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地域結集型共同研究事業

平成19年度事業終了地域事後評価報告書

平成20年5月
独立行政法人科学技術振興機構 産学連携事業本部 地域事業推進部


4. 地域別評価
4−1 埼玉県
研究開発の目標と達成状況
(終了報告書に基づく)
テーマ名 目標 達成状況

A.高速分子進化のための基盤技術の開発

進化リアクタープロセスの改良と応用 DNA アプタマー淘汰法、ペプチド型IVV 法、およびこれらに対する二次ライブラリー作成・淘汰技術、さらには多重並列微量容器MMVを用いた迅速淘汰解析システムに磨きをかけて、迅速・効率化を図った。
配列空間適応歩行技術の展開 1アミノ酸置換体のペプチドライブラリーを、様々な細菌に対する抗菌ペプチドの進化的創出に適用し、ペディオシンの抗菌スペクトルを改変した。
マイクロリアクターアレイ進化リアクターの開発 マイクロリアクターチップ上での高感度な酵素活性計測が可能なシステムを構築し、モデル系での1分子酵素アッセイを行った。
B.相同組換えによる高速ゲノム進化法の開発 相同組換えの頻度増大と高速ゲノム進化への応用 ヒトIgG、ヤギIgG、ストレプトアビジンに対して特異的に結合性を示すモノクローナル抗体を1週間程度で作製するADLib システムを確立した。また、これまで抗体が得にくかった高度に保存されたタンパク質や、糖鎖、脂質、 低分子化合物などに対するモノクローナル抗体の作製に成功した。
非相同末端結合でのみ働くLig4を破壊し遺伝子ターゲット実験を試みた。その結果、100bpほどの相同領域を持ったDNAでの形質転換頻度は著しく低下するものの、相同部分への組み込みの割合は100%の効率で起こった。さらに他の非相同末端結合に関わる遺伝子、XRCC4/Lif1、Lif2などの破壊も同様の結果を示した。
C.高速分子進化の医療応用 がん診断・治療に関連した機能分子の創出 STAT3 の新規標遺伝子としてNNMT を同定し、NNMT が大腸癌組織の86%で高発現していることを明らかにした。
新規生理活性物質等に関連した機能分子の解析と創出 カテプシンE遺伝子改変動物(ノックアウトマウスやトランスジェニックマウス)およびこれらに由来する各種培養細胞を用いて、カテプシンE のがん、神経疾患、免疫疾患等の病態発症・進展機構における機能を解析した。
D.高速分子進化の環境応用 浄化槽微生物群集の最適化 複数の低曝気活性汚泥法の模擬実験と実証実験から微生物試料を調製し、浄化槽微生物のメタゲノム解析による浄化槽微生物集団の管理法を開発した。また、低曝気活性汚泥法により醸成する生理活性を持つ処理水の醸成条件、主要成分および機能について概要を把握した。
病虫害耐性等植物の分子育種 ツマグロヨコバイ耐性を有する準同質系統を育成し、有望系統の固定化を図った。また、RDA 法によるDNA 断片の解析を実施し、その結果を基にしてDNA マーカーの開発をした。

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