平成22年11月 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
イノベーション推進本部 産学連携展開部 |
課題名 | : | スキンケアチップを利用したスフィンゴ脂質、セラミド等の皮膚機能改善への応用 |
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代表研究者 | : | 北海道大学大学院先端生命科学研究院付属次世代ポストゲノム研究センター センター長・特任教授 五十嵐 靖之 |
共同研究企業等 | : | (株)DNAチップ研究所、(株)スリービー |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 基礎研究においてセラミドの機能などを解明し、これらの成果をもとに機能性食品及び化粧品の開発、上市を実現するなど、全体として優れた進展があった。また、遺伝子情報の蓄積が進められており、肌診断のためのスキンケアチップの開発においても成果が期待できることから、実用化に向けたさらなる研究が期待される。 |
課題名 | : | 免疫・癌の個性診断を可能とするレクチン/抗体複合型診断医薬品の開発 |
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代表研究者 | : | 札幌医科大学大学院医学研究科 准教授 鳥越 俊彦 |
共同研究企業等 | : | (株)札幌IDL、(株)ホクドー |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究はがんの早期診断及び個性診断としての体外診断薬の開発、商品化を目指し、多種のがんの個性診断が可能な診断薬を開発し、一部販売をスタートした。特に前立腺がんにおいては患者負担が少なく、早期診断が可能な診断キットの実用化に道筋をつけた。さらには本研究で発見されたがん幹細胞マーカー遺伝子は、がんの予後診断用抗体のターゲットとして有用であるばかりか、本遺伝子をターゲットとしたがん治療薬の開発及び化学治療の改善に大きく寄与することが期待できる。 |
課題名 | : | 生体用高機能性チタン合金の組成の最適化と医療器具への応用 |
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代表研究者 | : | 東北大学 金属材料研究所 名誉教授 花田 修治 |
共同研究企業等 | : | 東北大学病院、 瑞穂医科工業(株)、トミー(株)、TDF(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 細胞毒性やアレルギー性、さらに生体との整合性の不十分な材料特性によって発生する、現在の医療器具(歯列矯正器具と股関節用ステム)が抱えている問題を抜本的に解決するための材料・器具の設計・製造技術の創出を目指した。まず、毒性やアレルギー性が指摘されるNi,Vを一切含まないTi-Nb-Sn系合金を取り上げ、その最適設計・試作を行い、基本となる合金組成特許はすでに権利化された。次に歯列矯正器具については、医療承認をすでに取得し、2010年内に販売開始の見込みが高い。また股関節用ステムについては、トレードオフの関係にある、生体用要求特性“低弾性率と高強度”を同一ロッド内で実現する世界初の“傾斜型ハイブリッド”ステムを創出し、さらに抜本的低コスト化につながる、“室温”でのニアネットシェイプ型鍛造法も開発し、目標を大幅に上回る世界に先駆するレベルまで到達させたことは高く評価できる。市場の大きなステムは、2010年春から開始された別の実用化研究で生産技術確立まで行うことと並行して、薬事承認の早期獲得の策を練ることにより、早期の事業化が期待できる。今後さらに、これらの優れた技術の適用範囲を拡大するとともに、市場の大きな欧米へ展開することにより、現在“欧米優位”にある医療器具業界地図を大きく塗り変えることに貢献すると期待される。 |
課題名 | : | 縦型構造の電荷蓄積膜方式セルを積層した超高密度不揮発性メモリの製造技術の開発 |
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代表研究者 | : | 東北大学 学際科学国際高等研究センター 教授 遠藤 哲郎 |
共同研究企業等 | : | 東京エレクトロン(株) |
研究期間 | : | 平成20年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 微細化による集積度向上が限界に近づいた平面構造メモリに代わる、飛躍的な高集積度が実現できる3次元構造と、高速かつ信頼性の高い新たなデータ蓄積方式を併せ持つ、“縦型積層構造”超高密度不揮発性半導体メモリの製造技術の確立を目指した。大学の基本設計技術と企業の設備技術の有機的連携により、3次元構造の基本となる“高精度”縦型積層構造形成技術と、信頼性の極めて高い“窒化シリコン”電荷蓄積膜製造技術を、独自のマイクロ波プラズマ技術を用い、目標を大幅に上回る世界に先駆するレベルまで到達させたことは高く評価できる。これら、超高密度と高速、さらに高信頼性をも同時に実現できるという画期的な製造技術、その製造装置は事業化計画の下、すでに市場に投入され始め、近い将来には、次世代高密度不揮発性半導体メモリにおいて、de facto standardの技術・装置として、日本が再び世界の主導権を握ることに貢献すると期待される。 |
課題名 | : | 光ライゲーションを用いた高感度遺伝子解析システムの開発 |
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代表研究者 | : | 北陸先端科学技術大学院大学 教授 藤本 健造 |
共同研究企業等 | : | エスシーワールド(株)、石川県立大学 |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 光ライゲーション機能の向上や高性能光ライゲーション用素子の開発など、その研究成果は学術的評価が高いだけでなく、今後応用の面でも大きな展開が期待される。また、育成研究を推進している過程で、より挑戦的な課題を取り上げ、それを克服してきた点は高く評価される。今後、企業化に向けたターゲットの絞り込みを行い、企業化へのさらなる努力を期待する。 |
課題名 | : | 高密度プラズマ処理によるプラスチック界面密着技術の実用化研究 |
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代表研究者 | : | 中部大学 教授 菅井 秀郎 |
共同研究企業等 | : | 名古屋大学、(財)名古屋産業科学研究所、東海ゴム工業(株)、東洋紡績(株)、(株)システック |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 フィルムプロセス、自動車用配管プロセスともに、企業への技術移転により実用化への目処が立ったと評価できる。今後は、フィルムプロセスの応用商品であるタッチパネルに関しては、静電方式や光センサータイプの代替技術との比較のうえで本技術シーズの優位性と市場の技術動向を注視した企業化に期待したい。また配管プロセスに関しても、蒸散抑制の応用商品としての燃料電池車用配管や冷房用配管について、自動車メーカーからの要求レベルの変化や冷房設計に配慮した新規冷媒等の動向を踏まえた企業化に期待したい。 |
課題名 | : | 有機―無機ハイブリッド系新規接着剤の開発と鉄道車両への実用化研究 |
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代表研究者 | : | 三重大学大学院 工学研究科 教授 中村 修平 |
共同研究企業等 | : | 信州大学、(株)宝建材製作所、ウレタン技研工業(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 新規接着剤としての目標値(室温硬化、機械的強度、耐熱性、ポットライフ等)は硬化時間を除いて全て達成されており、基本的な技術シーズは確立できたと評価できる。 今後は欧州の有害物質規制の動向を踏まえながら、欧州及び米国における鉄道車両ビジネスへの企業化に向けて着実な展開を期待したい。また、本課題で生まれた派生的な成果についても代表研究機関で良く検討のうえ、積極的な実用化への取り組みを期待したい。 |
課題名 | : | ダンパー型ケーブルの開発と建築構造物に適用した場合の耐震設計法の確立 |
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代表研究者 | : | 京都大学 准教授 河野 進 |
共同研究企業等 | : | 京都工芸繊維大学 住友電工スチールワイヤー(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 日本には、近い将来、大地震が必ず起こると予測されている地域が多数ある。本研究は、比較的安価な工事により、新築、既存の建造物に十分な耐震性能を付与することを目的としており、地震国日本にとってたいへん重要で、かつ、社会的意義が大きな技術開発であることが認められる。 高強度素線と低強度素線を撚り合わせたダンパー型ケーブルにより、前者で建物の耐震強度を補強するとともに、後者の塑性変形によって振動のエネルギーを吸収して揺れを減衰させるという、ユニークな発想の技術開発である。低強度素線の座屈防止についても、内部の低強度素線の周りを高強度素線で締め付けるという極めてシンプルな形で実現できたことは、高く評価される。数値モデルによる解析、建物部分モデルの実験で耐震性能が確認されているものの、対象建築物の選定法、ダンパー型ケーブルの性能向上などの課題を、今後3年間のフォロー期間中に解決することによって、実用化の可能性を確立することが望まれる。 |
課題名 | : | ペプチド性新興・再興ウイルス膜融合阻害剤の大量生産法の確立と創薬展開 |
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代表研究者 | : | 京都大学 教授 藤井 信孝 |
共同研究企業等 | : | 月桂冠(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 X線結晶構造解析による相互作用様式と耐性発現機構の解明、それに基づく理論的なドラッグデザイン、化学合成による各種誘導体の合成と評価による構造活性相関研究など、ペプチド医薬品化学として高いレベルの成果を上げたと評価される。微生物による大量生産法も、大腸菌、酵母、麹菌による組替えタンパク発現、目的ペプチドの効率的な化学的切り出し法の開発、生成した目的ペプチドの回収法の検討など、前進が見られる。産学の緊密な連携のもとに、高度な技術を精力的に駆使して多方面の研究が進められ、ペプチド性医薬品研究の1つの方法論を提示したものと評価される。一方、抗HIV剤の開発研究の観点からは、化合物の評価が十分とは言えず、化合物の絞り込みが不十分と判断される。また、酵母、麹菌による蛋白発現を、低コストで実現する量産技術の確立にはさらなる検討が必要と考えられる。 今後、育成研究のフォロー期間中に、本プロジェクトをより魅力的にするべく研究を進め、医薬品開発企業との連携を模索することが望まれる。また、本プロジェクトで見出したペプチドの大量生産技術に磨きをかけ、抗HIVペプチドのみならず他の有用ペプチドのバイオ生産に応用しうる技術とできれば、広がりのある意義ある成果となると考えられる。 |
課題名 | : | プラスチック表面活性化・接合技術の開発とマイクロ流路プレート製造への展開 |
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代表研究者 | : | 京都大学 教授 杉村 博之 |
共同研究企業等 | : | アルプス電気(株) |
研究期間 | : | 平成20年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 大学発シーズと企業ニーズがマッチングしたテーマで、当初から2年の計画を基に積極的に推進し、VUV照射を利用した接合方法によりプラスチック製マイクロ流路プレートの基礎技術が確立できた。シクロオレフィンポリマー(COP)製マイクロ流路プレートのプロトタイプを作製するなど、育成研究としての当初目標がほぼ達成されている。バイオチッププレートへの展開は多様なニーズがあるので、「何を作るか」を明確にして顧客ニーズに応じた金型を準備するなど、焦点を絞ってアプリケーション・オリエンテッドな事業展開を目指すことが望まれる。本開発プログラムの成果が実用化されれば、家庭での簡易な健康診断が可能になり、我が国の医療への貢献が期待されるなど、この技術を活用する製品を見出すことは重要と思われる。また量産に移行した場合の品質検査や、経時変化に対する保証等も、今後の重要な課題として取り組むことを期待する。 |
課題名 | : | 人体・環境への調和を目指した高強度・快削性黄銅合金の開発 |
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代表研究者 | : | 大阪大学 接合科学研究所 教授 近藤 勝義 |
共同研究企業等 | : | サンエツ金属(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 学で培われた材料科学知識の活用とものづくり企業の技術がうまく共創して,黄銅合金の低環境負荷化と高強度化を目指した材料組成の詳細な検討を行い、微細構造と特性制御の相関性に基づいた合金を開発し、快削性と強度を同時に向上させるなど、当初目標を十分に達成している。実用化へのロードマップも十分に検討されており、実用化と着実な事業化が大いに期待できる。 |
課題名 | : | 高空間分解能蛍光X線分析装置の開発 |
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代表研究者 | : | 大阪市立大学 大学院工学研究科 教授 辻 幸一 |
共同研究企業等 | : | (株)堀場製作所 |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 世界最高レベルの解像能の達成や,汎用製品の開発の2つの方向において,着実に目標に近づいてはいるが、企業化にあたっては共同研究企業の更なる積極性が期待される。多様なデータ取得によって、多方面の分析に使えることをアピールするとともに、適切な市場ニーズの探索とそれに見合った達成目標をクリアすることで、差別化された製品の市販化の早期実現を期待したい。 |
課題名 | : | 間葉系幹細胞の安全性判定法とそれを用いた細胞治療法の事業化 |
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代表研究者 | : | 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 教授 加藤 幸夫 |
共同研究企業等 | : | (株)ツーセル、(株)ビー・エム・エル、電気化学工業(株)、デンカ生研(株)、帝京大学 |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究は間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療を事業化するため、「低コスト無血清培地と超増幅法による高品質MSCの培養法と細胞治療法の開発」および「特異的分子マーカーなどを用いて、移植用のMSCの同一性、純度、炎症リスク、癌化リスク等を判定する技術の開発」を目指したものである。無血清培地の開発では、外国製の既製品に比べて増殖率、分化能などに優れる製品の開発に成功し、既に2品目を製品化、販売実績も上げており、さらに2種類の製品化が予定されている。また、分子マーカーについても新規で優位性の高い各種マーカーの獲得に成功していることから、目標を達成したものと評価される。今後、本格的な再生医療の実用化に向け、共同研究企業を核として、さらなる事業展開が期待される。 |
課題名 | : | 次世代高性能有機半導体材料の開発 |
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代表研究者 | : | 広島大学大学院工学研究科 教授 瀧宮 和男 |
共同研究企業等 | : | 日本化薬(株) |
研究期間 | : | 平成20年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 本研究は、有機電界効果トランジスタ(有機FET)技術を材料面から支える基盤技術の創出を視野に入れて、高性能で高い安定性をもつ有機半導体材料(DNTTと呼ばれる含硫黄縮合多環芳香族)を産業応用に展開するための大量製造法の開発を目指したものである。大量合成法に一部継続課題を残したが、目標としたDNTT合成法、デバイスの高性能化、トランジスタの作動性の確認もほぼ計画通りに進捗し、目標を概ね達成したものと評価される。既に外部にサンプル提供を行い、非常に優れた素材との評価を得ており、また、試薬としての販売も計画されているが、今後は、グローバルスタンダード材料として確立するための戦略的取組が望まれ、将来的には製品の原材料としての需要を期待したい。 |
課題名 | : | 染色体不安定性に起因する老化関連疾患のリスク診断キット・装置の開発 |
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代表研究者 | : | 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 教授 田原 栄俊 |
共同研究企業等 | : | 富士レビオ(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究は、代表研究者らが開発した「染色体の最末端部分に存在するテロメアG-tailの長さを迅速・簡便かつ高感度に測定する技術」を用いて、様々な老化疾患や癌、染色体異常の疾患が発病するリスクを評価できる検査キットと自動測定装置を開発することを目指したものである。本研究により、基礎研究用の検査キットの製品化に漕ぎつけ、自動測定装置の実用化を進めたことから、目標は概ね達成したものと評価される。今後、まずは基礎研究用検査キットの販売に注力するとともに、テロメアG-tail研究者のネットワークを広げ、テロメアG-tail長さと病態との関係に関する知見をさらに蓄積し、臨床的有用性を明らかにしていくことで、さらなる検査ビジネスへの展開が可能と思われる。 |
課題名 | : | 伸び切り鎖ナノ結晶体による超高性能汎用高分子材料の開発 |
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代表研究者 | : | 広島大学大学院総合科学研究科 特任教授 彦坂 正道 |
共同研究企業等 | : | サンアロマー(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究は、代表研究者らが見出した特殊な条件下(過冷却溶融状態で超臨界伸長ひずみ速度場)で高分子を結晶化させることにより、ナノ配向結晶体(NOC)を生成できる原理を応用し、金属並みの強度を持ち、完全リサイクル可能な「超高性能汎用高分子材料」の開発を目指したものである。NOC生成メカニズム・構造と形態の解明、ロール成形機の開発、NOCシートの作成と特性の検証など育成研究課題の目標は達成したものと評価される。また、NOCシートの優れた特性から広い製品への利用が期待でき、企業化の期待も非常に高いので、早期に、市場ニーズに応えられるサンプル材料の提供を実現し、実用化に向けた研究開発をさらに加速していただきたい。 |
課題名 | : | バイオラピッドプロトタイピングシステムの開発 |
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代表研究者 | : | 佐賀大学大学院工学系研究科 教授 中山 功一 |
共同研究企業等 | : | 九州大学大学院医学研究院、(株)アステック、STEMバイオメソッド(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 軟骨といった単一細胞のみならず、複数細胞からなる半月板、心筋細胞、心臓弁や肝細胞などによる立体構造体を対象に、細胞のみで作成する自動化技術「バイオラピッドプロトタイピングシステム」を確立した意義は大きい。立体構造物の大きさの目標は到達できていないこと、また、特許出願や、臨床研究、臨床治験、企業化に関して種々の検討課題は残っているが、将来の実用化への基盤技術は構築されており、育成研究としての成果は優れていると判断できる。今後の実用化段階では、独自性を活かした研究ターゲットの絞込みにも期待する。 |
課題名 | : | プリンタブル有機TFTのための有機薄膜結晶制御技術の開発 |
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代表研究者 | : | 岩手大学 大学院工学研究科 准教授 吉本 則之 |
共同研究企業等 | : | アルプス電気(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 有機半導体の実用化の壁はホール移動度の低さと経時安定性の悪さであり、単結晶化により移動度と安定性は大幅に向上可能である。本研究において新規の有機材料を合成し評価することにより、特性向上の為の分子設計と単結晶化に向けた指針を構築できた。また、基板に密着させて一方向に単結晶を成長させる方法を考案した。原理的には大面積の単結晶も作成可能であり、TFT(薄膜トランジスタ)のみならずセンサや太陽電池などへの応用が期待される。 |
課題名 | : | インフルエンザワクチン産生に適した3D高密度細胞培養法の研究 |
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代表研究者 | : | 岩手医科大学 医学部 教授 佐藤 成大 |
共同研究企業等 | : | (株)フューテック、(株)エーシーバイオテクノロジーズ、 三洋化成工業(株)、(株)細胞科学研究所 |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 インフルエンザのワクチンへの関心と重要性が高まってきている。従来法である鶏卵法に比べ、細胞培養方式では安全性と短期間でのワクチン生産が望まれ、使用する細胞には高増殖性と高ウイルス感染性が必要となる。本研究にてイヌ腎臓由来MDCK細胞から独自の選抜技術により得られたウイルス感染性の高い細胞の高密度培養法の構築が出来たことは大きな成果である。今後のスケールアップと精製方法の最適化により早期の実用化が期待される。 |
課題名 | : | 抗癌剤徐放性アパタイトによる骨腫瘍局所治療システムの開発 |
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代表研究者 | : | 筑波大学 大学院人間総合科学研究科 臨床医学系 准教授 坂根 正孝 |
共同研究企業等 | : | (独)物質・材料研究機構、 (株)イソメディカルシステムズ、アスロメディカル(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 基本計画は一部未達の部分はあるものの、ほぼ計画に従い遂行し成果を上げており、課題も明確になりつつある。今後、選択と集中をより明確にし、継続した研究開発を行うことで、次のフェーズ(医師主導の臨床試験等)に如何にして繋げていくかが鍵となる。社会ニーズを踏まえ、戦略的な知的財産権の確保等を強化しつつ、共同研究機関や専門メーカー等とのアライアンスを再構築するなど、育成研究終了後の発展を図っていただきたい。 医薬品・医療機器開発分野は莫大な研究費とともに長期の研究期間を要するため、企業化の期待に関して、現段階の研究フェーズで評価するのは非常に難しく時期尚早と考えるが、次フェーズの競争的資金等を継続的に活用するなど、着実な進展を期待したい。 |
課題名 | : | 8インチウエハ用めっきプロセス及びアニール技術革新による低抵抗Cu配線の形成と次世代LSIへの展開 |
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代表研究者 | : | 茨城大学 工学部 教授 大貫 仁 |
共同研究企業等 | : | 東北大学、(独)物質・材料研究機構、日立化成工業(株)、日立協和エンジニアリング(株)、(株)ルネサステクノロジ |
研究期間 | : | 平成20年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 一部未達事項はあるものの、抵抗率の目標を達成できたことは評価できる。銅配線の抵抗率を30%減少させ、高純度硫酸銅を作製しており、所期の目的を達成していると考えられる。今後実用化に向けて、企業と議論を詰めることが重要である。 育成研究終了後に、企業との十分な議論を進め、社会ニーズに則った計画を再構築した上での次フェーズ制度例えばA-STEP等への応募を期待する。 |
課題名 | : | 多重ガンマ線による迅速・非破壊・高感度微量元素分析法の開発 |
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代表研究者 | : | (独)日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 研究主席・Gリーダー 大島 真澄 |
共同研究企業等 | : | 東レリサーチセンター(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 原子炉から外部へ取り出した世界有数の中性子強度を持つ中性子ビームを利用する即発ガンマ線分析に、原理開発した「多重ガンマ線検出法」を組み合わせ、迅速・非破壊・高感度の多重即発ガンマ線分析装置を開発し、所期の技術的課題と仕様について全項目で順調に成果を創出し目標を達成した。これは、世界的に優れた高性能微量元素分析法として評価でき、環境科学分野などの社会ニーズに合わせた分析が可能となる。研究は、「先進原子力科学技術に関する連携重点研究」制度により共同研究として引き継がれており、今後のさらなる発展が期待できる。今後の企業化には、東レリサーチセンターの多大な努力と原子力研究開発機構の更なる協力が必要となる。 |
課題名 | : | 体を守る糖鎖を付加した生活用品・食品の開発 |
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代表研究者 | : | 長岡技術科学大学 大学院工学研究科 教授 古川 清 |
共同研究企業等 | : | 新潟薬科大学、ユニテックフーズ(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 糖鎖を活用した製品開発を目指して、細胞増殖に関与する糖類機能に関する研究およびピロリ菌、大腸菌等を捕捉できる材料開発を進めた。中間評価を受け、テーマを絞り込むことで、後者のテーマに関する実用化の可能性を示した点は評価できる。実用化に向けて、さらなる周辺特許を早急に確保してほしい。ピロリ菌および大腸菌捕捉材共に、実用化に近い製品にターゲットを絞り、早期の試作品作成を行い、さらには現場ニーズのある分野への展開も今後は強く期待したい。 |
課題名 | : | 高齢化社会に適した再生医療普及のための安価な培養システムの開発 |
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代表研究者 | : | 新潟大学 医歯学系 准教授 川瀬 知之彦 |
共同研究企業等 | : | 新潟県工業技術総合研究所、(株)HOYA、(株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング、(株)ジュース、(株)佐文工業所 |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 再生医療を実現、普及させるために、細胞培養、足場、増殖因子への改良と、培養システムについて開発を行い、テーマによりバラツキはあるが、概ね達成された。細胞培養法および増殖因子に関連して2件の海外特許出願を行うとともに、5件の国内特許出願、多数の外部発表等、積極的に行った点は評価できる。有望と思われるテーマについては市場の絞り込み、規制等をふまえた上で、企業との協同開発をより積極的に推進することを期待する。特に、培養骨膜シートの実用化や細胞加工用デバイスの製作は有望と思われるので、該当分野の専門家の協力を得て、集中して研究開発を続行することが望まれる。 |
課題名 | : | 廃油脂資源からリボフラビン生産技術の開発 | ||||
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代表研究者 | : | 静岡大学 創造科学技術大学院 統合バイオサイエンス部門 教授 朴 龍洙 | ||||
共同研究企業等 | : | 静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター、水澤化学工業(株) | ||||
研究期間 | : | 平成19年1月〜21年9月(平成18年度採択) | ||||
【総評】
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課題名 | : | 光電子分光法の深さ方向分析用帯電液滴衝撃エッチング装置の開発 | ||||||||
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代表研究者 | : | 山梨大学 クリーンエネルギー研究センター 特任教授 平岡 賢三 | ||||||||
共同研究企業等 | : | 日本電子(株) | ||||||||
研究期間 | : | 平成19年1月〜21年9月(平成18年度採択) | ||||||||
【総評】
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課題名 | : | 新規食品成分を用いた高機能食品と植物成長調節剤の開発 |
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代表研究者 | : | 静岡大学 創造科学技術大学院・統合バイオサイエンス部門 教授 河岸 洋和 |
共同研究企業等 | : | 三井農林(株)、焼津水産化学工業(株)、フジ日本精糖(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 新規食品成分(キノコ類、マコモタケ、チャ等からの抽出物質と多糖類など)を用いた高機能食品と植物成長調節剤の開発を目的とした研究は、その対象の広さからアプローチ方法が多岐にわたっている。そのため、複数の有用成分について抽出・分析とその構造決定および動植物への影響を評価するという複数の研究テーマが、同時進行する研究計画となっていた。 その中のキノコ類の抽出物質を対象にした研究テーマにおいて、コムラサキシメジから抽出された物質(AHX)が多くの植物(穀物、野菜、花卉等)に対して画期的な成長促進調節作用を持つことが発見された。この物質は肥料や園芸花卉活性剤として高い商品化の可能性を持っており、関連する主要な知的財産の特許出願も済んでいることから、確実な事業につながる研究成果として評価できる。 一方、当初目標を十分に達成できなかった研究テーマとして、マコモタケ抽出物質の抗骨粗しょう症効果、チャに含まれるカテキン成分を利用した植物成長制御効果、多糖類(イヌリン)の炎症性腸炎予防効果などに着目した研究開発がある。いずれも事業化には費用対効果のハードルが高かったが、今後も研究を地道に続けることによって、新たな成果が得られる可能性も残されており、吟味した研究の継続が望まれる。 |
課題名 | : | パルスレーザー照射表面ナノ加工による低フリクション自動車摺動部品の製造技術の開発 |
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代表研究者 | : | 福井大学 岩井 善郎 |
共同研究企業等 | : | 福井県工業技術センター、福井工業高等専門学校、アイテック(株)、(株)松浦機械製作所 |
研究期間 | : | 平成19年1月〜平成21年12月(平成18年度採択) |
【総評】 この研究は、微細な加工が困難なDLC(ダイヤモンド状カーボン)などの硬質薄膜表面に、超短(フェムト秒)パルスレーザーを照射することでナノメータサイズの周期構造を形成する表面ナノ加工装置を開発し、自動車用ピストンリングなどの摩擦抵抗の低減を目指すものである。研究の結果、DLCにレーザー波長の1/10程度のナノ周期構造を、広範囲にかつ曲面においても形成できる加工技術を開発した。さらに周期構造の形成メカニズムを明らかとしこの種の技術の発展に寄与した。低摩擦ピストンリングおよびレーザー加工装置を平成25年度に商品化すべく研究開発を継続予定である。本技術は他にも幅広く適用できるものであり、今後の展開が期待される。 |
課題名 | : | セリシンを利用した新しい細胞培養のための添加剤の開発 |
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代表研究者 | : | 福井大学 寺田 聡 |
共同研究企業等 | : | セーレン(株) |
研究期間 | : | 平成19年1月〜平成21年12月(平成18年度採択) |
【総評】 動物細胞培養では培養液に牛血清など哺乳動物因子が利用されているが、狂牛病・人畜共通感染症が懸念されている。この研究は絹タンパク質セリシンを利用して哺乳動物因子不含の培地を開発するものである。研究の結果、セリシンの添加された培地の有効性が明らかにされ、動物由来因子不含の新規細胞培地「セリシンGIT」を2009年3月より市販した。またセリシンの細胞増殖作用の仕組みの大枠を明らかにした。製品化のみならず、学術的な成果をも得ることができたことは高く評価できる。代表研究者らは、この技術を今後大きな発展が期待される再生細胞の細胞培養に展開すべく継続研究中であり、今後の更なる発展が期待できる。 |
課題名 | : | アルツハイマー病の新規MR画像診断薬の開発 |
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代表研究者 | : | 滋賀医科大学 遠山 育夫 |
共同研究企業等 | : | 滋賀県工業技術総合センター、石原産業(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究はMR(核磁気共鳴)画像診断装置により早期診断可能な世界初のアルツハイマー病MR診断薬の開発を目指すものである。診断薬候補として、毒性が低く脳内移行性に優れアミロイドβ凝集体との結合性が高く高輝度のMR信号を発生する化合物(Shiga-Y系)を創製した。測定法および画像処理法の改良によりMR画像装置の高感度化を実現した。これらにより世界で初めて生体脳内のアミロイドβの画像化に成功した。これらの優れた成果をもとに製薬企業との共同研究開発に移行しようとしている。世界初のアルツハイマー病MR診断薬の企業化が期待される。 |
課題名 | : | 放射光を用いた高感度・高分解能赤外顕微鏡の開発とナノデバイス・医療・バイオ研究への応用 |
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代表研究者 | : | 立命館大学 太田 俊明 |
共同研究企業等 | : | 長浜バイオ大学、滋賀県工業技術総合センター、(株)東レリサーチセンター |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 本研究は放射光(SR)蓄積リングから効果的に赤外光を取り出すことと高性能の赤外用近接場プローブを新たに開発し、高分解能の赤外顕微鏡を開発し、これを用いた分析サービスセンターを創設しようとするものである。赤外光取り出し光学系の最適化による赤外光の高輝度化に成功した。新たに開発した開口型の近接場プローブにより従来の2倍の分解能5μを達成した。これらにより分析サービスセンターの創設のための基本的な技術が確立されたものと言える。 |
課題名 | : | サイトカインを用いた精神的ストレスの評価技術 |
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代表研究者 | : | 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 教授 六反 一仁 |
共同研究企業等 | : | 片倉工業(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 独創的な質の高い学術的研究成果が得られ、サイトカインでストレス及びうつ病の診断ができる可能性が出てきた点で評価できる。共同研究企業の積極的参加により研究室レベルの診断キットが作成できた。今後は、標準化を図るためにも、確立されたデータ作成と評価法を体系化して、学会や医療機関の協力を得て信頼性のお墨付きをもらえる評価技術を構築することが重要である。臨床開発など事業化へのハードルは高いが、診断薬としての商品化を期待する。 |
課題名 | : | UVA発光ダイオードを用いた汎用型殺菌システムの開発 |
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代表研究者 | : | 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 教授 高橋 章 |
共同研究企業等 | : | 四国化工機(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 殺菌のメカニズム、殺菌効果など多くの学術的研究成果が得られている。共同研究企業が積極的に参加することで目標は達成されており、高く評価できる。しかし、現在殺菌装置として多く使用されているUVCとの比較が必ずしも十分とはいえない。共同研究企業で使用可能な循環貯留式殺菌装置に応用された。家庭用電化製品への応用など、UVAの特長を活かした分野での製品化が充分可能と考える。3年後を目指して企業化に向けて研究継続を期待する。 |
課題名 | : | 微生物・昆虫のモニタリング法の開発およびオーダーメイドタイプ殺菌・殺虫剤の開発 |
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代表研究者 | : | 高麗 寛紀(徳島大学大学院ソシオテクノサイエス研究部 教授) |
共同研究企業等 | : | アース・バイオケミカル(株)、深江化成(株)、タマ化学工業(株) |
研究期間 | : | 平成18年12月〜21年9月(平成18年度採択) |
【総評】 殺菌剤については,当初の目標を達成し期待した成果が得られている。時間はかかるが実用化が期待される。しかし,製薬メーカーとの連携がこれまでに出来ていない点が気がかりであり,商品化に向けて努力が必要である。 殺虫剤の開発は,実用化レベルまで至っていない。新しい事業に応募し,今後の実用化に向けて一層の努力を期待する。 |
課題名 | : | 個人のHLA型に合わせたテーラーメードのT細胞ワクチン開発 |
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代表研究者 | : | 高知大学 医学部 教授 宇高 恵子 |
共同研究企業等 | : | 愛媛大学医学部、(財)阪大微生物病研究会、(株)大塚製薬工場研究開発センター |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 総合的に見て、先進的知見も得られており、順当に研究が進捗したといえる。ペプチドワクチンW10とTh細胞誘導型ワクチンの組合せを用いる処方の有用性が明確に実証されれば、本研究の実用化はより現実的になると考えられる。さらに、本研究の事業化には、本研究終了後に新たに共同研究を開始した企業(以下「新たな共同研究企業」)との取り組みが重要な要素となる。治験の実施に向けて、本技術の定量的評価となる抗原特異的T細胞の解析手法を確立しつつ、新たな共同研究企業との連携のもと、事業化に向けた計画立案と前治験データを蓄積することが望まれる。 |
課題名 | : | 広食性土着天敵クロヒョウタンカスミカメを利用した施設果菜類の害虫防除法の確立 |
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代表研究者 | : | 高知大学 農学部 教授 荒川 良 |
共同研究企業等 | : | アリスタライフサイエンス(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 研究が着実に進められ、各項目で成果を挙げたことは大いに評価できる。本成果を実用化させるためにも、アリスタライフサイエンス株式会社との連携を深め、コナジラミ対策用の生物農薬として登録されることを期待する。今後、この天敵農薬の製造コストを低減させることが、重要課題の一つとして残っているが、企業が中心になってその展望を明確にする必要がある。本研究が駆動力となり、土着天敵の県内増殖を国に容認させたことも大いに評価できる。土着天敵は極めて環境親和性が高く、ニーズは順調に増えるものと思われるので、土着天敵を利用した安全で安心な環境保全型施設園芸のモデルケースを高知県で構築できるように、さらなる研究の発展を期待する。 |
課題名 | : | 近赤外蛍光を捕捉する術中ナビゲーションカラーイメージングシステムの開発 |
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代表研究者 | : | 高知大学 医学部 教授 佐藤 隆幸 |
共同研究企業等 | : | 三洋半導体(株)、瑞穂医科工業(株) |
研究期間 | : | 平成20年4月〜平成22年3月(平成19年度採択) |
【総評】 平成20年度に発生した参画企業の撤退という致命的事態にもかかわらず、代表研究者の努力により新たな参画企業との連携が形成され、その後は順調に研究計画が進行した。結果として、術中ナビゲーションシステム「ハイパーアイ・メディカル・システム」の商品化とその事業化がなされたことは高く評価できる。専門医からの臨床ニーズについても調査が行われ、一定の評価が得られていることから、価値の高い研究であると判断できる。本研究にかける強い意気込みが研究者から感じられ、今後更なる技術向上と新製品「内視鏡システム」の開発も強く期待できる。 |
課題名 | : | 制御型ヒト抗体結合ペプチドによる抗体の検出、精製技術の開発 |
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代表研究者 | : | (独)鹿児島大学・理工学研究科 教授 伊東 祐二 |
共同研究企業等 | : | 大塚化学(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 当初の目標、さらには研究を進める中で課題となった項目についても取り組み十分な成果を上げていると思われる。実用化のための大学での研究としては充分な成果が得られ、次のステップへ進む段階である。 このための共同研究企業である大塚化学(株)の事業展開計画も明確であり、事業化が大いに期待される。 |
課題名 | : | 交流磁場誘導型カラム分離システムの開発 |
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代表研究者 | : | (独)物質材料研究機構 生体材料センター長 青柳 隆夫 |
共同研究企業等 | : | (株)セルシード |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 最終目標の達成には至らなかったが、夢のある研究の実用化への基本コンセプトを固めることが出来た。実用化に進むに当たっての問題点が明確になっている為、用途に関する技術展開の立案、問題解決のための基礎研究を進めていただきたい。また、この推進のためにはアイデアを実現してくれるニーズ者の協力を仰ぐことも心がけていただきたい。 |
課題名 | : | 注射に代わる経鼻投与デバイスを用いた糖尿病と肥満に対するペプチド医薬品の開発 |
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代表研究者 | : | 宮崎大学医学部内科学講座 神経呼吸内分泌代謝学分野 教授 中里 雅光 |
共同研究企業等 | : | アスビオファーマ(株)、エス・ピー・ジーテクノ(株) |
研究期間 | : | 平成19年4月〜平成22年3月(平成18年度採択) |
【総評】 グルカゴン様ペプチド(GLP-1)製剤を鼻中血管吸収させるための経鼻投与デバイスを開発し、それを糖尿病患者に対して全国2例目となる医師指導治験に応用し、糖尿病治療薬としての有効性を確認している。さらに、摂食調節及び膵β細胞に対する基礎研究を実施し、その機序を解明している。 |
プラザ・サテライト | 氏名 | 所属 |
プラザ北海道 | 中山 恒義 | JSTイノベーションプラザ北海道 館長 |
プラザ宮城 | 伊藤 弘昌 | JSTイノベーションプラザ宮城 館長 |
プラザ石川 | 三谷 忠興 | JSTイノベーションプラザ石川 館長 |
プラザ東海 | 浅井 滋生 | JSTイノベーションプラザ東海 館長 |
プラザ京都 | 松波 弘之 | JSTイノベーションプラザ京都 館長 |
プラザ大阪 | 村井 眞二 | JSTイノベーションプラザ大阪 館長 |
プラザ広島 | 高田 忠彦 | JSTイノベーションプラザ広島 館長 |
プラザ福岡 | 持田 勲 | JSTイノベーションプラザ福岡 館長 |
サテライト岩手 | 平山 健一 | JSTイノベーションサテライト岩手 館長 |
サテライト茨城 | 後藤 勝年 | JSTイノベーションサテライト茨城 館長 |
サテライト新潟 | 西口 郁三 | JSTイノベーションサテライト新潟 館長 |
サテライト静岡 | 徳山 博于 | JSTイノベーションサテライト静岡 館長 |
サテライト滋賀 | 小林 絋志 | JSTイノベーションサテライト滋賀 館長 |
サテライト徳島 | 今枝 正夫 | JSTイノベーションサテライト徳島 館長 |
サテライト高知 | 細川 隆弘 | JSTイノベーションサテライト高知 館長 |
サテライト宮崎 | 黒澤 宏 | JSTイノベーションサテライト宮崎 館長 |