「超精密半導体計測技術開発」はコアテ−マに「超精密高速ステ−ジ開発」、サブテ−マに「計測技術開発」、「デバイス形成技術開発」を掲げ、8つの小テ−マに基づき実施した。この技術開発は、次世代の半導体生産現場での発生が予想される数多くの準要素技術課題を解決するものであり、我が国半導体産業が世界に対するイニシアチブを持つことにつながるものである。併せて、半導体産業のみならず他分野にも応用可能なことが多いことから、本件産業の空洞化、弱体化を抑制するだけでなく、新技術、新産業創出にもつながる。
最終的な目標としては、コア研究室を中心として、研究環境を整備し、技術開発を県内外に強くアピールし、県内外の産学行政が三位一体としてネットワ−ク型地域COEの構築を図ることである。同時に、本件が独自に取り組むネットワ−ク型半導体教育・研修システムの構築により、地域COEの基盤を人材面から下支えする半導体技術者の育成を進める。
主な研究成果は以下のとおりである。
1.超精密高速ステ−ジ開発
・セラミック製300mmストロ−ク2軸ステ−ジの試作(最高速度150mm/sec、位置決め精度0.69nm)
・新たな圧電素子・セラミックステ−ジの開発(4インチステ−ジにおいて360mm/sec)
・ハイブリッド計測装置の開発(3D-CDSEMと超精密高速ステ−ジを組み合わせてのテストが終了)
2.3次元形状計測手法開発
・3次元計測技術の開発(傾斜観察分解能10deg:4nmという高機能な3次元計測技術を開発)
・画像処理技術の開発(3次元画像構築ソフト開発)
3.プロ−バ高周波計測技術開発
・プロセスシュミレ−タ-の完成及び高周波計測技術の開発(試作テストで高周波計測技術の有効性確認)
4.エッチング異常放電監視法開発
・RFエッチャ異常放電の検出と位置確定技術確立(AE法による異常放電発生部位の特定。窓型プロ−ブ法の開発)
5.レジスト塗布・現像プロセス開発
・レジスト塗布・現像プロセスの確立(レチクル用スキャン塗布・現像機試作機開発。電子線レジストの描画性能及びドライエッチング耐性の評価完了。減圧乾燥装置試作機開発)
6.次世代実装対応メッキ技術開発
・絶縁材料の表面改質法とそれに対応したメッキ方法の確立(穴埋め技術の確立。低誘電率、低誘電正接平滑絶縁樹脂上での密着性向上技術確立)
7.液晶光プロ−バ開発
・液晶パネル輝度ムラ検査装置の開発(CCDリニア配列方式によるセンサヘッド開発。サンプルパネルのテスト終了。37インチLCD対応インライン型装置一式開発)
・液晶膜厚ムラ検査装置の開発(G5サイズのガラス基板上の膜厚を54秒で測定する技術を開発。レジスト、カラ-フィルタ-、PS、MVAも測定できることを確認)
8.微細加工・計測技術開発
・数nmオ−ダ−のWN超薄膜ドライ成膜技術開発(タングステン吸収体を有するX線マスクの試作及び窒化処理による表面酸化防止膜の形成。超真空エッチング装置による0.1μm、アスペクト比10のバタ−ンエッチング完了)
・LCDをレチクルとして用いることによるレチクルフリ-露光技術の開発(電子回路設計デ−タ−を露光装置用に変換するプログラムを開発・完成。近接露光装置、等倍投影露光装置を完成。ユニバ−サルレチクルを開発し、縮小露光技術を完成。)
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