テーマ1: |
沿岸環境創生技術の開発
干潟・浅場・藻場が有する自然浄化能力を定量的に評価し、この浄化能力を最大限に発揮させるための造成活用技術と、環境に配慮した真珠養殖技術を開発する。 |
1−1: |
高機能性人工干潟造成技術の開発 |
1−2: |
藻場造成技術の開発
平成15年度に実験海域において浚渫土を用いた人工干潟(0.2ha)を造成した。平成16年度は干潟増設と人工干潟に隣接してアマモ場を造成し、ヨシ原、干潟、アマモ場が連続した環境の再生を重視した現地実証実験を行う。同時にそこでは人工干潟・藻場の持つ自然浄化能力を定量的に把握する。
研究テーマ2で開発した固化造粒技術によって固化した浚渫土を用いた実証実験も行う。 |
1−3: |
環境調和型養殖技術の開発
真珠養殖の際に出る貝掃除残さの負荷削減装置や、アコヤガイ貝殻・貝肉の有効利用技術等の環境と調和した養殖の開発を行う。また、アコヤガイの生理特性を利用したヘテロカプサ赤潮早期感知システムの開発や、環境耐性を持つアコヤガイの作出も行う。 |
テーマ2: |
底質改善技術の開発
汚染の進行している海底の汚泥の浄化を目的とし、汚泥中の有機物分解技術の開発と貧酸素水塊の発生を抑制するための海底への酸素補給技術を確立する。また、安全、迅速、安価な底質汚泥の固化造粒技術を開発し、底質固化物の海域での再利用を図る。 |
2−1: |
有機物分解技術の開発
汚泥中の有機物を分解させるために、有機物分解・脱窒能力が高い微生物を探索して微生物活用技術を確立する。また、固化剤等の利用による、安全・迅速・安価な底質汚泥の固化造粒技術を開発し、底質固化物を微生物の担体とする等、海域での再利用を図る。 |
2−2: |
酸素補給技術の開発
海底での有機物分解などによる貧酸素水塊の発生を抑制するために、高濃度の酸素水を補給する装置やマイクロバブル(微気泡)を発生させる装置による海底への酸素補給技術や、光の弱い状態でも光合成を行う底生微細藻類の利用、海底への光供給などの技術を開発する。 |
テーマ3: |
環境動態シミュレーションモデルの開発
英虞湾内の水質を監視する自動モニタリングシステムの開発と、シミュレーションモデルの開発を行う。モデル完成後には、物質循環の解析、環境動態の予報、環境改善技術(人工干潟・藻場)の評価に利用される。 |
3−1: |
モニタリング技術の開発
英虞湾内に水質(5地点:塩分・水温・溶存酸素・濁度・クロロフィル)と流速(2地点)を常時観測する大規模なシステムを設置し、1時間毎に観測を行っている。水質データについてはWebページにて公開し、利用方法等について地元の方々との勉強会を行った。
URL; http://www.agobay.jp./agoweb/index.jsp |
3−2: |
シミュレーションモデルの開発
3次元流動モデルにより、物質循環の解析に必要な英虞湾内の物理的な流動特性の把握、生態系・底質モデルにより、炭素・窒素・リンの物質循環の把握、アコヤガイ成長モデルにより、英虞湾内で特有な真珠養殖に伴う物質の吸収・負荷の把握を行う。さらにこれらのモデルを統合することにより、環境状態の予報、環境改善技術(人工干潟・藻場)の評価を実施する総合的英虞湾環境予測モデルの開発を行う。 |