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地域結集型共同研究事業

平成16年度事業開始地域中間評価報告書

平成19年2月
独立行政法人科学技術振興機構 産学連携事業本部 地域事業推進部


4. 地域別評価
4−1 大阪府
◆(参考1)事業の目標・概要

 大阪地域が有する世界最先端のナノカーボン技術(世界最高水準の高配向カーボンナノチューブ合成技術・世界唯一のカーボンナノコイル安定作製技術等)を活用した大量合成技術開発及びそれを用いた次世代の高機能材料の開発を推進し、世界の「ナンバーワン」技術開発「オンリーワン」技術の開発を目指す。
 研究開発の推進にあたっては大量合成技術の開発を進めるメンバーと応用技術の開発を進めるメンバーの連携体制を構築し、それぞれ緊密に連携協力しながら研究開発を推進する。

1)地域COEの構築
 世界的にもトップに位置する最先端のナノカーボン材料合成技術を核に、そこから提供される世界最高レベルのカーボンナノ材料(高配向カーボンナノチューブやカーボンナノコイルなど)を活用した応用開発を推進することで、世界最高レベルの高機能材料・スーパーキャパシタなどの次世代技術を創成。これらの研究成果により、ナノカーボン関連新技術創成及び既存産業の構造改革・技術革新を実現する「世界最先端のナノカーボン活用技術創成拠点」を形成する。

2)新技術・新産業の創出
 本事業では、本地域が有する最先端のナノカーボン材料合成技術を核に、そこから提供される世界最高レベルのナノカーボン材料(高配向カーボンナノチューブやカーボンナノコイルなど)を活用した応用開発を推進し、高機能材料(繊維、複合樹脂)、スーパーキャパシタなどの次世代技術の創出を目指すこととしている。これらの成果は、ナノカーボン関連産業の振興はもとより、繊維などの既存産業の構造改革・技術革新に大きなインパクトを与えるものである。

テ−マ1 独創的ナノカーボン材料の大量合成技術の開発
1−1 高配向カーボンナノチューブの制御された合成プロセスの開発及び合成装置の開発
 小型〜中型規模(ベンチスケール)の合成装置を使用し、各種反応条件(触媒仕様、CVD条件)の調査を行い、構造欠陥の低減および直 径・密度・長さを、制御できる基礎合成プロセスを開発する。これを基に目的に応じた高配向カーボンナノチューブの大量合成条件の最適化 と装置の設計・製作を行い、連続大量合成技術の確立を行う。
1−1−1 高配向長尺カーボンナノチューブの成長技術の開発 
1−1−2 高配向カーボンナノチューブの密度高度制御性の確立
1−1−3 高配向カーボンナノチューブ触媒の開発(物理蒸着法)
1−1−4 合成プロセス技術およびガス供給システムの開発
1−1−5 高配向カーボンナノチューブの大量合成プロセスおよび合成装置の開発
1−1−6 高配向カーボンナノチューブ触媒の開発
1−1−7 サンプル供給
1−2 カーボンナノコイルの制御された合成プロセスの開発及び合成装置の開発 
 小型〜中型規模(ベンチスケール)の合成装置を使用し、各種反応条件(触媒の組成および粒径、CVD条件)の調査を行い、コイル線材  径、コイル径、コイルピッチ、コイル長などの制御性を探求する。これを基に目的に応じた形状制御されたカーボンナノコイルの大量合成条  件を最適化し、装置の設計と技術の確立を行う。
1−2−1 ・カーボンナノコイルの形状制御・大量合成プロセスの開発・供給サンプルの合成
1−2−2 大量合成プロセス技術の開発、触媒気相搬送装置の開発
1−2−3 カーボンナノコイルの大量合成プロセス及び合成装置の開発
テ−マ2 高配向カーボンナノチューブを用いた高機能材料の開発
2−1 カーボンナノチューブによる紡糸・撚糸技術の開発 
 紡糸およびシート引き出しを有効に行うために必要な「高密度高配向カーボンナノチューブ」の物性パラメータを最適化し、安定に長尺   のナノチューブ糸を引き出す紡糸技術および幅広のナノチューブシートを引き出す技術を開発する。さらに、これらの目的に応じた複合材  化技術を開発する。
2−1−1 カーボンナノチューブ糸、ナノチューブシートの開発
2−1−2 カーボンナノチューブの制糸および複合糸
2−1−3 ロープ状超長尺カーボンナノチューブの高強度化技術の開発
2−1−4 高配向カーボンナノチューブシート化技術の開発
2−1−5 超軽量導電線の開発
2−2 モバイル用スーパーキャパシタの開発
 リチウムイオン電池・燃料電池などの電池とスーパーキャパシタとのハイブリット技術を確立するとともに、ICサイズ並みのスーパーキャ  パシタの製造技術を確立する。また、DC/ACコンバータへの適用を目指すとともに、各種モバイル機器、装身具への組込可能なスーパー キャパシタを開発する
2−2−1 モバイル用ナノカーボンキャパシタ用材料システムの最適化
2−2−2 モバイル電子機器のダウンサイジングと軽量化
テ−マ3 カーボンナノコイルを用いた高機能材料の開発
3−1 カーボンナノコイルを用いた高機能複合樹脂・繊維の開発
 CVD法で合成されるカーボンナノコイルには触媒などの不純物が含まれ、複合材の開発には不純物を取り除く必要がある。カーボンナ ノコイルの特性を劣化させずに高純度化する技術を開発する。純化したカーボンナノコイルを各種高分子に均一に分散する複合化技術を 開発し、板状、繊維状に整形する技術も開発する。製作した複合材、繊維の物性を計測し、プロセスの最適化を図る。
3−1−1 カーボンナノコイルの樹脂との分散複合技術の開発
3−1−2 カーボンナノコイルを用いた高機能複合樹脂の開発
3−1−3 カーボンナノコイル分散樹脂含浸開繊炭素繊維の開発

3−1−4 カーボンナノコイルと樹脂を複合した高機能コンパウンド材料の開発

3−2 カーボンナノコイルを用いた電磁波吸収材の開発
 形状(コイル径、コイルピッチ、長さ)分散の小さいカーボンナノコイルを抽出し、これを樹脂材に分散する。吸収電磁波長を実測し、理論 から予測される値と比較し、分散法の最適化を検討する。
3−2−1 電磁波吸収材の開発
3−2−2 電磁波吸収材測定技術の開発
 

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