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地域結集型共同研究事業

平成16年度事業終了地域事後評価報告書



平成17年3月
独立行政法人科学技術振興機構 地域振興事業評価委員会


4. 地域別評価
4−2 愛知県・名古屋市
◆(参考1)事業の目標・概要
 愛知県・名古屋市は、21世紀の新しい都市形態として、都市の廃棄物を循環して再利用するとともに、都市内、近郊の森林等の自然活力を取り込んだ「循環型環境都市」を構想し、その実現に必要とされる基盤技術として、
1 都市の生活系廃棄物を高品質のエネルギー源・材料源として再利用する技術
2 里山(都市近郊林)の育成管理による環境維持・増進技術
3 廃棄物の再利用技術や里山保全技術の導入が地域環境に及ぼす影響の評価技術
等の研究開発に共同して取り組み、本分野のCOE構築を目指す。
 平成17年には、「自然の叡智」をテーマとした愛・地球博(愛知万博)が開催されるので、循環型環境都市のモデル実験の場として期待される。

 フェーズIIまでの主たる研究成果例は、以下の通りである。

1 有機廃棄物の再資源化技術(ガス化WG)
・有機廃棄物(廃プラスチック、木質廃材バイオマス)を1炉で、熱分解、部分酸化ガス化、灰溶融、そして燃料電池用にガス改質する高温ガス変換実験炉(処理能力10〜20kg/hr)

2 廃水の高度処理・循環再利用技術(廃水WG)
・ディスポーザー廃水の生物学的硝化、脱窒を狙い、名古屋市植田下水処理場にオンサイト実験装置(ハイブリッド型リアクター)を設置、実下水で効果を確認、さらにセラミック膜濾過システムで処理水を親水用レベルに浄化

3 無機廃棄物の再利用と有害物質の安定化技術(安定化WG)
・都市ゴミ焼却灰、建設汚泥の無機廃棄物を90%使用する水熱固化体で作る舗装材
・都市ゴミ焼却灰に含まれる重金属を揮発除去

4 里山(都市近郊林)の利用と管理手法(里山WG)
・繊維化した木質廃材の自己接着性を利用するマット化技術
・エンジニアリングプラスチックのコストの1/2のリグノセルロース系木質成形体
・森の管理手法としての、土壌構成分布の分析法、森林土壌の総合酸緩衝能力診断方法、森林土壌の酸性雨耐用年数診断方法、植物液流量測定法
・植物が環境に及ぼす影響の定量的評価システム

5 環境影響評価手法(シミュレーションWG)
・産業ネットワーク構築方法及びそのためのプログラム
・再資源化技術検索システム

6 循環型環境都市のあり方と再生シナリオ(第6WG)
・循環型環境都市の概念として「GREEN CITY」を提案

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