し、クラスタ間の関連を視覚化することにより、検索結果を提示する技術を開発する。 |
676 |
小型表示装置における虫眼鏡式ユーザインタフェースの実現 |
野中 誉子 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
携帯電話や携帯音楽プレーヤなど、小型表示装置を備えた端末の高機能化に伴い、表示すべき情報も増加しており、限られた表示面積に効率よく情報を提示する必要がある。そこで、小型表示装置を備えた端末を虫眼鏡に見立てて動かすと、表示される出力画面があたかも虫眼鏡で見える正立像のように変わる「虫眼鏡式ユーザインタフェース」の実現を目指す。まず、実際のユーザの操作から検出すべき端末の動きを検討し、複数センサを組み合わせた端末の動き検出システムを開発する。ついで、自然な操作感となるように、検出した端末の動きを表示画面に対応づけ、入出力を一体化する。 |
677 |
外来緑化植物種の生態調査に基づく地域産樹木種による緑化手法に関する開発 |
宮浦 富保 |
龍谷大学 |
上條 栄治 |
龍谷大学 |
2005年に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で規制対象となる植物種には、従来の緑化工事で頻繁に用いられてきた植物種が多く含まれている。本研究では、緑化工事に用いられた植物を特定外来生物として扱うことの適否を科学的に明らかにし、更に代替の地域産緑化植物種を選定し、緑化に利用する具体的な方法を提案することを目的としている。 |
678 |
琵琶湖沿岸部・河口部におけるアユの生態調査とアユ資源保護への応用 |
遊磨 正秀 |
龍谷大学 |
上條 栄治 |
龍谷大学 |
冬季のアユ仔稚魚の生態に関しては、砂浜海岸や河口の岸際に生息することが判明し始めたが、海と川を回遊する一般のアユとは異なり、琵琶湖ですごすアユ仔稚魚の生態情報は皆無に等しい。本研究では、漁業者の協力のもとに、琵琶湖におけるアユ仔稚魚の生息場所利用を明らかにし、アユ仔稚魚が利用していると予想される琵琶湖砂礫浜や河口における環境整備に関してアユ資源保全のための新たな施策に資することを目的とする。 |
679 |
消火活動の策定支援システムの開発とその応用 |
宇土 顕彦 |
龍谷大学 |
上條 栄治 |
龍谷大学 |
本研究は、配水管網の定常流解析に関して流出量の圧力依存性の扱いを可能にしたこれまでの成果をもとに、災害時の管網内の非日常的な流れを、開栓される消火栓の数、ポンプ車の能力・配置、ホース・ノズルの水理特性などから、総合的に解析し的確な消火活動を具体的に策定する支援システムの開発を目的とする。ポンプ車の到着までのホースを消火栓に直結した消火活動の検討や、神社・仏閣・文化財地区の放水銃を主体とする管網への応用も可能になる。 |
680 |
生理活性を有する高分子量酵素法ポリフェノールの開発 |
辻本 敬 |
龍谷大学 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
近年、環境にやさしい高分子材料の開発が注目されているが、製品そのものだけでなく合成プロセスにおいても毒性の少ない触媒や試薬等の使用が切望されている。本研究では生体触媒である酵素を重合触媒に利用し、水中において高分子ポリフェノールの合成を行う。また、得られるポリフェノール微粒子を担持体として利用し、機能化を検討する。 |
681 |
迅速かつ目視で評価可能な酵素阻害剤スクリーニングシステムの開発 |
宮武 智弘 |
龍谷大学 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
酵素活性や阻害作用のある多くの物質を評価・探索するため、阻害剤を含む酵素反応溶液中の基質(あるいは生成物)の濃度変化を蛍光強度の変化として検出し、様々な酵素阻害剤の活性を迅速かつ目視で評価できるスクリーニングシステムを開発する。この成果を医薬品等の開発でネックとなっている阻害剤の迅速スクリーニングへの応用を目指す。 |
682 |
フローセルを利用した重金属イオン微量分析法の開発 |
糟野 潤 |
龍谷大学 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
対流効果による重金属イオンの電極表面への高濃縮が期待できるフローセルを開発し、同セルと電気化学測定法を組み合わせて重金属イオンの迅速かつ高感度な検出を目指す。現場での迅速分析を考慮し、測定セルは有機溶媒や水銀電極といった有害物質を一切使わないもの、かつ微量のサンプルで測定できるように設計する。また、サンプル採取からサンプル溶液の測定セルへの導入までを1つのラインで行える装置を構築する。 |
683 |
麻布の回転ローラー式砧加工装置の開発研究 |
堀川 武 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
宮古島に伝わる宮古上布など伝統産業の麻織物は吸湿性や肌触りに優れている。麻布は繊維が太く、硬いことから、木杵を使って職人が麻布を叩く、砧加工を行い、肌触りをよくし、光沢を出すことにより、高級な麻布を製作してきた。しかし後継者不足の為技術伝承が途絶える状況にある。本研究では、金属ローラーに無数の鋼球を埋め込み、麻布を挟み込んで砧加工の効果を与えると共に、布を繰返し折り曲げる金属疲労の原理を利用した方法を組み合わせた、新規の「回転ローラー式砧加工装置」を開発し、加工布の特性を調べ、繊維の割れ状態を電子顕微鏡を用いて観察する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
684 |
発芽黒大豆抽出液の機能性食品としての開発 |
深見 治一 |
京都学園大学 |
谷 吉樹 |
京都学園大学 |
”丹波の黒豆“で有名な地域特産の黒大豆を発芽させることにより、有用なオリゴペプチド、アミノ酸類、アントシアニンの誘導体などが生成することが期待される。発芽時期に合わせて、発芽黒大豆を水抽出画分やアルコール抽出画分などに分画し、in vitro活性試験を検討する。機能性を示した画分については、動物実験等で確認を行い、新規機能性食品素材として開発につなげる。また、活性成分の同定も検討する。 |
685 |
鋼表層へのMo粉末プラズマ溶接による高耐食性表面の創製 |
秋山 雅義 |
京都工芸繊維大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
プラズマ溶接技術を用いて鋼表層にMoを濃化させ、耐食性に優れた表面を創製する技術を開発する。Mo粉末を単にプラズマに載せて溶接すると、大半は飛散・燃焼し溶接表面が割れる。Mo粉末を予めシールしてベースメタル上に置き、それをベースメタル粉末を載せたプラズマで叩き、Moの飛散・燃焼を防ぐと共に溶接割れを防止する。シール材、シール方法、ベースメタル粉末を選定、Mo粉末とシール材の適性比を特定する。 |
686 |
キャリアドープによるGaN系希薄磁性半導体の磁性制御 |
園田 早紀 |
京都工芸繊維大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
磁性元素のマンガン(Mn)を数%添加した窒化ガリウム(GaMnN)は、結晶中に希薄に存在するMnの間をキャリアが動き回ることで強磁性(磁石)になる、「キャリア誘起強磁性半導体」である。半導体と磁石の性質を両方持つため、これまで別々に構成されてきた半導体デバイスと磁気デバイスを一つのデバイスに融合できる新しい材料として注目を集めている。本研究では、GaMnNにSiなど安定なドナーを添加して、強磁性を発現させ、実用的なデバイスの実現を目指す。 |
687 |
微粒子衝突法による金属材料の表面創製とナノ結晶化 |
森田 辰郎 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
微粒子衝突処理法を用いて金属材料の極表面に高圧縮残留応力を付与すると同時に表面組織のナノ結晶化を実現し、優れた機能性を有する表面層を創製する。本研究の具体的な目的は、上記の方法により各種金属材料の顕著な高疲労強度化と耐食性等の機能性改善を同時的に実現することである。また学術的側面から、各種分析機器を駆使して疲労強度および耐食性等が顕著に改善する理由を明確に把握しようと試みる。 |
688 |
一次元ホール輸送材料としての色素修飾アミロース-ヨウ素包接錯体の開発 |
森末 光彦 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
従来の色素増感型太陽電池では、還元剤として使用されるヨウ素の拡散過程を伴いながらバルク電解質溶液中をホール輸送することで増感色素の還元を行っていた。ここではヨウ素を配列させることによって、ホール輸送の高効率化を達成することを目標とする。 第一段階として本研究ではヨウ素がアミロースの螺旋構造に包接されて一次元に配列する「ヨウ素-デンプン反応」として知られる着色反応に着目し、太陽光の受光部位となる色素を修飾したアミロースを新規に合成し、 これとヨウ素との包接錯体の組織化を行う。 |
689 |
ステイン法によるガラスのフルカラー着色のための基礎的研究 |
角野 広平 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
ステイン法とは、銀や銅の無機化合物を含むペースト(ステイン)をガラスに塗布し、熱処理することによって、これらのイオンをガラス表面内に導入し、ガラスそのものの表面付近を着色する技術である。本研究は、フルカラー着色の実現を最終目標としており、そのために、本課題では、ガラスの組成、溶融条件と発色との関係について調査し、同じガラス基板上で、三原色を同時に発色させるための基礎技術の確立を目指す。 |
690 |
超音波を用いたソフトマテリアルに対する新しい非接触解析法の開発 |
則末 智久 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
近年のレーザー回折・動的光散乱技術の進歩により、サブミクロン構造体の大きさや分布を容易に解析できるようになった。その一方でこれらの手法には、気泡による反射や試料の乳濁の問題がある。本研究では、超音波が“媒体を振動して伝わる波”であることに注目した、新しい時間相関法をベースとする非接触ミクロン構造解析法を開発する。それにより、不透明で中身が判断できない反応物の分子ダイナミクスを高速に分析できる新しい技術を開発し、機能性複合材料や発泡材料のリアルタイム解析へと応用する。 |
691 |
乳酸エステルの直接重縮合によるポリ乳酸の合成 |
小林 四郎 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
近年バイオマスプラスチックとしてポリ乳酸が注目されている。ポリ乳酸は乳酸から六員環状ラクチドに導き、その開環重合により製造されているが、その乳酸はバイオマスから乳酸エステルを経由して製造される。本試験研究では乳酸エステルから直接ポリ乳酸を合成する反応を開拓することにより、ポリ乳酸製造の大幅なコスト削減が可能なプロセスの構築を目的とする。実施内容としては、種々のアルコールと乳酸とのエステルを基質として、酵素触媒により重合を試みる。 |
692 |
迅速高感度臨床診断を目指した革新的イムノアッセイ技術の開発 |
熊田 陽一 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究は、申請者が独自に開発した高感度なリポソームイムノアッセイと迅速かつ簡便なワンステップELISAの両方の利点を併せ持つ革新的なイムノアッセイ技術を開発することを目的とする。さらに、プレートの特殊コーティングおよび微細加工を駆使することでアッセイフォーマットを小型化し、数マイクロリットルのサンプル血液中からウィルス、感染症、アレルギー、癌マーカーの検出等、多種多様な医療診断が行えるマイクロアッセイキットの開発を目指す。 |
693 |
緊急車両の接近を聴覚障害者に提示するマルチモーダルインタフェースの開発 |
森本 一成 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
緊急車両の接近を自動的に検知し、それを運転中の聴覚障害者に振動と光により提示するマルチモーダルインタフェースを開発する。聴覚障害者が安心して安全な自動車運転を確保できる情報提示要素の抽出、設計ならびに評価を行う。 |
694 |
ディジタルホログラフィに基づく繊維状物体の3次元姿勢測定法 |
村田 滋 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、切削油中から除去される金属切削屑の3次元挙動計測や高速噴流中の微細な繊維が空間を変形しながら紡がれるプロセスの評価等への応用を目的とし、繊維状微小物体の姿勢変化を単眼ビデオカメラで3次元計測するディジタルホログラフィ技術を開発する。これまで球形状粒子群に対して開発されてきたディジタルホログラフィ計測法を、変形を伴う繊維状物体の姿勢評価ができる手法に拡張し、汎用性の高い計測アルゴリズムを構築する。 |
695 |
生物発光シグナルに基づく細胞内蓄積型レドック性有害金属イオンの時空計測 |
柄谷 肇 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
生物発光能を付与した細胞膜トランスローケーション担体の構築、及び同担体による細胞内レドックス性有害金属イオンの時空センシングを目指す。具体的には生細胞に摂取或は吸収蓄積された有害金属イオンの計測法を確立することを目標として、生物発光関連融合タンパク質の調製;無毒性且つ細胞膜透過性を有するカーボンナノ粒子等への発光関連タンパク質の化学修飾;及び有害金属イオンのin situ 生物発光イメージングを目指す。さらにモデル細胞としての大腸菌、及び酵母に取込まれたsub-ppt〜ppbレベルの有害金属イオンの細胞内分布イメージング法と定量法の確立を目指す。 |
696 |
ヘム結晶化阻害を基盤とする抗マラリア薬の開発 |
亀井 加恵子 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
マラリア原虫は赤血球内でヘモグロビンを分解するが、遊離するヘムが有毒なためにヘムを結晶化して無毒化する機構を持つ。ヘム結晶化を阻害する化合物は抗マラリア薬となる可能性があるため、これまでにヘム結晶化阻害物質のスクリーニング方法を開発した。本研究では、ヘム結晶化阻害物質をスクリーニングする。さらに、ヘム結晶化阻害物質の抗マラリア活性を明らかにし、抗マラリア薬の開発に資する。 |
697 |
エテノ型核酸を用いた核酸検出素子の開発 |
小堀 哲生 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
近い将来、オーダーメイド医療や予防医学の発展に伴って遺伝子診断の必要性が増加することが予想される。そこで我々は、プローブ核酸と標的核酸を混合し、蛍光を測定するだけで、遺伝子の診断ができる遺伝子診断法の開発を目指す。具体的には、活性なアルデヒド基を持つ4-オキソエナール骨格と核酸塩基とが反応し、蛍光性核酸として広く研究されているエテノ核酸を形成する付加反応を応用することにより、標的核酸の検出を目指す。 |
698 |
末梢血流の非定常低周波成分解析による覚醒状態定量化手法の研究 |
小山 恵美 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
覚醒中の眠気のレベルを正確に計測することは、安全性を強く求められる業界の重要課題であり、産業界等における業務効率向上の面からも、同計測に対するニーズは高まりつつある。ところが従来の計測指標である脳波の波形解析法では、被計測者が静止していなければ計測が困難であることから、上記の計測したい場面での応用はできない。このため、本課題では、動いている被計測者においても計測が容易な末梢血流に着目し、その低周波成分を時系列解析する覚醒状態定量化手法を確立する。 |
699 |
マウス神経幹細胞を利用した効率の良い中枢神経発生系の開発 |
黒坂 光 |
京都産業大学 |
物部 剛 |
京都産業大学 |
幹細胞技術の進歩に伴い、神経疾患に対する再生医療の期待が高まっているが、未だ安定した神経細胞の再生系は開発されていない。神経細胞の分化には,効率の良い細胞再生系と、安定したタンパク質発現系が必要である。本研究の目的は、マウス初代培養神経幹細胞などに、神経特異的な糖転移酵素を利用した安定なタンパク質発現系を導入することで、効率の良い神経細胞分化系の開発を試みることである。 |
700 |
5’末端翻訳領域デファレンシャルデスプレー(5’RDD)法の検討と改良 |
別所 親房 |
京都産業大学 |
物部 剛 |
京都産業大学 |
従来のデファレンシャルデスプレー(DD)法は、発現量に差のある遺伝子群を簡便、高感度に表示する優れた方法であるが、mRNAの生物学的情報に乏しい3’末端非翻訳領域を表示する欠点があった。この問題を解決するために、cDNAの5’末端未知領域を増幅する5’RACE法を応用し、mRNAの5’末端翻訳領域を表示する5’RDD法として特許申請した。この方法は、1本鎖cDNA の5’末端に、既知配列のオリゴヌクレオチド(ON)またはオリゴdA (OdA)を結合したものと、ONまたはOdAに相補的なプライマーと任意プライマーを用いてPCRし、DNA産物を寒天ゲル電気泳動して蛍光表示する。 |
701 |
低反応性熔融ルツボを用いたMg-Ag-Y水素吸蔵合金の開発 |
門野 純一郎 |
京都市産業技術研究所 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
電子状態に着目してデザインしたMg-Ag-Y系合金を、低反応性熔融ルツボを有する高周波溶解法を用いて溶製し、水素吸蔵・放出特性を測定、評価する。従来のアーク溶解炉では困難であった低沸点金属のMgと極めて高活性金属であるY を低反応性熔融ルツボで合金化することにより、水素の吸蔵量が大きく、脱吸着速度の大きな新たな水素吸蔵合金の開発を目指す。 |
702 |
炭素モノフィラメントを用いた高密度製織技術の開発 |
白井 治彦 |
京都市産業技術研究所 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
炭素繊維の極細単糸を高密度で製織した極薄の織物を開発し、実用性能として張強度、電磁波シールド性などの評価を行う。本研究では機械化が可能な高密度の製職技術を工夫することで、高密度かつ超極薄で柔軟な炭素繊維マイクロファブリックを開発する。 |
703 |
高付加価値を有する新規鉄系天目釉薬の開発 |
橋田 章三 |
京都市産業技術研究所 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
天目釉に代表される不安定な釉薬に的を絞って、色調・質感などの付加価値が高く、かつ安定で、再現性の良い、実用化が可能な、従来の伝統技術だけでは実現できない新規の鉄系天目釉薬の開発を目指す。本研究は、当センターが保有する50万テストピースの釉薬およびデータを基に、鉄系釉薬の一種である青磁釉や禾目天目に析出する結晶の発現機構や不安定要因を明らかにすることで新規鉄系天目釉薬を開発するものである。 |
704 |
有機酸緩衝化貝殻溶解サトウキビ醸造酢の調製と鶏への飲水投与抗病性試験 |
八田 一 |
京都女子大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
平成17年に発生した食中毒の原因菌1位はサルモネラ菌、2位がカンピロバクターである。その感染は主にサルモネラ菌が鶏卵、カンピロバクターが鶏肉由来で、養鶏業界では生産物の食中毒菌汚染防止対策が緊急課題である。本課題は鶏卵の卵殻強化および鶏の抗病性を高め、鶏卵や鶏肉への食中毒菌汚染を防止する鶏用機能性飲料の研究開発に関する。 |
705 |
水平を維持する3次元免震台の開発 |
松久 寛 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
美術品、精密機械、建物など3次元免震が必要とされている。本研究では、リンク機構および連結液体封入ピストンを用いて水平を維持できる3次元免震台を開発する。前者は平行四辺形の対辺はつねに並行である、後者は2本のパイプで一対のピストンの上部と下部をクロス状に連結するとふたつのピストンは同じ動きに限定されるという特性を用いる。これらの水平維持機構とばね、減衰器を組み合わせた3次元免震台を開発する。 |
706 |
水気耕栽培屋上緑化システムを利用したマルチ型空調システムの開発 |
吉田 治典 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
都市ヒートアイランドの緩和策として屋上緑化が進められているが、緑がもつ日射遮蔽や蒸散作用を利用して、マルチ型空調システムの省エネルギーを目指すシステムの開発はまだ見られない。本研究では、蒸散量が一般の4倍程度ある水気耕栽培屋上緑化を利用して高効率な空調システムの実現を目指し、基礎データの収集とその数学モデルの開発を行う。本研究終了後には実システムにより性能を確認し、設計・普及に向けた事業化を目指す。 |
707 |
液相レーザーアブレーション発光分光分析におけるスペクトルの安定化 |
作花 哲夫 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
液中の固体表面のその場元素分析は、配管内部のモニタリング、海底探査などの分野で重要になる。われわれはパルスレーザー照射により液相中の試料表面をアブレーションし、放出種が液相中に形成するプルームからの発光を分光計測する方法(レーザーアブレーションプルーム分光法、LAPS)を提案している。現在、実用化に向けて重要な課題の一つに、パルスごとの発光スペクトルのばらつきの抑制がある。本研究課題では、スペクトルの安定化に向けて研究を展開する。 |
708 |
伝統織物手法を用いたウェアラブル回路構成法の検討 |
黒田 知宏 |
大阪大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
近年様々なウェアラブル情報システムの提案・構築が行われているが、機器間の配線や無線通信用電源装置の重量などのために必ずしも容易に装用できるようにはなっていない。ウェアラブル機器実用化のためには、布上に実現された電気配線上に個別機器を設置することで、衣類と一体化した機器とする必要がある。本研究では導電性・非導電性の繊維と伝統織物の技法を適用して布自身に自由に回路を織り込める技術の確立を目指す。 |
709 |
新規リジンα-オキシダーゼの開発とL-ピペコリン酸生産への応用 |
三原 久明 |
京都大学 |
藤田 聡美 |
関西ティー・エル・オー |
本課題では、部位特異的変異および分子進化工学などのタンパク質工学的手法を駆使して、新規リジンα-オキシダーゼを開発する。これにより得られる高効率リジンα-オキシダーゼをΔ1-ピペリデイン-2-カルボン酸レダクターゼと共にリジン高生産大腸菌株内で発現させることにより、医薬中間体として有用なL-ピペコリン酸の効率的な発酵生産系の構築を目指す。 |
710 |
全固体リチウム二次電池の電解質−電極界面のナノ構造設計 |
岸田 恭輔 |
京都大学 |
大浦 俊彦 |
京都高度技術研究所 |
リチウム二次電池の安全性向上策の一つとして、固体電解質を用いた全固体リチウム電池の開発が提案されている。この場合、電池特性は固体電解質−電極界面の構造に左右されるため、界面構造の制御が実用化には必須である。本研究では、様々な表面処理を施したペロブスカイト系固体電解質に正極を蒸着したモデル系を用いて、表面処理と界面構造ならびに電池特性の相関を解明することにより、ナノ界面構造設計による電池特性制御法の確立を目指す。 |
711 |
マイクロ波による「電力・情報同時無線伝送技術」に関する研究 |
山川 宏 |
京都大学 |
永井 一弘 |
京都大学 |
本研究が対象とするのは、マイクロ波による電力と情報の同時無線伝送技術、および、そのための機器の小型化技術である。無線LAN等、マイクロ波による情報送受信技術の研究が盛んに進められているが、これに電力送信という観点を付加することにより、多様なアプリケーションを将来的に開拓していくことを意図する。将来への応用例として、災害時を想定した飛行船等の移動体に無線送電機能を付加したアドホックな携帯電話基地局システムを想定している。 |
712 |
電磁粒子モデルを用いた高周波発生装置数値シミュレータの開発 |
臼井 英之 |
京都大学 |
永井 一弘 |
京都大学 |
本研究の目的は、高周波発生用電子管装置の設計・性能評価を効率よく行うため、装置内部の電子と電磁界の非線形相互作用を逐次解き進めることができる数値シミュレータを開発することである。具体的には、電子レンジやレーダーで用いられるマイクロ波発生装置を想定し、内部の陰極−陽極間における電子流と電磁界の相互作用による高周波自励発振を数値的に実現できるシミュレータを開発し、装置製作前に、仮想空間上でその設計と性能評価を行うことをめざす。 |
713 |
フラクタル形状を有する遮熱外壁の研究 |
酒井 敏 |
京都大学 |
高田 寛 |
京都大学 |
多数の小さな葉が一定の空間中にフラクタル構造(あるいは複数の三次元的なクラスター)をなすように分布するという植物の構造が、太陽光を遮りつつ、太陽光に由来する熱を効率よく大気へと放出するのに適しているのではないかとの着想を元に、効率的な遮光構造、および放熱構造を研究する。本研究は、現在問題視されている都市部のヒートアイランド現象を防止ないし抑制することを目的とする。 |
714 |
光機能分子における励起ダイナミクスの精密解析と理論テクノロジー |
江原 正博 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
次世代の発光素子として期待される有機EL分子の光電子過程について、精密な量子化学理論に基づく研究を行い、光励起ダイナミクスと光物性との相関を明らかにし、新規の高効率な光機能分子を理論設計する。また、生体光化学センサーとして有用な蛍光プローブ分子の光電子過程とその溶媒効果を明らかにし、蛍光発光の定量的な理論制御を行う。 |
715 |
非修飾DNAを用いた遺伝子診断に向けた機能性蛍光色素の開発 |
山東 信介 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
本試験研究では、非修飾型DNAプローブを用いた細胞外遺伝子配列検出の応用に向けた研究試験を実施する。具体的には、DNAの“特定配列/構造”に結合した場合にのみ蛍光を発するインテリジェント蛍光分子(機能性蛍光色素)を利用する。標的遺伝子配列と結合した場合にのみ“特定配列/構造”が形成されるようなDNAプローブを設計し、本機能性蛍光色素と組合せ、安価/安定な非修飾DNAを用いた簡易遺伝子診断系の構築を目指す。 |
716 |
選択的にカーボンナノチューブを可溶化する共役系高分子の開発と応用 |
梅山 有和 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
カーボンナノチューブ(CNT)複合材料の開発に、CNTのあらゆる溶媒への極めて低い溶解性が大きな障害となっている。本研究では、効率良く、かつ選択的にCNTの束状構造を解きほぐして有機溶媒中に単離分散させる新規共役系高分子を開発することを目的とする。さらに得られる複合体の溶液中および薄膜状態での特性、特に光電気化学的性質を解明する。単離分散することで電荷輸送能の向上したCNTを活用し、高効率な光電変換系の構築を目指す。 |
717 |
π共役型置換基を持つホスホールの合成と光学材料への展開 |
俣野 善博 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
ホスホールは、ピロールの窒素原子をリン原子で置換した化合物であるが、ピロールやチオフェンとは大きく異なる光物性や電気化学特性を示すことが知られている。芳香族性の小さいホスホールは、特にπ共役系の置換基を有する場合、環内に剛直な1,3-ジエン構造を有することから、拡張π電子系化合物を構成し、機能性色素としての利用が期待される。本研究では、リンの特性が賦与されたπ 電子系分子の創製と利用をめざし、(i)α位あるいはβ位にπ共役型置換基を持つホスホールの簡便かつ効率的な合成法の確立、(ii)π共役型ホスホールの特性を活かした非線形光学材料や発光材料の開発と機能評価を行う。 |
718 |
固体状態で強発光するパイ共役系材料の開発 |
清水 正毅 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
次世代表示素子用材料として注目を集める有機電界発光(EL)材料の基礎を担うのは、特異的な光・電子機能を有するパイ共役分子である。一方、表示素子は、固体状態の有機材料によって構成される。したがって、固体状態においてこそ高効率で発光するパイ共役分子の創出が有機EL材料の進歩に必須である。この研究課題では、研究者らが開発した反応を基盤として、立体化学の制御された新規共役オリゴエンを広範に合成し、固体状態で高効率かつ強発光するパイ共役系材料の創出をめざす。 |
719 |
ハイパワーリチウムイオン電池用CNF-酸化物複合負極材料の開発 |
安部 武志 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
ハイブリッド自動車用リチウムイオン電池には、高出入力特性と高サイクル特性が求められる。これらの要求を満たすため、静電噴霧熱分解法を用いて1ステップで数十〜数百ナノメートルサイズの酸化物微粒子をカーボンナノファイバー上に析出させた複合負極材料を開発する。この複合負極材料によれば、リチウムイオンの拡散パス、電荷移動抵抗および電極の電子抵抗を同時に低減し、電池の高出入力化を図ることができる。また、酸化物として高電位を示すものを用いることにより、電解液の還元分解を抑制し、長寿命化も図る。 |
720 |
標的遺伝子変異ラットの効率的な作出方法 |
真下 知士 |
京都大学 |
中屋 百合恵 |
京都大学 |
ENUミュータジェネシスにより作製された多数のミュータントラット個体群の中から、目的の遺伝子の突然変異ラットを選抜することで、遺伝子変異ラットを効率的に作製する方法を開発する。ラットは生理実験や、新薬開発、安全性評価試験等に広く用いられているが、ES細胞がないため、標的遺伝子変異ラットを作製することができなかった。本技術により、ヒト遺伝性疾患の原因遺伝子をターゲットとした標的遺伝子変異モデルラットを作製することが可能となる。 |
721 |
カーボンナノチューブを利用した高効率遺伝子導入アレイ |
井上 祐貴 |
京都大学 |
中屋 百合恵 |
京都大学 |
本研究では、遺伝子機能およびその相互作用ネットワークを生細胞レベルで解析する技術として、カーボンナノチューブとエレクトロポレーションを組み合わせた新規な高密度・高効率遺伝子導入アレイの作製を目指す。エレクトロポレーション、つまり電気刺激による遺伝子導入の際、電極表面に修飾されたカーボンナノチューブ先端から電場が集中することにより、細胞に障害を与えることなく効率的に細孔が形成され、電極に位置特異的に担持された遺伝子を高効率に導入できると期待される。 |
722 |
生分解性プラスチックの非滅菌酸発酵での材料生成とその合成技術の開発 |
津野 洋 |
京都大学 |
藤森 賢也 |
京都大学 |
有機性廃棄物の利活用は石油への依存率を低下させるだけでなく、カーボンニュートラルな性質のために地球温暖化防止に対しても有効である。また、生分解性プラスチックは、環境に優しく、市場認識が高まりつつあり、年々その普及率が上昇している。このような背景を踏まえ、本研究では生ごみやその他の有機性廃棄物から非滅菌酸発酵により生成したL‐乳酸を原料として、生分解性プラスチックであるポリ乳酸合成技術の開発を行う。 |
723 |
脂肪細胞由来セロトニン制御による肥満・心血管疾患合併症に対する治療戦略の開発 |
尾野 亘 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
我が国においてメタボリックシンドロームは成人男性の2割を超えるという報告もあり、優れた抗肥満薬開発に対する社会的要請はきわめて高い。研究者らは、セロトニン産生の律速酵素であるtryptophan hydroxylase1(TPH1)が脂肪細胞分化に必須であることを見いだした。本研究の目的は、TPH1 遺伝子欠損マウスによる詳細な薬理作用の検討から、抗肥満薬の開発につなげることである。 |
724 |
医学用語シソーラスに基づいた効率的医療情報検索システムの開発 |
金子 周司 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
インターネット上に氾濫する間違った医療健康情報は、一般市民だけでなく医療従事者および医学系学生にも悪影響を及ぼしつつある。本研究は、様々なポータルサイトが収集している情報から、科学的に実証された正しい情報のみを効率よく検索することを可能にする新しい医療情報検索システムを開発する。この新ポータルを活用すれば、一般市民が正しい医療健康情報を容易に得られるとともに、医学系大学や医療機関等に対してEBM(根拠に基づく医学)実践のための有用な教育資源となる。 |
725 |
腎グルコーストランスポータNaGLT1に着目した血糖降下薬の開発 |
増田 智先 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
研究者らは、腎のみに発現するNa+/グルコーストランスポータNaGLT1の単離に成功し、NaGLT1は糸球体濾過された原尿中のグルコース再吸収を媒介するトランスポータであることを見出した。さらに、NaGLT1はグルコースに加えフルクトースも基質として認識すること、従来その存在が示唆されてきた腎フルクトース再吸収機構の実体であることを明らかにした。本研究では、NaGLT1遺伝子欠損マウスを作製し単糖類再吸収機構としての重要性と創薬標的としての可能性について明らかにする。 |
726 |
メタボローム解析と心筋代謝シミュレーションを用いた新しい心不全バイオマーカーの単離 |
塩井 哲雄 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
心不全の発症と進展に心筋代謝の異常が関与している。本研究では、心不全モデル動物のメタボローム解析を行い、心不全の心筋代謝異常を明らかにする。さらに、メタボローム解析によって得られたデータを元に心筋代謝シミュレーション・システムを構築し、心不全の診断と治療に対する効果的な介入点を見つける。 |
727 |
低酸素刺激に応答して蛍光を発する癌細胞を利用した創薬システムの開発 |
原田 浩 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
癌・脳卒中・心筋梗塞等の疾患部位では血流が著しく低下し、細胞が低酸素環境に曝されていることが知られている。近年“低酸素環境”は上記疾病の病状悪化や予後不良を引き起こすことが報告され、有効な治療標的として注目されている。本研究では、代表研究者が創出した“酸素環境に応じて色を変える遺伝子組換え細胞”を利用して、新しい創薬システムを開発する。本技術を権利化し、さらに医薬品開発に実用化することによって、医学・ライフサイエンス分野の新たな産業の創出につなげたい。 |
728 |
空気圧を利用して免荷歩行できる装置の開発と臨床試験 |
黒木 裕士 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
下肢手術後や低体力者の歩行リハビリテーションには水中歩行と介助歩行がある。前者は浮力で体重を軽減する長所があるが、溺水と感染症の危険、設備面と水使用のコスト高の欠点がある。後者は介助者の身体負担が大きくこれが人件費にかかる欠点がある。本課題では水中歩行でもなく介助歩行でもない新しい方法による歩行リハビリテーション治療機器を考案・開発して実用化を目指す。 |
729 |
難治性皮膚角化症・ダリエー病に対する治療薬の開発 |
高橋 健造 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
ダリエー病は表皮に発現する正常なATP2A2蛋白量の低下が原因である比較的頻度の高い優性遺伝性の皮膚疾患で、醜形・悪臭を伴う皮疹が顔や胸部に発症する。難治性で現在の所、有効な治療法が存在しない。培養ヒト表皮細胞を用いた網羅的探索の結果、カンナビノイドとバニロイド作動薬が、ATP2A2蛋白の発現を亢進することを新たに見出した。近い将来の医師主導型治験を念頭に、実際に患者皮膚に使用可能で、より効果的な薬剤の選定を今回の研究の目的とする。 |
730 |
DNA毒性の、高感度検出アッセイ系の樹立 |
武田 俊一 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
産業で使用される化学物質の安全性は、化審法の規定によって、野生型の正常細胞を使って評価される。発がん性の原因になる化学物質による染色体DNA損傷を、正常細胞はすみやかに修復する。そこで発がん性をより高感度に検出する目的のために、様々なDNA修復経路欠損細胞を使って発がん性を検出する手法の開発を提案する。 |
731 |
高効率なインシリコ薬物探索システムの研究開発 |
奥野 恭史 |
京都大学 |
竹田 英樹 |
先端医療振興財団 |
医薬品開発には、膨大な時間と費用を要し、成功確率は15,622分の1と見積もられている。従って、化合物ライブラリーからヒット化合物を見出すヒット確率を向上させることが、医薬品開発の効率化、低コスト化に必須であることを示している。本研究開発では、ドッキングシミュレーションに寄らない、高精度に活性化合物を予測する独自の計算ソフトを開発する。これにより、医薬品開発プロセスのボトルネックとなるシード・リード化合物の探索過程の劇的効率化を目指す。 |
732 |
義肢構造材用マグネシウム合金への高耐食Mg2Si被覆技術の開発 |
坂之上 悦典 |
京都府中小企業技術センター |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
義肢用構造材としては取り扱い性の観点から金属材料のアルミ合金が主流であるが、実用上最も軽いマグネシウム合金を元に、「安心、快適、満足」な義肢部材の提供を本研究の最終目的とする。義肢の日常使用では、汗や雨など水分・塩分が豊富にある環境にさらされ、特に耐食性における実用レベルでの使用における問題点は多い。そこで、環境負荷の低いシリコン元素を主成分としたドライプロセスにより、マグネシウム合金に対する耐食性に優れたマグネシウムシリサイド(Mg2Si)被覆技術の開発を行う。 |
733 |
13C-標識アミノ酸誘導体の網羅的合成法の開発研究 |
今野 博行 |
京都府立医科大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
本研究では、生命科学研究進展に向けた13C-標識化合物の効率的な合成法の開発を行う。天然には多くの複数の同位体元素が存在する。中でも13Cは原子核が安定な安定同位体であり、安全で特殊な装置などを必要としなくとも用いることが可能なことから、生体物質の定量や構造解析といった研究で用いられている。しかし、大変高価であり、その種類も限られていることから敬遠する研究者も多い。そこで、研究者は蛋白質やペプチド科学などへの貢献を期待して13C-標識アミノ酸類の網羅的合成法の開発を行う。 |
734 |
切り花の観賞期間を延長する開花速度抑制剤の探索 |
佐藤 茂 |
京都府立大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
園芸花きの観賞期間は、蕾が開いて満開になるまでの期間と、満開になった花が萎れるまでの期間を合わせたものである。主要花きのバラやトルコギキョウでは、前者の期間が長いことが品質のよい花きとみなされ商品価値が高い。そのためこの期間を延長する薬剤の開発が求められている。本研究では、花の生け水に施用して、花弁の展開速度を抑制する薬剤(花をゆっくり咲かせる薬剤)の探索と実用化を試みる。 |
735 |
言語資源と分類タグ付与技術を利用した高機能意見分析分類システムの開発 |
金丸 敏幸 |
情報通信研究機構 |
中村 升一 |
テレコム先端技術研究支援センター |
本課題では、Web文書などの電子的な大規模自然言語テキストから意見情報を抽出し、言語資源を利用して意見情報の詳細な分析・分類を行うシステムを開発する。話し手の主体的な評価を反映した副詞辞書などの言語資源と、文書への分類タグの付与技術を組み合わせて、意見文の分類に最適な分類タグの付与を行う。これにより、抽出した意見文の多面的な分類・分析を可能にする。また、評価や意見の分類タグに応じて、分類結果をより理解しやすくする強調表示なども行う。 |
736 |
数値・固有名詞に基づく大規模自然言語テキストの情報分析と可視化 |
村田 真樹 |
情報通信研究機構 |
中村 升一 |
テレコム先端技術研究支援センター |
Web文書、特許、論文、新聞などの大規模な自然言語テキストの情報を、数値・固有名詞をもとに分析し、分析結果を可視化する、高度テキストマイニングシステムを開発する。情報の分析のために、複数文書に出現する単語出現分布表を効率よく可視化する技術、数値情報、固有名詞などの重要表現を自動抽出・可視化する研究も行う。可視化には、複数のグラフを効率よく同時に示す技術開発も行う。 |
737 |
捕食寄生甲虫を利用した新たな樹体内害虫防除技術の開発 |
浦野 忠久 |
森林総合研究所 |
福山 研二 |
森林総合研究所 |
樹木や果樹の樹体内に生息する昆虫に寄生しそれを殺す性質を有する日本在来の捕食寄生性天敵であるサビマダラオオホソカタムシを利用した天敵農薬の開発をめざす。これまでに人工大量飼育を可能にしており、マツノマダラカミキリに対する殺虫効果を明らかにしている。実用化に向けて本研究では、サビマダラオオホソカタムシのより広範な害虫種に対する殺虫効果を室内実験により解明する。 |
738 |
新型溝形状を有する高回転精度流体動圧軸受の開発 |
松岡 敬 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
OA、AV 機器の発達はめざましく、その回転主軸部に求められる振れ性能も年々厳しくなってきている。それら厳しい要求を満足し得る新しい流体動圧軸受として、「傾斜スパイラル溝付動圧軸受」の開発を行う。具体的には、従来のスパイラル溝付軸受に相対して、スパイラル溝の丘溝比、溝角度、溝深さを軸受長手方向に徐々に変化させた「新スパイラル溝軸受」を用意し、レーザビームプリンタ用ポリゴンミラーモータを用いて同期振れ回り性能、非同期振れ回り性能向上の確認を行うとともに、その溝諸元の最適設計指針を提案する。 |
739 |
光分解性ペプチド・ナノ薄膜の開発とその応用 |
古賀 智之 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
本課題は、容易に微細加工できる多機能バイオ表面の開発を目指すものである。具体的には、固体表面上でのアミノ酸・無水物のグラフト重合技術をベースに、ここに光分解性分子を組み入れた新しいポリペプチド・ナノ薄膜の作成技術の開発を行う。さらに、光によるナノ薄膜の加工原理を確立するとともに、人工ペプチドの二次元ナノ〜マイクロ・パターンニングについても検討を行う。 |
740 |
ロボットハンド搭載用高精度小型6軸力覚センサの開発と応用 |
小泉 孝之 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
現在のロボットハンドでは、人の「手」の様に複雑な作業を器用に実行できない。そこで、ロボットの指先に配置可能な、垂直方向とせん断2軸方向の計測のみならず、各指の姿勢を同定するために不可欠な、3軸周りの回転自由度を加えた高精度小型6軸力覚センサを開発する。ロボットハンドの指先に配置可能なひずみ式小型3軸力覚センサは開発済である。この特徴的な構造を基に、回転3自由度を計測可能な機能を追加することによって、特に「薄く」小型な(目標:直径18mm、高さ5mm)6軸力覚センサをめざし、プロトタイプを開発する。 |
741 |
高性能応答特性を有するインパルス高電圧測定システムの開発 |
馬場 吉弘 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
インパルス高電圧測定システムの応答特性は、測定システムの大きさに比例して悪化することが知られているが、国際電気標準会議(IEC)規格は測定対象電圧や測定システムの大きさに無関係に、満たすべき応答特性を規定している。本研究では、自作した時間領域有限差分法に基づく電磁界解析プログラムを用いて、IECの定める厳しい規格を満たす500〜1000 kV級雷インパルス電圧測定システムを設計し、プロトタイプ測定システムの試作を行う。 |
742 |
多周波数選択機能を持つフィルムの開発と応用 |
辻 幹男 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
携帯電話や無線LANなど使用周波数帯域として複数の帯域を利用する状況下では、1枚のフィルムにこれらの帯域で電磁波を選択的に透過あるいは反射させる機能をもたせることが重要となる。本研究ではフィルム面上に周期的に配列された任意形状導体共振素子により、そのような機能の実現を図っていく。具体例として、無線LANに使用される2.4GHz帯と5.2GHz帯について、これらの帯域だけを可能な限り選択的に分離できるフィルムの開発を行う。 |
743 |
光パルス間位相の制御技術の開発とその超高速光時分割多重通信への応用 |
戸田 裕之 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
本研究は、幅psオーダーの光パルス間位相を制御・安定化する技術を開発し、その超高速時分割多重通信への応用を図ることを目的とする。具体的には、例えば40GHz光クロックから、隣接光パルス間の位相を安定化させた160GHz光クロックを生成する4倍の逓倍回路を作成する。作成した逓倍回路や多重回路の特性を測定して、市販の光回路に対する優位性を明らかにする。 |
744 |
太陽熱エネルギーを利用した熱音響冷却システムの基礎検討 |
坂本 眞一 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
熱エネルギーと音エネルギーの相互変換現象である熱音響現象を応用し、太陽熱エネルギーを利用した熱音響冷却システムの基礎検討を行う。本システムは新たに電気エネルギーを投入すること無く、また、非常にシンプルで耐久性の高いものとなる。本試験研究では、太陽光エネルギーをシステムに入力し、駆動させる方法の検討を行う。@太陽熱エネルギーを集める方法:集光パネルやレンズの設計、A太陽光エネルギーを入力させる方法:熱交換器の設計、を確立する。その方法を用い、B試作システムを駆動させることを目標とする。 |
745 |
合成同時焼結による高強度を有する緻密なサイアロンセラミックスの開発 |
廣田 健 |
同志社大学 |
中尾 敦信 |
同志社大学 |
サイアロンセラミックスは高強度、高硬度、耐熱性、耐食性等の秀れた特性を有するが、難焼結性であるため緻密な材料が得られにくい。また、絶縁性であり、密部品作製用の放電加工が採用できなかった。本研究では、合成同時焼結法により混合原料粉体から直接サイアロンを合成し、かつ、電気伝導性の高いカーボンナノファイバー(CNF)をサイアロンマトリックス中に均一に分散させて、上記課題を一挙に解決するものである。 |
746 |
異極像結晶の熱励起によるX線源の開発と応用 |
吉門 進三 |
同志社大学 |
中尾 敦信 |
同志社大学 |
低圧気体中で分極方向を一方向にそろえたLiNbO3等の異極像単結晶の温度を変化させることによって高電圧源を必要とせずにX線の発生が可能であり、全体的に小型化が可能である。本研究は、高真空下においても気体封入の場合と同程度か1桁以上のX線強度を安定して得ること、封入ガス圧の変化による発生X線強度の減衰を改善すること。さらにそれらの成果を基にした実用化製品のプロトタイプの試作を目的および目標とする。 |
747 |
シリコンコンサートホールの設計・開発 |
土屋 隆生 |
同志社大学 |
南 了太 |
同志社大学 |
コンサートホールの音響空間をリアルタイムでシミュレーションする場合、現在のスーパーコンピュータの数1000倍以上の計算能力が要求される。これを実現するためには、汎用コンピュータでは不可能ともいえ、専用のハードウェアが要求される。本研究では、ハードウェア化の容易なディジタルホイヘンスモデルに着目して、これをFPGA上に構築することでリアルタイムシミュレーションを行うシリコンコンサートホールの設計・開発を目指す。 |
748 |
音楽独習システムの開発 |
柳田 益造 |
同志社大学 |
南 了太 |
同志社大学 |
本研究は、作・編曲から各種楽器の演奏ならびに携帯電話系の音楽情報処理に至るまでの音楽分野全体の学習・教育を総合的に支援するシステムの開発とその実用化を目指すものである。具体的な学習支援内容としては、古典和声法、そのポピュラー音楽への拡張、歌詞からの作曲法、与えられた旋律への和声付与、ジャズ編曲(ピアノ用ドス・マノス編曲、ギター編曲)、標準編成吹奏楽譜の小編成用への変換、ピアノの運指評価とそれに基づく練習課題の生成、などを含む。 |
749 |
カモフラージュの解析による環境に調和したパターン作成システムの開発 |
坂東 敏博 |
同志社大学 |
南 了太 |
同志社大学 |
物作りをする際に、そのデザインは目立つよりも背景の環境と調和するパターンを選ぶ必要性が高まっている。背景のパターンとの調和を考える時、動物が長い進化の過程で獲得したカモフラージュが参考になる。本研究は、背景に従って体表パターンを変化させ見事なカモフラージュをする動物の体表パターンの画像解析を行い、背景に溶け込むために重要なパターンの特徴を明らかにすることで、背景にマッチしたパターン作成を支援するシステム開発を目指すものである。 |
750 |
伐採木材の効率的運搬法の開発−原料チップの効率的な搬送− |
土井 正好 |
舞鶴工業高等専門学校 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
新たな木材運搬法として木材伐採現場において木材を粉砕し、そのチップを車載可能な林道まで輸送する方式を考案した。本課題は、@吸気輸送方式とAスラリー輸送方式について木材チップの輸送性を検証するものである。実験は50〜200m長のチューブを設置し、@吸気輸送方式はチップをコンテナに附属したファンからの吸引によりチューブ輸送する。一方、Aスラリー輸送方式についてはチューブ片端に水ポンプを接続して流水へのチップ混入によりチューブ輸送し、フィルターを通じてチップを分離する。実験条件は、チップの大きさ、チューブ行程及び傾斜を変えて輸送性を比較する。 |
751 |
IL−1レセプターアンタゴニスト点眼剤の臨床開発 |
山田 潤 |
明治鍼灸大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
IL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1ra)はIL-1レセプターに強く結合し、IL-1の作用を阻害する。マウスモデルを用いたIL-1ra点眼の検討において、全層角膜移植の拒絶抑制効果やアロ抗原認識遅延効果、角膜炎症時のランゲルハンス細胞の遊走抑制効果、角膜新生血管抑制効果、前房内微小環境の維持効果などが明らかとなっている。IL-1ra点眼の至適濃度を決定するとともに、点眼による副作用や感染防御機構の脆弱化などを検討し、臨床への早期応用を目指す研究である。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
752 |
新規RNA核外輸送因子による抗ウイルス性自然免疫調節作用の評価 |
木村 富紀 |
関西医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本課題は、IFN-αによる抗ウイルス自然免疫を調節し、ウイルス感染全般に有効性が期待できる薬剤の開発を目指す。これまで、IFN-α群mRNA核外輸送に関与が示唆される新規RNA輸送因子とアンチセンス(AS) RNAを見いだした。今回、これらの発現導入によるIFN-α群mRNAの核外輸送増加とウイルス感染阻害効果を検証し、その抗ウイルス性生物活性を検定できるスクリーニング系を確立する事で、目的とする抗ウイルス薬開発の為のリード化合物候補の獲得を目指す。 |
753 |
動脈硬化症における不安定プラーク検出法の開発 |
桝田 緑 |
関西医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
(辞退) |
754 |
帯電臓器に対するMRI造影剤の最適投与システムの開発 |
池田 耕士 |
関西医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
MRI検査で用いる造影剤の造影効果は臓器の荷電状態が関与している可能性がある。例えば陽性に荷電した内耳器官である蝸牛は造影剤の血管透過性に影響を及ぼしているという仮説が提唱されている。本提案では荷電状況の異なる造影剤を用いてモルモットおよび健常ヒトの蝸牛を撮影し、造影挙動の変化を検討する。帯電臓器に対する安定した造影MRI検査法のデータベースを構築することが将来の目標である。 |
755 |
電気泳動現象を利用した微粒子の分級技術の開発 |
芝田 隼次 |
関西大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
微粒子をその大きさによって分ける方法、すなわち微粒子を分級する技術は存在しない。サイクロンや比重差による分離は数μmが分級限界である。金属ペーストや貴金属ペースト製造などの分野では、0.1μm程度の粒子を用いるが、これには1μmまたは数μmの粗粒子が混入することが避けられない。この研究開発では、0.01〜1μm以下の微粒子と1μm〜数μmの粗粒子とを分級する方法と技術、並びに0.01〜0.05, 0.05〜0.1, 0.1〜1.0, 1.0〜5.0, 5.0〜10.0μmのような粒度区分で分級できる方法と技術を開発する。 |
756 |
高弾性ゲル形成能を示す温度応答性ポリマーによる低侵襲ドラッグデリバリーシステムの研究 |
大矢 裕一 |
関西大学 |
田中 久仁雄 |
関西大学 |
室温で水溶液(ゾル)状態で,体温に温められるとゲル化し,かつゲル状態で高い力学的強度を示す,脂肪族ポリエステルとポリエチレングリコールからなる新規な生分解性インジェクタブルポリマーを開発した。本研究では,このインジェクタブルポリマーをタンパク質など水溶性薬剤と共に皮下などに注射することで,投与した部位で薬物を徐放し,その後分解吸収される極めて低侵襲なインプラント型ドラッグデリバリーシステムを開発する。 |
757 |
多孔質アノード酸化膜を利用した脱臭触媒材の開発 |
藤野 隆由 |
近畿大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
アノード酸化皮膜の膜厚を自在に制御でき、300mm以上の厚い膜を短時間で形成可能な技術で、10m2/g以上の多孔質で大表面積を有する皮膜の作製に世界で初めて成功した。この皮膜を交直ハイブリッド二次電解することで、孔中にマンガンやルテニウムなどの金属の任意量を析出させることができ、その後、熱処理することで高性能脱臭剤の開発が可能となる。 |
758 |
ハロゲン化炭化水素溶媒代替粉体を用いるインプラント技術に適した粉体の実用化試験 |
佐々木 洋 |
近畿大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
有害化学物質リスク削減基盤技術の一つであるインプラント技術を実現するために,ハロゲン化炭化水素溶媒を代替する粉体を用いた化学反応プロセスを具現化する。粉体分散媒を用いた選択的酸化反応および水素化反応の工業化を目標に安価な粉体材料を選択し,その粉体の物理的特性(形状・比表面積・細孔径分布・嵩密度)と反応活性との相関関係から各反応プロセスに適した粉体を特定し,高機能な樹脂原料を製造することを最終目的とする。 |
759 |
ジクロロシランの電極還元反応によるポリシランの精密重合法の開発 |
石船 学 |
近畿大学 |
根津 俊一 |
近畿大学 |
新規光機能性材料として注目されて久しいポリシランの合成法に関しては、適用できるモノマーの多様性と、分子量分布の制御など更なる分子構造の制御法が求められている。従来法と比較して格段に温和な条件でのSi−Si結合生成を実現したクロロシラン類の電極還元反応手法を基礎に、ジシラン添加や溶存イオンの制御による分子量分布の狭隘化およびタクティシティーの制御など検討し、より精密で実用的な重合技術を開発する。 |
760 |
ガンの診断と治療に有用なバイファンクショナルな化合物の創製 |
若宮 建昭 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
近年、ガンの治療にホウ素(10B)原子を内在する化合物を腫瘍細胞に集め、熱中性子線を照射して腫瘍細胞を破壊する療法(BNCT)が注目を浴びている。また、ガンの診断のためにフッ素(19F)原子を含む化合物を腫瘍細胞に集め、これを核磁気共鳴(NMR)で測定する磁気共鳴イメージング(MRI)法が進歩している。本研究課題は、ガンの診断と治療の両方に利用できるような、10Bと19Fを一分子中に有する化合物を創製し、新たなガン医療への取り組みを目指す。 |
761 |
大脳皮質による歩行制御様式の解明とその応用 |
中陦 克己 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
本研究では大脳皮質による歩行制御機序の解明を目的とし、その応用を目指す。我々は無拘束の状態で行動するサルの大脳皮質から神経細胞活動を記録する手法を確立した。本課題では流れベルトの上で四足歩行および二足歩行するサルの皮質運動領野から神経細胞活動を記録して、その活動様式から各領野における分担的歩行制御様式を解明する。得られる結果は、看護や災害救助分野で期待される環境適応型二足歩行ロボット等の人工システムの開発設計に応用できる。 |
762 |
生分解性フォトニック結晶の開発とナノリリザーバーデバイスへの応用 |
藤島 武蔵 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
フォトニック結晶のひとつである反転オパール型多孔質体を生分解性高分子を用いて作製できることが明らかとなっている。この生分解性フォトニック結晶は、サイズ制御されたマクロ孔の3次元周期配列構造により、特定波長の電磁波を回折する性質(構造発色性)を有する。本研究では、新規に生分解性・生体親和性に優れた生分解性フォトニック結晶を作製し、光機能をもつナノリザーバーデバイスへと応用する。 |
763 |
無機酸化物ナノ蛍光体を用いたナノ領域バイオイメージング |
伊藤 征司郎 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
われわれが独自に開発した低環境負荷合成法により、希土類イオンドープ無機酸化物蛍光体ナノ粒子(ナノ蛍光体)を合成し、このものをナノメートルオーダーの空間分解能を有するナノバイオセンサに応用する。ナノ蛍光体を表面改質処理することで,量子収率を飛躍的に向上させるとともに、特定のたんぱく質、細胞などを検出できる部位を結合することで、これらを個々に検知できるナノバイオセンサを構築する。 |
764 |
巨大組織再建のための毛細血管網を有したスキャフォールドの作製 |
江橋 具 |
国立循環器病センター |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
再生医療に用いられる移植用組織やスキャフォールドは、毛細血管構築の遅延により、移植後、周囲組織からの細胞浸潤あるいは移植した細胞が生存できないことが問題となっている。この問題は、特に、大きく厚みのある組織において顕著であるものの、革命的な解決法は未だ開発されていない。そこで本研究は、再生医療技術を用いた治療に応用できる、あらかじめ毛細血管網を有したスキャフォールドの作製を目的とする。 |
765 |
重度難聴者のための自動車等運転時における聴覚補助技術の開発 |
中川 誠司 |
産業技術総合研究所 |
佐藤 義幸 |
産業技術総合研究所 |
骨導超音波であれば,重度難聴者であっても知覚することができる.本課題では,骨導超音波知覚研究の成果を生かして,自動車等運転時における重度難聴者のための聴覚補助技術の開発を行う.まず,自動車運転時に強く求められる警告音の音源定位能について,骨導超音波知覚特性の定量的評価に取り組む.さらに,得られた知見を利用して,複数の指向性マイクロホンと骨導超音波スピーカを利用した自動車等運転時の聴覚補助システムの試作に取り組む. |
766 |
好熱菌を用いた難分解性動物タンパク質に対するリサイクルバイオテクノロジー |
茂里 康 |
産業技術総合研究所 |
小黒 啓介 |
産業技術総合研究所 |
難分解性動物タンパク質は産業廃棄物として排出される。これらはくず肉や羽毛廃棄物、廃水中の毛髪に多量に含まれるが、難分解性でかつ付加価値のある再利用先の展開が無いため未利用資源として廃棄される。本研究は、我々が単離した難分解性動物タンパク質に対し高い分解活性を有する好熱菌を用い実用レベルでの分解特性の検討、分解に有効な微生物系の確立、分解物中の活性物質の探索を目指し、試験研究を行うものである。 |
767 |
遺伝的網膜疾患の原因遺伝子の同定と診断チップの開発 |
古川 貴久 |
大阪バイオサイエンス研究所 |
吉田 政樹 |
大阪市都市型産業振興センター |
失明にいたる網膜変性症は原因遺伝子が多種類で、正確な診断をすることが将来の治療のためにも重要である。我々は発生初期から視細胞が形成されないマウス網膜の網羅的遺伝子発現解析を行うことで、網膜疾患の原因遺伝子の候補を同定し、変異の同定をおこなうとともに、診断ジーンチップの開発を目指す。これによって、現時点では治療法のない患者の正確な診断と症状の進行度の予想や遺伝子治療への応用が期待される。 |
768 |
二次元ゲルプラスチック化法による機能性プロテオミクスの新しいツールの創出 |
和田 明 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本研究の目的は、蛋白機能の包括的解析を行うためのプロテインチップを、二次元ゲルをプラスチック化することによって作成することである。この「ゲルプラスチック」は水溶液中で可逆的に元のゲルに戻るので、全蛋白質の機能を一挙的かつ包括的にゲル上で測定することができる。さまざまな生物の蛋白質を分離した二次元ゲルをプラスチック化して供給すれば、機能性プロテオミクスに新しい展望を拓くことができる。 |
769 |
塩基性蛋白質に着目した抗癌剤5-フルオロウラシル耐性マーカーの同定と診断法の予備的検討 |
境 晶子 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
RFHR(radical-free and highly reducing)法は,等電点電気泳動法とは全く異なる分離原理をもつため塩基性蛋白質の分離能に優れている。この特性を活かし大腸癌細胞の5-FU感受性株と耐性株のプロテオーム解析を行った結果,耐性獲得によって変動した蛋白質を同定した。この中から耐性マーカーとして複数の蛋白質を選び出し,それら蛋白質の抗体を用いて抗癌剤耐性獲得の診断法の予備的検討を行うことが本研究の目的である。 |
770 |
高レーザー耐力光学素子応用のためのフッ化物系材料の複合的表面加工処理技術の開発 |
神村 共住 |
大阪工業大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
紫外レーザー光源の短波長化、高出力化では光学素子表面のレーザー損傷が性能向上の大きな障壁となっている。紫外域での表面レーザー損傷耐力の低下の原因は主に光学素子表面に形成されている表面変質層である。CaF2などのフッ化物系光学材料では石英ガラスより極めて優れた紫外透過特性を持つためにさらに高い表面レーザー損傷耐性の実現が期待できる。本研究では、新しい複合的表面加工処理技術を世界で初めてフッ化物系光学材料表面に応用することで、既存の石英ガラス光学系の4.0倍以上の超高レーザー耐力表面を実現する。 |
771 |
塔状構造物に関する新しい振動制御法の研究 |
飯田 毅 |
大阪産業大学 |
野村 健次 |
大阪産業大学 |
道路橋上には照明柱、標識柱等のスレンダーな塔状構造物が数多く設置され、風、交通、地震等により激しく振動し損傷の恐れが高いことが判明している。従来、交通・地震荷重を対象とする低振動数領域において十分効果的な制振装置が存在しなかった。実績のあるチェーンダンパーと他の装置を組合せた新振動制御システムの研究を行い、幅広い振動数領域で効果的かつコンパクトな装置と安全性の高い塔状構造物の制振方式を実現しようとするものである。 |
772 |
燃焼合成反応熱を利用した新推進系小型ロケットの開発 |
山田 修 |
大阪産業大学 |
野村 健次 |
大阪産業大学 |
燃焼合成は強い発熱反応を伴い到達温度は3000℃04500℃に達する。この高い温度や化学反応熱を有効に利用することで,流体を急速にガス化させ,高温高圧ガスとしてチャンバーノズルから噴射させることで推力を得るロケットモーターを開発する。この燃焼合成反応熱による高圧ガス噴射の推進系は火薬類に該当せず安全であり,運用管理も容易であることから再使用できる小型ロケット産業の分野開拓と活性化を目指す。 |
773 |
銀ナノ粒子の水溶液中調製と高分子素材への吸着技術の開発 |
藤原 裕 |
大阪市立工業研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
粒径を制御した銀ナノ粒子の懸濁液を水溶液中でその場作製することを目的とし,金属イオン還元法などの簡便な手法を開発する。この懸濁液から銀ナノ粒子を高分子素材に高被覆率・高分散吸着させるために,ナノ粒子・高分子素材双方の表面修飾剤を開発する。吸着銀ナノ粒子を無電解めっき開始触媒として応用することを本試験研究の目標として,めっき反応に対する触媒活性の高い銀ナノ粒子の作製条件および吸着条件を明らかにする。 |
774 |
メタクリル系新規耐熱性透明樹脂の開発 |
松本 章一 |
大阪市立大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
エレクトロニクス関連高分子材料に対する要求、特に耐熱性透明有機高分子材料の重要性が増し、新規耐熱性樹脂の開発が望まれている。本研究課題では、側鎖に環構造やかさ高い置換基を導入することにより、光学特性に優れた新規メタクリル系耐熱透明樹脂の開発を行う。光学特性、力学特性、熱特性に優れた新規材料を得るため、置換基の構造設計と最適化、材料の各物性評価により、メタクリル系新規耐熱性透明樹脂の開発を進める。 |
775 |
新開発の関節内投与型DDSを用いた家兎膝関節軟骨欠損部修復実験 |
北野 利夫 |
大阪市立総合医療センター |
間 健一 |
大阪市立大学 |
関節内投与型ドラッグデリバリーシステム(DDS)により関節内に薬剤を投与し、関節軟骨欠損部の修復効果の組織的評価を目的とするin-vivo実験である。関節内投与型DDSとは、関節軟骨に作用する薬剤をリポソームに封入し、これを関節注入の手技により関節内に投与し、リポソームの関節潤滑機能の改善効果と薬剤徐放効果により、力学的ストレスを軽減しつつ軟骨修復促進作用を長期間持続させ軟骨修復の促進を期待するものである。部分的軟骨欠損部を作成した家兎膝関節に本関節内投与型DDSを投与し、組織学的評価を行う。 |
776 |
肝臓病診断用チップ開発に関する研究 |
田守 昭博 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
現在、多くの研究機関において遺伝子多型と疾病との関連が検討されている。本研究ではウイルス性肝疾患における患者側因子を評価することで治療法の決定、予後予測を可能にする慢性肝疾患テーラーメード医療の確立を最終目的とする。また脂肪肝患者も対象とすることでメタボリックシンドロームにおける肝病態にも対応する計画である。今回は研究のスタートとして患者臨床経過の匿名化とデータベース化を行い対象患者よりDNAの収集を行う。 |
777 |
超高圧力媒体の開発 |
村田 惠三 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
数GPa領域の超高圧印加による物性変化の測定は、超伝導などの新規機能の探索の上で極めて重要である。精度のよい静水圧力の発生には室温で加圧中は液体であることが必須である。そのためには室温での固化圧力の高い媒体が希求される。又、電気抵抗などの測定の為、導電ペーストを溶融させない媒体である必要がある。本研究は、高い固化圧力を示す圧力伝達媒体の開発とその諸性質の媒体としての適正評価を目的とする。 |
778 |
高輝度発光材料を用いた高効率な短波長光変換薄膜素子の開発 |
鐘本 勝一 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
高輝度発光材料を用いた、光の高エネルギー(短波長)側への高効率な変換素子の開発を目指す。従来は、光の短波長変換は非線形光学効果を用いたものに限られてきたが、本課題は線形で作用する発光を利用するため、それに比して100-1000倍以上高効率な変換が期待できる。実験室レベルでは既に高い効率での変換を確認しており、薄膜化を経ることで応用性が見込まれるほか、光の指向性を上げることで実用性がさらに高まる。変換効率の定量的評価を経て、試料及び素子部の構造を実用化に向けて最適化することを本課題の目標とする。 |
779 |
高出力軟X線用酸化物多層膜結晶ミラーの開発に係る試験研究 |
熊谷 寛 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
代表研究者は軟X線顕微鏡のターゲット波長である所謂「水の窓」域(2.332nm-4.368nm)で極めて高反射率が期待できる、酸化物アモルファス多層膜構造の軟X線ミラーを既に開発してきたが、さらに最近になって、酸化物の中でもTiO/NiO多層膜構造を選択することで、50%を超える反射率が得られるばかりでなく、ヘテロエピタキシャル成長による結晶多層膜ミラーが開発できることを発案した。したがって本課題においてはTiO結晶、NiO結晶の原子層成長条件を調べ、その条件をもとに高出力軟X線用TiO/NiO多層膜結晶ミラーを設計、開発し、さらに評価を行うことを目標とする。 |
780 |
体積走査法に基づく3次元立体ディスプレイ装置の開発と応用 |
宮崎 大介 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
研究代表者が考案した体積走査型3次元立体ディスプレイの開発を行う。この手法では、2次元ディスプレイにおける表示像の実像を光学系により空中に形成し、その像をミラースキャナにより高速に移動させる。2次元ディスプレイに3次元物体の断面像を表示し、走査に合わせて断面像を高速に順次切り替えると、目の残像作用により断面像の重なりとして3次元像が形成される。3次元的な光の分布を実際に形成しているので、焦点調節、眼球の輻輳といった生理的な要因を満たした自然な立体感を実現できる。 |
781 |
再帰反射材の日射照り返し抑制効果の高効率化試験 |
酒井 英樹 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
ヒートアイランド対策の1つとして既に実用化されている太陽熱高反射材は,日射受熱量を減らすことで適用した建物の熱負荷は軽減できるものの,建物の配置によっては反射した日射が隣接する建物や道路に吸収されることで,周辺を高温化してしまうという問題が指摘されている。本課題では,反射材に再帰反射特性(入射した光が再び入射方向へ帰る反射)を付与することで,高反射かつ日射照り返し抑制効果を有する建材として提案する。 |
782 |
近赤外高次多光子顕微鏡開発のための試験研究 |
八ッ橋 知幸 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
近赤外フェムト秒レーザー光の高い物質透過性、高次の多光子過程により極微小空間に生成した励起分子からの蛍光、さらにはフェムト秒パルスの時間チャープを利用した新たな深度掃引方式を生かした高次多光子顕微鏡開発のための試験研究を行う。 |
783 |
軟体動物および節足動物の血液主要成分を利用した環境調和型酸化触媒の開発 |
伊東 忍 |
大阪市立大学 |
三刀 基郷 |
大阪市立大学 |
タコやイカなどの軟体動物、およびカニやエビなどの節足動物の血液中には二核銅活性中心を有する酸素運搬タンパク質ヘモシアニンが多量に含まれている。本研究ではこのような呼吸系のタンパク質であるヘモシアニンに摂動を加えることにより、タンパク質の活性中心に取り込まれた分子状酸素を活性化し、各種基質の酸素化反応を触媒する新しいタイプの環境調和型酸素化触媒の開発を目指す。 |
784 |
高機能性、高安全性の新規止血・組織接着剤の開発 |
長崎 健 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
近年の手術の特徴として迅速化・高度化があげあれる。そのため、伝統的な圧迫止血・縫合止血の限界が指摘されている。本研究では食品添加物や医薬外部品として承認済みで安全性に優れたポリアミンと菌類や酵母など微生物由来のグルカンから誘導されたポリアルデヒドを用いて、生体適合性が高く安全性・接着速度・強度に優れた近年の外科医療に適応した新規止血・組織接着剤の開発を目指す。 |
785 |
超臨界流体中での酵素活性を利用した生体由来組織の脱細胞化 |
澤田 和也 |
大阪成蹊短期大学 |
東別府 良彦 |
大阪成蹊学園 |
本研究では、生体由来組織から細胞成分を除去し、構造タンパクのみからなるスキャフォールドの作成を目指す。また、媒体や化学薬剤等の残存による組織への影響を無くすため、二酸化炭素やフッ素系媒体等、常温・常圧で気体状態である媒体を利用し、それらの超臨界状態での処理を行う。さらに、細胞分解を効果的に進めるために酵素活性も利用する。これにより、生体に対して安全性の高いスキャフォールド調製を目指す。 |
786 |
ビスマス・アルミドープ石英による近赤外広帯域分光光源の開発 |
中塚 正大 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
新しく開発されたビスマスとアルミイオンを共ドープした石英材料(JST/大阪大学特許)からの広帯域(帯域幅300nm)近赤外(波長1.2mm)発光を用いて新規な計測光源を開発しようとするものである。8000950nm波長の高出力LD励起が可能で10dB/5cmという大きな利得や多波長同時増幅も実証されている。本開発では材料の均質化と広い帯域幅を持つ平坦スペクトル制御の実現を目標にしている。 |
787 |
粉体プロセスを用いた高強度・高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム合金の開発 |
近藤 勝義 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
工業用最軽量金属であるマグネシウム(Mg)合金を粉体固化押出プロセスによって創製する際,粉末内部の再結晶粒の球状化(等軸粒化)と層状構造を形成する旧粉末粒界配列との組識・構造最適設計により,従来の溶解法によるMg合金と比較して延性(伸び)の低下なく,高強度と高衝撃エネルギー吸収性を向上した構造用軽量合金部材(TS;300MPa以上,シャルピー衝撃値;30J以上)の開発を目指す. |
788 |
光機能性酸化膜の低温成長と発光デバイスへの応用 |
寺井 慶和 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
本研究では、発光機能を有する透明酸化物の低温成膜技術を開発し、フレキシブル基板上の新規発光デバイスの作製を目的とする。本研究では、炭素含有Si酸化膜を透明酸化物母体と位置づけ、高効率発光が得られる希土類元素を母体中に添加することで新規光機能性酸化物を創製する。希土類添加機能性酸化膜の作製は、これまでに開発したプラズマCVD法により60℃以下の低温一貫成長で行い、可視光領域のデバイスの作製を最終目標とする。 |
789 |
固体燃料を用いた携帯用マイクロ燃料電池の研究開発 |
杉野 隆 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
現在、固体高分子燃料電池の燃料開発は水素からメタノールへと移行して進められているが、メタノールは引火性があるため使用範囲が限定され、昨今のテロ対策等で航空機内への液体持込が制限されるなど、実用的な障壁が多い。また、メタノールは、白金電極の被毒、伝導膜のクロスオーバー等が問題となり、十分な発電性能が得られていない。本応募は、これらの問題を解決すると同時に、安全かつ軽量化が可能な固体燃料(ギ酸アンモニウム)を用いた携帯型燃料電池の開発をするための研究である。 |
790 |
有機半導体単結晶を用いた分子検出デバイスの開発 |
竹谷 純一 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
これまでに独自に開発してきた高性能有機単結晶トランジスタ技術にもとづいて、気体分子や生体関連分子を選択的に高感度検出するガスセンサーやバイオセンサーを開発する。有機単結晶表面に吸着したわずかな量の極性分子が、トランジスタ特性に甚大な変化を及ぼす現象を利用して、1)高感度分子検出の機構解明と素子構造最適化、2)分子の高選択性を得るための分子膜を組み合わせる手法の開発と評価を行う。 |
791 |
酸化物ナノワイヤ構造を用いた不揮発性メモリ素子の開発 |
柳田 剛 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
ボトムアップ的に作製されるナノ領域10nm以下の酸化物ナノワイヤをテンプレートとした新規ナノへテロ構造を高温プロセスで作製し、作製されたヘテロナノワイヤをシリコン基板上の電極間に低温プロセスでポジショニングすることにより、従来のリソグラフィー微細化限界を遥かに凌駕したナノ領域10nm以下での高集積化が可能となる遷移金属酸化物を用いた不揮発性メモリ素子を実現する。 |
792 |
酸化剤を必要としない効率的アルコール酸化反応系の開発 |
満留 敬人 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
アルコール酸化反応は、医薬・香料中間体として有用なアルデヒド及びケトンを合成する重要な工業反応である。しかし、従来のアルコール酸化反応の多くは有害な酸化剤を用いた量論反応にて行われており、反応後に生成する廃棄物の処理など原子効率の低さに問題があった。そこで、代表者のグループでは無機層状化合物ハイドロタルサイト(HT)に銀を固定化した触媒Ag/HTを用い、酸化剤を必要としないアルコール酸化反応系を開発した。本課題研究ではAg/HT触媒系の適用範囲を拡張し、クリーンかつ高効率なカルボニル化合物合成プロセスの開発へと展開する。 |
793 |
常温・常圧下で行うケトンの光化学的クリーン合成 |
白石 康浩 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
「ケトン」は有機合成の根本となる最も重要な化合物であり、多くの化学製品がケトンを原料として生産されている。ケトン類は、通常、アルコールやオレフィンの酸化により合成される。しかしながら、これらのプロセスは、高価かつ爆発性の高い酸化剤を必要とするほか、多量の有害廃棄物を生成する非効率的なプロセスである。申請者らは、安価かつ安全なアセトンを反応試薬として、常温・常圧下での光化学反応によりオレフィンからケトンを合成する新技術を開発した。本研究では、本技術の多種多様なケトン類合成への応用と、本技術の化学的メカニズムの解明、さらに技術改良に基づく実用プロセスへのアップグレードを図る。 |
794 |
細胞毒性を示す生体触媒の高効率生産系の確立 |
西岡 求 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
生物変換反応(バイオ酸化反応など)を担う酵素タンパク質を組換え体酵素として生産させようとしたとき,宿主細胞に対して細胞毒性を示す場合も多い.細胞毒性の原因は様々なものが考えられるが,細胞内で生じる酸化ストレスは,共通性の高い因子として挙げられる.生体触媒生産効率化のために,このような細胞内酸化ストレスと培養環境に起因する細胞外ストレスに対して,細胞の「基礎体力」を増強させ,細胞が受けるストレスを自己解消できる細胞を創出する. |
795 |
安定な開殻有機分子を基盤にした分子結晶性二次電池の開発 |
森田 靖 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
独自に開発した空気中でも安定に取り扱うことが可能な有機分子を活物質として用いた二次電池の基礎と応用についての研究を展開する。リチウムイオン二次電池に支えられている巨大な先端二次電池市場への進出、および新しい電池の特徴を活かしたデバイスやシステム開発を通した豊かな暮らしや社会への活用を念頭にする。 |
796 |
多孔性中空炭素シェルに内包させた金属ナノクラスター触媒の合成 |
池田 茂 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本研究では、代表研究者が最近独自に見出した新しい固体触媒の形態であるPtナノクラスター(PtNC)を内包する多孔性中空炭素の合成手法を、十分な収量が得られる方法に転換するとともに、さまざまな金属ナノクラスターに拡張することで一般化を図る。これにより、凝集不安定で、かつ回収再使用が不可能であった金属ナノクラスター触媒を、安定で回収再使用が容易な有機合成用の固体触媒へと変換させ、汎用性ある新規固体触媒ライブラリ構築のための基礎技術を確立する。 |
797 |
金属クラスターを含有する有機分子の分子蛍光の増強に関する研究 |
劉 虹ウェン |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
次世代ディスプレイや次世代照明に利用可能な有機発光ダイオード(OLED)は、高い発光効率、低消費電力且つ低作動電圧という特長を持ち、その発光メカニズムをはじめとする基礎研究、OLEDの高輝度・高効率・長寿命化に大変重要である。本研究では、金属ナノクラスターを含有する有機分子を様々な作製条件下で作製し、走査トンネル顕微鏡(STM: Scanning Tunneling Microscopy)のチップからの電子注入による励起及び光励起を行い、試料から発光をナノスケールで観察し、その発光のメカニズムを解明し、発光増強技術を確立させる。 |
798 |
半導体中の遷移金属不純物の除去方法開発 |
白井 光雲 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
半導体デバイスプロセスでは、プロセス中に混入する遷移金属不純物がデバイスの特性を劣化させる。この問題を解決する方法の一つとして、デバイス領域から十分離れた領域に適当なドーパント原子を入れ、このドーパント原子に遷移金属不純物を吸い取らせるゲッタリング法が取られている。デバイススケールが小さくなるにつれ、このゲッタリング収率に対する要求がより厳しいものとなっている。本研究では、より高いゲッタリング収率をもつ不純物原子の組み合わせを理論的に予測し、実験的にその効果を検証することによって新しいゲッタリング法を開発するものである。 |
799 |
高次な環境浄化機能を有する酸化チタンナノチューブの高性能化 |
関野 徹 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
本研究では、低温化学プロセスで合成される特異な低次元ナノマテリアルである酸化チタンナノチューブ(TiO2 NTs)に関し、その分子吸着メカニズム並びに光触媒機能とその相関を解明し、これを基礎に合成プロセス最適化や格子制御手法を併用することで、熱化学的に安定であり、多様な分子吸着機能と共に光触媒特性も共生的に兼備した全く新しい高次な能動型ナノ環境浄化材料ならびにそのシステム構築を目的とした研究開発を行う。 |
800 |
レーザー直接描画法による液晶微細配向制御技術の開発 |
尾ア 雅則 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
液晶デバイスの機能・特性を決定する液晶分子配向制御技術として、現在実用化されているラビング法に代わる新しい液晶配向方法を提案し実用化する。従来のラビング法では、一様な配向しか実現することができないが、本提案手法では、レーザー直接描画法により、任意の領域・方向の微細グレーティング構造を作製し、サブミクロンサイズの領域で任意の方向の液晶配向を実現できる。 |
801 |
細胞内移行ペプチドを用いた効率的かつ簡便な新規遺伝子導入技術の開発 |
吉岡 靖雄 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
疾患関連遺伝子などを標的細胞・組織に導入し、その機能を解析する試みは定法となっている。しかしウイルスベクターですら、リンパ球・悪性腫瘍・幹細胞など重要な標的細胞への遺伝子導入が困難であり、遺伝子導入効率・汎用性・簡便性に優れた革新的遺伝子導入法の開発が待望されている。本研究では、細胞内に効率的に物質導入可能な因子である細胞内移行ペプチドを用いウイルスベクターを化学修飾することで、これまで遺伝子導入困難であった条件下・細胞・組織において応用可能な新規遺伝子導入法の開発を試みる。 |
802 |
自然界豊富科学種の触媒的直接反応開発 |
馬場 章夫 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
自然界にもっとも多く存在している化合物群のひとつであるアルコールは、脱離能力の低いOH基を有しており、他の原子団で直接置換することは触媒条件では不可能とされてきた。現状では、OH基を一旦別の脱離能の高い化学部位へ変換させるか、過剰の酸の添加を必要とする。本研究ではインジウム塩を触媒として用いることで、ケイ素求核種によるアルコールの触媒的直接置換反応を検討し、工業的基礎変換反応の開発を目的とする。 |
803 |
オールウェットプロセスによるフレキシブルディスプレィ素子の開発 |
大森 裕 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
有機ELにより薄型でフレキシブルなディスプレィが実現できる。従来、透明電極としてITO(酸化インジュ―ム、酸化スズ)が用いられているが、導電性ポリマー材料を用いて溶液プロセスで形成すれば素子作製が容易になる。本研究は、溶液プロセスで成膜可能な透明な導電性ポリマー材料で電極を構成し、イリジューム錯体系燐光材料による高効率なフレキシブルな有機ELディスプレィを実現することにある。 |
804 |
電子実装用新低温固相接合技術開発 |
高橋 康夫 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
熱以外の振動エネルギーを併用した固相接合機構を解明し,その原理を利用した低温固相接合技術開発を実施する.電子実装で行われているボンディング温度は250℃以下の低温であるが.本研究では,常温から210℃で固相凝着接合が可能になる機構,すなわち阻害要因(特に酸化皮膜)の処理原理を探求し,それに基づき,低抵抗・耐熱・変形柔軟性インターコネクション界面形成技術の創成を試みる.熱と非熱(振動)エネルギーの高効率利用により,接合を達成し且つ凝固組織を残さない新接合技術開発を目標とする. |
805 |
細菌の宿主細胞侵入モチーフを用いた粘膜免疫用ドラッグデリバリーシステムの構築 |
寺尾 豊 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
申請研究では、ワクチン開発の問題のひとつとして挙げられている「効果的な免疫担当細胞への抗原輸送」を改善する粘膜免疫用ドラッグデリバリーシステムの開発を試みることとする。細菌由来の細胞侵入因子の機能ドメインを組み込んだ発現プラスミドを構築し、ドラッグデリバリー型のキメラ抗原発現システムを作製したいと考えている。 |
806 |
医用ディスポーザブルリニアアクチュエータの開発 |
西川 敦 |
大阪大学 |
中村 邦夫 |
大阪大学 |
現行の医用ロボットに使用されている電気モータなどのアクチュエータには、清潔性と安全性の問題が数多く指摘されている。我々はこれらの問題を解決するため、医用ディスポーザブルリニアアクチュエータの開発を進めている。本アクチュエータは感電や発熱の危険性がないため安全であり、また全体を容易に滅菌できるため清潔で、さらに低コストで製作可能であるため他の多くの医療器具と同様にディスポーザブル化が可能である。現在、本アクチュエータを応用したディスポーザブル内視鏡手術支援ロボットの開発も並行して進めている。 |
807 |
新規精製用タグによる合成ペプチドの生産及び精製キットの開発 |
相本 三郎 |
大阪大学 |
土居 幹生 |
大阪大学 |
タンパク質やペプチドを高品質で収率良く合成する技術の開発が求められている。タンパク質やペプチドの効率的な生産における一つのボトルネックは、粗生成物の精製過程である。本研究は、伸長し続けたペプチド鎖だけに導入されるように設計されている特殊な精製用タグを用いて、タンパク質やペプチドを収率良く精製する技術を開発することを目的としたものである。本研究を通してペプチドの効率的な生産方法と精製キットの開発を目指す。 |
808 |
共振電極と分極反転構造を用いた高性能光SSB変調器の開発 |
村田 博司 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
高速光SSB変調器は、次世代のペタビット級光通信・光ファイバー無線や高分解能光計測におけるキーデバイスである。本研究課題は、代表研究者が提案している分極反転構造光SSB変調器に、新たに考案するバランス定在波共振電極と補正用電極を適用することで、その低電力駆動化と高消光比化を追究するものである。実際に、準ミリ波〜ミリ波帯で動作する小型高性能光SSB変調器を試作して動作実証実験を行い、その有用性を明らかにする。 |
809 |
有機スピンバルブ素子の開発 |
夛田 博一 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
21世紀のユビキタス社会の一翼を担う材料として有機物に期待が寄せられている。印刷などの簡便な方法で,素子および回路の描画が可能であり,さらに,炭素や酸素などの軽元素で構成されるため,スピン−軌道相互作用が小さく,高いスピン輸送能が期待される。本研究ではこの長所を活かし,フレキシブルなスピントロニクス素子の実現に向けて,磁性材料/有機半導体界面の構造および電子状態を制御し,スピン注入および輸送過程を明らかにする。 |
810 |
微分スペクトルイメージング用波長可変フォトニックフィルタ |
奥山 雅則 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
対象物の反射スペクトルの波長微分像を得る微分スペクトルイメージングが特徴抽出や高度情報認識において有効である。波長可変フィルタの透過スペクトルを変えて撮影した2枚の画像の差分によりスペクトルの波長微分を行ない、対象物の持つ赤、緑、青の色のみならず波長分布を反映した特徴的な二次元画像が得られる。この波長可変フィルタを誘電体、透明導電体、強誘電体の多層膜フォトニック素子により作製し、その特性改善を図る。 |
811 |
パルス磁気顕微鏡による磁性・キラリティー評価法の開発 |
渡會 仁 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
現在、生体試料や微粒子試料の顕微可視化技術のための新原理が求められている。本課題は、顕微光学系において、微小なパルス磁石を用いて微量の不均一な微粒子試料や生体試料にパルス高磁場を印加し、試料に照射される偏光の磁気光学効果を画像として捉えることにより、試料の磁気イメージングと光学活性(キラル)イメージングを同時に行う方法を開発する。そして、細胞のキラル画像化、血球細胞磁性診断および皮膚タンパクの加齢診断などへの利用を検討する。 |
812 |
光コム生成テラヘルツ光ビートを用いた高分解・超高ダイナミックレンジ測距法の開発 |
横山 修子 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
本研究は、フェムト秒モード同期レーザから出力される『光周波数コム』のモード間に生じる、波長が数メートルであるMHz帯の光ビートを粗い物差しとし、波長が数100μmであるTHz(テラヘルツ:1012Hz)帯の光ビートを細かい物差しとする事で、数メートル以上の距離をサブμm以下の分解能で測定する超高ダイナミックレンジを持つ測距計を開発する。特にTHz帯光ビートの検出は現存の受光器では不可能である為、独自の『多周波ヘテロダイン相互相関検出』を行う。 |
813 |
リアルタイムシステムのためのフィードバック型リソース配分法の開発 |
潮 俊光 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
組込みシステムにおいて,過負荷状態になるとシステムの性能が急激な劣化する.これを避けるために,各タスクのプロセス利用率などのリソース使用量を動的に変更させて,各タスクの性能は多少劣化するがシステム全体としては致命的な状況を回避する手法を提案する.本手法では,現在の各タスクのサービス品質をモニターして,各タスクへのリソースの再配分を行う.本手法をミドルウェアとしてリアルタイムOS上に実装する. |
814 |
超音波共鳴法を用いた超高精度低温弾性定数計測システムの確立 |
垂水 竜一 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
固体材料の弾性定数は、材料の持つ多くの機能や特性と相関を持ち、一度計測されれば恒久的に値の修正されない基礎物性値である。本課題では、現行の弾性定数計測手法の中でも最も測定精度の高い超音波共鳴法(3点支持型)を、独自に設計したHeガスを冷媒とする低温用クライオスタット内に組み込むことで、超音波共鳴法を用いた弾性定数の計測温度範囲を大幅に拡張する(室温〜5 K)。 |
815 |
超高感度水晶バイオセンサの開発 |
荻 博次 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
生体分子間の親和性および特定たんぱく質の検出を高感度に行うための水晶振動子バイオセンサを開発し,その性能を従来の振動子バイオセンサと比較する.水晶振動子表面にたんぱく質を吸着させ,そのときの振動子の共振周波数の変化から,吸着たんぱく質の同定と定量を行うという原理である.電磁波駆動による無線・無電極計測により,従来問題となっていた配線と電極の存在による感度低下の影響を無くす. |
816 |
より正確、安全な縦隔リンパ節生検をめざした、バーチャルナビゲーションシステム(Virtual navigation sysytem)の開発 |
塩野 裕之 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
近年、撮影機器やコンピュータ処理能力の飛躍的な進歩により、画像情報を三次元構築し、あたかも実際の内視鏡検査をしているごとく動画を提示するバーチャル内視鏡が開発された。この研究では、患者のCTやPET画像データから、バーチャル縦隔鏡を作製し、術中の内視鏡画像と重ね合わせることにより、肺癌診療などにおいて従来から行われている縦隔鏡や気管支鏡生検を、より安全かつ確実に支援するナビゲーションシステムを開発する。 |
817 |
金属性と半導体性カーボンナノチューブの分離装置の開発 |
脇坂 嘉一 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
カーボンナノチューブ(CNT)は構造によって金属的にも半導体的にもなること、電子材料、光学材料として優れた特性を持つことから、様々なデバイスへの応用が研究されている。しかしながら、現状では金属性と半導体性CNTを選択的に製造できないため、CNTの優れた特性を生かしたデバイスを作製するためには両者を分離する必要がある。本課題は金属性と半導体性CNTの電気的特性の違いを利用したCNT分離装置の開発を行う。 |
818 |
急性心筋梗塞におけるリモデリング促進因子抑制療法の開発 |
谷山 義明 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
我々は急性心筋梗塞の急性期に接着阻害因子ペリオスチンが分泌されておりその後の心拡大、および心機能悪化に影響を与えていることを突き止めた。ペリオスチン特異的モノクローナル中和抗体を用いて心機悪化を防ぐことに成功した。現在、更なる良好なモノクローナル抗体をスクリーニング中である。 |
819 |
生物的無毒化処理によるセルロース系バイオマスの効率的利用 |
片倉 啓雄 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
建築廃材等のセルロース系バイオマスを原料としてエタノールを製造する場合、酸加水分解による糖化反応が必要になるが、この時にフルフラールなどの発酵阻害物質が生じ、その後のエタノール発酵を阻害する。本研究では、酸加水分解液をある微生物で前処理することによって発酵阻害物質を除去し、エタノール発酵に用いる組換え大腸菌や酵母の活性を長期間維持し、これによりバイオマスエタノールの製造コストを低減させる。 |
820 |
高病原性トリインフルエンザウイルス迅速診断法の開発 |
中屋 隆明 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1)の主要な構造タンパク質を認識する複数のモノクローナル抗体を作製した。これらの抗体を各種担体と結合させ、この「担体-抗体複合体」を鼻汁・咽頭ぬぐい液(スワブ)と反応させ、凝集体の有無を確認することにより、H5型ウイルスの正確かつ迅速な診断・同定法の確立を目指す。 |
821 |
磁気的機能を付与した均一分散金属ナノ粒子含有コーティング樹脂材料の開発と応用 |
山内 智央 |
大阪大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
ナノ粒子の粒径制御や、凝集なく高分子樹脂中に高分散させることは非常に困難であり、簡便な方法で金属ナノ粒子が均一分散したポリマー系ナノコンポジット材料が求められている。当グループ゚は、マイクロ波加熱による金属ナノ粒子の迅速かつ簡便な合成法や粒径制御された単分散ナノ粒子合成に関して多数報告してきた。今回、それらの知見を活用することで、導電性、磁気的特性を必要とする電子材料用途へのポリマー系ナノコンポジット材料において応用を図る。 |
822 |
ヘムタンパク質を基盤とするバイオ超高感度酸素センサーの開発 |
林 高史 |
大阪大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
生体組織における溶存酸素は、様々な生理現象に関与しており、医療現場や、培養細胞などの生体試料の評価において、高感度かつ容易に検知できる酸素センサーの開発が必要とされている。 本課題では、幅広い生体反応を担っているヘム蛋白質を一種の「バイオセンサー材料」と捉えて、そのヘムタンパク質の構成要素である「ヘム」の構造や化学的性質を、化学修飾により制御し、生体内もしくは生体試料中で機能する新しい超高感度酸素センサーの開発を目的とする。 |
823 |
ハロペルオキシダーゼの酵素機能に基づいた環境調和型ハロゲン化プロセスの開発 |
平尾 俊一 |
大阪大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
ハロゲン化物は医薬品や有機材料合成における重要な合成中間体である。申請者は、酵素ハロペルオキシダーゼがハロゲン化物イオンを触媒的に酸化することに着眼し、この機能に基づいた触媒設計により水を反応溶媒として用いる環境に優しいハロゲン化触媒が開発できると考えた。本研究では、活性中心に存在するバナジウム等の遷移金属を検討し、ハロゲン化物イオンを触媒的にハロニウムイオンに変換する環境調和型プロセスの構築を目指す。 |
824 |
脂肪組織由来未分化間葉系幹細胞を用いた次世代型歯周組織再生療法開発 |
橋川 智子 |
大阪大学 |
妹尾 八郎 |
大阪大学 |
重度歯周炎患者を対象にした次世代の歯周組織再生療法を樹立する目的で、脂肪組織由来幹細胞の移入による歯槽骨、歯根膜、セメント質を含む新規歯周組織再生療法の確立を目指す。代表研究者らはすでに、ビーグル犬歯周病モデルを用いて脂肪組織由来未分化間葉系幹細胞移植実験を行っており、中程度歯周組織欠損部に歯周組織の再生誘導に成功している。今回、重度歯周病再生治療法の開発を目的に、脂肪由来幹細胞に加え、最も適切な再生誘導用足場材料を選定、補強する事を、ビーグル犬重度歯周病モデルで実施する。これにより、ヒトへのトランスレーショナルリサーチへの道を開く。 |
825 |
環境半導体β-FeSi2の高品質エピタキシャル膜成長への挑戦 |
瀧川 靖雄 |
大阪電気通信大学 |
彦坂 明宏 |
大阪電気通信大学 |
化学洗浄したシリコン基板を短時間でも空気中に暴露すると有機カーボン汚染が付着するがこの汚染をアルゴン雰囲気中で極端紫外光Arエキシマランプ光(波長126nm)を照射すると簡単に除去できることを見出している。この新技術と独自に開発した2段階溶融法によって作製した巨大ε-FeSiターゲットにArFエキシマパルスレーザーを照射してアブレーション種をシリコン基板と熱反応させることにより良質のβ-FeSi2エピタキシャル薄膜を作製する新技術である。さらにレーザーアニールを施してインターネット通信用発光材料に転嫁させる新技術の開発である。 |
826 |
溶融炭酸塩を用いた食品廃棄物の高付加処理法の開発 |
杉浦 公彦 |
大阪府立工業高等専門学校 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
現在,醤油や味噌メーカーから排出される食品廃棄物には,塩分が多く含有されているため,飼料化やメタン発酵によるガス化などは困難であり,地中埋設も塩分の流出により問題となっている.本研究は,溶融塩でこれら食品廃棄物をガス化するため,食品廃棄物中の塩,灰や硫黄分を溶融塩中に固定しながらガス化主成分であるCOとH2を得ることができる.従って,廃棄物処理のコスト低減が図れるばかりか,エネルギーを生み出すことができる高付加処理法である.本研究では,塩分含有率の高い醤油粕を用い,溶融塩ガス化の基本特性の取得を目的とする. |
827 |
参照光なしディジタルホログラフィ装置の開発 |
重井 宣行 |
大阪府立工業高等専門学校 |
松田 元伸 |
大阪府立大学 |
本課題では,空間上の物体を「参照光のない状態」で撮影し,物体の像をコンピュータで再生するディジタルホログラフィ装置を開発する.従来のディジタルホログラフィでは,レーザ光を二つに分け,物体光と参照光を干渉させて干渉縞を得るが,本課題では,参照光を使わず,物体光どうしを干渉させて干渉縞を得る.この干渉縞をイメージセンサで記録してコンピュータに取り込めば,回折計算プログラムによりピント合わせが自在に行え,物体の像がコンピュータ画面に表示される. |
828 |
高機能・高活性を有する金属/TiO2ウニ状微粒子光触媒の開発 |
日置 亜也子 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
申請者らはこれまでに、針状TiO2微粒子の一端を一点に束ねた構造(ウニ状構造)を有する高活性微粒子光触媒を開発している。本研究では、これに金属ナノ粒子を複合化させて、1. より高い触媒活性(複合化による触媒活性 20 %向上)、2. より大きい体積(より小さい粒子密度)(粒径1〜10μm程度)を有する高ハンドリング性、という相反する特長を有する金属/TiO2ウニ状微粒子光触媒を開発し、大気・水質浄化材への利用を目指す。 |
829 |
超精密切削におけるダイヤモンド工具の熱化学的磨耗の抑制に関する研究 |
本田 索郎 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
森田 均 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密切削加工は、主に高機能光学部品の加工技術として既に一般化している。しかし、その対象材料は無酸素銅、アルミニウム合金、無電解ニッケルリンめっき膜等に限定され、鉄系材料やチタン・モリブデン等の機能性材料はダイヤモンド工具に急速な熱化学的摩耗を生じさせるため加工不可能である。本研究では、ダイヤモンド工具と被削材間に電流を流す通電切削によって熱化学的摩耗の抑制を試み、超精密切削の対象材料の拡大を図る。 |
830 |
MEMS技術を用いた微小材料の熱物性測定デバイスの開発 |
宇野 真由美 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
森田 均 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
MEMS技術を用いて、数mm〜数100mm程度の微小試料の熱伝導率や比熱等の熱物性値を測定するためのデバイスを開発する。近年、基礎研究、産業応用の両面において非常に重要な意味をもつ新奇な有機材料や生体材料等が提案されているが、試料が微小であり熱物性値の測定が困難である。そこで本研究では、1)高断熱構造による熱測定MEMSデバイスの高性能化、2)実用化に向けた試料装着手法の開発、を行い、微小材料の熱物性値の精密測定が可能な新規MEMSデバイスを世界に先駆けて開発することを目標とする。 |
831 |
大規模原本データベースの高速画像検索に基づく文書・画像の実時間改竄検出 |
黄瀬 浩一 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
本研究の目的は,10万枚程度の大量の文書や写真,ポスターなどの著作物を保護対象とし,その改竄を実時間で検出するシステムの構築である.独自性は,次の2つの技術にある.一つは,電子情報通信学会論文賞を受賞し,PCT出願済みの文書画像検索技術,もう一つは,PCT出願予定の平面物体認識技術である.例えば後者を用いると,10万枚の写真を対象とした認識が1ミリ秒で実現できる.この技術は,対象がStirmarkなどの画像変換を受けていても有効である. |
832 |
製造性に優れた超耐熱・超耐環境次世代型金属間化合物合金の開発 |
高杉 隆幸 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
最密充填金属間化合物を構成相とする新規な超微細2重複相組織からなるNi基超超合金の合金設計と組織制御を行うと共に、種々の製造プロセス技術と基盤加工・活用技術の確立を図り諸性能を向上させる。これにより、製造性、省エネルギー、省資源、信頼性、コスト、環境調和性に優れた次世代型超耐環境高温構造材料の開発を目指す。 |
833 |
頻度・鮮度の多面分析に基づく動向分析ツール |
辻 洋 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
本研究は、個々の記事単独では把握できない動向を多数の記事から把握するためのソフトウェアを開発し試験する。そのため、記事に現れるキーワードの当初出現時・最新出現時など鮮度と、出現記事数・出現回数など頻度という軸を定義して、データウェアハウスの分析手法と共起リンク・ネット分析手法を併用する。これにより、キーワードが現れる栄枯盛衰(動向)を可視化することが可能となる。学会論文に見られる研究分野動向の分析、特許出願動向の分析など幅広く適用することが期待される。 |
834 |
高気孔率・高強度を有する炭化ケイ素(SiC)多孔体の新規合成と自動車用セラミックガスタービン燃焼触媒担体の開発 |
間渕 博 |
大阪府立大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
自動車用セラミックガスタービン(CGT)は燃費の大幅な低減と、多種類の燃料が使用できることで注目されている。しかし、その燃焼条件は高温、高圧となるためNOx排出量が多く、このために低NOx化を実現する高度な触媒燃焼技術の開発が必須である。本課題では、超高温でも使用可能なセラミックス材料である炭化ケイ素(SiC)に着目し、申請者らが新規に開発した化学気相反応法を用いた合成プロセスにより、高気孔率・高強度を有するSiC多孔体を作製し、これらを自動車用CGTの燃焼触媒担体に応用するための試験研究を行う。 |
835 |
高速回転偏心ねじり押出し法の開発と難加工マグネシウム合金への適用 |
高津 正秀 |
大阪府立大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
力ずくで変形させる従来の強加工微細化プロセスでは,大型バルク素材の創製や難加工材への適用が難しく,また,非効率、低歩留り、均一微細化が難しいなどの問題がある.高速回転偏心ねじり押出し法は,回転するビレットをダイに押し当て,摩擦による発熱と塑性流動による材料の自然流出を待つもので,上記従来法の課題の一挙解決が期待できる.ここでは,特に微細化効果の大きい難加工マグネシウム合金への適用を検討する. |
836 |
反応性ビラジカルを用いた革新的有機EL素子の設計と開発 |
池田 浩 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
有機EL素子の研究開発は多環芳香族化合物を用いるのが世界の潮流であるが、本研究では化学反応を用いて反応性励起ビラジカルを発生させ,それを用いた革新的有機EL素子の開発を計る.この“非常識的”アプローチで,1)低分子による長波長発光の簡易実現,2)三重項分子の利用による内部発光量子効率の増大(現状は理論上最大25%,本研究では75 100%),3)高い耐久性をもたらす新機構等の革新的改良が期待できる. |
837 |
大気圧常温プラズマと吸着剤を利用した高効率小型VOC無害化技術の開発 |
黒木 智之 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
有効な処理方法が確立されていない小規模な発生源からのVOC(揮発性有機物)排ガス対して、大気圧常温プラズマと吸着剤を利用した高効率小型VOC無害化技術の開発を目的とする。特に、病理検査室や解剖室では、キシレン排ガスによる人体への影響が懸念されているため、吸着剤によりキシレンの排出濃度を0.2 ppm以下まで削減し、常温プラズマにより吸着剤を短時間で再生させることを研究し、実用化可能レベルに近づける。 |
838 |
キシロース及びその重合体を代謝する休眠遺伝子発現菌株の育種 |
岸田 正夫 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
農産及び木質廃棄物のバイオエネルギーなどへの再資源化にはセルロースと並んで多量に含まれるキシロース及びその重合体を代謝できる微生物の育種が重要である。酵母菌のゲノム上にはペクチン分解酵素の休眠遺伝子の存在が示唆されており、キシロース及びその重合体を代謝する酵素群についても休眠遺伝子として持つ微生物の可能性が示唆される。本研究ではこれらのキシロース及びその重合体代謝酵素の休眠遺伝子発現突然変異体を育種し、有効活用することを目的とする。 |
839 |
新規な酵素を用いた新規なキチンオリゴ糖の調整とその利用 |
上田 光宏 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
多糖類がエネルギー源だけでなく種々の生理機能を持っていることが明らかになりつつある.これまでに部分脱アセチル化したキチンに作用する新規な酵素の単離に成功した,その結果を基にして,今まで得ることが非常に困難であった重合度7以上の部分脱アセチル化キトオリゴ糖を作成し,これらのオリゴ糖の生理活性作用について検討する.さらに重合度の大きなオリゴ糖のできるメカニズムを酵素タンパク質レベルで解明する. |
840 |
帯電ナノ液滴を用いた香辛料の防菌・防黴 |
足立 元明 |
大阪府立大学 |
松田 元伸 |
大阪府立大学 |
目標:香辛料の防菌・防黴は、現在、主に放射線照射や化学薬品蒸気による燻蒸により行われている。本研究では、放射線や大量の化学薬品を用いない新しい、香辛料の防菌・防黴技術の開発を目指す。 独創性:@放射線や化学薬品に代わり大きさが数〜十数nmの電荷を持つ液滴(帯電ナノ液滴)を用いる。 A高濃度の帯電ナノ液滴を、イオン誘発核生成現象を用いて合成する。 B液滴がもつ電荷に殺菌作用があるため、化学薬品を使う必要がなく、液滴として水が使える。 C水による殺菌であるため香辛料への薬品の残留がなく、さらに香辛料の生命である香りへの影響がない。 |
841 |
ビル風における風害低減に有効な風力タービンとその応用 |
金子 憲一 |
大阪府立大学 |
松田 元伸 |
大阪府立大学 |
近年、都市部での乱立した高層ビル周りでの強風によるビル風公害も問題になっている。従って、マンションや高層ビルなどで発生するビル風の低減に着目し、抗力を利用した垂直軸風力タービンを設置することで、発電と防風の両方が達成可能であると考えられる。本研究の目的は、ビル風の特有の性質を把握した上で、ビルのコーナー部分の剥離流だけでなく、ビル壁面に衝突する風が偏流をともなった上昇流となる流れと相反して、下降流となって流れる強風を低減するための風力タービンシステムを構築し、その可能性を追求する。 |
842 |
カメ培養肝細胞を用いた簡便で再現性の高い環境汚染評価法の開発 |
鎌田 洋一 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
卵生動物のオスが女性ホルモン活性のある汚染物質の曝露を受けると、ビテロジェニン(VTG)という卵黄前駆体が肝臓で合成され、血液中に放出される。私は野生のクサガメオスの血中VTG濃度と汚染物質の相関を調べ、環境の良否を評価してきた。本研究ではカメ肝細胞の培養システムを確立し、汚染物質によって肝細胞から誘導されるVTGをパラメータとして、簡便で再現性が高く、検査施設間等での変動のない安定した環境汚染評価法を開発する。 |
843 |
生体内輸送蛋白質を用いた難水溶性薬剤の新規ドラッグデリバリーシステム |
乾 隆 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
創薬において、高い薬剤活性があるにも関わらず、難水溶性であるために研究開発段階で脱落する薬剤が多い。本研究は、今日まで製薬企業で困難を極めていた薬剤溶解度に対する問題を解決するために、生体内輸送蛋白質であるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素を用いて、薬剤活性の高い難水性薬剤を可溶化し、疾患部に輸送するという全く新しいドラッグデリバリーシステムの確立を目指す。 |
844 |
主翼独立制御型水中グライダーの高度知能化に関する研究 |
有馬 正和 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
本研究課題の目的は,「主翼独立制御型水中グライダー」の高度知能化を図り,実海域での使用に耐える自律型海中ロボットとして進化させることである。本研究では,外部からの指令を必要とせずに,定められたゾーン内で複数機が協調して任務を遂行するための「自律型マルチエージェントモデル」を開発して現有機に組み込み,水槽試験によって有効性・妥当性を検証するとともに,新たな問題点の抽出を研究期間内の具体的な目標とする。 |
845 |
水素機能性を有する次世代汎用型高強度耐熱金属間化合物の創製と応用展開 |
金野 泰幸 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
汎用多結晶鋳塊から温間圧延−焼鈍を繰り返す組織調整プロセスを経て作製されたNi基およびCo基金属間化合物冷間圧延箔は,既存のニッケル合金やステンレス鋼に比べて格段に高い強度特性を示す。さらに,Ni基金属間化合物箔はメタノール改質反応に対して高い触媒活性も示し,優れた機械的特性と水素生成触媒能を兼備する新規金属系材料としての応用が期待される。本課題では実用化に向けてさらなる高強度化,耐熱性向上,触媒能向上等を目指す。 |
846 |
超長寿命フッ素樹脂電子ペーパ実現のための革新的プラズマ複合処理法の開発 |
大久保 雅章 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
電子ペーパ、有機ELディスプレイへの応用を主眼として、高機能性フッ素系樹脂のフィルムに対する接着性向上、積層化、めっき、蒸着、パターン描画を可能にする新規プラズマ複合表面処理技術を開発し、従来技術では製作が困難な超長寿命のフッ素樹脂フィルム製電子ペーパを実現する。具体的には、表面に大気圧非熱プラズマを照射し、直ちにモノマを気相または液相グラフト重合する複合処理で表面を処理し、高接着強度を有し水分や酸素に対しガスバリア性が高いフィルム材料を創製する。 |
847 |
超臨界二酸化炭素を用いた新規な高機能性化粧品の設計 |
綿野 哲 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
本研究では、超臨界二酸化炭素を用いて、化粧品に使用できる基材粒子の微粒化と、無機・有機系紫外線遮蔽剤との複合化、さらに、抗酸化作用、消炎・抗炎症作用、保湿などに有効な種々の有効成分のナノカプセル化などの複合化を試みるとともに、複合化のメカニズム、粒子物性の制御法などに関する科学的な検証を行う。さらに、本手法により設計された複合化粒子の化粧品としての特性を評価し、高効率な製造方法の確立を目指す。 |
848 |
Ti合金と同等の高比強度を有するFe3Al基耐熱合金の開発 |
小林 覚 |
東北大学 |
阿部 敏郎 |
科学技術振興機構 |
Fe3Al基合金は高温における優れた耐酸化性及び耐硫化性、軽量性、低素材費のため各国で注目されてきた材料である。申請者はこれまでに本合金の加工・熱処理プロセスによる結晶粒微細化法を見出し、Ti合金に匹敵する高比強度を発現した。本試験では、既存の耐熱鋼やTi合金と代替する高比強度・低コストFe3Al基耐熱合金の開発を目指して、微細粒材の高サイクル及び低サイクル疲労試験、水蒸気中での引張特性及び機械加工性の評価を実施する。 |
849 |
貴金属・磁性体複合型ナノ触媒の開発 |
水越 克彰 |
東北大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
超音波還元法を用いて貴金属イオンを還元し、微小かつ均一な粒径分布を有するナノ粒子として磁性酸化鉄の表面に固定化して、高活性を示す触媒の調製を行う。磁場によって回収した触媒の活性を再度評価し、繰り返し使用においても高活性を維持できる触媒の開発を目指す。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
850 |
天然ワカメ由来クロロフィル増感太陽電池の開発 |
王 暁峰 |
関西学院大学 |
山本 泰 |
関西学院大学 |
色素増感太陽電池(DSSC)の開発は新しい増感色素の発見、特に有機合成を中心としてやっている。本研究の出発点は増感色素の高い効率と安い価格の両方を考えて、応用化を目指している。天然物ワカメにたくさん存在している色素であるクロロフィルcは増感色素として以上の二つの優点が含まれている。その上、天然のクロロフィルcが持っているマグネシウムを亜鉛に交換すれば、色素は酸化し難くなるし、安定性は高くなるはずである。 |
851 |
生分解性プラスチックの加工性向上を目指した結晶性・熱安定性に関する研究 |
尾崎 幸洋 |
関西学院大学 |
山本 泰 |
関西学院大学 |
PHB系プラスチックは、結晶化速度が遅いために加工しにくく、2次結晶化の進行により成型加工後に物性低下が起こるといった課題を抱えており、実用化に向けて更なる改良が望まれる。そこで、本研究では、PHBおよびその共重合体の加工向上のため結晶構造や熱的挙動を、1)赤外スペクトルの温度変化の測定、2)DSCおよび広角X線回折の温度変化の測定、3)SPring-8における時間分解小角、広角X線散乱―DSC同時測定より、明らかにすることを試みる。 |
852 |
ゲノム初期化因子の簡易スクリーニング法の開発研究 |
木下 勉 |
関西学院大学 |
山本 泰 |
関西学院大学 |
成体の体から採取した細胞を初期化し、発生初期の胚性の細胞へ戻すことができれば、自分のES細胞を作り出すことが可能となる。この技術を確立するためには、成体細胞の核に含まれるゲノムを初期状態に戻す働きをする初期化因子が必須である。本研究では、かかる初期化因子の簡易スクリーニング法の開発のため、ゲノムの初期化状態を検出する遺伝子の作製、及び試験管内(in vitro)検出法の確立・検証を行なう。 |
853 |
金めっき技術を応用した新規免疫学的検出技術の開発 |
西方 敬人 |
甲南大学 |
安田 耕三 |
甲南大学 |
本研究課題は、既存の「簡便かつ安全な金めっき浴」の技術を、バイオ領域の技術に応用・移転するものであり、免疫学的手法(ウエスタンブロッティングおよび免疫組織染色とin situハイブリダイゼーション)における検出感度の飛躍的向上を図るものである。さらに本検出法の実用性の高さと応用範囲の広さを示すとともに、汎用検出キットを組み立て、抗体マーカーを用いた高感度のガン診断法の確立を目指している。 |
854 |
放射光及び第一原理計算を用いた局所構造解析技術の開発と実用材料への応用 |
梅咲 則正 |
高輝度光科学研究センター |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
エレクトロニクスデバイス材料などの機能性材料の多くはドーパントである微量添加物によって機能を発現させる場合が多いが、機能の発現に直接係るドーパントの局所構造は解明されていない。効率的な材料設計・開発を行うために、機能性発現のために添加されるドーパント材である微量元素の局所構造を電子・原子レベルで直接解明できる放射光X線吸収端近傍構造計測と第一原理構造シミュレーションを組み合わせた局所構造解析技術を産業応用に結びつく実用機能材料の材料設計・製品開発に資するシステム構築のためのフィジビリティースタディーを行う。 |
855 |
インソール製作を簡略化するための足底測定法に関する研究 |
奥 英久 |
神戸学院大学 |
松原 加代子 |
神戸学院大学 |
現在、日本人の食生活や生活習慣が欧米化する中で、偏平足や外反母趾等による足部疾患が急増している。この予防・改善には、靴の中に挿入するインソール(中敷)が効果的であることが知られている。一方、インソールは、本人に適合しなければ逆効果となるため、臨床現場においては、対象者の足底形状に合わせて確実かつ簡便に製作する手法が求められている。本課題では、臨床現場で経験的に行われてきたインソール製作過程を分析し、個別の足底形状に適合するインソール製作手法、特に実用的な足底測定法について研究する。 |
856 |
ランダム・セントロイド最適化法を用いた新調理システムによる健康調理条件の探索 |
後藤 昌弘 |
神戸女子大学 |
亀治中 吉男 |
神戸女子大学 |
スチームコンベクションオーブンを用いた煮物料理に焦点をおき,従来の調理法に比べ,より減塩もしくは減糖されて,おいしいく調製する最適調理条件の探索をランダム・セントロイドプログラムによって行う。また,加熱調理だけでなく,製造後ブラストチラーにより冷却し,保存した場合に調味液が浸透することが考えられることから,この冷却,保存を含めた条件設定で同様の調査を行い,クックチルで提供する場合とクックサーブで提供する場合の条件のちがいを明らかにする。また,これらの調理条件下での栄養成分の変化についても調査する。 |
857 |
望みの抗体と酵素を連結可能なアダプター蛋白質の開発 |
田中 勉 |
神戸大学 |
塩野 悟 |
神戸大学 |
抗体−酵素融合蛋白質は免疫測定や医療診断に広く用いられている。しかし、市販されている抗体−酵素融合蛋白質の種類は限定されており、また調製法が困難であるためユーザー自身が自分の使いたい抗体と酵素を連結することは難しい。そこで本課題ではユーザーが使いたい望みの抗体と混合するだけで、シグナル検出のための酵素と抗体を連結可能なアダプター分子の開発を目指す。 |
858 |
早期食道・胃癌に対する新規内視鏡的治療法の開発 |
森田 圭紀 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
近年、消化管腫瘍に対する内視鏡的治療法は急速な発展を遂げ、従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR)から内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の時代へと大きく変貌しつつある。ESDは大きさや粘膜下層の線維化の有無に関わらず腫瘍を一括完全切除でき、正確な病理組織学的評価を可能にしたが、手技習得が困難で出血や穿孔等の偶発症が多く、施行時間が長いという欠点もある。そこで安全・確実なESDの普及に向けて新たな処置具と2本の内視鏡を用いてESDを行う「Double scope-ESD」を発案し、早期食道・胃癌を対象にその有効性と安全性を評価することを目的に本研究を企画した。 |
859 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスを用いた病態解析とその臨床応用 |
林 祥剛 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
脂肪性肝炎(NASH)は、飲酒歴がないにも関わらずアルコール性肝炎と極めて類似した肝組織像を呈する。予後良好な脂肪肝と異なり、肝硬変、肝癌へと進展する可能性がある、早期診断が必要な疾患である。ウイルス性肝炎が制圧されつつある現在、非常に重要な疾患概念となってきているが、その発症機序は、いまだ明らかになっていない。我々は、血管内皮リパーゼの遺伝子欠損マウスに高脂肪食を与えることにより、NASHが容易に発症することを見出した。このヒトNASH類似のモデルマウスを用いて、NASH発症機序の解明、診断、薬剤の開発を試みている。 |
860 |
昇温溶出アフィニティークロマトグラフィーによる一塩基多型の検出 |
勝田 知尚 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
テーラーメイド医療の実用化には、信頼性の高い一塩基多型(SNP)検出法が必要不可欠である。本研究では、申請者らがこれまでに開発した昇温溶出アフィニティークロマトグラフィー法を応用し、検査対象部位を含む断片の全長DNA試料からの単離、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による単離された断片の増幅、そして増幅された断片に対するSNP検出といった一連のプロセスを連続的に行うことにより、信頼性が高く、簡便なSNP検出法の開発を目指す。 |
861 |
補体媒介性細胞障害を利用した高感度の微量抗体測定法 |
小西 英二 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
感染症診断において、微量の抗体を確実に測定する社会的ニーズは大きい。病気の早期診断や献血の安全性検査などに大きく貢献する。しかし、標識抗体法など現在の主な抗体測定法は非特異的反応を生じるため、低レベルの抗体を高い信頼性で検出することは困難である。本応募課題は、哺乳類が有する精緻な特異的免疫機構を利用して、新しい微量抗体検出法の確立を目指す。予備実験では成功しており、本研究実施期間にプロトタイプを確立する。医療及び獣医療に広く利用可能な技術である。 |
862 |
ヘリコバクターピロリ感染による胃発癌リスク診断の開発 |
東 健 |
神戸大学 |
小野 英男 |
神戸大学 |
ピロリ菌は世界保健機構より1群の発癌因子に認定されている。本研究では、ピロリ菌感染による胃発癌リスク診断キットを開発することを目的とし、ピロリ菌の胃発癌に関与すると考えられる病原因子CagAの遺伝子型をPCRで識別する遺伝子診断キットを作製し、その診断能について解析する。本キットの開発により、約6000万人という多くの日本のピロリ菌感染者から胃発癌リスク高危険群を絞り、胃癌予防のためのピロリ菌除菌治療などの効率の良いオーダーメイド医療による胃癌予防が可能になる。 |
863 |
カンチレバーを用いた高感度テラヘルツ電子スピン共鳴技術の開発と応用 |
太田 仁 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
将来の発光素子として期待される有機金属EL素子や量子コンピューターへの応用が期待されるナノ磁石の評価など将来のナノ技術評価には,高感度のテラヘルツ(0.1-10THz)電子スピン共鳴(ESR)の開発が急務である。そこで,パルス磁場を用いたカンチレバーESRの観測という実績を背景に,高周波数,高感度化を本研究で進め,将来テーブルトップ型50TテラヘルツESRを実現するための基盤技術の創成を目指す。 |
864 |
安全・安心な生活を守るための光る変位計の開発 |
芥川 真一 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
任意の人工構造物や自然斜面などの動きを察知して,その大きさを発光ダイオードの光の色に変換し,原位置で表示する装置を開発する.この「光る変位計」を作成し,それらを防災対策,あらゆる種類の土木&建築構造物,大型機械,遊園地の大型施設,などの安全監視,さらに新しいコンセプトに基づくエンタテイメントの創出に用いることを目指している. |
865 |
タンパク質固定化ナノ粒子を用いた分子インプリントプロテインチップの開発 |
竹内 俊文 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
本研究では、タンパク質人工レセプター開発において有用な手法である「分子インプリンティング法」を用い、目的タンパク質に対して認識能を有するナノ粒子を合成して新しいタンパク質解析チップを開発することを目指す。 |
866 |
ルームミラー透過式赤外カメラを用いた安全運転支援のための車内撮像システム |
黒木 修隆 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
近年、車内向けカメラを用いた安全運転の支援システムが注目されている。運転者の姿勢や状態を検知することにより、(1)エアバッグシステムの制御、(2)サイドミラーの自動調整、(3)居眠り運転の検出と警告、(4)運転手の顔認識による防犯、(5)シートポジションの自動調整等が可能になる。これらを画像処理によって実現する際に、その入り口となる撮像システムの性能・コストが重要であることは言うまでもない。本研究は高性能かつ低コストな撮像システムの開発を目的としている。 |
867 |
機能性有機薄膜を指向するπ共役が拡張したチアゾール誘導体の設計と合成 |
森 敦紀 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
ドナー,アクセプター型のπ共役系が拡張したチアゾール誘導体を,申請者が最近開発した新規有機合成法であるパラジウム触媒を用いるCH結合置換反応を利用することにより合成し,その発光特性を分光学的特性,電気化学的特性を分析することにより評価する。 |
868 |
経口抗体療法の開発 |
谷口 泰造 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
昨年ノロウイルスによる食中毒が頻発し、風評被害の拡大を伴ったことから社会問題化し、早急な対策が望まれるところである。ところで、出産直後の新生児の免疫能、特に消化管からの感染予防には母親の母乳由来の抗体が重要な働きを演じている。 これらのことは、ノロウイルスなどの消化管感染予防における抗体投与の有効性を示唆するものと考えられる。 本研究では、消化管を介する感染の予防および治療に抗体を用いることを目指し、抗体を胃酸により失活させずに腸内へ移行させる経口投与法の開発を行う。 |
869 |
熟練者の感覚技能を継承する−皮革の触感のデジタル化− |
井上 真理 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
皮革製品の良し悪しは現在でも熟練者の勘と経験によって判断されている。後継者の育成がままならない時代になり、このような感覚の伝承が困難になりつつある。本研究では、布の風合いを基本的な力学特性と表面特性でデジタル化したこれまでの手法を用いて、皮革独特の、熟練者の感覚を継承するために、触感をデジタル化し、さらに柔らかさや伸びにかかわる皮革独特の触感と物理的な特性値との関係を明らかにする。 |
870 |
キャリヤー輸送膜とガス吸収法のハイブリッド化による高効率ガス分離法の開発 |
松山 秀人 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
透過物質と選択的に反応する物質(キャリヤー)を組み込んだキャリヤー輸送膜は、ヘモグロビンの酸素輸送に代表される生体機能を模倣した機能性膜であり、極めて高い選択性と透過性を示す。例えば燃焼排ガス中のCO2を分離・回収する場合、CO2と選択的に反応するアミン類をキャリヤーとして用いると、CO2の効率的な分離・濃縮が達成できる。ここでは、中空糸膜(キャピラリー膜)を多数束ねたキャリヤー輸送膜を用い、ガス分離系への適用を検討する。 |
871 |
油水界面を用いるタンパク質の電気抽出分離・分析法の開発 |
大堺 利行 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
最近,代表研究者が原理を見いだしたタンパク質の逆ミセル電気抽出法を用いて,タンパク質の選択的かつ迅速な分離・分析法を開発する。マイクロフロー電解セルを用いて,油水界面の電位差を制御しながらタンパク質を選択的に界面移動させ,タンパク質を電流として検出・分離する。この独創的で新規な装置の性能(選択性,迅速性,定量性など)を調べ,クロマトグラフィーなどの従来法では困難だった比較的多量のタンパク質の選択的分離を試みる。 |
872 |
脳性麻痺による発話障害者の音声コミュニケーション支援に関する試験研究 |
滝口 哲也 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
脳性麻痺による発話障害者の音声は,健常者の発話と比較して,構音が異なるため聞き取りが難しい.本試験研究は,代表研究者がこれまでに研究してきた環境変動要因除去技術と,大量データを用いた統計手法による発話障害者音声の不安定要素の除去手法を元にして,発話障害者の音声を聞き取りやすくする音声強調(変換)手法,及び発話障害者の発話区間検出法を実現し,実際に発話障害者における音声コミュニケーションツールとしての有効性を評価するものである. |
873 |
参加型アプローチによる生活空間情報データベースの構築手法 |
朝倉 康夫 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
データ(地図情報と生活情報)をオープンソース化した参加型の空間情報データベース構築のための空間情報処理技術の開発とフィールドテストを目的とする. 研究代表者らがこれまでに構築した移動体行動調査システムを援用し,一般の生活者が位置情報付の生活情報を入力することにより,地理情報と生活情報の充実と高度化を達成する参加型の生活空間データベース構築システムウエアを開発する. |
874 |
図形アルファベット仮説に基づく画像検索・分類システムの開発 |
山口 一章 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
画像の類似性の判断に関し,人間の感性を近似的に模倣するような類似性の判断尺度を開発し,実用化レベルまで発展させることを目的とする.具体的には,画像中の対象物の輪郭線を構成する図形を画像の類似性判別に用いる方法を実用レベルにまで高めること,並列化や近似計算などによる類似性計算の高速化,直感的で操作性の良いインターフェースの開発・性能評価などを行う. |
875 |
生体自己組織化構造リポソームの高収率生成法の開発 |
鈴木 洋 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
本研究では生体自己組織化構造であるリポソームの高収率生成法を確立する.リポソームはリン脂質膜に空洞を有し,この構造を利用してドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されている.その目的のためには,毛細血管を流動させるためのリポソームサイズが限定的に求められる.しかしながら,従来のリポソーム生成法では,サイズ分布が広く,要求されたサイズに対する収率が非常に低い.本研究では,サイズを制限するマイクロ流路内での生成法を確立し,高収率リポソーム製造法に関するシーズを確立するものである. |
876 |
食品内部の微生物汚染を可視化するインピーダンス・トモグラフィ装置の開発 |
豊田 淨彦 |
神戸大学 |
柘原 岳人 |
神戸大学 |
微生物による食品の成分変化を検出する電気インピーダンス微生物法と、測定対象の導電率の空間分布を画像化するインピーダンス・トモグラフィ法の機能を融合し、食品内部の微生物汚染を、非破壊、迅速、簡便に可視化する装置を開発する。微生物汚染の検出に最適な測定周波数の探索と画像再構成アルゴリズムの開発により、検出空間分解能と検出感度を明らかにする。 |
877 |
新規作物保護剤の開発 |
佐々木 満 |
神戸大学 |
鶴田 宏樹 |
神戸大学 |
人口の急激な増加による世界的な食糧不足が予測される中、生産性の向上をはかるための作物育種面での新技術や新しい作物保護方法の開発が必要である。それには環境保全型農業を志向した環境保全型作物保護技術を確立することが重要である。本課題は、環境への負荷を大幅に軽減するため、生物活性天然物をリードに見出した脂肪酸関連化合物を環境中で分解されやすく残留性の少ない作物保護剤として開発することを主眼としている。 |
878 |
ダイオキシン類の高感度多検体簡易測定法開発 |
芦田 均 |
神戸大学 |
鶴田 宏樹 |
神戸大学 |
現在、わが国においてダイオキシン類の汚染は年々減少しているが、分解性の低さ故に環境中には多くのダイオキシン類が存在する。そのため、環境中のダイオキシン類をモニタリングする必要性は高く、時間や費用がかかる公定法に代わる簡易法の開発と適用が望まれている。多くの簡易法が既知物質を測定対象としているのに対し、本課題では、ダイオキシン受容体の形質転換を指標として、ダイオキシン類の毒性を総括的に評価できる高感度多検体対応の簡易測定法開発を試みる。 |
879 |
位置情報付き画像類似度を用いたモバイル向け地域情報データベースの試作 |
鎌原 淳三 |
神戸大学 |
由雄 正保 |
神戸大学 |
位置座標付き画像の類似度に基づいて位置情報だけでは不可能な店舗特定を可能にする地域情報データベースシステムを構築する。本技術ではGPS内蔵カメラ付き携帯電話のようにメモリに制約がある場合でも最小限の通信でデータベースから店舗を特定し当該店舗の情報を得ることができる。本試験研究ではこのようなデータベースシステムに多くのデータを蓄積しモバイル用途における最適な検索半径が得られる条件について検討する。 |
880 |
石綿代替ガスケットの寿命短期予測手法の構築 |
高木 知弘 |
神戸大学 |
由雄 正保 |
神戸大学 |
今日,石綿による健康被害が社会問題となり,石油化学プラント等で多用されている石綿系ガスケットから代替品である非石綿系への仕様変更を迫られている.しかしながら,非石綿系ガスケットは長期の使用実績が乏しく,このためガスケットの寿命は未知である.そこで,申請者が構築した手法を用いることでガスケットの多用な使用環境に応じた寿命予測を短期間で可能とし,ガスケット設計,プラント設計および保守管理に有益な情報を提供することを目指す. |
881 |
脳障害治療を志向した細胞製剤の応用試験 |
松山 知弘 |
兵庫医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
骨髄には多分化能を有する幹細胞が存在する。我々は骨髄細胞から、高いポテンシャルを持つ神経幹細胞を誘導する技術を独自に開発し、「脳障害治療を志向した細胞製剤の可能性試験」を通して、神経幹細胞産生の効率性を向上させ、かつ投与幹細胞の至適分化ステージを決定してきた。本研究では、その実用化に先立ち、本幹細胞が生体内投与により機能し脳機能改善に寄与するかを試験するために、作成された骨髄由来神経幹細胞の生体投与による効果を検討し、脳障害治療のための細胞製剤としての有用性を総合評価する。 |
882 |
インクジェットプリンター用フォトクロミック色素の開発 |
山口 忠承 |
兵庫教育大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
可視光や紫外光照射によって可逆に色が変化する材料はフォトクロミック材料と呼ばれている。中でも有機材料であるフォトクロミックジアリールエテン誘導体は、光照射によって着色と消色の反応を1万回以上繰返すことの可能な材料である。現在、学術的研究は盛んであるがこの材料の実用化は進んでいない。本課題では、実用化に向けて紙媒体に親和性を持つ水溶性フォトクロミック染料への材料転換技術に関する研究を行う。 |
883 |
キトサンを用いた新規生分解性材料の開発 |
平瀬 龍二 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
我々はこれまでの研究において、ある種の塩の水溶液がキトサンを溶解することを見い出した。また、キトサン溶解液から水を除去して得られるフィルム等の材料のなかには可塑化されエラストマー的な物性を有するものがあることも把握している。本課題では、キトサンと塩からなる新規な組成物の用途開発を目的としている。キトサン、塩の組成および力学的な物性との関連について検討し、適用できる分野の探索を行う。 |
884 |
PBII法を用いたNIL用高硬度・高剥離性を有するF-DLCモールドの開発 |
神田 一浩 |
兵庫県立大学 |
元山 宗之 |
兵庫県立大学 |
ナノインプリントリソグラフィー(NIL)は、数十nmスケールのパターンを容易・低コストで形成できるために、LCD部材・燃料電池などの様々な先端産業分野で注目を集めている。本課題はこれまでNILの量産化にネックとなっていた耐摩耗性と高剥離性を満足するモールド離型材の決定版として、Plasma-Based Ion Implantation(PBII)法により、フッ素を含有したダイヤモンドライクカーボン(F-DLC)を用いるモールドの開発を行う。 |
885 |
ナノコンポジット材料の部分放電劣化機構の解明による超耐サージモータ巻線の創製 |
永田 正義 |
兵庫県立大学 |
元山 宗之 |
兵庫県立大学 |
近年、パワー半導体素子の高電圧化・高速化が進み、インバータサージと称される高電圧パルスが繰り返し多量に発生するため、モータ巻線の絶縁劣化、破壊が重大な問題として指摘されている。その対策として、通常の有機物絶縁皮膜層にナノスケールの無機粒子を混入させたナノコンポジット電線が開発されているが、その絶縁寿命の向上理由や絶縁劣化の機構についてはまだよく分かっていないのが現状である。本研究では、ナノコンポジット誘電体の諸特性が部分放電に与える影響を明らかにし、より優れた耐サージモータ巻線の開発の指針を探ると同時に、信頼性の高い絶縁劣化診断のための部分放電計測技術の開発を行う予定である。 |
886 |
カーボンナノチューブを用いた高発電効率燃料電池電極の開発 |
佐野 紀彰 |
兵庫県立大学 |
山口 學 |
兵庫県立大学 |
固体電解質型燃料電池に用いる電極を,カーボンナノチューブを用いて作製する。特に本研究では,カーボンナノチューブの表面にPtナノ粒子を担持させる技術を開発する。カーボンナノチューブの成長条件およびPtの担持の条件を最適化し、Pt質量あたりの発電効率が従来のPtナノ粒子担持炭素粒子を使用した電極と比較して約100倍以上になるように向上させることを目標とする。 |
887 |
セルロースナノファイバーで木材由来熱硬化樹脂を強化したバイオマス複合材 |
岸 肇 |
兵庫県立大学 |
山口 學 |
兵庫県立大学 |
再生可能であり二酸化炭素排出削減に寄与する植物バイオマスの有効利用が求められている。本研究では木質バイオマスを原料に用い合成した樹脂をバイオマスファイバーにて強化した複合材を創出する。より詳細には、木質バイオマスの特定成分を単離処理せず全成分を樹脂原料に用い、そのバイオマス由来樹脂をセルロースナノファイバーにて強化し、バイオマス成分を6割以上含有する高強度・高剛性グリーンコンポジットを目指す。調製された複合材は、高付加価値なバイオマス材料になると期待する。 |
888 |
新規ウェットプロセスによる高密度垂直磁気記録媒体の製造 |
八重 真治 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
無電解析出させた金属ナノ粒子を用いる新規ウェットプロセスにより高密度ナノホールアレイを形成し、これにコバルト系硬質磁性合金を無電解自己触媒析出法を用いて充填することで、高密度な垂直磁化ナノロッドアレイを作製する。これにより、溶液に浸すだけの簡便で低コストな方法で、テラビット高密度垂直磁気記録媒体を製造することを最終目標とする。 |
889 |
高感度および低LERを有するEUVレジストの開発 |
渡邊 健夫 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
極端紫外線リソグラフィ(EUVL)技術は、2010以降の線幅32 nm世代の半導体微細加工技術として期待されている。EUVレジストの開発の課題は、感度5 mJ/cm2以下かつ線幅バラツキ(LER)3 nm(3s)以下を同時に満足するレジストを開発することである。感光剤(PAG)をベースレジンに直接合成する所謂PAG内包型の化学増幅系レジストの開発を進める。併せて、EUV光による2光束干渉露光系により評価を行い、要求仕様を満足するレジストの開発を進める。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
928 |
血管形成促進作用を有する天然物化合物の解明と創薬開発 |
松原 主典 |
広島大学 |
湯浅 光行 |
岡山県立大学 |
虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症のような血管障害では、心筋や下肢組織の血流確保が困難となり重篤な結果をもたらすことから、新たな血管を形成し血流を確保する血管新生療法の開発が行われて来ている。しかし、血管形成促進物質の多くは高分子のタンパク質であり、遺伝子治療といった特殊な技術が必要となる。一方、薬草など天然物由来の低分子性血管形成促進物質は、安全で取り扱いが容易な経口投与薬剤の開発に繋がる可能性が高い。本研究では、天然物に含まれる血管形成促進物質を利用した血管形成促進剤開発の基盤を確立する。 |
929 |
内因性NOS阻害剤ADMAの代謝機構を活用した心血管疾患の新規な予防・治療法(薬)の開発 |
木本 眞順美 |
岡山県立大学 |
湯浅 光行 |
岡山県立大学 |
心血管疾患の有効な予防ならびに治療法の確立は緊急を要する課題である。最近、本疾患の新しいリスクファクターとして、内因性 NOS 阻害剤である asymmetric dimethyl- arginine (ADMA) が同定されている。本研究においては、血中ADMA 濃度を低下させる方法の開発を最終目標として、血管機能に直接影響しうるが、近すぎた存在ゆえに見過ごされて来た血液細胞におけるADMAの合成と分解に関わる代謝の全体像を検討し、心血管疾患の予防・治療のターゲットとなりうる因子を解明する。 |
930 |
動的再構成技術を適用した並列パイプライン化処理による3次元グラフィックスの高速化 |
森下 賢幸 |
岡山県立大学 |
湯浅 光行 |
岡山県立大学 |
近年,3次元グラフィックスが医療機器・映像機器・ゲーム機等に広く利用されている。しかし、高精細・大画面では演算処理量が膨大になり、最新のCPUと処理ソフトをもってしても処理困難な状況にある。本研究は、動的再構成技術を適用し、ユーザが回路を設定できるField Programmable Gate Array(FPGA)を用いて小型で高速なGPU(グラフィックス専用プロセッサ)とそのソフトの開発の基礎の確立を目指す。 |
931 |
肝臓癌及び腎臓癌遺伝子治療のためのREIC/Dkk-3アデノ随伴ウイルスベクターの開発 |
賀来 春紀 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
肝細胞癌が世界で4番目に罹患率の高い癌であり、日本でも年間死亡数が33000人に達する。また、腎癌は有効な化学療法に乏しい一方で、原発巣切除が遠隔転移巣コントロールに有効に作用するという特性を有する。本研究は、癌細胞選択的アポトーシス及び免疫活性化作用を持つREIC/Dkk-3遺伝子による、肝癌及び腎癌の遺伝子治療用アデノ随伴ウイルスベクター (adeno-associated virus: AAV)の開発を行う。癌特異的高発現分子のプロモーター(hTERT)を使用することで癌選択性を付与し、またAAVのセロタイプによる臓器親和性の違いを利用することで標的性を向上させ、効率的な癌遺伝子治療を実現する。 |
932 |
モデルマウスの検討と動脈硬化の可視化法に関する基盤研究 |
松浦 栄次 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
ヒトのメタボリック症候群に近い動脈硬化モデル動物を確立すると共に、新規に動脈硬化病変に特異的なモノクローナル抗体を作製する。それらを用い動脈硬化の存在部位やそれらの大きさが予知できる蛍光・発光イメージング装置および3次元CTによる非侵襲的な可視化法の確立に関する検討を行う。この種のアプローチは、動脈硬化に起因する生活習慣病の制圧に不可欠な試みであり、厚生行政上の経済効果が期待できる。 |
933 |
ポリリン酸処理によるチタンインプラントの高機能化 |
吉田 靖弘 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
高齢社会の到来に伴い,インプラント治療の需要は益々増加すると予想される。しかし現在のインプラント治療は,術後,数ヵ月の治癒期間を要することが指摘されており,今後の革新的な技術開発が切望されている。本研究では,組織再生能に優れたインプラントの開発を目指し,ポリリン酸処理したインプラントの機能と安全性について動物実験を中心に検討する。さらに,インプラント−生体界面を詳細に評価することにより,製品化に必要な知見を集積する。 |
934 |
特異的プロモータを用いた肺腺癌に対する新規治療型ベクターの開発 |
松岡 順治 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
我々は、肺癌特異的に目的遺伝子を発現できるシステムを開発 (Fukazawa et al. Cancer Res. 2004 64(1):363-369)し、肺癌治療ベクター;Ad-TTS/BAXを作製し当該ベクターが、正常組織障害せず肺腺癌特異的に細胞死を誘導できることを明らかにした (Fukazawa T Matsuoka J et al. Mol Cancer Ther. 2007 6(1): 244-252)。特定抗癌剤が当該ベクターの抗腫瘍効果を増強させることが期待できるため、本研究にてこれらの併用効果の検討を行う。 |
935 |
血中遊離DNA遺伝子解析による頭頸部癌の早期診断システムの開発 |
Gunduz Mehmet |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
頭頸部癌の生存率は、頸部のリンパ節転移が出現すれば急激に悪くなり、かつ臨床的な頸部転移(−)例でもかなりの率で微小転移を合併していることはしばしば経験される。 こうした微小転移は、現在の技術では検出できず、また後発・遠隔転移を的確に予測することも現時点では困難である。現在信頼性が高く、臨床的に応用可能な癌早期検出マーカーは同定されていない。従って、このプロジェクトを発展させることによって、高感度遺伝子早期診断システムを開発する。 |
936 |
難治性小児てんかんの早期発見技術の開発 |
大内田 守 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
1歳未満の小児の約8%には熱性痙攣がみられる。一般に、熱性痙攣は6歳までに治癒し積極的な治療を必要としないことが多いが、その良性経過を示す患者の中にはDravet症候群という難治てんかん患者が混在している。Dravet症候群患者は何度も痙攣を繰り返し、てんかん重積など危険な状態をもたらすため、早期に専門医の治療を必要とする。本課題は1歳未満の病初期に良性の熱性痙攣の中から難治てんかん患者を早期に選別する方法の実用化に向けての改良と検出効率の向上を目指す研究である。 |
937 |
新規OHラジカル発生系を利用した金属表面上の油汚れの超効率的除去技術の開発 |
今村 維克 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
金属材料の加工段階で付着した研磨剤や潤滑油などの油汚れを従来法の1/100以下のエネルギーで完全に除去する技術の開発を目的とする.洗浄原理としては,有機性汚れ物質が付着した金属表面上でのH2O2の電気分解によるOHラジカルの発生およびラジカル酸化反応(H2O2-電気分解)を応用する.本研究では,モデル油汚れを付着させた金属基板を種々の条件下でH2O2-電気分解洗浄したときの脱離過程を解析し,洗浄に要するエネルギーの大幅な削減を図る. |
938 |
新原理誘電性を応用する特異な電子材料の開発 |
池田 直 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
電子の規則配列に起源を持つ新原理強誘電体について、動作条件を確定し実用化への戦略を明確化する。このため,(1) RFe2O4バルク試料について化学当量比と酸素欠損量をパラメータとして強誘電特性発現条件を明確化し、同時に (2)電子秩序強誘電性崩壊条件近傍にある非線形電気伝導特性を応用した特殊な機能性電子素子を提案する。 |
939 |
新規in vitroヒト型抗体作製システムによる抗体医薬創製 |
金山 直樹 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
生体防御機能を担う抗体は,分子標的医薬としての利用が最近注目されている。医薬となり得る特異性を有する抗体は従来の方法では取得が困難であるが,申請者は,この問題を解決できるin vitro抗体作製システムを,ニワトリB細胞株DT40を用いて構築した。本研究では,DT40を用いたin vitro抗体作製システムにヒト抗体遺伝子を組込み,医薬に利用可能なヒトIgG抗体を迅速に作製できるシステムを構築する。 |
940 |
水蒸気プラズマ処理によるGaN発光ダイオードの高効率化技術の開発 |
上浦 洋一 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本研究は,最近申請者らが開発して成果を上げた水蒸気リモートプラズマ処理(H2O RPT)技術を活用して,GaN系半導体発光ダイオード(LED)の発光効率増大を図る技術を開発することを目的とする。これまでの研究で明らかになった発光増強を阻害する具体的要因として,@ LEDの積層構造とMg濃度や膜厚などの特性,A オーミック電極の特性,の2項目を設定し,これらの特性の最適化を図ることにより発光効率の増大を目指す。 |
941 |
バイオプロセスによる重要医薬中間体の環境調和型不斉合成 |
依馬 正 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
クロピドグレルは血小板凝集阻害活性を有しており、血栓によって引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の再発予防薬として使用されている。プラビックス (クロピドグレル硫酸塩の商品名) は、年間売上高が世界第2位にランクされている。遺伝子組換え大腸菌を用いた新規製造法により、クロピドグレルの鍵中間体である(R)-o-クロロマンデル酸メチルエステルを対応するケトンの不斉還元にて合成し、これをコア技術とした環境調和型製造法を確立する。 |
942 |
インスリン産生細胞を再生するベータセルリンの開発と応用 |
妹尾 昌治 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
ベータセルリン(BTC)はインスリンを分泌する膵島β細胞の分化を誘導する。しかし、BTCは細胞の増殖も促進するため、投与した場合に潜在的な悪性新生物の成長を助長する可能性がある。この懸念を回避するためには、BTCをErbB1受容体へ結合させないことが重要である。本研究では、BTCに微小な構造変化を加えてErbB1受容体への結合を低下させ、膵島β細胞の分化のみを誘導する実用的な糖尿病治療薬としてBTCの構造を最適化する。 |
943 |
バイオポリマー循環利用プロセスのためのセラミックス固定化酵素の開発 |
酒井 貴志 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
21世紀は石油ベースのオイルを基盤としたものづくりから、バイオ資源、バイオテクノロジーを基盤としたものづくり社会に変化しようとしている。ポリマーもバイオ資源からバイオテクノロジー(酵素)によって作り、使用後は酵素によってモノマーに戻す資源循環型のものが望まれる。生分解性バイオポリマーである。本研究では、ポリマー化にも、ポリマーの分解にも有効に働く実用的な多孔質セラミックス固定化リパーゼの開発と、効率的なポリマー・モノマー循環プロセスの開発を行う。 |
944 |
多様な非天然アミノ酸が導入可能なタンパク質合成系の創製 |
大槻 高史 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
蛋白質の特定部位に非天然のアミノ酸を導入することができれば、創薬および蛋白質研究に対して多大な貢献が見込まれる。既存の非天然アミノ酸導入システムでは、蛋白質への導入が不可能な非天然アミノ酸が多数存在する。その原因の一つは非天然アミノ酸がEF-Tuという因子と適合しないことであった。本研究では、多様な非天然アミノ酸の蛋白質への導入を可能にすることを目的とし、EF-Tuを改変して非天然アミノ酸の導入を検討する。 |
945 |
MRSAやVRE等の多剤耐性菌に有効な医薬品の開発 |
土屋 友房 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、多剤耐性緑膿菌などの多剤耐性菌に有効な医薬品シーズの開発を目指す。すでに代表者らは、MRSAやVREに対して試験管内レベルで極めて有効な物質を約10種、植物から単離・同定している。それらを中心に、実用化に向けて、作用点の解析、動物における感染治療試験などを行う。そして、出てくる問題点を改善し、誘導体・類似体の合成等を行い、実用化を目指す。 |
946 |
ピリジニウム塩誘導体が有する抗マラリア活性発現メカニズムの探索 |
佐々木 健二 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
当研究室で開発した簡便且つ安価に合成できるピリジニウム塩誘導体が,既存の抗マラリア薬を凌駕する抗マラリア活性を有することを見出しているが,この誘導体がどのようなメカニズムでマラリア原虫に対して活性を発揮するのかは不明である。従って,本誘導体がマラリア原虫にどのように取り込まれるのか,また,マラリア原虫のどのような部分にどのように作用しているのかを調べることにより,本誘導体の活性発現のメカニズムを明らかにすることが本研究の課題である。 |
947 |
グリコーゲン利用に関わる輸送体の異常検出キットの開発 |
表 弘志 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
グリコーゲン蓄積異常に関わる輸送体の異常を検出するキットの開発を目指す。グリコーゲンの制御された合成と分解は正常な糖の利用に必須である。グリコーゲンの分解物であるグルコースリン酸は小胞体内でさらに分解される。この過程の輸送体(NPT4)が異常をきたすとグリコーゲンの利用が制限され、低血糖や免疫不全などの症状がでる。病気の原因である輸送体の異常を検出するキットを開発し、迅速な診断や治療薬の開発に貢献する。 |
948 |
活性炭吸着有害有機塩素化物の直接電解還元無害化処理―活性炭循環系の構築 |
田中 秀雄 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本試験研究は,活性炭に吸着された有害有機塩素化物の直接電解脱塩素化・無害化処理に関するもので,焼却炉などの排ガスや廃水処理,PCB廃油やダイオキシン汚染土壌の処理等で使用された活性炭のうち,特に高濃度の有害有機塩素化物を吸着した活性炭の無害化処理法を開発する.さらに既報の活性炭賦活法と組み合わせることにより,活性炭再生・循環系を構築する。 |
949 |
伸びきり鎖結晶(シシ構造)の高密度生成によるポリ乳酸の高強度・高耐熱性化 |
木村 邦生 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
申請者は、生分解性ポリエステルであるポリ乳酸を流動下で結晶化させることによって、分子鎖が折りたたまれることなく伸びきって結晶化したシシ構造(右写真参照)を生成させる方法を発見した。シシ構造は結晶内で高分子鎖が伸びきって配列しているため、非常に高強度で高い融点を示す。本研究の目的は、上述の方法を用いて、系中に通常の結晶化物とは結晶構造のみが異なるだけのシシ構造を高密度に生成させて、従来材以上の高強度かつ高耐熱性を引き出したポリ乳酸のセルフコンポジット材料を開発することである。 |
950 |
ポリスチレン高親和性ペプチドタグを用いた革新的蛋白質相互作用解析システムの開発 |
中西 一弘 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本格的なポストゲノム時代を迎えている中、蛋白質相互作用解析法の開発は、医薬品開発などにおいて必要不可欠なツールである。本研究では、従来法で使用される疎水性PS Plateではなく、親水性PS Plateを用い、PS Plateに対して高親和性を有するペプチドタグに目的蛋白質を連結する、あるいはペプチドタグ付き蛋白質をスペーサとしてペプチドに連結することを原理とする、高感度汎用蛋白質相互作用解析システムを開発する。 |
951 |
多成分蛍光標識ペプチドライブラリーを用いる高効率創薬手法の開発 |
北松 瑞生 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
現行のペプチドライブラリー法ではいずれもライブラリーにビーズやファージといったサイズの大きな担持体を必要とするせいで、ライブラリーから特定のペプチドをスクリーニングしても,そのペプチドが遊離の状態で本来の活性を示す保証がない.そこで本研究では多種類の蛍光性アミノ酸を含むペプチドライブラリーを用いることで、担持体を必要とせず,標的蛋白質に結合するペプチドを溶液中で効率よく見出す方法を提案する.この方法はペプチド本来の活性を変えることがないので,極めて効率的にペプチド医薬を見つけることができる. |
952 |
高磁場回転磁束条件での磁気特性測定装置の実用化研究 |
高橋 則雄 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
永久磁石モータでは小形・高効率化を図るため、設計段階でモータの効率を評価するためには、高磁束密度条件下での磁気特性が必要となる。しかし、電磁鋼板の飽和磁束密度近くの回転磁束条件下の鉄損を測定するシステムは確立しておらず、この鉄損測定システムの開発が急務である。 本研究では、励磁巻線を新たに製作するとともに、回転磁界の回転方向(時計回り、反時計回り)による測定誤差の問題を解決して、本装置の実用化を図る。 |
953 |
高効率分子構築法を利用したイオンチャンネル制御分子の開発 |
門田 功 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
閉鎖性海域である瀬戸内海では赤潮が頻発し、深刻な社会問題となっている。主な被害である魚介類の大量死や二枚貝の毒化は、赤潮プランクトンが生産する神経毒が原因である。これらの化合物はイオンチャンネルに作用し、極微量でも強い毒性を示す。本研究では、生理活性に着目し、天然物をモデルとした分子設計を行うことでイオンチャンネルを制御する分子を開発し、毒性発現のメカニズムを解明するとともに、新しい医薬資源としての活用を目指す。 |
954 |
ウィルスエンベロープを利用した標的型薬物運搬キャリヤの低抗原性化法 |
多田 宏子 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
ウィルスエンベロープから成る中空ナノ粒子は、標的組織特異的薬物運搬キャリヤとして注目されている。しかしウィルス蛋白質そのままの粒子では、@抗ウィルス抗体に認識されるため、抗ウィルス抗体保有患者に投与できず、A抗ナノ粒子抗体誘導能のため、連続投与できない事が、医薬応用時の問題点となっている。そこで、ウィルスエンベロープ蛋白質から抗原性領域そのものを欠失させる新手法により低抗原性化を達成し、このナノ粒子を医薬応用に最適な薬物運搬キャリヤにする方法を確立する。 |
955 |
痛風治療薬を志向した縮合ピリミジン類の酵素阻害分子設計と応用研究 |
信定 弘美 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
尿酸生成を阻害する薬剤は,痛風治療薬の有効な手段として,唯一アロプリノールが臨床で用いられている。しかし,これにも脈管炎,好酸球増多症や肝炎などの副作用が報告され,長期投与に安全な薬剤とは言い難い。本研究は,副作用のない少量で有効な痛風治療薬の開発が目的である。最近,当研究室で新規三環性の縮合ピリミジン類に,シーズとなるキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害活性化合物を既に見出すことができた。本研究は,有機合成,酵素阻害試験およびコンピューター計算化学を用いた最適活性構造の研究による新痛風治療薬の開発が目標である。 |
956 |
極低周波を用いた金属深部欠陥の検出と画像化の開発と応用 |
塚田 啓二 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
従来の非破壊検査では困難であった金属系積層構造物等の溶接部や深部の欠陥を検出でき,しかも広い範囲での検査結果を高速に画像化できる検査装置を開発する。広い範囲でしかも高速な検査を可能とするため,試料に対して平行な2成分と垂直成分の磁場のベクトルができるマルチセンサアレイプローブを完成させる。これにより,測定対象の欠陥による微小な誘導電流変化や透磁率変化を検知し,画像化することを可能とする。 |
957 |
精密ワイヤ放電加工用高性能ワイヤ電極の開発に関する研究 |
岡田 晃 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
精密ワイヤ放電加工の高性能化を実現するための新しいワイヤ電極の開発を目的とする.そのために,無負荷電圧印加時の極間の静電場解析を行ない,ワイヤ表面形状が電子放出特性に及ぼす影響を重点的に検討し,制作上可能な最適ワイヤ表面形状を解明する.つづいてワイヤを試作して放電加工実験を行い,放電加工特性とワイヤ表面形状の相関を明らかにする.そして,表面形状最適化による新しいワイヤ電極の可能性を探る. |
958 |
分子性物質による高感度磁気センサーの研究・開発 |
花咲 徳亮 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
分子性物質からなる電子素子は、軽量性や柔軟性など無機物質にはない様々な利点がある。申請者は分子性物質での巨大磁気抵抗効果を、フタロシアニン分子系物質において発見した。この性質を高感度の分子性磁気抵抗素子に応用するために、磁気抵抗変化率の効率向上が不可欠である。そこで本研究では効率向上を目指した物質設計を行い、輸送特性等の物性を評価することで印加磁場に対する応答効率の向上を目指す。 |
959 |
病的な異常声帯振動の簡易可視化方法の開発と実用化 |
出口 真次 |
東北大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
複数の振動源を同時に有した物体の複雑な運動挙動を、高速度カメラなど高価な装置を使わず、簡易かつ安価な方法によって可視化する技術の評価を目的とする。本技術は特に、局所的病変を患った声帯に特有な異常振動を観察対象として念頭に置いている。可視化は、複数個のLED光源および画像処理システムを用い、特定ストロボ発光タイミングを導入して実現される。本課題では将来の臨床応用に不可欠な性能の評価試験を実施する。 |
960 |
研削加工の生産性向上のための高感度型加工開始点検出システムの開発 |
藤原 貴典 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
金属加工に不可欠の研削加工は、ミクロン単位の加工を行うので、加工開始点の厳密な予測が困難で、空加工時間が長く生産性向上を図りにくい。 そこで、加工開始直前まで高速送りを可能にするため、干渉開始点までの距離を検出する「タッチセンサー」を開発する。本センサーは、多孔性構造を持つ砥石に特有の「研削液噴出現象」により、センサー表面に付着する研削液量で変化する電気抵抗変化を検出する。そして、抵抗変化変化量から加工開始点までの残り移動量を推定可能にする。 |
961 |
多様な産業ニーズへ対応したキャビテーション利用脱気・注気装置の実用化 |
鷲尾 誠一 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
研究者が発明した、キャビテーションで生まれる発達停留空洞を利用して、液体を流しながら連続的に脱気および注気が出来る技術の実用化を目的に、産業現場ごとに異なる個々のニーズに対する有効性を明らかにする。本年度の目標は (1)油、水以外の特殊液体への適用(2)食品産業を念頭に置いた水の脱気・注気連続試験(3)脱泡効果の確認(4)脱気・注気の高効率化(5)企業現場でのテスト、効用の実証 |
962 |
動物細胞を用いたタンパク質ラジカルスカベンジング活性測定法の開発 |
益岡 典芳 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
生体内にタンパク質ラジカルが生成すると細胞は大きな傷害を受け、細胞死や壊疽を引き起こすことが予想される。その傷害を予防する化合物を検索する手段としては、安定ラジカルまたは酵素を使って生成させたスーパーオキサイドラジカルの消去力を測定する方法が広く行われている。本研究では、生体内で起こる現象をより正確に反映させるため、細胞内にタンパク質ラジカルを生成させラジカルスカベンジング活性を測定する方法を開発する。タンパク質ラジカルの消去力を持つ食品の検索および傷害予防に役立てる。 |
963 |
フェニレン−ジイニレン骨格を有する新規発光材料の開発と応用 |
折田 明浩 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
本研究では、スルホンとアルデヒドとを出発原料に用いて、ベンゼンとブタジインとが交互に連結したフェニレン−ジイニレンを効率よく合成できる実用的な方法を確立する。また、フェニレン−ジイニレンの蛍光材料としての特性を調査するとともに、ベンゼン環上に置換基を導入することで、発光波長の自在なチューニングを実現する。 最終的には、フェニレン−ジイニレンを発光層に利用したデバイスを作製し実用的な有機ELデバイスとしての可能性を探る。 |
964 |
CKCにおける二関節筋機能を利用した下肢筋力増強用着衣の開発と応用 |
河村 顕治 |
吉備国際大学 |
佐伯 達志 |
吉備国際大学 |
CKCの状態では股関節と膝関節で同時伸展が起こり、単関節筋と二関節筋とが協調して運動を行うが、二関節筋の収縮は抑制される。本来抑制されるべき大腿直筋(二関節筋)の代わりに弾力のあるベルトを突っ張ると下肢筋全体にバランスの良い筋収縮が起こることを利用して、高齢者の介護予防やスポーツトレーニングに利用できる着衣を開発する。これを装着することにより日常生活を行う中で自然に下肢筋力増強効果が得られると期待される。 |
965 |
スーパーオキサイドセンサカテーテルの開発 |
辻岡 克彦 |
川崎医科大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
本研究では、スーパーオキサイド消去酵素(スーパーオキサイドジスムターゼ:SOD)固定化電極を利用したスーパーオキサイドセンサのin vivo計測、およびカテーテル型への改良による汎用性の向上を目的とする。 これまでに開発したスーパーオキサイドセンサを元に、センサ検出部形状の最適化を図り、より低侵襲、かつ、より幅広い測定部位に対応できるようカテーテル化を目指す。また、検知部表面へのSOD固定化法の改良による生体適合性の向上を図る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
966 |
深海微生物由来タンパク質を利用した高圧・低温耐性ナノデバイスの創製 |
仲宗根 薫 |
近畿大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
現在、バイオ素材とナノテクノロジーを融合した「バイオナノテクノロジー」は21世紀の潮流の一つになっている。有用物質(酵素、生理活性物質生産)生産等の触媒システムに求められる特性として、「耐熱性」や「高圧力・低温耐性」などの機能が求められる特質であるが、特に高圧・低温に関しては深海微生物にのみ与えられた機能として大変有効である。本研究は上記背景に基づき、深海微生物由来タンパク質の耐圧・耐冷性を理解し、その特性を利用した高圧・低温耐性ナノデバイスの創製を目的としている。 |
967 |
高濃度パルプ繊維分散評価技術の開発 |
角田 勝 |
近畿大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
本研究ではパルプ液流れのパルプ繊維濃度を光切断法を用いて同定し、その瞬時の分布を算出する解析手法を考案するとともに、時間的に変動する繊維濃度分散の評価技術を開発して濃度むらを定義する方法を提案する。さらには、光透過法による点計測法とも比較し、その有用性と高効率化を検証することを目的とする。これらの研究を通じて、高濃度抄紙機技術の実用化への途について検討する。 |
968 |
振動除去型多段スパイク構造の開発と応用 |
西村 公伸 |
近畿大学 |
世良 俊邦 |
ひろしま産業振興機構 |
計測器などの振動対策は機器外から進入する振動の影響除去に主眼が置かれ、対象機器内で発生する振動の積積極的除去は考えられていなかった。本研究では、電源やモータなどに起因して発生する内部の振動を積極的に除去して雑音低減など精度の向上を図るため、多段スパイク構造を採用し、対象の筐体や振動発生箇所から効果的に振動を除去するための、多段スパイクの形状と材質を検討する。実験的には、映像機器や計測器など微弱信号を扱う装置での効果を検討する。 |
969 |
嚥下機能の低下した高齢者のための食品の開発 |
栢下 淳 |
県立広島大学 |
西岡 和恵 |
県立広島大学 |
低栄養、脱水、誤嚥性肺炎のリスクを有する嚥下に障害のある高齢者が増加している。本研究室では、嚥下障害者に対して先進的な栄養管理を実施している聖隷三方原病院で提供されている段階的な嚥下食の物性を測定し、報告した。得られた結果を基に、嚥下障害者に適した物性の調理方法を検討する。特に、嚥下障害者では、低栄養状態のリスクが高いので、たんぱく質を含む食材を用いて検討を行う。 |
970 |
男性不妊症予防バイオマーカーの開発 |
矢間 太 |
県立広島大学 |
上水流 久彦 |
県立広島大学 |
熱ショックにより精子発生は著しく障害されるが、そのメカニズムは不明である。私たちはモデルマウス精巣では精母細胞以降に分化した生殖細胞が消失すること、モデルマウス精巣・血液精巣関門の機能に異常がないことを明らかにしている。さらにプロテオーム解析によって、モデルマウス精巣では特異的にα-fetoprotein (以下、AFP) の発現が促進されることを明らかにしている。精母細胞の細胞分裂停止とAFPとの因果関係が解明出来れば、精巣熱ショックによる男性不妊症発症メカニズム解明が可能である。 |
971 |
大豆発酵による有用成分の生成とその効率的生産・分離技術の確立 |
渡部 緑 |
広島県立食品工業技術センター |
山下 民治 |
くれ産業振興センター |
大豆は多様な機能性を有する食材として知られているが,発酵熟成させることにより新たな機能性も付加されることが明らかとなってきた。我々はこれまでに大豆発酵食品の大腸がん前がん病変抑制作用等に関する研究を行っており,その活性の主要成分は発酵工程で生成される高分子物質であると考えている。本研究では,この高分子有用成分を効率的に生成する発酵条件について検討する。さらに,膜処理による有用成分の効率的な濃縮・分離技術の確立を目指す。 |
972 |
RFIDを用いた失禁センサの開発 |
山田 憲嗣 |
広島工業大学 |
馬場 榮一 |
広島工業大学 |
近年寝たきり被介護者が増加している.介護者によるおむつ交換は定期的に行われるため介護の効率が悪く,費用面においても問題となってきている.これらの問題を解消する為,小型・薄型で失禁を感知できるセンサが必要である.本研究は,急速に普及しているRFID技術を利用し,超小型・薄型の失禁センサの開発を行うものである. |
973 |
大気中生体観察用電子顕微鏡の実用化研究 |
菅 博 |
広島国際大学 |
山崎 均 |
くれ産業振興センター |
病気診断の為の細胞など生体検査の迅速化等のため、光学顕微鏡程度のサイズ、操作性で排気系を必要としない小型簡便な生体電子顕微鏡を開発する。これによる新しい検査技術の展開は、これまでに無い病気原因情報の取得の可能性をもたらすと共に診断期間を劇的に短縮させる。したがって、この顕微鏡は大小の病院医療機関を通じて世界的規模で広く普及するものと予想される。 |
974 |
感光性を有する有機半導体と薄膜トランジスタ |
大下 浄治 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
これまで使われてきた無機材料を、より軽量・安価で、加工性に優れた有機材料に置き換えようという研究が進んでいる。その中でも、有機半導体材料は、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイなどの基幹材料として非常に重要である。本研究では、有機薄膜トランジスタ(TFT)に実用可能なレベルの良好なキャリア輸送性を有し、同時に加工性の面から有利なレジスト性を有する新しいタイプの有機材料を創出することを目的とする。 |
975 |
コンクリートの諸元情報保持手段としてのICチップ活用に関する研究 |
河合 研至 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
解体コンクリートの大半は非構造用材料として低品質なリサイクルがなされている.構造用材料としての高度再生利用が進展しない大きな理由は,使用材料の種類・品質,配合などコンクリートの諸元が,長期供用後の解体時にはすでに保存されておらず不明な点にある.本研究は,ICチップを活用してコンクリートに諸元情報を間接的に保持させ,解体時における再生材料としての品質の確実性を高め,構造用コンクリートへの高度再生利用が可能なリサイクルを目指すものである. |
976 |
高周波水中プラズマ技術の開発と応用 |
長沼 毅 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
大気圧プラズマの応用のひとつは水中プラズマであるが、水は誘電率が高いので水中プラズマの作成は困難である。これまで低誘電率の有機溶媒中で高電圧プラズマ(放電プラズマ)を発生させた例がある。最近では水中にバブル=気泡をつくり、そこで放電プラズマを発生させた例もある。しかし、本課題では、「水中高周波プラズマ」の安定化作成を目的とし、これによる水中の病原菌・ウイルスなどの殺滅に向けた実証データの取得を目標とする。 |
977 |
microRNAを標的とした新世代型バイオドジメトリー・マーカーの開発 |
達家 雅明 |
県立広島大学 |
三宅 哲雄 |
科学技術振興機構 |
放射線被曝災害への対応策のひとつとして被曝した可能性のある大人数に対し、迅速な被曝者の同定と被曝程度の判定が求められる。現在、欧米を中心に複数のバイオドジメトリー・マーカーを用いた災害対応のマニュアル化が試みられているが、応用可能な生化学的マーカー候補は少ない。本課題ではヒトのバイオドジメトリーをより簡便に実践応用可能にする次世代型マーカーとして放射線応答性のmicroRNAを検索する。 |
978 |
遺伝子診断用高速ゲル電気泳動システムの開発とその実用化 |
木下 英司 |
広島大学 |
鈴藤 正史 |
広島大学 |
ポストゲノム研究の中で遺伝子多型,特に,一塩基多型(SNP)は,疾患関連遺伝子の位置特定における有用なマーカー,あるいは,疾患の直接原因として注目されている。これらの遺伝子を詳細に解析することにより疾患の診断や予測が進み,更には,ゲノム創薬やオーダーメード医療へと発展することが期待される。しかし,これらを実現するためには,より高精度で,かつ,簡便・迅速・低コストに解析できるデバイスの開発が急務である。申請者は既に,SNPを特異的に認識する機能性ナノ分子(亜鉛サイクレン)の開発に成功している。本研究においては,このシーズとなる亜鉛サイクレンを用い,更には,高分離・分解能を維持できるポリアクリルアミドを泳動担体とし,かつ,糸を支持体とした糸ゲルを導入することで,高速・高感度にSNPを検出するための新しい原理に基づいた電気泳動分離法の確立とその実用化を目的とする。 |
979 |
リン酸基結合ナノ分子を用いた高感度メチル化DNA検出法の開発 |
木下 恵美子 |
広島大学 |
鈴藤 正史 |
広島大学 |
生体内のエピジェネティックス制御機構の中で,ゲノムDNAのメチル化は最もよく研究されている。特に癌細胞においては,遺伝子プロモーター領域のメチル化が癌抑制遺伝子の不活化機構として重要であることが知られ,この異常メチル化が癌診断の有用な分子マーカーとして注目されている。それ故に,標的ゲノム領域のDNAメチル化の有無を安定的に分析できる,より特異的で,かつ,簡便な検出技法の開発が急務である。 そこで本研究では,申請者が既に開発に成功しているリン酸基を特異的に捕捉するナノ分子(Phos-tag = 亜鉛錯体化合物)を用いたリン酸アフィニティー電気泳動法を,新たに開発するメチル化DNA検出技法の基盤原理とする。そして,同じサイズ(長さ,bp)のDNAにも関わらず5’端のリン酸基の有無によってメチル化塩基を含むアレルと含まないアレルとを高感度に分離検出できる新しい電気泳動法を,汎用性の高いスラブ型のミニゲル電気泳動装置を用いて確立し,実用化することを目的する。 |
980 |
アスベスト検出酵素を利用した喀痰アスベスト検査法の開発 |
西村 智基 |
広島大学 |
安田 昌司 |
広島大学 |
本研究代表者らは、既にアスベスト(クリソタイル)に結合するタンパク質を発見し、それを利用した大気中あるいは建材中の簡便なアスベスト検出法を開発した。今後、アスベスト含有建築物等の解体・建て替えの増加に伴い、飛散アスベストの増加が心配されるが、現在のところ個人暴露を簡便に評価できる技術はない。そこでアスベスト検出酵素を用いた簡便な検出法を、生体試料(喀痰)用に改良し、個人暴露のモニタリング技術として応用開発する。 |
981 |
オンサイトでの適用を可能にする各種水質評価モニターの開発 |
田中 一彦 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
水質評価にとって重要な陰イオン(硫酸,硝酸,亜硝酸,リン酸,塩化物,フッ化物イオン,ケイ酸,炭酸水素イオン等),陽イオン(ナトリウム,アンモニウム,カリウム,マグネシウム及びカルシウムイオン等),有機酸及び有機塩基等の迅速・簡便な同時分離計測を可能にする多機能分離機構を用いるイオン排除型イオンクロマトグラフィー(IC)の分離科学に関する基礎的研究成果を,既開発のオンサイト型イオンクロマトグラフに導入し,多種多様な水試料への適用を通じてオンサイト型水質モニターとしての有用性を実証し,実用化に繋げる |
982 |
陽極酸化法における耐食性と装飾性に優れたマグネシウム皮膜の創生 |
矢吹 彰広 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
マグネシウムは比強度が高く,軽量なため,様々な分野で実用化研究が盛んに行われている。マグネシウムを使用する際の問題は耐食性と装飾性の両者を満たす表面処理が困難なことである。また,環境の問題から重金属やフッ素などを使用しない処理法が望まれている。本課題では有害物質を含まない処理液を用いてマグネシウムの陽極酸化を行い,耐食性と装飾性に優れたマグネシウムの創成を行う。装飾性については表面形状の制御技術の開発を行う。 |
983 |
コロイドテンプレート法を利用した中空ナノ粒子及びポーラス粒子の合成 |
Ferry Iskandar |
広島大学 |
葛籠 勝彦 |
広島大学 |
中空粒子およびポーラス粒子は触媒特性、光散乱特性、断熱性といった特徴および耐熱性の特徴を持っており、様々の分野に応じて適用されている。しかし、今まで研究・報告された中空粒子とポーラス粒子の粒子径は、サブミクロンまたは数ミクロン以上のものがほとんどであり、応用分野が限られている。本研究では100nm以下の球形で単分散の中空ナノ粒子およびポーラスナノ粒子の合成方法を開発することを目的としている。また、合成された粒子の特性(触媒特性および光学特性などの物理的特性)の評価も検討を行う。 |
984 |
内分泌かく乱化学物質除去機能を持つ複合化磁性ナノ粒子の開発 |
後藤 健彦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
現在、排水中の有害化学物質は主に活性炭により吸着除去されているが、活性炭再生処理に用いる有機溶媒が2次廃棄物になるという課題がある。そこで再生可能な吸着剤として磁性ナノ粒子に30040℃の転移温度を境に親・疎水性が可逆的に変化する感温性高分子をコーティングした複合化粒子を開発することを目的とする。この粒子は、高分子との疎水性相互作用により疎水性有害物質を吸着し、磁石により回収することが可能である。 |
985 |
超高透過性を有する水素分離膜のセルフチューニング製膜 |
都留 稔了 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
クリーンエネルギーである水素の分離精製技術は、今後のエネルギー問題解決のキーテクノロジーである。本研究では,水素分離膜の製膜基材として細孔径5nmから0.5nmのナノ細孔を有する多孔性無機膜の製膜技術を確立し,ナノ細孔内および表面に金属担持することで水素選択透過性膜を創製することを研究目的とする。圧延法,無電解めっき法などの水素分離膜に比べて,低コスト・簡易的製膜法であるだけでなく,超薄膜製膜可能となるため高透過性が期待できる。 |
986 |
拒絶反応を抑える次世代抗体医薬の前臨床試験 |
河本 正次 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
臓器移植において免疫抑制剤の投与は必須であるが、現行薬剤には副作用と永続投与の問題がある。代表研究者はラットの生体肝移植モデルにて拒絶反応を抑える抗体が誘導されていることを発見した。本研究では、この抗体の免疫抑制剤としての薬効を動物移植モデルへの投与試験により検証すると共に、その作用メカニズムを分子レベルで解明することを目的とする。 |
987 |
光増感色素による病院・畜舎内空気の脱臭・殺菌技術の開発 |
正岡 淑邦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
色素触媒の働きによってオゾンよりも酸化力の強い一重項酸素が発生する。この原理を応用し、既存のエアコンなどに追設して畜舎内や病院内の空気中の悪臭成分と鳥インフルエンザなど感染症の原因になる浮遊性病原微生物とを、一重項酸素で酸化分解して死滅させる事が可能になる。 この方法で汚染空気を洗浄して水溶液に溶解させるスクラバーと、マイクロバブル内の酸素を基に色素増感反応によって発生させた一重項酸素で水溶液を消臭・滅菌するカラム、とから成る装置を開発する。 |
988 |
高性能有機ラジカル電池の開発 |
井上 克也 |
広島大学 |
秋田 直宏 |
広島大学 |
酸化・還元状態で安定かつ骨格自体に伝導性のある有機ラジカルポリマーを用いた、高性能有機ラジカル二次電池を開発する。現在得られている有機ラジカルポリマーの酸化・還元能等必要な基礎データを集積し、応用の可能性を探る。本研究では安定有機ラジカルを有するポリアセチレン誘導体を系統的に合成し、その有機ラジカル二次電池の性能評価を行い、応用の可能性を集中的に検討する。 |
989 |
新たな機能性柑橘成分を利用した抗肥満ヘルスケア食品の開発 |
平田 敏文 |
広島大学 |
秋田 直宏 |
広島大学 |
瀬戸内海地方の柑橘資源を利用した新規食品素材の探索に関する地域研究を発展させ,坑肥満活性成分を含有することが見出された品種を利用したヘルスケア食品の創生・商品化を目的として,以下の試験研究を行う。(1)細胞実験および動物実験によって,同品種の食品素材としての安全性を検討する。(2)他品種の抗肥満活性成分のスクリーニングおよび新たな抗肥満活性成分の解明を行い,新たな有用品種の探索と開拓を図る。 |
990 |
パルスデトネーションエンジンにおける排気平滑化技術の開発 |
遠藤 琢磨 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
パルスデトネーションエンジン(PDE)とは、パルス的なデトネーションを利用する内燃機関である。デトネーションは燃焼温度が高いため、高い熱効率が期待できる。発電等のためにPDEでタービンを駆動する場合、最も重要な技術開発課題は「燃焼器からのパルス的な排気をタービン入口までに如何に平滑化するか」である。本研究では、燃焼器下流の流路形状を変化させてタービン入口位置における圧力波形を調べ、排気平滑化技術を開発する。 |
991 |
板材成形・スプリングバック高精度シミュレーションのための材料パラメータ自動同定システムの開発 |
吉田 総仁 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
板材成形・スプリングバック(成形後の弾性回復)の高精度のシミュレーションのためには,材料の硬化およびバウシンガー効果(応力反転時の塑性挙動)のモデル化が重要である.本研究では,板材の「引張り試験+大ひずみ繰返し曲げ実験」データを用いて,硬化・バウシンガー効果を記述する材料モデル中のパラメータを自動的に同定する実用的でユーザーフレンドリーなシステム(実験装置+ソフト)の開発を行うものである. |
992 |
マイクロ伸長流動ノズルを用いたPGSS法によるポリマー微粒子製造 |
木原 伸一 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
ポリマー微粒子は、現在、主として有機溶媒中での懸濁重合や破砕研磨により製造されているが、有機溶媒除去の高コスト化や熱に弱い成分を含む微粒子化には適用できない等の問題がある。本研究では、地球環境への負荷が小さく汎用性の高いポリマー微粒子製造方法として、ポリマー可塑化溶媒に超臨界二酸化炭素を利用したガス飽和・懸濁溶液 (PGSS) 法に、新規に開発するマイクロ伸長ノズルを用いたプロセスを提案し、ポリマー微粒子化の高度化を行う。 |
993 |
コプレーナ伝送線路を用いた超小型テラヘルツ分光分析ヘッドの開発 |
角屋 豊 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
近年,テラヘルツ(THz)周波数帯の電磁波を用いた材料分析の研究が活発化しており,中でも禁止薬物やビタミン類がこの周波数帯で特徴的な吸収を持ち注目を集めている.本研究では,コプレーナ伝送線路技術を用い,これらの有機化学物質の分析に用いるための超小型THz分光分析ヘッドを開発することを目的とする.素子形状や使用部材の最適化等を行うことで,広範な種類の化学物質に対応できる3THz以上の周波数幅での計測を可能にし,実用化に向けた目処を得ることが目標である. |
994 |
超小型・広帯域マイクロ波アンテナを目指した左手系複合材料の開発 |
蔦岡 孝則 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
マイクロ波通信等に利用される小型で広帯域な材料アンテナの開発を目的として,マイクロ波領域で負の透磁率スペクトルを有する左手系メタマテリアルの開発と,ヘリカルアンテナ等を用いた材料アンテナへの応用に関する基礎的検討を行う。負の透磁率材料として酸化物磁性体及び金属磁性体微粒子を用いた粒子分散型複合材料を用いて,材料のマイクロ波透磁率,誘電率スペクトル及びアンテナの放射特性等の測定,解析を行い,同時に電磁界シミュレーションにより材料特性とアンテナ特性を評価する。 |
995 |
メタボリックシンドロームを予知、診断するバイオアッセイシステムの開発 |
浅野 知一郎 |
広島大学 |
前田 裕司 |
広島大学 |
我が国ではメタボリックシンドロームの患者が急激に増加しているが、この病態には肥大した内臓脂肪から分泌される種々の有害液性因子が関与している。我々は、ヒト由来の前駆内臓脂肪細胞に血清を添加し、細胞増殖や脂肪蓄積を誘導する程度を定量化するアッセイシステムを構築する。このバイオアッセイによって、内臓脂肪蓄積からのメタボリックシンドローム患者の発症を予知、さらに予防に役立てることを目的とする。 |
996 |
イメージングを用いた神経変性疾患治療薬物候補のスクリーニング |
酒井 規雄 |
広島大学 |
前田 裕司 |
広島大学 |
神経変性疾患発症の共通の分子機序は、異常凝集タンパク質の蓄積と考えられている。申請者らは、遺伝性脊髄小脳変性症14型(SCA14)の原因遺伝子γPKCに注目した。SCA14で見いだされた変異γPKCと蛍光タンパク質GFPとの融合タンパク質、変異γPKC-GFPの凝集体を誘導発現できる細胞を用いて、凝集体形成を軽減させる薬物をスクリーニングする。本スクリーニング系を用いて低分子の既知の多数のケミカルシャペロンを評価し、少なくとも10程度の活性化合物を同定する。本スクリーニング法の検出精度をより定量的に行う技術革新に取り組み、次のステップの計算化学による新規化合物候補の同定に繋げる。 |
997 |
口腔癌の予後を予測する簡易診断キットの開発 |
工藤 保誠 |
広島大学 |
前田 裕司 |
広島大学 |
近年、口腔癌は増加傾向にあり、世界では年間50万人の患者が発生し、全体の癌で5番目に高い癌である。深部への浸潤や転移は、患者の予後に最も重要な因子であると考えられていることから、浸潤・転移の予測による癌の悪性度診断は、重要な課題となりうる。そこで、我々は、独自の解析から、口腔癌の浸潤・転移に関わる因子をいくつか同定し、それら因子が予後を判定する有用な因子であることを見いだした。そこで、本課題では、我々が同定した因子に着目し、浸潤・転移を早期に予測するための簡易診断ツールの開発を検討する。 |
998 |
植物乳酸菌の産生する抗菌ポリペプチドの高度利用技術開発 |
的場 康幸 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
本研究では, 汗疹や体臭の原因となるグラム陽性細菌に対し有効な抗菌ポリペプチドを産生する乳酸菌を探索し, かつ, その乳酸菌から抗菌ポリペプチド合成遺伝子を取得する。さらに, 本遺伝子を組み込んだトランスジェニックカイコを用いて,「抗菌シルク」の創出をめざす。特に, 効率的抗菌活性発現のためには, 抗菌ポリペプチド合成遺伝子を絹のフィブロイン層で発現させるべきか, あるいは, セリシン層で発現させるべきかが検討課題となる。 |
999 |
担体添加バイオスラリー法による実油汚染微粒子土壌の浄化 |
奥田 哲士 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
油に汚染されている土地(土壌)を浄化する際に多く用いられる方法に土壌洗浄法があるが、そこでは通常大きな土壌のみが洗浄され、再利用されている。しかし、重量で全体の平均2割以上を占める100μm程度以下の微粒子画分に付着した油の浄化は難しく、通常は埋立処分されており、その浄化と再利用が望まれている。 本提案では、我々が取得した特許取得済の「担体添加バイオスラリー」法を基本に、これまで生物分解が非常に遅く問題となっていた上記の微粒子土壌上の油の生物浄化に関して、実際の汚染土壌に対して応用し、浄化速度を向上することを目的とする。 |
1000 |
複合イオンでカゴを充填した熱電変換材料の開発 |
高畠 敏郎 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
熱電変換性能の優れたp型材料として充填スクッテルダイトLaFe3CoSb12が知られている。本研究では,原子量と価数が異なるCaとLaで複合的に充填し,格子熱伝導率を低下させ,熱電変換性能を向上させる。La1-xCaxFe4-yCoySb12の元素組成x,yを調整した材料を作製し,その熱伝導率,電気抵抗率,熱電能を評価する。p型材料として熱電変換性能を最大化するだけでなく,FeとCoの組成比を調節してn型材料においても性能を最適化する。 |
1001 |
建築物のひび割れ補修効果の簡易評価システムの開発 |
松本 慎也 |
広島大学 |
浜中 達也 |
東広島商工会議所 |
建築物の補修や改修工事の効果を速やかにかつ合理的に評価する技術があれば,近年社会問題化した住宅リフォーム詐欺の被害を減少できたはずである。本課題では住宅・建築物において,クレームによる補修実績が最も多い「ひび割れ補修」を対象とし,ひび割れ補修効果を現場で簡易に評価できる試験システムを開発・提案することを目的としている。本研究の目標は,建築外壁に生じたひび割れについて,高精度でひび割れ幅を検知できる「軽量・小型化が可能な透気試験方法」および「評価方法」を開発することである。 |
1002 |
甘草抽出物による植物病害防除機作の解明 |
宮川 久義 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
家常 高 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
甘草とはマメ科多年性の薬草で、古代ギリシャの時代から人類が利用してきた生薬である。甘草根よりグリチルリチン酸を抽出する過程で得られた抽出物が糸状菌に起因するキュウリ、トマトの病害に対し防除効果を有することを明らかにしたが、その防除機作については不明の点が多い。そこで甘草抽出物に含まれる活性成分の特定及びそれらの植物及び病原菌に対する作用機作を解明して、新規の病害防除法開発のシーズとする。 |
1003 |
火災とその鎮火による温度と負荷履歴に対する鉄鋼材料と構造物の非弾性変形特性評価システムの開発 |
井上 達雄 |
福山大学 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
申請者がこれまで蓄積してきた変態・熱・力学の理論と相変態シミュレーション手法に関する一連の体系の応用として、室温から800℃以上に至る火災の発生時の昇温と消火による冷却までの温度変化と、同時に受ける負荷履歴による鉄鋼材料(特に耐火鋼)と構造物の強度評価システムの開発を行うもので、以下の順に沿った系統的研究を行う。 (1)各温度における鋼、特に耐火鋼の非弾性力学特性の把握とその温度変化におけるパーライト、マルテンサイト変態などの相変態も考慮した変動温度および応力下での特性変化の弾塑性・クリープ構成式の一般化と解析および実験による検証。 (2)構築した構成関係を用いた2、3次元構造物の有限要素法によるシミュレーション(開発済みのシミュレーションソフトCOSMAPによる)。 (3)火災における外部負荷を考慮した温度変化に対する構造物の強度の変化と残留強度の評価システムの開発 |
1004 |
流体扉の開発 |
梅田 眞三郎 |
福山大学 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
本研究では,無駄な熱の消散を防ぐ省エネ型装置や悪化した流体との分離膜装置としての空気や水による扉の機能を有するものの開発を目的とする.菱形角柱群を用いると,自励振動噴流であるフリップ・フロップ流れの発現によって,流出噴流場には均等流量多数噴流群を形成させることができる.そのフリップ・フロップ流れと並行にスリット噴流を供給し, 流れのせん断方向が異なる二層の混相流界面現象を利用して,破断し難い安定流体膜を形成させる流体扉の装置の開発を行う. |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1016 |
磨耗ゼロ・高効率を有する磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置への応用 |
原野 智哉 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
鋼材製歯車をネオジム製リング磁石等を利用し,磁気による引力あるいは斥力をかみ合い歯面間等に発生させることにより,磨耗ゼロ・高伝達効率・メンテナンスフリー・無潤滑を兼ね備えた高トルクおよび高減速比の非接触ウォーム歯車対および非接触平歯車対を開発し歯車性能試験を行う.さらに,太陽歯車・遊星歯車・内歯車から構成される遊星歯車機構の開発を行い,歯車性能試験を行う. |
1017 |
液圧張出・逆張出・しごき複合加工法の確立 |
畑中 伸夫 |
阿南工業高等専門学校 |
森本 巌 |
徳島県立工業技術センター |
金属板の張出加工は、通常,剛体工具を用いて行われるが、十分な成形高さを得ることができない。本研究は、液圧一次張出により製品外径より大きなダイスを用いて広い範囲の材料を薄肉化し、この薄肉化した材料を逆向きに二次張出させて製品外径を持つダイス内に流入させ、最後に剛体パンチを用いて側壁部材料にしごき加工を行う。これらの複合加工により、従来実現できなかった成形比と、高い寸法(径と板厚)精度の実現を目指す。 |
1018 |
第四アンモニウム塩を固定化したウレタン系樹脂の抗菌特性 |
武知 博憲 |
徳島県立工業技術センター |
大村 芳正 |
徳島県立工業技術センター |
固定化殺菌剤に着目し、第四アンモニウム塩を用いて、担体に固定化を試み、その殺菌活性の解明を検討したい。固定化坦体(ウレタン系樹脂)と固定化反応させることにより、機能性高分子材料を作成する。得られた機能性高分子材料をシェイクフラスコ法、フィルム密着法により抗菌性の評価を行い、また他の機能性についても検討する。 |
1019 |
キャビテーション援用による金属材料の高アスペクト比穴加工技術の開発 |
小川 仁 |
徳島県立工業技術センター |
大村 芳正 |
徳島県立工業技術センター |
直径0.1o以下の小径ドリル加工では主軸特性,工作機振動特性の影響を受け易く,また,ドリル剛性の低下により工具寿命は短く,工具折損が頻繁に生じる.特に切屑排出性に工具寿命は強く起因する. 本研究では,工作液に超音波振動を付与することにより生じるキャビテーションの援用により切りくず排出を促し、金属材料に対する穴あけについて、アスペクト比20(穴深さ/穴直径)を超える深穴を安定して加工する技術開発を行う。 |
1020 |
天然高分子を利用した超軽量有機成形培地の開発 |
金磯 牧夫 |
徳島県立農林水産総合技術支援センター |
駒留 勇人 |
徳島県立農林水産総合技術支援センター |
生分解性素材である木質系繊維を超軽量に成形し、野菜などの養液栽培に使用されている難分解性のロックウールに代わる培地として利用する技術の開発を行う。木質系繊維を軽量に成形する方法にパルプモールド法があるが、本法はそれをベースとして天然高分子を繊維間の接着剤として利用しさらに軽量に成形する。この培地の基材となる繊維そして接着剤は両者とも天然素材であり環境に与える負荷の少ない資材といえる。 |
1021 |
血中中性脂肪低減薬の開発 |
根本 尚夫 |
徳島大学 |
安田 崇 |
テクノネットワーク四国 |
フィブラート系血中中性脂肪低減薬は、非常に低水溶性であり、消化器官疾病併発患者や意識不明患者対応には注射剤の開発が切望される。我々はこれまで自ら開発した枝分れ型グリセロールBGLを利用する事で、血中中性脂肪低減薬であるフェノフィブラートの高水溶性化新規誘導体合成に成功し高い薬効を明らかとしたので、初めてのフィブラート系注射液の開発を目指す。 |
1022 |
運動器(筋・骨)の萎縮原因遺伝子ユビキチン連結酵素の阻害剤 |
二川 健 |
徳島大学 |
大山 真吾 |
テクノネットワーク四国 |
本研究は、未だ開発されていない運動器(筋・骨)の廃用性萎縮治療薬の実用化を目指すものである。我々は、宇宙航空研究開発機構と共同で、寝たきりや宇宙フライトなどによる運動器の萎縮の原因は、ユビキチンリガーゼ(分解すべき蛋白質にユビキチンを結合させる酵素)の異常な活性化であることを見出した。この酵素の阻害活性を有する低分子化合物を筋萎縮モデルである尾部懸垂マウスや坐骨神経切除マウスに投与し、その運動器萎縮阻害効果を実証する。 |
1023 |
情報表示のセキュリティを確保するランダム偏光フィルタの開発 |
山本 裕紹 |
徳島大学 |
辻本 和敬 |
テクノネットワーク四国 |
情報の保護に暗号化が用いられている.しかし,従来の暗号化は情報を表示する際のセキュリティを確保できない.本研究は表示情報のセキュリティ確保技術(以下,セキュアディスプレイと表記)を開発するものである.本研究の目的は偏光フィルタを用いた視覚復号型暗号を,実用上を考慮した制約条件の下で構築し,復号法を明らかにすることである.セキュアディスプレイにより,映像信号の暗号化と視域の限定が同時に実現される. |
1024 |
機能性シリカナノ粒子を用いた放射線変色材料シートの開発と応用 |
三好 弘一 |
徳島大学 |
土取 孝弘 |
テクノネットワーク四国 |
病院等の医療現場や原子力発電所の作業現場などで、不用意な放射線被曝を防止するために、0.01Gy程度の低線量放射線をリアルタイムに、かつ広い面積で検出できるものを開発しようとするものである。具体的には、今回開発しようとしている「機能性シリカナノ粒子」が放射線に照射されると化学変化で金微粒子を生成させ着色することを利用して、放射線の存在を検出しようとするものである。なお、この機能性シリカナノ粒子をシート面に塗布できるようにすることにより、大きな面積を有する場所でも検出が可能となる。 |
1025 |
高齢者の運動機能を維持する膝関節用インテリジェントパワーアシスト装具の開発 |
安野 卓 |
徳島大学 |
高尾 正幸 |
徳島大学 |
本研究では,歩行支援のための膝関節用インテリジェントパワーアシスト装具を開発し,QOL(Quality Of Life)の維持を最終目的とする.開発する装具は,要支援者が日常生活の中で使用することを想定し,現存する運動機能を最大限活用しながら,老化による運動機能低下を抑える機能を持つ.その機能は,加速度センサを用いて歩行状態を把握することにより,被験者に応じた膝関節の屈曲・伸張に不足した力(アシスト力)を推定し,関節筋機構を模擬した装具によって,推定されたアシスト力を実現するのが特徴である. |
1026 |
同一成分で赤から黄・緑、青へと変化する新規酸窒化物顔料の開発と応用 |
森賀 俊広 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
紫外光で応答する光触媒として研究が進められている酸化チタンと酸化ランタンを組み合わせ、酸素の一部を窒素で置き換えたペロブスカイト型酸窒化物LaTiO2Nを用い、鮮やかな色あいを呈する原色系(赤・黄・緑および青)の無機顔料を完成させることを目的とする。この酸窒化物の利点は、実用化し大量生産する際に、原材料は全く変えることなく原材料と反応させるガスの流量を変化させるだけでその呈色を変えることができ、原料調達や生産・リサイクルに対するコストダウンが図れる点にある。 |
1027 |
高機能官能基を有する立体規則性高分子材料の開発と応用 |
田中 均 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
立体規則性高分子は、優れた機械強度、熱特性等を有するものの、一般に金属触媒等を用いるイオン重合法で製造されるため、高いスキルが要求され、大量生産できない欠点があった。最近、この規則性高分子を既存の汎用工場設備の活用が可能で、またイオン重合では困難な機能性官能基の導入が容易なラジカル重合法で簡便に合成する方法を見出したので、本研究では、このものをさらに効率よく高純度で合成するための研究を行う計画である。 |
1028 |
DC−RF併用スパッタ法による光触媒アナターゼ型TiO2スパッタ薄膜の高速製膜法の開発と応用 |
富永 喜久雄 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
ガラス基板や壁面素材上にTiO2膜をコーティングするにあたり高速の膜作製法を開発し、膜の特性向上をはかる。その手法として、対向ターゲット式プレーナマグネトロンスパッタ法やアンバランスプレーナマグネトロンスパッタ法において、DC電源とRF電源を同時に印加し大電力をターゲットに投入できるようにする。このことで10−20分で1ミクロン厚さのTiO2を達成する。この技術をベースにして、光触媒性能の向上の要因について検討をしていく。 |
1029 |
サブミクロン幅光配線技術の開発と応用 |
原口 雅宣 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
表面プラズモン(SPP)伝搬を利用したサブミクロン幅の光導波路について,1)低損失の急激な曲げ構造の開発,2)超小型波長選択フィルタの開発,を目的とする.そのため,SPPを伝搬させる金属ナノ1次元構造について数値解析により設計を行い,その一部を実際に作製し,光伝搬実験によりその特性を実証する.曲げ角90度程度の低挿入損失の作製しやすい曲げ構造と,面積で数平方マイクロメータ以下の超小型波長選択フィルタを実現する. |
1030 |
スダチの発酵促進作用を利用した発酵食品の開発 |
横井川 久己男 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
スダチは徳島県の誇るブランド品であり、その高度利用が望まれている。本研究では、スダチ特有の風味を有するスダチワインやスダチパン等の発酵食品を短時間で効率的に製造する技術の確立を目的とする。スダチ果汁は酵母に対して特異な作用を有するため、スダチ果汁の添加濃度を制御することにより、パン酵母やワイン酵母の増殖と発酵を制御する条件を検討する。また、酵母の増殖と発酵に影響を与える生理活性物質をスダチから単離して同定することも平行して行う。 |
1031 |
粉体の新規非加熱殺菌技術の開発 |
田村 勝弘 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
粉体材料が多い医療品分野における生薬(漢方)や食品分野における香辛料などに有効な「非加熱殺菌法」が長年検討されてきた。だが、決定的な方法がないのが現状である。そこで、我々の周囲に存在する安全で安価な気体を利用した新規非加熱粉体殺菌技術を開発する。本気体については、100気圧程度の加圧により強い殺菌力を示すことを液状食品については既に実証済みであり、粉状材料についても十分効果を発揮するものと予測している。 |
1032 |
新規ミトコンドリア蛋白の発現パターンの解析とパーキンソン病治療への応用 |
三ツ井 貴夫 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
遺伝性パーキンソン病PARK2の原因遺伝子であるパーキンの転写産物は、新規の蛋白であるKlokin1によりミトコンドリアに運搬されその機能を促進することを我々は見出した。Klokin1には他にアイソフォームが存在し、種々の臓器において異なる発現パターンをとっていた。特に末梢血リンパ球おいてパーキンソン病と健常者の間でそのパターンが異なっていた。本研究ではKlokin 1の分子機序・機能を解明し、パーキンソン病治療への応用について検討する。 |
1033 |
創薬のためのプロテアーゼ阻害剤探索法の開発 |
辻 明彦 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
プロテアーゼ阻害剤は、抗炎症剤、降圧剤、感染治療薬として利用されているが、ヒトゲノムには、多くの未知プロテアーゼがコードされ、これらのプロテアーゼは創薬の魅力的な対象である。しかし遺伝子からプロテアーゼを発現し、阻害剤開発のために必須の情報である切断特異性について調べるのは非常に困難で、時間がかかる。本プロジェクトでは、血清プロテアーゼインヒビターであるアンチトリプシンの改変体ライブラリーを利用した、敏速簡便なプロテアーゼ切断特異性解析法を開発する。 |
1034 |
表面プラズモン共鳴を用いた金属表面状態二次元評価装置の開発と応用 |
岩田 哲郎 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
薄膜およびバルク金属の正確な複素屈折率が高精度で導出可能な計測装置を開発する。提案装置では、Otto配置として知られている表面共鳴プラズモン測定光学系に独自のアイデアに基づく改良を施して、簡便に二次元計測が行えるようにする。このことによって光学系調整の困難さの問題も克服できる。また、金属表面に蒸着した誘電体薄膜の複素屈折率や膜厚も導出できる。装置の性能評価のための応用実験として、同一金属のバルク時と薄膜時の複素屈折率の直接比較と酸化チタン薄膜の光触媒機能の観察を行う。 |
1035 |
RNA helicase A の機能解明 ~ 骨代謝調節を目指して ~ |
岡村 裕彦 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
Osterix は骨の発生に必須の転写調節因子であるが、これまではその遺伝子発現のみが注目され、翻訳後修飾や相互作用する因子については未知の点が多かった。我々は質量分析技術を用いて培養細胞内で Osterix と相互作用する因子を調べ、その中に RHA を見出した。RHA は DNA や RNA の構造変化に関わるとともに転写調節因子と結合してその活性を制御する。本研究では RHA が骨芽細胞の分化や骨代謝に与える影響について調べ、骨代謝疾患の治療薬開発の基礎を築くことを目指す。 |
1036 |
酸化鉄食品とナノテスラ磁気センサを用いた摂食,嚥下機能診断法の開発 |
市川 哲雄 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
ナノテスラ磁場変動を引き起こす被験試料を開発し、磁気インピーダンス効果に基づく磁気センサ(MIセンサ)で、ナノテスラ(nT)レベルの磁気変化を簡単に測定できる高感度磁気センサを組み合わせて、nT磁場変動試料が口から、咽頭、食道、胃に至る経路を追跡できるシステムを開発することを目的とする。試料を患者に飲ませ、そのセンサを頸、胸、胃の相当部の体表面に接着するだけで、その信号を簡単に処理することによってその試料が咽頭、気管、肺、胃にいっているかを同定できるシステムを目指す。 |
1037 |
ホログラフィック2光子造形法の開発と応用 |
早崎 芳夫 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
ホログラフィック2光子造形法は,空間光変調素子上の計算機ホログラムにより生成した複数のビームにより高スループットにナノ構造を形成できる手法である.2光子造形法が,数十ナノメートルの高分解能で3次元マイクロ構造物を作製できることは広く知られている.課題は,加工スループットやエネルギー利用効率の向上である.提案手法は,作製構造物に応じた計算機ホログラムを設計することにより課題を克服する. |
1038 |
カテキン代謝菌を用いたお茶成分由来新規機能性物質の開発とその効率化 |
間世田 英明 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
お茶は日本人に愛され、古来より薬用としても用いられてきた。しかし、その薬効の多くが明らかにされておらず、飲食後、体内微生物による関与の詳細も不明な点が多い。そこで、お茶の中に含まれる生理活性物質を代謝する微生物を用いて、生理活性物質を更なる機能性物質に変換するとともに、微生物での代謝効率を高めるために、生理活性物質の輸送トランスポーターを検索し、人為的にコントロールすることを目指す。 |
1039 |
金属ストロンチウムを用いる簡便で有用なGrignard代替試薬の開発と応用 |
三好 徳和 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
エステルへのジアルキル化反応におけるGrignard手法はアルキル化剤としてとても有用であるが、予めGrignard試薬を調製してからエステル等の基質と反応する必要があり手間と時間がかかる反応である。しかしそれ以外の手法は殆どないのも現実である。そこで、アルキルハライドと金属とエステル等の基質を混ぜるだけのOne-potで行えるBarbier型手法でジアルキル化反応を行い、種々の化合物合成法を確立すれば、工程を省くことが出来、コスト削減の面からもより有用であると考えられる。 |
1040 |
胃粘膜表在性蛋白質に対する抗体を用いた胃がん内視鏡手術支援技術の開発 |
辻 大輔 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
本課題では、胃がん患者由来組織で顕著に減少しているガストロカイン1(GSK1)に対する抗体と、内視鏡検査用プローブとして開発した近赤外蛍光化合物とのコンジュゲートを作製し、手術後摘出された胃がん組織の局所免疫染色と近赤外蛍光観察を行い、がん特異的領域のみを外科的に切除するためのイメージング法の確立と、近い将来の臨床応用を目指した基盤研究を行う。 |
1041 |
自主防災組織で活用可能な津波避難シミュレーションシステムの開発 |
成行 義文 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
住民の個別属性ならびに道路ネットワークの閉塞・切断等を考慮した実用的で精度の高い動的津波避難シミュレーションシステムの構築を目的として,「道路ネットワーク・沿道建物数等のGISによる自動生成・取得手法」,「ペトリネットを用いた全住民のマルチエージェントモデル」ならびに「住民・家屋等の個別属性データの調査方法」等の開発を行い,それらを組込んだシステムを津波被災リスクの高い地域に適用してその有効性を検討する. |
1042 |
カルプロテクチンを用いたポイント・オブ・ケア検査による歯周病診断法の開発 |
木戸 淳一 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
高齢者の歯の喪失の主な原因である歯周病の正確かつ客観的な診断法は未だない。本研究では歯周病部位の歯肉溝滲出液中の炎症マーカーであるカルプロテクチンをナノデバイスであるマイクロチップ電気泳動法により測定し、そのレベルと歯周病の疾患活動度との関連性を検討する。本研究において歯周病のバイオマーカー用マイクロチップの開発とこれを用いた歯周病診断法の研究は、予防に重点を置いた歯周病のポイント・オブ・ケア検査法の開発に繋がる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1043 |
低温細菌由来コラーゲン分解酵素の構造及び生化学的性質の解析 |
小川 雅廣 |
香川大学 |
塩崎 紀子 |
テクノネットワーク四国 |
微生物の酵素は幅広い分野で利用されている。微生物の中には低温でも生育する低温細菌がおり,それらは低温で高い触媒活性を発揮する低温酵素をもつ。低温酵素は温めなくても効率よく働くので,食品等の原料加工への応用が期待される。申請者らは,牛スジなどの硬い生肉を生のまま軟らかくするため,硬さの原因タンパク質コラーゲンを分解する低温細菌のスクリーニングを行った。その結果,強いコラーゲン分解酵素をもつ低温細菌を発見した。本課題では,その酵素を精製し性質を調べ,実用化への可能性を探る。 |
1044 |
イムノアフィニティーカラムを用いた加工食品中のオクラトキシンAとBの分析法の確立 |
川村 理 |
香川大学 |
塩崎 紀子 |
テクノネットワーク四国 |
オクラトキシンAとBは、腎発がん性を有しているマイコトキシンで、穀物や飼料の汚染し、熱安定性が高いので、コーヒー、チュコレートやハムなど多種多様な加工食品からも検出されている。しかし、加工食品では様々な夾雑物が存在し、汎用されている物理化学的クリーンナップ法では夾雑物の除去ができない場合が多い。そこで、本研究ではモノクローナル抗体を用いたイムノアフィニティーカラムを用い加工食品中の簡便かつ高感度分析法を確立することを目的とする。 |
1045 |
単一細胞分光トモグラフィの実用化に向けての評価研究 |
石丸 伊知郎 |
香川大学 |
田村 英樹 |
テクノネットワーク四国 |
本申請においては、NEDO助成により光学計測技術を確立した単一細胞分光トモグラフィの、産業化を目指した具体的な生体機能計測技術分野での評価研究を進める。NEDO助成に於いては、細胞の分光断層像計測の光学原理を確認することができた。そこで、ライフサイエンス分野に於ける市場性を明確にすることを目的に、各種生体機能評価へ適用実験を試みる。 |
1046 |
マイクロピラーアレイを有する微小液体クロマトグラフチップの開発 |
大平 文和 |
香川大学 |
十河 修二 |
香川大学 |
マイクロ・ナノ寸法の微細形状を形成出来る半導体プロセス技術を駆使して、微小な流路やその中にマイクロピラーアレイを形成し、このピラーアレイの作用により、様々な対象物の分離分析や、検出の高感度化を可能にする新しい微小分析チップを作製、評価する。特に本研究では、分析チップ流路内へのマイクロピラーアレイ形成法、およびこれにより小型化、高感度化等を可能とする新しいチップの実現を検証する。 |
1047 |
民生部品を用いた宇宙ロボット電子基板技術の研究開発 |
能見 公博 |
香川大学 |
武藤 英一 |
香川大学 |
本研究開発では,民生品による宇宙電子基板技術を研究開発することを目的とする.香川大学における宇宙ロボット衛星の開発において,地域中小企業のもつ信頼性の高い電子基板技術と,大学の宇宙システム技術を融合させ,超小型人工衛星による宇宙実証へと繋げていく.地域企業が宇宙部品を手掛けることができ,宇宙実証された製品を宇宙ビジネス分野への供給へ繋げ,とくに中小企業の新しい分野を開拓する. |
1048 |
電子・スピン情報伝達磁性薄膜半導体材料の開発と応用 |
高橋 尚志 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
負の電子親和力(NEA: Negative Electron Affinity)を有する半導体(GaAs)表面上に、鉄などの強磁性多層薄膜を成長させた系での、電子・スピン情報を含めた電子デバイス開発を目的に、表面電子状態を調べる。表面組成および表面形状は本学実験室MBE装置のオージェ分光装置において行う。特に本課題では表面上の薄膜の存在・膜厚による電子状態とフェルミレベルの変化を明らかにする事を目的とする。 |
1049 |
色落ち海苔の多糖を活用した抗アレルギー食品素材の開発 |
岡崎 勝一郎 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
海苔の色落ちは天候やその他の要因で毎年発生するが、商品とはならずほとんどが廃棄されている。これを有効利用する目的で、海苔の細胞壁に多量に含まれるポルフィラン多糖に着目した。本発掘試験では、この多糖を効率的かつ短時間で調製する技術を確立するため中空糸膜を用いた精製方法を検討するとともに、精製多糖の免疫細胞に与える影響をマウスのマクロファージ培養細胞株と脾臓細胞を用いて細胞性免疫応答の増強効果とアレルギー応答の抑制効果を調べることにより、未利用色落ち海苔の健康食品素材としての有用性を確立する。 |
1050 |
樹皮の液化に関する研究 |
鈴木 利貞 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
樹皮は、樹木の約10〜20%を占める組織であり、木材加工の現場では大量の廃棄樹皮が発生する。木材工業者にとっては、有効利用したい原料であるが、現状では焼却や堆肥に利用される程度であり、樹皮の利用状況は極めて遅れている。本研究では、樹皮を効率的に液化させる技術の開発を目的とする。液化樹皮は、生分解性樹脂、発泡資材、接着剤、塗料等への応用利用が期待される。 |
1051 |
マイクロサテライトマーカーおよびミトコンドリアSNPsを利用したニッポンバラタナゴの遺伝的同定法の開発 |
池田 滋 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
マイクロサテライトマーカーおよびミトコンドリアSNPsをマーカーとして利用し,香川県東部のため池をその数少ない生息地とする,絶滅危惧種のニッポンバラタナゴの遺伝的同一性を迅速かつ正確に判定する方法を開発する.鱗1枚からゲノムDNAの分離と増幅を行い,魚体の損傷を抑えるとともに,マーカーはDNAチップ化して,ユーザー(絶滅危惧魚種の研究者や保全を行うNPO,高校理科教師の研究会など)の利便性を高める. |
1052 |
衝突エネルギー吸収材としての中空金属球の新しい製造法 |
吉村 英徳 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
温室効果ガスCO2の排出量削減のため,自動車の軽量化による燃費向上が図られている.一方で,車体重量増加を伴う衝突安全部品の適用も求められており,軽量化は容易でない.この課題を解決するための新材料技術として,近年,超軽量,高非剛性,高エネルギー吸収特性を有する超軽量ポーラス金属材料が注目されている.しかしながら,性能やコスト面においてまだ実用化レベルにない.大量生産性に適した塑性加工技術を用いて,超軽量ポーラス金属の一種である中空金属球(MHS)成形体の新しい製造方法を開発し,薄肉パイプ材から高信頼性かつ安価な材料を製造する. |
1053 |
半導体レーザー励起高強度テラヘルツフォトニック結晶光源の開発 |
鶴町 徳昭 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
これまで未開拓領域といわれてきたTHz帯域(0.1〜10THz)が注目を集めるようになって久しい。近年のレーザー技術の進歩に伴い、この帯域における画期的な発生・検出法が開発され、THz分光が大きく進展した。しかし、フェムト秒パルスレーザーをベースとした現在市販されているTHz分光光度計はいまだ高価であるため、十分に普及しているとは言いがたい。また、現在のTHz光強度も不十分である。本申請においては半導体レーザー励起のTHz帯1次元フォトニック結晶構造を利用した新しい高強度高指向性THz光源および増幅器の開発を目指す。 |
1054 |
黒毛和種の新規成長ホルモン受容体遺伝子多型の簡易判別法の確立 |
大久保 武 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
日本の代表的な肉用牛品種である黒毛和種の成長ホルモン受容体遺伝子にはヨーロッパ系牛品種では認められない新規遺伝多型が存在することを明らかにした。本事業ではこの新規成長ホルモン受容体遺伝子多型の簡便な判別方法を開発し、有用肉用牛生産の遺伝マーカーとして育種に応用するほか、和牛(黒毛和種)牛肉と乳用種あるいは外国産牛肉を区別するための遺伝子判別用マーカーの一つとして利用することを目的とする。 |
1055 |
快適空間創造のための快適度センシング技術の開発 |
土居 俊一 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
快適な生活空間を創造するため、快適感を感じるときの人間の心身状態の特徴を科学的に捉えその心身状態に導く手法開発をめざす.このためには心身状態センシングが必要となるので,まず精神状態をよく反映する自律神経の活動を示す血流の脈波を利用した快適度センシング技術を開発する.また,五感により快適度を向上させるための手法のうち快適度に関連していると思われる嗅覚(香り)を用いた快適度制御手法の基礎検討を行う. |
1056 |
瀬戸内海沿岸域における災害予測・事前防災対策システムの開発 |
白木 渡 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
最近、瀬戸内海の沿岸域で発生し、大きな被害をもたらした「高潮災害」、「重油流出災害」の2つを取り上げ、セルオートマトン(CA)技術を応用した被害拡散予測・事前被害対策システムの開発を目的とする。システム開発の目標は、災害の種類、発生場所、気象条件、海域環境条件、地理条件等を入力すれば、被害の拡散状況とそれに対して実施した被害軽減策の効果がリアルタイムに評価可能な機能を具え、地域自治体(町、村)、学校、自治会単位で、事前防災・減災のための教育・訓練に使用できるシステム開発である。 |
1057 |
簡易自動処理装置による高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の処理実証試験 |
掛川 寿夫 |
香川大学 |
福井 次郎 |
香川大学 |
低コストで簡単に実用化できる高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の簡易自動浄化処理装置を開発する。現在、ホウ素やフッ素を現実的な処理コストで浄化処理できる装置や技術的展望は無い。我々は、これまでの基礎研究において、ホウ素やフッ素を簡単に新基準未満まで浄化処理できる新しい凝集沈澱法を開発し、すでに特許出願している。本研究の目的は、この基礎的な処理技術を基に、実用可能で安価な簡易自動浄化処理装置を開発し、高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の処理実証実験を行うことである。 |
1058 |
疾病媒介蚊幼虫駆除のための超音波殺虫装置の開発 |
村主 節雄 |
香川大学 |
白石 宏志 |
四国産業・技術振興センター |
年間8億人と3億人の感染者を出しているマラリア、フィラリアなどの疾病媒介蚊幼虫のコントロールを対象としたフィールドで有効な超音波を応用した搬送性の有る殺虫装置を開発する。この装置は国内およびソロモン諸島などの外国における我々の蚊の生態調査経験から広範な地域を対象とするため搬送性を持たす必要が有る。そのためには小型である事が第一条件であるが、この事は殺虫効率を上げるためには高出力が望ましい事と相反している。この両要因の最も理想的な解決点を見いだし、装置の開発を行う。 |
1059 |
局在表面プラズモン増強による単一分子レーリー散乱分光装置の開発 |
伊藤 民武 |
産業技術総合研究所 |
細川 純 |
産業技術総合研究所 |
超高感度分子分光法として蛍光分光法が知られている。しかし、圧倒的に多い非蛍光性の分子には適用できない。吸収分光は全ての分子に適用できる。しかし、検出感度ははるかに低い。本研究では、吸収分光に代わる分光手法として、プラズモン共鳴による増強電場を用いた高感度分子レーリー散乱分光手法の開発を試みる。成功すれば蛍光性、非発光性関係なく全ての分子に適用可能な高感度分光手法となる。 |
1060 |
Development of a nanosensor for toxic materials |
ビジュ バスデバンピラィ |
産業技術総合研究所 |
細川 純 |
産業技術総合研究所 |
本研究の目的は、(1) 三重構造、すなわち光エネルギー供与部、光エネルギー受容部、発光部を持つ新規ナノセンサーの開発と(2)生体組織内や生態環境中の毒性イオンの超高感度検出への適用である。この適用により高効率高安定でかつ自己報告機能を有した高感度毒物ナノセンサーが世界で初めて開発可能となる。このナノセンサーは高発光効率のQD と優れたイオン捕集分子を選択的に使用することにより開発可能となる。開発の結果、様々な環境で長期にわたる高感度毒性イオン分析が可能となる。 |
1061 |
養魚用高効率生物ろ過システムの開発 |
山本 義久 |
水産総合研究センター |
桑田 博 |
水産総合研究センター |
環境保全型の養魚技術として陸上での閉鎖循環飼育が注目され、省エネ・省コスト型の閉鎖循環飼育システムの構築が必要とされている。そこでシステムの心臓部の生物ろ過装置に、これまで養魚分野には応用されていない新しいろ過方式について、一般的なろ過方法との硝化能力の比較、適正なろ材の検討、大型装置での適正構造の把握等の要素解析をすることにより、産業規模での実用可能な装置を開発する。 |
1062 |
新規超高速共焦点光学系の開発 |
冨永 貴志 |
徳島文理大学 |
田村 英樹 |
テクノネットワーク四国 |
生命現象の様々な指標を光信号に変換、高い時空間精度で動画取得する手法は重要である。脳科学の分野では、神経細胞活動を膜電位感受性色素分子で光信号に変換して計測する手法が有力になってきている。精度良く個々の細胞の活動を記録するためには共焦点顕微鏡という空間精度の高い顕微鏡を高速で使用する必要がある。本研究では、既存の共焦点ユニットと超高速撮像装置をベースに、膜電位感受性色素撮像用の専用超高速低雑音共焦点光学系を構成する。 |
1063 |
カオリナイト系セラミックス処理による水の機能化と機能水の応用 |
佐藤 一石 |
徳島文理大学 |
細川 純 |
産業技術総合研究所 |
化学産業などの製造・開発現場は水が何らかの影響を及ぼすことを経験している。本研究は、現象論にとどまることなく基礎科学的視点から水の動的構造を明らかにし、得られた知見を各種産業の生産工程の革新などに応用することにより、新たな事業構築の基礎づくりを将来的な目標とする。ここでは、設置コストが低く実用性に優れるカオリナイト系粒状セラミックス処理水を研究の対象とし、水の機能化メカニズムの解明と、処理水の応用を探索する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1064 |
未利用魚介類を原料とした色が薄く、生臭さ及びうまみが改善された新規発酵調味料の研究開発 |
新谷 智吉 |
愛媛県工業技術センター |
石丸 尚志 |
愛媛県工業技術センター |
魚介類の未利用部位を原料とした、色が薄く、生臭さ及びうまみが改善された、新規発酵調味料の開発を目的とする。魚介類に醤油麹を加えて熟成させることにより、ある程度うまみを有し、色が薄く、生臭さを改善することができるが、より良い発酵調味料とするには、うまみ成分をより増加させる必要がある。本研究では、作製・熟成方法を検討し、魚介類の効率的な分解による新規発酵調味料の開発を目指す。 |
1065 |
柑橘成分の有する貯穀害虫忌避性を用いた防虫紙の研究 |
西田 典由 |
愛媛県紙産業研究センター |
篠原 広充 |
愛媛県紙産業研究センター |
穀物や穀粉は、貯蔵中に貯穀害虫により食害を受けるが、これにより多量の食料が失われており、その対策が求められている。柑橘精油は、代表的な貯穀害虫であるコクゾウムシに対し、忌避性を有する。これを紙やフィルム等に担持させることで、防虫性のある食品保存用の包装等を作製することを目的とする。柑橘精油の分析、バイオアッセイによる閾値の検討、紙やフィルム等への担持法およびその評価を行う。 |
1066 |
機能性粉体の点担持技術による新規シート状材料の研究開発 |
高橋 雅樹 |
愛媛県紙産業研究センター |
篠原 広充 |
愛媛県紙産業研究センター |
各種機能性を有する粉体を、不織布などのシート状素材に担持・複合化する場合に、使用するバインダー樹脂により粉末が埋没し、本来の機能性が低減することが問題となっている。本研究では、新規なバインダーの利用や塗料化技術に取り組み、機能性粉体の有する機能特性を活かしたままで不織布シートに担持・複合化する技術を確立し、新規シート状材料を研究開発する。 |
1067 |
親子鑑別によるマハタ高品質種苗供給のための優良親魚選抜技術の開発 |
山下 浩史 |
愛媛県水産試験場 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
バラツキの少ない優良系統親魚の確立を目的に、マハタが性転換魚種であるという特徴も鑑み、DNA多形による親子鑑定技術を利用し、優良雄親魚の選抜を行う。方法は、1尾のメス親魚と多数のオス親魚の組み合わせ交配を同時に実施し、一定期間混合飼育した後DNA多型による親子鑑定を行い、飼育法や水槽間差といった環境的要因を除去し、雄親魚ごとの成長や抗病性における遺伝的要因のみを検出するというものである。なお、本技術開発研究により得られる優良系統から生産されたマハタ種苗は、生産管理が出来るため、安定して高品質なマハタの出荷が可能となる。 |
1068 |
デルフィニウムの遺伝的特性を利用した花持ち性改善技術の開発 |
岡本 充智 |
愛媛県農業試験場 |
栗坂 信之 |
愛媛県農業試験場 |
切り花として需要が期待できるデルフィニウムの花持ち性の改善技術を開発する。一般にデルフィニウムは落弁しやすいが、栽培中のデルフィニウムにおいて、花持ちの良い個体が見られる。この特性を遺伝的に利用することができれば、花持ちを良くするために使用されている金属やホルモンなどの化学薬品を含む鮮度保持剤の使用を削減することが可能である。そこで、その特性を遺伝的に解明し環境負荷の少ない開花調節技術を開発する。 |
1069 |
耐久性に優れた軽量陶器瓦の研究開発 |
菅 雅彦 |
愛媛県窯業試験場 |
安岡 史朗 |
愛媛県窯業試験場 |
阪神淡路大震災以降、防災瓦の開発が進んでいるが、近年は屋根瓦の軽量化が主流になっている。陶器瓦は、屋根材のなかでも耐久性が高いことから、シェアの50%以上を占めているが、その軽量化は、原料土の微粉砕による強度向上のみで行っているため、最軽量品で110kg/坪程度のものしかなく、金属屋根や化粧スレートに匹敵するものは開発されていない。これまでの手法では、陶器瓦のこれ以上の軽量化は困難な状況にあるため、繊維強化セラミックスの手法を新たに適用することで、陶器瓦の強度を従来の瓦に比べ1.5倍程度まで向上させ、さらに、厚みを薄くすることが可能な軽量瓦の開発を行う。 |
1070 |
血管ネットワーク形成を特異的に阻害する核酸試薬を用いた抗腫瘍剤の開発・応用 |
東山 繁樹 |
愛媛大学 |
大山 真吾 |
テクノネットワーク四国 |
固形腫瘍の成長には血管新生が必須であり、血管新生は血管内皮細胞の増殖、遊走、ネットワーク形成、および管腔形成というステップを経て行われる。我々は独自の方法で、血管内皮細胞増殖に影響を与えずネットワーク形成にのみに関わる必須の転写抑制因子(Z因子)を見出し、そのZ因子の特異的siRNA(核酸治療薬)を用いたZ因子の遺伝子抑制にてネットワーク形成を完全にブロックできた。現在、本siRNAの核酸治療薬としての効果を調べるために、マウス個体における腫瘍血管新生の阻害実験を進めており、本研究課題のもと創薬事業化への展開を目指す。 |
1071 |
がんに対する革新的骨髄移植療法の開発 |
安川 正貴 |
愛媛大学 |
大山 真吾 |
テクノネットワーク四国 |
同種造血幹細胞移植(骨髄移植)は、今後、がん集学的治療において重要な地位を占めると思われる。この治療の課題は、移植されたリンパ球が患者組織を異物として認識しこれを攻撃する移植片対宿主病(GVHD)の克服である。そこで、この課題を解決する目的で、患者骨髄細胞にがん特異的細胞傷害性T細胞(腫瘍細胞の排除に関与している重要なリンパ球)から単離したT細胞レセプター遺伝子を導入して、全くGVHDが起こらずに、腫瘍細胞を効率的に排除できる免疫系を体内で構築し、安全で効率的な革新的骨髄移植療法を開発する。 |
1072 |
UHF帯を利用した長距離無線ICタグ用アンテナの開発と実用化 |
松永 真由美 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
物流や図書館、病院のデータ管理を高速化するシステムとして期待されているUHF帯の長距離無線ICタグに最適なアンテナの開発を目的としている。本提案は、小型化が難しいUHF帯で、あらゆる角度から読み取りが可能かつ長距離通信可能なアンテナを電磁界シミュレーションにより設計し、電波試験により性能評価と改良を行う。また、開発したアンテナは長距離無線ICタグに実装し物流管理システムなどを想定した実用化実証実験を行うことで実用化を目指す。 |
1073 |
高周波誘導による局部予加熱での軸拡径加工法の開発 |
朱 霞 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
該当研究者が軸材に対して一定の軸圧縮応力条件下で回転曲げによる引張・圧縮の繰返し応力を重畳させ部分的に肥大加工させる塑性加工法を確立し、室温にて極めて短時間、省エネ・省資源な軸拡径加工機を開発した。本研究では既に独自で開発した大型軸拡径加工機に備えた高周波誘導予加熱装置を用い、軸拡径加工部を高周波誘導予加熱後、軸拡径加工を行い、より大きな軸拡径率・高い加工効率を達成する最適加工条件の確立を図る。 |
1074 |
レーザを用いた印刷用紙の再利用技術の開発に関する研究 |
井堀 春生 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
使用済みのコピー用紙を通すだけで、印刷された部分を除去して印刷できるような装置があれば、印刷紙を手軽にリサイクルすることが可能であり環境保全に大きく貢献できる。また、シュレッダを使用することなく個人情報の消去をおこなうことができ、その場で消去の事実を確認できる利点もある。このような装置の実現を念頭に置き、本課題では、印刷用紙からトナーを除去する手法としてレーザを用い、そのレーザ照射条件を中心に検討する。 |
1075 |
ゲートレベル診断ツールを用いたトランジスタレベル故障診断法の開発 |
樋上 喜信 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
これまでに、チップの診断手法として、トランジスタレベルのシミュレーションツールを用いる手法、および異常電流を検出する手法が提案されている。しかし、今後、益々複雑化・微細化の進むVLSIに対しては、これらの診断手法では膨大な実行時間が必要となってしまう。この課題を解決するために、本研究では、既存のゲートレベルのシミュレーションツールを用いて、トランジスタレベル相当の故障診断を可能とする、VLSI用の細部欠陥診断アルゴリズムの確立を目指す。 |
1076 |
卵巣癌特異的遺伝子治療におけるキャリアー細胞の感染成立機構の究明 |
濱田 雄行 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
卵巣癌治療は、進行性癌に対する治療効果の改善は全く進んでいない。今回、開発を進めている治療法は、卵巣癌特異的IAI.3B遺伝子プロモーターの技術を活用した、局所注射のみで癌組織を完全治癒することを可能とする新たな遺伝子治療法である。今回、蛍光顕微鏡を用いてキャリアー細胞の断片化、標的癌細胞のキャリアー細胞断片の取り込み機構の一端を究明するとともに、さらに効率的なキャリアー細胞の感染成立を目指す。 |
1077 |
クロロフィル蛍光計測法による潜在的生育不良苗診断システムの開発 |
高山 弘太郎 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
生育不良苗は病虫害等への耐性が低い。そのため、将来的に生育不良となる苗をできるだけ早期に発見し取り除くことが苗生産現場の喫緊の課題となっている。クロロフィル蛍光計測法は非破壊かつ非接触での光合成機能診断技術であり、これを用いることで将来的に生育不良となる(潜在的な生理機能障害を持つ)苗の診断が可能である。本研究では、診断プロトコルの最適化および多サンプル同時診断技術を確立し、苗生産の安定化や生産性向上を目指す。 |
1078 |
エクスターナルGRIDのProfitableな利用を実現するアルゴリズムの確立 |
小林 真也 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
インターネットでつながれた計算機からなるエクスターナルGRIDでは、非営利である目的の実現には使用されてきたが、Profitableな用途(営利目的)での使用には、依頼する処理の内容が第三者に知られる点と、依頼先の計算機の確実な処理を保証しなければならないといった課題がある。この研究の目的は、この2つの課題を解決し、エクスターナルGRIDのProfitableな用途への利用を可能とする技術(セキュアプロセッシング技術)の開発である。 |
1079 |
体内の菅腔を縮小する次世代経カテーテルデバイスの開発 |
高橋 学 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
先天性心疾患である心房中隔欠損症には欠損孔を完全に閉口せず、縮小するだけで十分に健康を維持できる種類がある。閉口治療としては、開胸手術や閉鎖栓によりフタをする治療技術が確立されているが、人体への侵襲性、術後の安定性の問題点が存在する。そこで、本研究では、完全閉口せず微小クリップを用いて欠損孔を縮小する、次世代の菅腔治療用経カテーテルデバイスの開発を行う。 |
1080 |
閉鎖性海域の鉛直混合を促進する低反射護岸の開発 |
中村 孝幸 |
愛媛大学 |
田坂 謙介 |
愛媛大学 |
内湾域の水質浄化、特に海域の鉛直混合を促進させることで成層化に伴う海洋生物などへの弊害防止などを目的として、自然エネルギーを利用する海域環境改善型の護岸構造物の開発を進める。この内部には遊水室があり、遊水室内の波浪共振およびそれに伴う強い渦流れの生成を原動力として、海域での曝気や表層水の水底への輸送、混合を促進すると共に付加的に反射波の低減も可能な、多機能型の護岸構造物の開発を目指すものである。 |
1081 |
栗渋皮中の血糖値上昇抑制物質の同定と利用 |
辻田 隆廣 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
糖尿病は食生活の変化と共に、近年着実に増加している疾患の一つであり、病気の進行にともなって発現してくる様々な合併症が問題となる。申請者は栗の渋皮に糖分解酵素であるアミラーゼ阻害作用があり、食後血糖値の上昇を抑制することを発見した。栗は愛媛県の特産品であり、栗渋皮は剥き栗製造過程で産出する廃棄物である。本応募課題では廃棄物の有効利用をはかり、血糖値が気になる中高年を対象とした、血糖値上昇抑制機能性食品素材の開発を目的とする。 |
1082 |
フルオロイソインドールの新規合成法の開発と有機電子材料への応用 |
宇野 英満 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
多フッ素置換多環縮合芳香族化合物は、電界効果型トランジスタに用いるとn型のデバイスとなるため、有機デバイス材料としての応用研究の進展が期待された。しかし、多フッ素置換多環縮合芳香族化合物は合成が困難であるため、特定の研究者のみがこれらの物質によるデバイスの研究を行っているのが現状である。本研究では、多環縮合芳香族化合物を用いたn型デバイスの開発に向け、テトラフルオロイソインドールやその類縁化合物の簡便かつ高効率な合成法の確立と、これらの化合物を用いた高純度フッ素化ベンゾポルフィリン合成法を開発し、これらの物性を明らかにする。 |
1083 |
分子不稔化技術を用いた新しい真珠養殖技術の確立 |
三浦 猛 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
真珠養殖では、母貝(アコヤガイ)の成熟した生殖腺が分泌する物質が真珠の質に悪影響を与える。成熟しないアコヤガイ(不稔化アコヤガイ)を作成することができれば、母貝の生殖腺の影響の無い品質の高い真珠を作ることが可能となり、真珠養殖の効率が飛躍的に良くなるものと考えられる。そこで本研究は、RNA干渉法により生殖細胞特異遺伝子の作用を抑制し、生殖細胞を形成できない不稔化アコヤガイの作出を試みる。 |
1084 |
液体中高密度プラズマ処理による高機能性表面繊維製造法の研究 |
豊田 洋通 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
液中プラズマは、液体中の泡の中で高密度プラズマを発生させたものである。プラズマは液体中の泡で包含されているので、基材表面にそのプラズマを接触させても、液体の効果により基材表面が熱から保護される。本研究では液体中の高密度プラズマを、繊維基材に接触させ、繊維基材表面を熱的に損傷することなく高密度プラズマから供給されるラジカルに作用させ、高機能性表面を持った繊維を製造する方法を開発する。 |
1085 |
高分子ポリマーとゼラチン・マイクロカプセルを用いた人工神経の開発 |
羽藤 直人 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
本研究は、人工神経という神経再生を誘導する医療用材料を開発し、臨床応用することを目的とする。人工神経は外筒と内筒の円柱状2層構造で、外筒は生体分解性の高分子ポリマーのナノファイバーを電界紡糸法で作製する。内筒はゼラチン・マイクロカプセルに神経栄養因子を結合させた構造で、移植後には神経再生に良好な環境が提供可能となる。今後、人工神経の長さや径、濃度を変化させ、モルモットを用いて最適な条件設定を行う予定である。 |
1086 |
脂腺細胞のペプチド分泌の活性化と抗菌薬としての利用 |
澄田 道博 |
愛媛大学 |
鈴木 貴明 |
愛媛大学 |
申請者らは、哺乳類の脂腺細胞から遊離され、ヒストンを濃縮している新規膜小胞を発見し、セボゾームと名付けた。サケやカエルの皮膚分泌粘膜の抗菌分子と類似し、哺乳類でのブドウ球菌などに対する抗菌活性を初めて報告した。申請者らは、抗菌タンパク質の活性部位や、発現機構を解析し、ヒトの皮膚にも適用出来る、抗菌活性が高く細胞毒性の低いペプチドを合成し、皮膚の感染防御や、炎症の抑制などの実用化を試みる。 |
1087 |
無電極放電ランプによる可視光通信の研究と開発 |
岡本 太志 |
弓削商船高等専門学校 |
津田 雄造 |
西条市産業情報支援センター |
従来の無線や赤外線通信の課題を克服し、次世代無線通信として注目されているものに可視光通信がある。その光源としてLED、蛍光灯があるが、これらの光源には、一長一短がある。LEDは点滅応答性がよく、多くの情報が送信できるが、高出力が得られなく、使用範囲が限定される。一方蛍光灯は、比較的高出力が得られるが、点滅応答性に難がある。本研究は、これらの欠点を解消できる光源である無電極ランプを用いることによる可視光通信の拡大を研究目的とする。 |
1088 |
結晶配向セラミックスの簡易作製技術の確立 |
中山 享 |
新居浜工業高等専門学校 |
村上 哲也 |
東予産業創造センター |
多結晶体であるセラミックスの場合は一般に1つ1つの単結晶粒子をその特定の結晶軸に並べることはできず、その優れた特性は消失してしまう。セラミックスにおいても1つ1つの単結晶粒子を特定の結晶軸に並べる技術はあるものの、大掛かりで高価格な装置が必要であり大形状のセラミックスを作製することが非常に難しい。また、量産性にも大きな問題を抱えている。本応募課題では、低価格で簡易な装置で結晶配向セラミックスを量産できる技術に関するものである。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1089 |
海水中のホウ素除去システムの開発 |
川北 浩久 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
海水中にはホウ素が約4.5mg/L含まれており、これをRO(逆浸透膜)脱塩処理した水にも約2mg/L程度のホウ素が残留している。今回、海水を原料としたRO脱塩水に残留するホウ素の適切な除去方法について、イオン交換樹脂及び現在大手企業にて開発中のRO膜を用いた除去条件について検討する。 |
1090 |
天然繊維をベースとした六価クロム捕集材の開発 |
山下 実 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
クロムは、単独では無毒で工業的な利用頻度も高い。特に耐蝕性耐摩耗性高温での強靭性に優れ、食器などのメッキは殆どクロムが使用されており、代替品は特にない。しかし人工的に生成される六価クロムは強い毒性を示し、廃水は水質汚濁防止法で厳しく規制されている。処理方法としては還元中和沈殿法が頻用されているが、プロセスが複雑であり大量のスラッジ処理も問題となっている。そこで本研究では、複雑なプロセスを必要とせず六価クロムを直接捕集するための天然繊維をベースとした捕集材の開発を行う。 |
1091 |
新規海洋細菌を用いた抗腫瘍生理活性色素の生産 |
榎本 恵一 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
細菌が産生する色素の中には青紫色素ヴィオラセインや赤色色素プロディジオシンのように抗腫瘍作用、原虫に対する抗生作用、免疫抑制活性を示すものがある。しかし、これらの色素を産生する代表的な細菌が病原性をもつため、大量培養による色素の生産は困難であった。本研究では、海水中より分離した安全性の高い新規海洋細菌を用いてこれらの色素の簡便かつ効率的な生産方法を確立する。 |
1092 |
色面サイズ増大にともなう色の見えの変化の予測と応用のためのアプローチ |
篠森 敬三 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
物体のサイズの変化により、色が変わって見える現象が面積効果である。このため、サンプル小片などで色を選んでも、その色をそのまま床や壁の色にすると、完成時の色の印象は異なったものになる。しかし面積効果の計算予測ができなかったため、今までは、総当りの色変化一覧表等を作成するに留まり、あまり実用的ではなかった。そこで、本課題では、面積効果の原理に基づいた色の見えの予測式を確立し、その有効性を、特に応用利用の見地から検証する。 |
1093 |
触媒微細構造制御による多結晶シリコン膜の結晶核密度制御と高品質・低温形成技術 |
古田 守 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
多結晶シリコンは、ディスプレイ用薄膜トランジスタや薄膜太陽電池といった情報通信・環境エネルギー技術に不可欠な材料である。本研究は、金属誘起結晶化(MIC)による多結晶シリコン薄膜の固相成長において、触媒金属の微細構造制御によるシリコン結晶核密度制御と、多結晶シリコン薄膜の大粒径化に関する研究である。本研究の結晶化技術は、多結晶シリコンを活性層に用いた高性能薄膜トランジスタや太陽電池への応用を目的とするものである。 |
1094 |
半導体レーザによるコンパクトな200nm領域波長可変深紫外線光源の開発 |
野中 弘二 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
電子部品のプロセスや水環境殺菌に用いられている200nm近傍の極短深紫外線の発生は、ランプなど面出力は大きいが集光や低波長品質のインコヒーレント光の大規模装置が主流である。今後の分子分光・細胞改質など顕微鏡と合わせたナノ計測・プロセスには、ねらったポットに集光が可能で波長可変・コヒーレンスでコンパクトな高品質光源が必用だ。代表者は安価でコンパクトな青色LDと光非線形現象による高品質・小スポットの深紫外発生を提案してきた。本研究でコンパクト性を維持しながら出力の実用レベルへの向上と波長の可変性の広帯域化を実現し、ナノ分光光源としての実用可能性を検証する。 |
1095 |
超撥水処理だけで実現できる新しい軸受構造 |
竹内 彰敏 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
固体の表面エネルギーが低く、固液界面のエネルギーが高い超撥水面と、表面エネルギーが高い親水面との境界で発生するせん断流量の不連続性から、圧力流れを誘起して負荷を生み出す新しい軸受構造であり、超撥水処理を施すだけの簡単な操作で、幾何学的にフラットな平行2平面であっても、良好な潤滑膜を形成できる。また、疎油面と親油面の組み合わせに置き換えることで、そのまま、油潤滑にも適応できる技術である。 |
1096 |
近赤外光を使った安全・簡便なリンパ観測装置の開発 |
木村 正廣 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
リンパ管を通じて転移するガンの診断のためにはリンパの観察が重要である。この診断装置として、本研究では従来のものに比べて小型・安価で、患者に被爆の危険を与えずに皮膚外からリンパを高感度で観察できる装置の開発を行う。造影剤の発光波長と光源波長はいずれも近赤外領域にあるので皮膚と生体組織に対する透過率が高く、皮膚の外部からの観察が可能となるだけでなく、人体にも安全である。 |
1097 |
液晶を使った表面実装アクチュエータの開発とプリント基板上への実装 |
三枝 嘉孝 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
現在、携帯電話など電子機器類の小型化、薄型化への要求がますます盛んになってきている。そのため、基板表面に実装できるデバイス装置が必要とされている。すでに、抵抗やコンデンサーなど表面実装技術の進んだ分野もあるが、アクチュエータやモータなど動力発生装置のチップ化技術の開発は遅れている。本試験では、プリント基板上に液晶を用いたアクチュエータ素子を作製し表面実装デバイスとして実用化可能かを検討する。 |
1098 |
患者の能力を最大限発揮させる効率的立ち上がり訓練機の開発 |
井上 喜雄 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
障害や高齢化で立ち上がりが困難になった患者が、安全かつ効果的にリハビリテーションを行うことを支援する吊り上げ型の立ち上がり訓練機を開発する。患者が常に最大限の力を発揮し効率的にリハビリテーションを行える機能、最も負担がかかる膝関節の負担を軽減する立ち上がり姿勢を学習させる機能、患者が回復状況を把握しながら訓練ができる機能を、既に開発した患者の関節モーメント推定技術およびインピーダンス制御による吊り上げ技術を駆使して実現する。 |
1099 |
非結球アブラナ科葉菜類(プチベール)の出荷規格外及び廃棄部位の有効利用を目指した機能性食品素材の開発 |
渡邊 浩幸 |
高知女子大学 |
高村 禎二 |
高知女子大学 |
アブラナ科の野菜類に含まれる酵素活性を残したまま、野菜類を乾燥して粉末化する技術をもとに、機能を保持したアブラナ科野菜の加工食品への応用や過剰栽培や規格外野菜の有効利用としても利用できる。非結球アブラナ科葉菜類(プチベール)を対象作物とし、乾燥した野菜について、生鮮状態と比較して保持された食品機能の程度を評価し、それらの機能を生かした素材開発を行う。プチベールに存在するグルコシノレート類の分布部位、分類、乾燥粉末後の含有量の変化、食品機能の特徴、加工食品への応用へと展開する。 |
1100 |
新規有機不斉触媒の開発と利用 |
小槻 日吉三 |
高知大学 |
安田 崇 |
テクノネットワーク四国 |
本研究は、独自の分子設計に基づく新規な有機不斉触媒の開発、それを利用した高効率な不斉触媒反応への展開、およびその生物活性天然物合成への応用にある。これを実行するにあたり、具体的な到達目標を次の3点に集約し検討する。@ 含窒素複素環系誘導体を基軸とする新規有機不斉触媒の開発。A 有機不斉触媒を駆使した高効率な不斉触媒反応の開発。B 本不斉触媒反応を活用する生物活性天然物のエナンチオ選択的合成。本研究により、環境に優しい合成化学的方法論としての新規な不斉触媒反応の開発、その応用としての生物活性天然物のエナンチオ選択的合成という両分野において独自性を確立し、21世紀型有機触媒不斉合成技術の確立をめざす。 |
1101 |
シグナル伝達分子阻害薬によるアレルギー性結膜疾患の重症化抑制 |
福島 敦樹 |
高知大学 |
塩崎 紀子 |
テクノネットワーク四国 |
アレルギー性結膜疾患の重症化に必須の役割を果たすT細胞が活性化されるためにはシグナル伝達分子の活性化が重要であり、シグナル伝達分子の活性化を抑制することにより重症化の抑制が期待できる。本研究では、実験的アレルギー性結膜疾患を誘導した動物にT細胞の活性化に関与するp38やMEKの阻害薬を点眼液で投与し、結膜好酸球浸潤が抑制されるかどうか検討する。抑制を確認した後、結膜でどの細胞に作用しているかを確認する。以上の研究で得られた結果から重症アレルギー性結膜疾患患者をシグナル伝達分子阻害薬で治療する場合の基本的な事項が明らかとなる。 |
1102 |
アブラソコムツ等未利用魚の食品素材への利用技術の開発 |
森岡 克司 |
高知大学 |
松崎 武彦 |
高知県産業振興センター |
マグロ漁業などで混獲されるアブラソコムツは筋肉に多量のワックスを含むため、食用として利用できない。食用に供するには、何らかの処理をしてワックスを食品として安全な1%以下まで除去する必要がある。そこで申請者は、すり身原料としての利用を意図し、まずワックスを筋肉から1%以下まで除去できる技術について検討し、その方法を開発した。(特願2006- 31607) 本研究は、申請者が開発した方法で魚肉から調製したすり身について、実用化の際、問題となるその品質について評価、改善し、高品質なすり身を調製する方法を明らかにするものである。 |
1103 |
全方向移動が可能な歩行訓練機の介護予防事業への展開に関する研究 |
石田 健司 |
高知大学 |
松崎 武彦 |
高知県産業振興センター |
高知工科大学の王は、全方向移動が可能な歩行器を開発した。この動きは、オムニホイル式の特殊な車輪(特許)の電子制御により初めて可能となった。今回作成した歩行訓練機は、前後・左右・斜め前後・回転運動が可能で、これまでの歩行器にはできなかった機能を有する。今回本機器を介護予防や転倒予防の支援事業に展開するため、本機器の機能性・効果・安全性について医学的見地から、@独自の運動プログラムの構築、A前期・後期高齢者を対象とした臨床評価を重点的に分析する。 |
1104 |
酵素法ビタミンB6分別定量キットの開発 |
八木 年晴 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
近年の安全・安心な健康増進の手段として、食品中の機能性成分に注目が集まっており、様々な保健食品の製品開発が進んでいる。そのような中、それらの機能性に対する評価方法の確立が、食品分野で重要な課題となっている。健康と精神活動を支える必須栄養素ビタミンB6は、天然に存在する6種類の化合物の総称である。最近、ビタミンB6の一つピリドキサミンに生活習慣病である糖尿病の合併症を予防し治癒する機能が見いだされたため、食品中や血漿中の本ビタミンの含有量測定法すなわちビタミンB6分別定量法のニーズが高まっている。しかし、現在、食品中や血漿中のビタミンB6を分別定量する実用的な方法は無い。本課題は、食品の持つ機能性とヒト血漿中のビタミンB6濃度をより正しく評価するために必要なビタミンB6分別定量用キットを開発し、キットを用いた場合の測定条件の確立を目的とする。本キットは特異性と感度を上げるために酵素を用いることを特徴とする。 |
1105 |
キレーター脂質を用いる薬物輸送系の開発 |
本家 孝一 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
任意の細胞に薬物を高効率に運搬・導入する基盤技術が求められている。本研究課題では、標的細胞の表面に特異的に結合するリポソームを作製することにより、標的細胞内に薬物を高効率に導入する新技術を開発する。 |
1106 |
良食味・極早生・短稈の新品種‘ヒカリッコ’の高知県における適応性と耐冷性の検討 |
村井 正之 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
村井が育成した良食味・極早生・短稈の新品種ヒカリッコ(コシヒカリの同質遺伝子系統)を南国市(高知県農業技術センター他の2箇所)、安芸市、香南市野市町、高知市、春野町および四万十市の高知県内7箇所で栽培し、収量、出穂期などの特性を調査する。比較品種は、コシヒカリ等を用いる。各地で収穫された玄米中のアミロースや蛋白質を分析し、食味官能試験を実施する。試験結果に基づき、ヒカリッコを現在の奨励品種と比較し、食味や収量性の優劣、地域適応性などを検討する。また、同品種の耐冷性を検定する。 |
1107 |
主要海産魚に感染するイリドウイルスワクチンの開発 |
大嶋 俊一郎 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
魚類イリドウイルス感染症は、主要海産魚に感染し大きな被害を出している。本研究課題では、有効性の高いワクチンを提供するために、マダイ由来の培養細胞を作製し、効率よくウイルスを培養できるシステムを構築した。また、一方で、現在、流行しているイリドウイルスを西日本各地より収集しており、現流行株に対するワクチンの作製を目指す。 |
1108 |
ペルオキシダーゼ標的・増感放射線療法 KORTUCの開発とその適応疾患の拡大 |
小川 恭弘 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
現在の放射線治療に汎用されているリニアックを利用しつつ、過酸化水素により抗酸化酵素ペルオキシダーゼ/カタラーゼを不活性化するとともに、同時に発生する酸素により腫瘍局所を酸素化し、放射線抵抗性腫瘍を高感受性に変換する。これに基づいて、種々の局所進行悪性腫瘍に対する放射線治療効果を飛躍的に高めるための酵素標的・増感放射線療法 KORTUC (Kochi Oxydol-Radiation Therapy for Unresectable Carcinomas) を考案し、局注用の放射線/化学療法増感剤も初めて開発した。この全く新しい発想に基づいた世界初の酵素標的・増感放射線療法の高齢者乳癌および進行肝細胞癌等の適応疾患の拡大に向けて臨床例でのパイロットスタディおよび安全性確認のための動物実験を実施する。 |
1109 |
銀含有多機能高付加価値ハイブリッド材料の開発と応用 |
米村 俊昭 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
これまでの材料開発の多くは、作用機序の違いから、複数の機能を持たせるためには別々の物質を利用せざるを得なく、さらに加工法や耐久性に制限があることも製品開発の大きな課題となっている。我々の開発した銀含有ハイブリッド材料は、これらの問題点を改善し、微量で効果を発揮し、長寿命で、複数の機能を兼ね備えている。本研究では、これまでに開発したハイブリッド材料に改良を施すことにより、 性能や利便性の向上を図るとともに、様々な材料への加工性について検討する。 |
1110 |
小型冷凍機を用いた物性実験のための極低温環境の構築 |
西岡 孝 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
絶対温度1K以下の環境を実現するためには高価な液体ヘリウムが普通である。本研究では市販4K冷凍機を改造することにより、1K以下の環境を容易に実現することをめざす。具体的には、冷凍機に4Kポット、1Kポット、ヘリウム3ポットおよびヘリウム3気体操作系を取り付け、1K以下の実現にはヘリウム3の蒸発潜熱を利用する。これにより、液体ヘリウムを使用せずに1K以下の極低温環境下でさまざまな物性実験が可能になる。 |
1111 |
界面重合反応を活用した新規ナノファイバーの合成法とナノファイバーの特徴を有するシート状素材の開発 |
市浦 英明 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
本研究では、界面重合反応を利用して、不織布等のシート状素材表面上でナノファイバーの合成を試みる。本技術は、水溶性高分子の濃度および有機溶媒の組成を変化させて、界面重合を行った高分子の形態が変化する“自己組織化的現象”を利用しており、ナノファイバーの合成と同時にシート状素材に定着できる点が最大の特色である。シート表面上でナノファイバーの合成を行い、その機能を併せ持つシート状素材の開発が期待される。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1112 |
微細流体混入燃料によるディーゼルエンジンの燃焼改善 |
中武 靖仁 |
久留米工業高等専門学校 |
外山 寛二 |
久留米工業高等専門学校 |
最近の原油高騰により一段と低燃費化の要望が強くなっている中で,ディーゼルエミッション(有害排出ガス)のNOxや黒煙,PMの低減が注目されている.当該研究では,ディーゼルエンジンの低燃費化とエミッションの同時低減を目指す手段として,前者にはマイクロバブル,後者には水マイクロエマルジョンを燃料に同時混入することにより,ディーゼルエンジンの燃焼を改善するという,今までにない画期的なアイデアと実用性がある. |
1113 |
中和型抗ヒトIL-18抗体を用いた間質性肺炎の新規治療薬開発 |
星野 友昭 |
久留米大学 |
池田 敬史 |
久留米リサーチ・パーク |
抗癌剤は放射線療法との併用により重篤な間質性肺炎を引き起こす。間質性肺炎治療にはステロイド剤が処方されるが、一部の間質性肺炎(分離不能型間質性肺炎)以外には効果がほとんどない。そのため、多くの間質性肺炎に有効な治療法の開発が急務である。本研究は間質性肺炎・肺障害の新規治療薬として、炎症性サイトカイン、IL-18に対する中和活性の高い抗ヒトIL-18抗体の開発を目指すものである。 |
1114 |
視覚障害者の空間認識能力を考慮する最適経路探索 |
家永 貴史 |
九州システム情報技術研究所 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
視覚障害者へ経路案内を行う場合、晴眼者の場合と異なり、最短距離や道幅といった量的な要因だけでなく、個々の空間認識能力や歩行技術といった質的な要因を考慮して経路を選択する必要がある。本研究では、これを可能とする経路探索技術の実現を目指す。特に期間内では、質的要因を入れた最適経路探索のアルゴリズムの開発及びシステムの実装と評価を行い、実際に、視覚障害者や歩行訓練士からの協力と知見を得て視覚障害者向け音声地図の自動生成システムを開発する。 |
1115 |
斜め蒸着法による高効率光触媒の研究開発 |
能智 紀台 |
九州共立大学 |
中川 祥次 |
福岡県産業・科学技術振興財団 |
(辞退) |
1116 |
チューブ接続が不要な微量液体秤量混合デバイスの開発 |
安田 隆 |
九州工業大学 |
末松 正典 |
科学技術振興機構 |
新薬候補化合物の最適濃度を網羅的に探索する現在の創薬デバイスの多くは、周辺機器とのチューブ接続が必要なため、操作の煩雑性、システムの大型化、チューブ内残留物の無駄などの問題がある。本課題では、チューブ接続が不要な創薬デバイスの提供を目指して、プラスチック基板上に構築したマイクロ流路中に濡れ性勾配表面と金属電極を形成することにより、一定量の微量液体を自動的に量り取り、2種類の微量薬液を様々な混合比で混合する技術を開発する。 |
1117 |
高温超電導マグネットの設計手法の開発 |
小田部 荘司 |
九州工業大学 |
大八木 衆司 |
九州工業大学 |
金属系超電導体は液体ヘリウム下で医療、リニアモータカーなど高価な大規模システムでの実用化が進んでいる。一方液体窒素下の酸化物系超電導体は一般工業分野で経済的な広範囲の適用が期待されたが実用化が進行していない。その最大の理由は、高温超電導テープの研究開発は進んでいるが、機器の具体的な設計手法と加工技術が未確立な点である。本研究は高温超電導テープを使用して、銅線電磁石に替わる強力な小型超電導マグネット(0.5〜1.0T)の設計、製作、評価および問題点分析して設計手法を開発する。 |
1118 |
癌細胞統合シミュレータの開発 |
倉田 博之 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
癌細胞の多様な情報,すなわち表現型 (臨床知見)・ゲノム・ポストゲノム・遺伝子機能を含むあらゆる階層の情報,をノードとする統合ネットワークモデルを構築し,癌の創薬ターゲット分子を予測するシミュレータを開発する.ここでブレークスルーとなる技術は,複雑な癌細胞ネットワークモデルを簡略化することによって最小要素ネットワークを構築する技術である. |
1119 |
超電導軸受式ターボ分子ポンプの開発 |
小森 望充 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
本応募課題では,この磁気軸受式ターボ分子ポンプに代わるものとして,高温超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行う。この超電導軸受式ターボ分子ポンプでは,タービン翼浮上のため取り扱いが容易な高温超電導軸受を用い,到達圧力10-7Paオーダを目指す。本応募課題では,ねじ溝ロータを高温超電導軸受および永久磁石軸受によって非接触浮上および高速回転させる超電導軸受式ターボ分子ポンプの提案を行い,その実用化への基礎研究を行う。 |
1120 |
抵抗クラティング法による軽量耐摩耗性複合材の開発 |
山口 富子 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
低融点物質を溶融凝固させてクラッド層を形成する方法を用いて、板厚2mmの鋼板上に WC-6.5Co及びWC等の耐摩耗金属粉末を単独にクラッディングして耐摩耗性改質層を制御する技術を開発する。さらに、板厚2mmの軽量材料にバインダ−を用いないで高硬度物質を溶融凝固させてクラッド化を図り新規な軽量耐摩耗複合材を開発する. |
1121 |
超小型衛星の高度化に資する高性能小型ロケット推進機の試作と試験 |
各務 聡 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
超小型人工衛星は、衛星に搭載可能な小型ロケット推進機が開発されていないため、軌道上へ打ち上げができても、動力航行ができないため適用範囲に限界がある。また、現在、衛星用に液体ロケット推進機が利用されているが、噴射器等の必要性から構造が複雑で重く超小型衛星への搭載には不利な点を有する。本研究は、構造が簡単で小型、軽量で推力を0.1〜1.0N級を発生させる固体推進薬を用いた超小型ロケット推進機を開発する。 |
1122 |
コニカルスパイラルグルーブベアリングを用いた遠心血液ポンプ |
塚本 寛 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
人工心臓デバイスは、高信頼性・長寿命・QOL向上の観点から、現在以上の小型化、高効率化が不可欠である。本研究は、コニカルスパイラルグルーブ軸受を備え、全置換型血液ポンプに必要な全揚程5m、流量8L/minの磁気駆動血液ポンプを開発目標とする。これにより血栓生成の原因となる軸シール部の排除が可能となる上、長寿命、小型化が可能な構造となり、小児用デバイスとしても期待される。本ポンプ実用化のため、ロ-タ-及びケ−シング形状を改善しポンプ形状の最適化及び高効率化を目指す。 |
1123 |
粉体用大気圧プラズマ照射装置の開発 |
古賀 啓子 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
誘電体バリア放電によりヘリウムと窒素混合ガス中で大気圧グロープラズマを発生させ、回転する同軸円筒の間隙にポリオレフィン(PO)粉末を入れ、備え付けられた羽根により撹拌し、粉末表面に均一に高効率にアミノ基を付与する同軸円筒型大気圧プラズマ照射装置を開発する。本装置の開発により、PO粉末への効率的なアミノ基の導入が可能となり、アミノ化POを用いた各種ポリマーとの高性能ブレンドを作成できるようになる。本装置は、高価な設備を必要としないため実用化がきわめて高く、PO粉末に限らずセラミック微粉末などへの適用も可能なことから、利用範囲は広く波及効果は大きい。 |
1124 |
意図推定機能を有する上肢動作介助ロボットの開発 |
榊 泰輔 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
上肢の障害・麻痺患者や要介護高齢者における上肢動作をアシストするウエアラブル型ロボットにおいて、使い勝手の良さと高い操縦性を実現するため、使用者の意図を迅速に推定する機能を開発し実用化する。視線情報により動作を事後的に修正するこれまでの技術とは異なり、無意識の段階の意図を視線等の生体情報から推定し、運動指令をロボットコントローラに送り、ウエアラブル型ロボットによりアシスト動作を生じさせる。また、使用者の生体情報と随意的操作をもとにロボットの動作指令を生成することにより、動作の途中で使用者の意図が変化した場合でも容易に即応することが可能である。 |
1125 |
ミトコンドリアを標的とするアポトーシス阻害剤の開発研究 |
新藤 充 |
九州大学 |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
ミトコンドリア内のアデニンヌクレオチド輸送担体(ANT)はアポトーシス制御の一端を担うが詳細は不明である。ボンクレキン酸はANT を阻害することでアポトーシスを阻害する重要な生化学ツールであるが供給方法に難がありきわめて高価である。本研究ではボンクレキン酸の効率的大量合成法を開発し、その知見を元に、医薬品開発を視野に入れたより有効なアポトーシス阻害剤の開発をめざす。 |
1126 |
糖尿病予防成分の迅速獲得のためのα-グルコシダーゼ固定化アフィニティークロマトグラフ法の構築 |
松井 利郎 |
九州大学 |
冨田 和弘 |
科学技術振興機構 |
糖尿病予防作用を有する食品機能性成分のほとんどは、糖質の腸管内での分解阻止を前提として単離・同定されている。他方、その同定法は逐次の阻害活性測定と古典的なクロマトグラフィーとの併用であり、新たに生理活性成分を見出すまでには多大な労力と時間を要する。そこで本研究では、糖質分解終末酵素(a-グルコシダーゼ)を固定化したアフィニティークロマトグラフ法を新たに提案し、多成分混合系である食品からの糖質分解酵素阻害成分の迅速獲得法を構築する。 |
1127 |
新規バイオプロセスの実用化に向けたシトクロムP450活用システムの開発 |
一瀬 博文 |
九州大学 |
冨田 和弘 |
科学技術振興機構 |
シトクロムP450 (P450) は多種多様な化合物への水酸化反応を触媒し、極めて多様性に富んだ生体触媒である。申請者は木材腐朽担子菌の優れた物質変換能とP450機能多様性に着目している。 担子菌P450の有用性は、バイオマス変換・バイオレメディエーション・創薬・化学品合成など様々な分野で注目されており、本研究では、担子菌P450の網羅的機能解析を通じてケミカルプロセスでは困難な反応を可能とするP450を探索する。 |
1128 |
ユビキチンプロテアソーム系の活性化によるマラリアに対する2段階DNAワクチン |
姫野 國祐 |
九州大学 |
田中 邦明 |
久留米リサーチ・パーク |
アフリカ熱帯地方の途上国を中心に、年間150〜270万人の死者があるとされているマラリアは発展途上国を主たる汚染地域とすることから、予防治療研究は遅れている。本研究はリコンビナントワクチンに比べて大量生産が容易で、コスト的にも優れているDNAワクチンの製造を目指すものであり、具体的にはユビキチンプロテアゾーム系を応用することにより、マラリア病原虫の開発を行うというものである。 |
1129 |
確率分布の高速ノンパラメトリック推定による頑健な実時間画像解析技法の開発 |
谷口 倫一郎 |
九州大学 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
屋外のように照明条件が時々刻々変化する状況では、画素値の正確な確率分布を適応的に推定する必要があり、ノンパラメトリックな確立分布表現を動的に推定することが必要不可欠である。本研究では、局所的なカーネル関数を用いることで、ノンパラメトリックな確率分布の推定手法である、パルゼン推定の実用的な計算手法を確立する。更に、それに基づき、ビデオ・サーベイランスのような、照明条件の厳しい環境における対象物体の頑健な抽出・解析に応用可能な、実時間画像解析システムの開発を目指す。 |
1130 |
金ナノロッドの体内リアルタイムモニタリング法の開発 |
新留 琢郎 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
近赤外光は生体組織透過性が高く、バイオイメージングや治療用光源として利用が注目されている。また金ナノロッドはその近赤外光を強く吸収し、発熱もするため、バイオイメージングならびにフォトサーマル治療のナノ材料として期待されている。本研究ではマウス体内に投与した金ナノロッドをモニタリングする技術を開発する。近赤外光を発するLED と簡易カメラを用いる本手法は安価で簡便なモニタリングを可能にする。 |
1131 |
SiC表面自己改質によるグラフェンの形成 |
田中 悟 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
近年,グラフェンは次世代超高速電子デバイスとして大きな注目を浴びている材料である.2次元電子物性の有用性が報告されつつあるが,実際のデバイス応用にあたり作製法に関するブレークスルーが必要である.グラファイトをテープで剥がす手法が主に用いられているが,デバイス作製のみならず物性測定においても大きな困難を伴うことは明らかである.本研究では,SiC表面グラフェン化のメカニズムを探求し,それにより最適グラフェン層を形成することを目的とする. |
1132 |
結晶形態制御による太陽電池用多結晶シリコンの発電高効率化 |
成田 一人 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
高い光/電気変換効率と低コスト化を同時に発現しうる多結晶シリコンインゴットを結晶方位学的立場から作製する。これまで双晶特有の成長形態を利用し、結晶核生成過冷度を制御することによりインゴット底面に粒界などの欠陥を低減させた粗大な結晶を得る知見を得た。本課題はインゴット底面に成長した@大型結晶の保持とA結晶方位制御により、単結晶品に匹敵する300μm 以上の拡散長を得るインゴットを作製することを目標とする。 |
1133 |
スピン転移型多孔性錯体による効率的水素ガス貯蔵材料の開発 |
松田 亮太郎 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
水素ガスは高いエネルギー密度を有し、石油の代替エネルギーとして最も有力なものである。しかしながら水素は分子の特性上、ガソリンのように高密度に貯蔵し運搬する事は困難であり大きな課題となっている。代替エネルギーとして広範に普及するためには、革新的な物質開発が必要である。本研究課題では集積型金属錯体の合成手法を用いて、スピン転移機能と吸着機能有する新しい細孔物質の合成を行い、高効率な吸着材料としての可能性を探索する。 |
1134 |
光学活性機能物質の高純度大量合成用不斉固体触媒の開発と応用 |
稲永 純二 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本課題においては、高性能・高耐久性の新規不均一キラル錯体触媒を創出し、光学活性機能物質を高純度で大量に生産することのできるフロープロセスを開発することを目的とする。具体的には、高性能超分子固体触媒の調製、触媒構造解析、触媒能評価、及び不斉触媒反応カラムの作製と性能評価を行う。また、本課題の推進により光学活性医薬品重要中間体を高純度で大量に生産できるプロセスを開発しライフサイエンス研究や医薬業界の発展に貢献することを目標とする。 |
1135 |
純アルミ板を挿入した高力ボルト高摩擦接合の開発 |
吉岡 智和 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
鉄骨構造物の継手に多用される高力ボルト摩擦接合の伝達力を,現行設計耐力の約1.5倍向上させることにより,添板の鋼材量や締め付けボルト本数の減少,ボルト締め付け作業の迅速化を図ることができ,工事費用の10〜15%の削減が可能となるとの試算がある。本研究では、そのような高力ボルト摩擦接合の伝達力(=すべり係数×ボルト張力)を向上させる「高摩擦接合」として,継手の鋼材摩擦面間に厚さ約0.1mmの純アルミ板を挿入し,その摩擦面において大きなすべり係数を発揮できる高力ボルト高摩擦接合の開発を目指す。 |
1136 |
非構造壁を利用した摩擦抵抗型制振システムの開発 |
山口 謙太郎 |
九州大学 |
山内 恒 |
九州大学 |
本課題においては、各種非構造壁に損傷を生じさせない範囲で最大の制振効果を発揮させるための、非構造壁と主体構造の最適な接合方法を検討することを目的とする。具体的には、コンクリート系非構造壁と比較的剛性の低い主体構造を接合した試験体の載荷実験を行って、その復元力特性を振動解析に適用し、提案する制振システムの効果を検証する。また、本課題の推進により地震動によって建物に生じる層間変形角を半減させるための条件を検討することを目標とする。 |
1137 |
生体挿入型生体レドックス計測共振器の開発 |
市川 和洋 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
本研究では、局所生体レドックス(酸化還元状態)を非・低侵襲的画像化するために、生体挿入型生体レドックス計測用共振器の開発を目的とする。具体的には、生体挿入に適した共振器の共振方式の検討、最適被覆材料の探索、感度・形状特性解明を行なう。また、これら検討に基づき製作した共振器を動物モデルへ応用し、その有用性を検証する。本共振器は、生体への留置・挿入により局所生体レドックス評価を可能とし、胃潰瘍あるいは消化器系のレドックス疾患局所解析などへの応用が期待される。 |
1138 |
ミトコンドリア機能変化を指標とした新規脳血管障害画像化法の開発 |
大和 真由実 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
「脳血管疾患」は我が国の死因の第3位を占め、その病態メカニズム研究および治療法開発が望まれている。「脳血管疾患」において脳血管障害時にミトコンドリア機能障害が惹起されることが知られている。本課題においては、脳虚血再灌流時におけるミトコンドリア電子伝達系の変化を明らかにし、その変化をニトロキシルラジカルの還元反応により解析することを目的とする。本原理を基礎とし、ミトコンドリア機能変化を指標とした脳血管障害画像診断法が確立されることが期待される。 |
1139 |
血液中におけるソノポレーション効率の優れた新規ハイブリッド型ナノバブルの開発 −末梢血流障害の低侵襲性遺伝子治療法の早期臨床応用に向けて- |
寺本 憲功 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
本研究では四肢の末梢血流障害の改善に向けて局所および反復投与が可能でさらに血液中でもソノポレーションが行なえる低侵襲性遺伝子治療法における新規ナノディバイスの開発を研究目的とする。具体的には導入遺伝子が血液中のエンドヌクレアーゼにて加水分解されるのを防ぐ目的で導入遺伝子をコーティングする等、様々な方法を駆使し最終的には病態モデル動物を用いて導入効率の有効性を確認しながら優れた新規ナノディバイスの確立を目指す。 |
1140 |
生合成酵素を用いたテトラヒドロカンナビノール新規生産システムの開発 |
田浦 太志 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
大麻の活性成分テトラヒドロカンナビノール(THC)は鎮痛、鎮吐及び抗炎症等の活性を有し、慢性疼痛や多発性硬化症などの神経性難病や緑内障の適用にて米英など諸外国で医薬品として認可されている。本課題では低コスト、高効率で且つ高品質なTHCの生産システムの確立を行う。具体的には、THCの前駆物質THC-acidの生合成酵素の大量発現系の構築、酵素反応効率の向上検討を行ない、これら半合成的アプローチによりTHCの新たな生産システムの確立を目指す。 |
1141 |
活性化破骨細胞のみを標的とした骨破壊制御抗体薬の開発 |
久木田 敏夫 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
代表研究者は活発に機能する破骨細胞が発現するユニークな膜表面分子を見出しており、この分子が機能制御において重要な働きを有することを見出してきた。本研究は本分子とそれに関連する分子を標的とした破骨細胞機能を強力に制御する新規抗体薬の開発を行なうことを目的とする。本研究により、異常に活性化された破骨細胞の働きを自在にコントロールすることが可能となり、関節炎や歯周病に伴う炎症性骨破壊、骨粗鬆症の治療や予防において有効な抗体治療薬の開発につなげる。 |
1142 |
生体での可視化を目指した8−オキソグアノシン蛍光人工プローブの開発 |
佐々木 茂貴 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
グアニンの酸化体である8-オキソグアノシン(8-oxoG)は、老化や多くの疾患に関与していることが見出され、これら疾患に対するマーカーとして8-oxoGを定量的に計測する手法の確立が強く望まれている。本代表研究者らは、これまでに有機化学的手法を駆使して8-oxoGに対して特異的な蛍光応答を示す人工プローブ“8-oxoG-clamp”の開発に成功した。本課題では、本プローブを用いて水溶液中での検出を可能にし、生体内での利用を目指したin vivoイメージングの確立を目指す。 |
1143 |
サンゴ由来の新規アレルギー性皮膚疾患治療薬の開発 |
宮本 智文 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
本代表研究者はこれまでに、サンゴから分離した化合物に強い抗炎症活性を示すことを確認した。この化合物をリードとすることで、既存のステロイド剤とは異なり、副作用の少ない、天然由来のヒトに優しい新規な抗炎症、抗アレルギー剤の開発が可能となる。本課題研究では、サンゴから本化合物の大量調製法の確立及びマウスでの抗炎症、抗アレルギー作用の評価を行い、医薬品、化粧品としての実用化を目指す。 |
1144 |
酸化ストレス性疾患の予防・改善に向けた新規抗酸化物質の開発 |
山田 健一 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
本研究では酸化ストレス性疾患の予防・改善に向けた新たな抗酸化物質を開発するための合成・評価を行う。代表研究者らは既に抗酸化能を有する新規ニトロキシルラジカルの合成に成功しており、多種類のニトロキシルラジカル化合物を保有している。これら化合物を中心に細胞・動物への適用と、さらなる化合物の開発を平行して行い、動物レベルで最適な物質を見出し、酸化ストレス性疾患の予防・治療を目指した研究を行う。 |
1145 |
メカノセンシングバイオリアクターの開発 |
水野 大介 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
細胞は力学刺激を化学信号に変換する(メカノセンシング)が、その複雑な分子メカニズムを生きた細胞を利用して解明することには限界がある。そこで、メカノセンサーが発現した細胞膜ベシクル内部に細胞骨格成分・無細胞蛋白質発現系を封入することで人工メカノセンシング細胞をつくり人工的に制御された環境下においてメカノセンシングに関連する因子群を単離・精製する。さらに人工メカノセンシング細胞の最適化・集積化により、力学荷重のもとでのみ発現される特異的な蛋白質を選択的に合成・生産する技術を確立する。 |
1146 |
産業廃棄物からの環境配慮型貴金属の分離・リサイクル方法の検討 |
渡邊 公一郎 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
携帯電話やパソコンといった電子機器、燃料電池や自動車排ガス浄化触媒といった地球環境保護のための製品には、金及び白金族元素といった貴金属が多量に含まれており、その含有量は自然界の鉱床と比べるとはるかに高い。それらの廃棄物中から貴金属を高効率で回収・再利用できる手法は資源工学的見地からも早急な確立が望まれている。そこで本研究では、金属水酸化物を用いて、金及び白金族元素を経済的、安価かつ高効率に分離回収し、リサイクルする技術を開発する。 |
1147 |
コンパクトディスク型マイクロチップを用いる表面プラズモン共鳴センサの開発 |
今任 稔彦 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
コンパクトディスク(CD)上に微細流路(マイクロチャネル)を形成し,ポンプやバルブなどの可動部なしにCDの回転による遠心力を利用して試薬及び試料をマイクロチャネル内に導入し,試料中の各成分をマイクロチャネル内壁に固定した種々のタンパク質との相互作用により分離した後,表面プラズモン共鳴現象(SPR)を利用して検出する,新規SPRバイオセンサを開発するものである。 |
1148 |
先見知識・好みをレイアウト自動最適設計に反映させる対話型設計手法の開発と応用 |
高木 英行 |
九州大学 |
松尾 晃成 |
九州大学 |
住宅の間取り、建築・造園・敷地・都市等の空間計画等、更には電子回路基板配置にも応用できる各種レイアウト設計問題にユーザ・設計者の先験的知識・好みを反映させる最適設計手法の確立を目的とする。人間の主観的評価に基づいて対象システムを最適化する対話型進化的計算と、複数の評価項目を最適化する進化的多目的最適化との融合最適化手法を用いて、上述の各種レイアウト問題への広い適用可能性を、具体的事例(住宅間取り設計)で示すことが目標である。 |
1149 |
細胞センシング機能を有する糖鎖修飾金ナノ粒子の開発 |
北岡 卓也 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
糖鎖は細胞の接着・分化誘導・免疫等に関わるシグナル伝達を司り、生体システムにおいて重要な役割を果たしている。この糖鎖機能を生体外で利用するには、1つでは弱く特異性の低い相互作用を増幅させる「糖鎖クラスター化」が必須である。我々は、構造性糖鎖β-D-Glc1→4-D-Glcユニットの合成とAu(111)表面への集密化について独自技術を有している。これを駆使して、構造性糖鎖素子を介して生体機能糖を密に表面修飾した金ナノ粒子を合成する。これにより、糖鎖との相互作用で細胞をその場センシングする新規ナノバイオセンサーを開発し、細胞工学分野で薬物アッセイ等に有用な新材料創出を目指す。 |
1150 |
イネ澱粉枝作り酵素の触媒機構の解明と澱粉工業への有効利用 |
木村 誠 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
植物はエネルギー源として澱粉を合成し蓄積する。澱粉は人類共通の食糧として利用されているだけでなく、各種医薬、食品、製紙、繊維工業等における主要な原材料としても利用されている。澱粉はブドウ糖がα-1,4グリコシド結合により結合したアミロースとブドウ糖がα-1,6結合により分枝したアミロペクチンから構成され、両ポリマーの含有比により、澱粉の糊化性などの物理的特性が決定される。本申請試験研究では、イネ澱粉アミロペクチン合成酵素・枝作り酵素の基質認識と触媒反応の構造基盤を原子レベルで解明し、食品工業および澱粉工業への有効利用を探る。 |
1151 |
アンチエイジング乳酸菌の探索 |
片倉 喜範 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
本研究は、抗老化・延命への寄与が指摘されているNAD依存性脱アセチル化酵素であるサーチュインに着目し、その活性化・発現増強を指標として個体の抗老化・延命を実現しうる食品成分の探索を行うものである。本研究では、独自に構築した、腸管系細胞における哺乳類サーチュイン、SIRT1の発現追跡システムを用い、食品成分としての乳酸菌の発現増強活性の探索を行い、抗老化・延命食品の探索を行うものである。 |
1152 |
新規ポルフィセン光増感剤の合成とハイブリッド触媒の開発 |
嶌越 恒 |
九州大学 |
西川 洋行 |
九州大学 |
一重項酸素は、有機合成反応や光線力学療法(PDT)など様々な用途に用いられており、高効率な一重項酸素発生試薬の開発は学術的にも産業的にも高ニーズな研究課題である。本研究では、一重項酸素の発生剤として、可視部に強い光吸収帯を有するポルフィセンに着目し、ポルフィセン環骨格に様々な置換基を導入すること及び金属と錯形成(Pd, Zn など)させることで、可視光照射でほぼ100%の量子収率を示す光増感剤等を開発する。 |
1153 |
生親和性の評価における炭素ナノ物質の表面構造及びサイズ制御技術の開発 |
尹 聖昊 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
炭素材料は形状や表面等の構造によって機能が決定され、その制御技術が最も重要であることから、炭素ナノ物質の人体への影響においても微細構造やサイズが大きく関わっていると推測できる。本課題では、これまで蓄積してきたカーボンナノファイバーの合成及び構造の制御技術に基づき、多様な炭素ナノ繊維及び粒子を調製し、表面、形状、サイズ、繊維型と粒子型の四項目で数種の比較群として分類、確保する。これらの炭素ナノ物質の細胞への影響及び毒性を精密に評価し、さらにドラッグデリバリーシステムの開発等積極的な利用法を検討することを目標とする。 |
1154 |
現在の海における鉄鉱床形成を模した人工鉄沈降・鉄分離技術の開発 |
清川 昌一 |
九州大学 |
中武 貞文 |
九州大学 |
近年,鉄の高騰により金属資源の見直しが急務になっている.鉄は,25億年前の地球上に酸素濃度が上昇したときに,そのほとんどが沈殿した化石燃料であり,有限の産物である.我々は現在の鉄沈殿作用が行われている地域に注目して,実際に自然界において鉄を作り出しているメカニズムを解明し,最終的には,自然界から人工的に金属鉄を回収する未来の資源増強技術を確立することをめざし,基本技術・基本モデルを確立することを目指す. |
1155 |
ソーラシステムを導入した携帯型斜面危険度診断システムの開発 |
安福 規之 |
九州大学 |
坪内 寛 |
九州大学 |
地盤内の水分量や疎密状態を個別に測定する機器は従来から存在するが、両者を同時に測定可能なシステムは見当たらない。本研究では、申請者らが先に開発した「携帯型重錘落下型変形係数測定(FWDM)装置」に電気・熱変動探査機能と斜面表層内での地盤剛性探査機能を付加した「斜面危険度診断システム」を開発する。表層地盤の剛性と共に地盤の水分量探査や地盤の疎密状態探査を同時に実施可能で、かつ斜面での測定が容易なシステムの開発をめざす。 |
1156 |
神経生理学的手法を推進するための実用的ロボットリハビリ装具の開発 |
坂井 伸朗 |
九州大学 |
坪内 寛 |
九州大学 |
脳卒中リハビリは、体の動きに合わせて麻痺半身に適切な運動を加える神経生理学的手法である。筋力トレーニング的な各関節のリハビリのみでは効果が小さいため、関節を協調させた上肢全体の運動を実現させる必要がある。そこで、肩甲骨を適切に駆動し、上肢全体の運動を実現できるロボットリハビリ装具を開発する。ロボット技術に加えて、身体運動と病理に対する高い理解が求められるので、リハビリ専門病院との連携を通して現場での試験運用を行う。 |
1157 |
レーザー照射装置と組み合わせた根管治療用歯科内視鏡の開発と応用 |
吉嶺 嘉人 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
根管治療(歯の根の治療)は細いファイル状の金属製器具を用いて行われるが、根尖部(根の先端部)を観察することは不可能であり手探りで処置するのが現状である。そこで、根管内で使用可能な内視鏡を用いて診断の補助とするとともに、レーザー照射器を組み合わせることで、直視しながら病巣を処置することが可能になる。この研究では、根管内での使用に適した形状を考案するとともに、使用時の熱などの歯周組織への影響を把握することで、より安全な使用法を探ることを目標とする。 |
1158 |
標準化された多様な炭素ナノ同素体の肺障害評価系による安全性材料の開発 |
田中 昭代 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
本研究では、標準化炭素ナノファイバー材料(CNF)を用いた気管内投与による肺障害評価系を確立し、機能性の向上と安全で安心なCNFの開発を行う。CNFは、アスベスト繊維に類似した極細の繊維構造を有しているため、人体が吸入した場合、肺内に長期間貯留し、持続的に肺を損傷することによる健康障害が危惧されている。標準化CNFを用いた肺障害評価系を構築することによりCNFの毒性の比較を行うことが可能になる。 |
1159 |
有機-無機複合体を前駆体として用いる高結晶性酸化物ナノ粒子の調製 |
木田 徹也 |
九州大学 |
安部 英一 |
産業技術総合研究所 |
高結晶性かつ球状で粒度分布が狭い酸化物ナノ粒子は種々の機能性デバイスの基盤材料として期待されている。本研究では、有機無機ハイブリッド複合体を前駆体として用いて、高沸点有機溶媒中で複合体を熱分解させることによって高品質なナノ粒子を調製する手法の確立を目指す。さらに調製したナノ粒子を用いてメソポーラスなガス感応膜を作製し、揮発性有機化合物(VOC)に対して高感度なガスセンサの実現を図る。 |
1160 |
遺伝的ネットワークプログラミングによる株式売買システムに関する研究 |
間普 真吾 |
早稲田大学 |
道家 隆博 |
北九州産業学術推進機構 |
遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)はグラフ構造を有する進化論的計算手法であり、非常にコンパクトで逐次更新することもできるプログラムを作成できる点、生物の進化および学習の概念を組合わせ、より人間に近い柔軟な思考が可能である点で優れている。本研究では、GNPの特徴を生かし、人間の様々な思考によって変動する株式市場における売買ルールを作成し、性能評価シミュレーションを行いその実用化を目指す。 |
1161 |
迅速・簡単な一塩基多型タイピング方法の開発 |
奥村 史朗 |
福岡県工業技術センター |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
遺伝子の一塩基多型(SNP)のタイピング方法について種々検討されているが、現状では高価な測定器や試薬を用いて経験を積んだ分析者が行うことが必要である。本研究では、迅速かつ簡易にSNP のタイピングが可能なシステムの構築をめざし、SNP検出リガンドに特長を持たせて簡易測定できるようにして、検査需要の喚起が行える手法の開発を行う。 |
1162 |
ナノチューブ状シリカの効率的な製造に関する研究 |
野見山 加寿子 |
福岡県工業技術センター |
山口 雅裕 |
福岡県工業技術センター |
界面活性剤と芳香族化合物とが、水中で形成するひも状分子集合体をシリカ合成の鋳型とすることにより、ナノ細孔をもつチューブ状シリカを製造する。これまでは、大量合成を試みた際に、得られるシリカの収率や比表面積等の特性が安定しなかったため、応用展開への妨げとなっていた。合成段階での鋳型となる分子集合体の安定な生成条件、シリカ前駆体との最適な反応条件を明らかにして、ナノチューブ状シリカの効率的な製造方法の確立を目指す。 |
1163 |
小型衛星のための高速通信無線モジュールの開発 |
田中 卓史 |
福岡工業大学 |
直居 哲 |
科学技術振興機構 |
近年、主衛星の打ち上げに相乗りして小型人工衛星が上げられている。これら小型衛星と地上局との通信は主にアマチュアのパケット無線が用いられる。 この方式は既存のアマチュア無線機器が使えて便利が良いが、データの転送速度が低く、衛星で撮影した画像などの多量のデータは上空通過中に一度に送ることができない。この研究は高速のアマチュア無線帯を用いて、約100倍の速度で衛星データを送ることを目指して、衛星用高速通信無線モジュールを開発する。 |
1164 |
アクティブ制御コロイダルダンパーの開発と実用化研究 |
スウーチュー クラウデュヴァレンティン |
福岡工業大学 |
宮崎 賢 |
福岡工業大学 |
コロイダルダンパーは油圧ダンパーにおけるオイルの代わりに、水とシリカゲルからなるコロイド溶液を使用した高性能で環境に優しい液圧ダンパーである。従来の自動車用パッシブ制御コロイダルダンパーでは、路面凹凸の変位励振による減衰係数を調整できず、しかも効果的に振動のエネルギーを散逸できずに、自動車の乗り心地が悪くなる。その対策として、ダンパーのシリンダー内圧力と水の条件を制御すると共に、路面凹凸による振動を調整することのできるアクティブ制御コロイダルダンパーの開発を目指す。 |
1165 |
Sr含有炭酸アパタイト骨置換材の開発 |
松家 茂樹 |
福岡歯科大学 |
石橋 慶憲 |
福岡歯科大学 |
炭酸アパタイトは破骨細胞による吸収を受け、最終的に生体骨との置換が期待できるため、骨欠損部位への代替骨としての開発が進められている。しかし、骨生成を促す骨伝導性に劣っており、骨欠損部の迅速な治癒を達成するためには、骨吸収性と骨伝導性を併せ持った材料を開発することが望ましい。Srは骨生成の促進効果を有し、炭酸アパタイト中のCaの一部をSrで置換したもの(以下、Sr含有炭酸アパタイトと呼ぶ。)は、より優れた骨置換材となり得ることが期待できる。そこで、本課題では、Sr含有炭酸アパタイトの合成技術を確立し、材料学的評価を行う。 |
1166 |
有機溶剤を用いないナノ分散塗装システムの開発 |
三島 健司 |
福岡大学 |
坂本 弘明 |
福岡大学 |
有害なトルエンなどの有害化学物質(VOC)を大気中に大量に放出する従来の塗装技術と異なり、超臨界二酸化炭素をトルエンに代わる機能性溶媒として利用することで、VOCの劇的な削減を可能とする超臨界二酸化炭素ナノ塗装技術を開発する。本研究では、超臨界高速攪拌技術を塗装技術として活用することで、トルエンなどの有害有機溶媒を利用しない環境にやさしい塗装技術が開発され実用化が可能となる。 |
1167 |
肥満研究支援のための脂肪細胞チップの開発 |
中澤 浩二 |
北九州市立大学 |
北井 三正 |
北九州産業学術推進機構 |
本課題では、メタボリックシンドロームのような肥満研究のための新しい研究支援ツールとして、脂肪細胞チップの開発を行う。具体的には、マイクロ流路を有する基板上に脂肪細胞がアレイ化された「脂肪細胞チップ」を開発し、脂肪滴の蓄積やアディポカイン分泌などを定量的に評価・解析出来ることを実証する。研究成果を基に機能性食品や医薬品などが肥満に与える効果を評価可能な「細胞チップ」として製品化することを目標とする。 |