高知県

●平成13年度〜平成17年度
●連携拠点機関
(財)高知県産業振興センター

代表 笹部 馨

都築 俊夫

久武 陸夫
活動方針 「高知県科学技術振興指針」に基づく、新材料、情報・通信、環境・エネルギー、地域資源、バイオ・健康・生活関連分野の5領域において、大学等の独創的研究開発の成果を「豊かな地域社会の発展」の実現に向けて科学技術の振興と新技術の事業化を図ります。大学等の研究シーズを多くの企業に開示し、企業ニーズとのコーディネート活動を展開します。
育成試験の成果

高耐震性建築鉄骨製作法の開発
研究シーズ/ 内田 昌克(高知大学)
実施機関/ 高知大学、(株)アークリエイト
中層建築物を対象とした高耐震性建築鉄骨製作法を開発し、強度の向上と工数削減・コスト低減が可能となりました。RSP育成試験のあと、数々の補助事業に採択され、更に高耐震性能技術の向上をはかりました。平成14年の設立ベンチャー(株)アークリエイトは、平成21年度に証券取引所に上場の予定です。

高性能ナノダイヤモンド電子エミッタの開発
研究シーズ/ 平木 昭夫(高知工科大学)
実施機関/ 高知工科大学、高知県工業技術センター、(株)ダイヤライトジャパン
RSP育成試験を経て、地域結集事業につなぎました。電子エミッタは将来のディスプレイをはじめ高輝度光源などの新材料として期待されています。蛍光灯に代わる無水銀光源としても開発を行っています。
電子エミッタによる高輝度発光
電子エミッタによる高輝度発光
アユ・サケ魚類冷水病の経口ワクチンの開発
研究シーズ/ 大嶋 俊一郎(高知大学)
実施機関/ 高知大学、川崎三鷹製薬(株)
アユ・サケ科魚類は10℃以下で発症する冷水病が世界に蔓延し、我が国でもアユの激減が問題となっています。 これを予防する経口ワクチンの開発に成功しました。続いて、委託開発事業に橋渡しを行い、事業化に向けて大きく進展しました。  
冷水病の自然界での発症アユ
冷水病の自然界での発症アユ
冷水病発症」アユ  冷水病発症サケ科魚類
冷水病発症」アユ  冷水病発症サケ科魚類
人工的感染発症した実験魚
海洋深層水による海藻の大量培養システムの開発
研究シーズ/ 大野 正夫(高知大学)
実施機関/ 高知大学、高知県海洋深層水研究所
海洋深層水の清浄性と富栄養性を生かし、海藻の季節を選ばない周年大量培養法に成功し、農水省の沿岸整備事業に繋ぎました。室戸市室戸東漁業協同組合で、アオノリ年間 3トン(乾燥ベース)の生産に到達しました。
室戸東漁業協にて7トン水槽60碁を設置設置
室戸東漁業協にて7トン水槽60碁を設置設置

波長変換型発光性色素の創出と農園芸用フィルムへの応用

研究シーズ/ 吉田 勝平(高知大学)
実施機関/

高知大学、 東洋ケミカル(株)

波長変換型固体発光性色素を開発しました。この色素の吸収及び発光波長、溶剤や樹脂に対する溶解性などの調整が可能となり、施設園芸植物に合わせて任意の発光色に変換するフィルムを作り、植物の光合成の活性化、成長を制御できるようになりました。  
紫外線→青色蛍光→赤色蛍光
紫外線→青色蛍光→赤色蛍光
黒酵母βグルカンを利用したゆず酒の開発
研究シーズ/ 永田 信治(高知大学)
実施機関/ 高知大学、(株)ソフィ、高木酒造(株)
黒酵母βグルカンの免疫賦活、抗高脂血症効果を生かして、臭みのない黒酵母菌から生産したβ-1、3-1、6-グルカンを日本酒に利用し、機能性食品として、低アルコール・リキュール(7%)を共同開発し、販売しています。全国商工会連合会の「ふるさと賞」などを受賞しました。

転倒しない全方向移動可能な歩行訓練機

研究シーズ/

王 碩玉、井上 喜雄、河田 耕一(高知工科 大学)、石田 健司(高知大学)

実施機関/

高知工科大学、(株)相愛

脳や脊髄の損傷や、老化によって歩行障害がある場合、歩行機能のリハビリテーションを行いますが、簡単な構造で転倒しないように工夫しました。一人でも安全に訓練ができますので、看護師が同時に多数の訓練者を看ることができ合理化できます。

高機能不織布:鮮度保持シート、介護用シーツの開発

研究シーズ/ 森澤 純(高知県立紙産業技術センター)
実施機関/

高知工科大学、高知県立紙産業技術センターくじらハウス(株)

不織布に抗菌剤を担持させ、刺身などを包めば、通常の2倍以上の鮮度がたもてます。これを介護用の抗菌・消臭シーツにも展開しました。商品名を「ととシート」「よつばシーツ」と呼んで販売しています。


オゾンを用いたレジスト剥離に関する研究開発

研究シーズ/

堀邊 英夫(高知工業高等専門学校)

実施機関/

高知工業高等専門学校、三菱電機(株)、島田理化工業(株)

半導体の製造工程で、回路形成を行うためシリコン基板に感光性樹脂を塗り、微細パターンを露光し、不要部分の樹脂を溶剤で溶かしパターンを形成します。今回の方式は、オゾンガスで樹脂を溶解・除去するもので、高価で有害な溶剤を使わないため環境負荷が低減でき、コスト削減の見通しを得て、産業技術研究助成事業(NEDO)に繋ぎました。


座と車椅子間の回旋移乗式自動介助装置の開発

研究シーズ/

横川 明(高知工科大学)

実施機関/

高知工科大学、ツカサ重機(株)

車椅子で生活している高齢者が車椅子から便座などに介護者の手助けなしに自分自身で容易に乗り移れる平行棒付の旋回移乗補助器具を開発しました。現在、企業に技術移転し、商品化開発中です。

海洋深層水の食品への利用技術の開発

研究シーズ/

北村 有里(高知県工業技術センター)

実施機関/

高知県工業技術センター

ミネラル調製された海洋深層水を使うことで、食感品質の高い水産練り製品の製造が可能となりました。現在、この技術普及をはかっています。平成17年度に、ミネラル調整深層水の本格製造が始まりましたので、今後、蒲鉾業界でこの研究成果が使用される予定です。

模様修飾した水流交絡法による次世代不織布の開発

研究シーズ/

田村 愛理(高知県立紙産業技術センター)

実施機関/

高知県立紙産業技術センター

不織布は輸送用梱包材や台所の流し台水切り袋、お手ふきから衣服にまで使用されています。この市場では、さらに模様付きの高品質不織布が求められており、このために大きな投資を行うことなく、従来の製造工程内で簡単に模様を施すことの出来る不織布製造法を開発しました。

食事摂取量を自動計測し最適給食が可能な 高機能療養システムの開発

研究シーズ/ 竹田 史章(高知工科大学)
実施機関/

高知工科大学、(株)ニューラルシステムズ

患者の食事トレーを、食前と食後にデジタルカメラで自動撮影して比較し、栄養摂取量を読み取ります。直ちに患者の摂取カロリーや栄養バランスが計算されて日時とともに記録・保存されます。食事内容の好き嫌いや、それまでの摂取データから栄養士が患者の次の食事に生かせるシステムを開発しました。現在、医療福祉関係数社に技術移転中です。

ユズ精油の効率的抽出と有用成分の高度利用の研究開発

研究シーズ/

沢村 正義(高知大学)

実施機関/

高知大学、馬路村農業協同組合

ユズの搾汁液はポン酢などに加工されて市販されますが、搾汁後の果皮にはユズ精油が多く残存したまま、廃棄されます。一方、ユズ精油には食品香料、香粧品香料、アロマテラピー用芳香剤など多くの用途がありますが、搾汁後の果皮からの効果的な抽出方法が課題です。高知大学では搾汁工程を改善し、効率的で高品質のユズ精油の抽出方法を研究し、平成15年度農水省補助事業(ブランドニッポン)に繋ぎました。さらに平成18年度からのJSTサテライト育成研究によって実用化、商品化します。

遠隔制御方式による高機能道路交通規制標示システムの開発

研究シーズ/

熊谷 靖彦(高知工科大学)

実施機関/

高知工科大学、(株)オサシテクノス

異常気象等による通行規制が必要な場合、通常、手動操作により規制表示を変更します。とくに、都市部よりも通行規制が頻繁に発生する中山間地帯では、移動に時間を要するため表示変更までに遅れが生じます。そこで、無線機能等を付加した遠隔制御で、安価な簡易式道路表示板を開発試作しました。県などの道路管理部門のニーズによるもので、完成次第、高知県から全国に導入展開される予定です。

高齢者転倒予防のための筋力測定機器の開発

研究シーズ/

佐藤 厚(高知女子大学)

実施機関/

高知女子大学、(株)土佐電子

高齢者の転倒はしばしば骨折を招き、医療、介護の面で重大な問題となっています。転倒は平衡機能と握力や下肢筋力と関連しており、この筋力の測定により転倒を予測できます。一般家庭でも使える低価格で、コンパクト、信頼性が高く操作の簡便な機器を開発し、企業に技術移転し試作しました。現在、この試作機で高齢者を対象に転倒を予測し警告したり、リハビリ後の筋力回復の測定に使用するなどの試験中です。

握力から筋力を測定する
装置(試作品)
下肢の力から筋力を測定する装置(試作品)
 
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