徳島県

平成11年度〜平成14年度
拠点機関
(財)とくしま産業振興機構

科学技術コーディネータ 
上田 和男 
活動方針 「徳島県産業振興ビジョン」並びに「徳島県科学技術振興ビジョン」に基づく中核4分野(住関連、環境関連、医療・福祉関連、ネットワ−クサポ−ト関連)及び重点研究・技術開発6分野(新製造、情報・通信、農林水産・食品、健康・医療・福祉、環境・エネルギ−、住宅・防災・安全)に関する産学官独自技術等の研究情報整備を行うと共に、創造型中堅・中小企業の研究開発の促進を図りました。
可能性試験の成果

新規・放電式ヨウ素レ−ザ
研究シーズ/ 藤井 洋郎(阿南工業高等専門学校)
実施機関/ 阿南工業高等専門学校、藤崎電機株式会社
放電により酸素を励起し発信するヨウ素レ−ザの開発を行いました。RFレ−ザを利用した励起酸素発生器では、新たに電極棒を採用し、励起率のさらなる向上(35%)を達成すると共に、有害な酸素原子の除去に成功し、発信器より取り出される1.3μm光は2倍以上の強度を安定して得ることができました。
放電式ヨウ素レーザ

徳島スギの実態特性とその利用システムの可能性試験

研究シーズ/ 高麗 寛紀(徳島大学)、在原 重信(徳島文理大学)
実施機関/ 徳島大学、徳島文理大学、徳島県林業総合技術センタ−、徳島県立工業技術センタ−
市場での評価が低いとされてきた、杉の黒心が赤心よりも耐久性があると言われてきた経験則を科学的に解明するため殺蟻試験と抗菌試験をおこないました。その結果、殺蟻試験ではcryptomerione(クリプトメリオン)が強い殺蟻性を示すことがわかりました。また、抗菌試験では黒心から単離された成分には、抗生物質なみの値を示す物質があることがわかりました。
スギ材表面殺菌の試験
(標準培地:NBで汚染した大腸菌を転写した場合の残存生菌数)
食品由来カルシウムの生体利用性に及ぼす柑橘果汁の影響
研究シーズ/ 新居 佳孝(徳島県立工業技術センタ−)
実施機関/ 徳島大学、徳島県立工業技術センタ−
カルシウムを多量に含みながら吸収率が低いとされてきた小魚類のカルシウムの吸収率を柑橘果汁の添加により改善させることを検討しました。さらにカルシウムの生体利用性を実験動物によるカルシウム出納試験により検証しました。その結果、すだち果汁を20%添加したしらす干しを投与した群のカルシウムの見かけの吸収率および体内保有率は、対照群ならびに40%添加群のいずれに比べても有意に高い値を示しました。
カルシウムの吸収率および体内保留率に及ぼすスダチ果汁添加の影響

溶接外観定量化装置の可能性試験

研究シーズ/ 寺田 賢治(徳島大学)
実施機関/ 徳島大学
溶接ビードの外観定量化装置開発のため、@ビードの高さや幅などの計測精度を高める技術、A人間と同じように溶接ビードの外観を評価する技術について検討しました。その結果、溶接ビードは独特の金属光沢があり、細かい凹凸が存在するため、3次元計測が可能であることがわかり、そのデ−タから評価のための特徴を抽出することにより、人間の感覚に近い評価を行うことが可能であることがわかりました。
医用超音波ドプラプローブ
研究シーズ/ 木内 陽介(徳島大学)
実施機関/ 徳島大学、徳島県立工業技術センター
人体表皮に取り付けて運動中の血流動態を計測可能な超音波ドプラ血流計の開発を目的に試験を実施しました。その結果、複数個の長方形型トランスデューサをリニアアレイ状に並べたプローブにより広範囲で均一な音場を作り出し、血管の位置を検出することができました。また、血管位置の追尾を電気的な超音波ビームの操作によって運動の障害にならない程度の小型・軽量化も可能となりました。
メカニカルプレーティング
研究シーズ/ 平島 康(徳島県立工業技術センター)
実施機関/ 徳島県立工業技術センター
通常の湿式めっきでは実施困難なアルミニウム被膜をメカニカルプレーティング法で形成しました。この方法では約30μmまでの被膜処理が可能であり、また、比較的簡単な装置で実施できます。スチールの耐食被膜としてアルミニウムは不動態膜を形成するため、従来の亜鉛めっきより優れた耐食性が期待できます。
     処理前    処理後
スチールへのアルミニウムプレーティング
低分子量リポポリサッカライドによる自然免疫賦活とこれに基づく耐病性獲得に関する可能性試験
研究シーズ/杣 源一郎(徳島文理大学)
実施機関/徳島文理大学、徳島県立工業技術センター、
       徳島県立農林水産総合技術センター
用量の異なる低分子LPSを混和した飲水及び飼料を作成し、ブロイラー及びアユを用いて経口投与による安全性、自然免疫賦活、耐病性獲得の可能性を検討しました。更に、自然免疫賦活の指標となり、また、耐病性を担う内因性サイトカインである腫瘍壊死因子遺伝子の単離と構造解析をアユを材料に用いて検討しました。その結果、自然免疫賦活が達成されることが明らかになるとともに、ウイルス感染症や冷水病に対する感染防除効果が得られることが明らかになりました。更にアユ腫瘍壊死因子遺伝子のクローニングに世界で初めて成功しました。
ネットワーク構築
可能性試験成果と大学のシーズ紹介
平成14年度に実施した可能性試験(7課題)の成果及び大学等の研究シーズを、平成15年3月17日開催の新技術説明会において、地域企業に紹介しました。
新技術説明会
 
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