連携拠点機関 |
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財団法人高知県産業振興センター |
科学技術コーディネータ |
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笹部 馨(代表)、都築 俊夫、久武 陸夫、 石塚 悟史(平成13年7月~平成16年3月)、入野 和朗(平成17年4月~平成17年9月) |
事業実施期間 |
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平成13年度~平成17年度 |
大学等との連携状況
コーディネート活動の対象となる大学や研究機関は多くはないが、その分高知大学と高知工科大学を中心に密度の濃い連携体制を構築した点は高く評価でき、大学側の十分な協力と信頼関係は今後の財産となることが期待される。シーズ発掘とマッチングの努力が顕著であり、大学等の情報を効率的に実用化に結びつけている点は、連携の成果と考えられる。また、連携拠点機関以外の多くのコーディネータとの連携も積極的に行われている。
事業の成果及び波及効果
シーズ発掘1,600件は十分な成果である。県内の産学連携の活発化、研究者ネットワーク及び新技術データベースの構築、研究者に対する権利化意識の醸成、若手コーディネータの育成などメリハリの利いた価値ある成果と効果が得られており、高い評価に値する。特に、若手コーディネータの育成は特徴的である。
「育成試験成果集」の刊行など成果の積極的PR姿勢にも見るべきものがあるが、コーディネート活動の波及効果をより広範囲に広げるためにも、今後は、更なる企業ニーズの探索と地域企業の育成に向けた取り組みに期待したい。
研究成果の実用化・企業化の状況及び諸事業等への橋渡し実績
水産庁事業やJST事業などに発展した成果や、売上がまだ少ないものの起業化にたどり着いた成功例があるなど、興味ある実績が出ており、妥当な成果であると認められる。起業したプロジェクトには、本格的な企業化にはなお長期間を要するものもあるので、今後も継続した支援に期待する。
成果集の刊行や、情報をホームページに掲載することは有意義かつ効果的であり、今後はさらにコーディネータが技術内容をブレークダウンし、受け手である企業にとって分かりやすい情報提供を行っていくことも重要である。
今後の見通し
本事業推進の経過と結果に勢いが見られ、事業修了に合わせて新設された高知COE推進本部によるコーディネート活動は、JSTサテライト高知の開館ともあいまって、事業継続に向けた魅力的な姿として見ることができ、県の積極的な姿勢も感じられる。今後に向けては、育成された若手コーディネータのミッションの明確化や県内企業による事業化などが課題であり、本事業の継続を引き続き県の重要施策として位置づけていくことが必要である。
総合評価
大学等の研究機関や企業が少ないといった必ずしもポテンシャルが高いとは言えない土地柄にあって、代表科学技術コーディネータのリーダーシップの下、高知大学、高知工科大学との密度の濃い連携により数多くのシーズを掘り起こしてきた。研究成果の活用に向けた育成試験の実施に当たっては、ニーズオリエンテッドの考え方に基づいて的確な課題抽出を行った結果、実用化の実績も認められるなど、高知県でRSP事業を実施した価値は高かったと言える。今後は、県のバックアップによる高知COE推進本部を中心とした取り組みとJSTサテライト高知との連携により、継続して事業が推進されることを期待したい。
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