実用技術化プロジェクト
革新的な細胞制御法や育種法による高効率バイオ生産の技術開発
領域概要

運営総括(PO):
近藤 昭彦 / 神戸大学 教授
植物や藻類などのバイオマスは二酸化炭素を固定することで温室効果ガスの削減に直接寄与し、その分解物や代謝物はバイオエタノール、バイオプラスチック、基幹化合物などの原料となり石油代替品にもなります。さらに、バイオテクノロジーは従来の化学的手法では作製困難な化合物の導出や、バイオプロセスの導入による省エネルギー化を図ることができます。しかし、バイオマス植物の生産増産には、優良品種の導出、高速なスクリーニング、実環境での形質維持、代謝設計の困難さ、ラボスケールと実生産スケール培養での相違、培養コストや生産物の精製コストなどの様々な課題があります。
一方、合成生物学、ゲノム編集・合成技術、高速スクリーニング技術やAI/IT技術などの先端技術を融合することで、革新的な細胞制御・育種ができるようになり、社会実装への期間短縮が図られつつあります。
本プロジェクトでは、領域間の連携により革新的な細胞制御や育種法を開発し、バイオマス生産量の増大やバイオ由来化成品等の高効率生産を可能とする細胞を構築することで、バイオテクノロジーを用いた物質生産の高効率化や低コスト化を目指します。
ラン藻の発酵代謝工学-光合成を基盤としたコハク酸・乳酸生産
小山内 崇 (明治大学 農学部 専任准教授)
コハク酸や乳酸は、プラスチックなどに使われる化学工業原料です。私たちの計画では、光合成細菌であるラン藻を発酵させ、二酸化炭素からコハク酸・乳酸生産を行います。特に、遺伝子改変によって炭素の代謝を改変し、高精度メタボロミクス技術やin silicoシミュレーション解析、海水培養を駆使することによって、ラン藻のコハク酸・乳酸生産量を増大させる技術を開発します。この技術開発によって、将来的に温室効果ガスの排出削減や化石燃料の消費削減を目指します。
- 研究室HP
- 成果プレス発表(2015年4月8日)
- 成果プレス発表(2015年8月27日)
- 成果プレス発表(2015年9月24日)
- 成果プレス発表(2016年7月20日)
- 成果プレス発表(2016年8月31日)
- 成果プレス発表(2016年12月21日)
- 成果プレス発表(2017年1月25日)
- 成果プレス発表(2017年11月9日)
- 成果プレス発表(2017年11月9日)
- 成果プレス発表(2018年6月1日)
- 成果プレス発表(2018年6月15日)
- 成果プレス発表(2018年8月30日)
- 成果プレス発表(2018年12月10日)
- 成果プレス発表(2019年4月15日)
- 成果プレス発表(2019年6月6日)
- 成果プレス発表(2019年7月23日)
- 成果プレス発表(2020年2月18日)
- 成果プレス発表(2020年3月9日)
- 成果プレス発表(2020年4月30日)
- 成果プレス発表(2020年12月18日)
- JST NEWSに掲載(2021年2月1日)
- 成果プレス発表(2021年3月18日)
- 成果プレス発表(2021年8月24日)
- 成果プレス発表(22022年2月2日)
- 成果プレス発表(2022年2月24日)
- 成果プレス発表(2022年5月25日)
- 成果プレス発表(2022年8月18日)
- 成果プレス発表(2022年10月11日)
- 成果プレス発表(2022年11月10日)
亜リン酸を用いたロバスト且つ封じ込めを可能とする微細藻類の培養技術開発
廣田 隆一 (広島大学 大学院先端物質科学研究科 准教授)
「亜リン酸」は、酸化数+3価のリン酸で、通常の生物は利用できません。本研究では、亜リン酸を利用できる能力を藻類に与えることによって、雑菌汚染に強いロバストな藻類培養技術を確立します。さらに、育種した藻類が自然界に漏れ出しても生存できないようにリンの代謝系に改変を加え、亜リン酸だけに生育を依存するようにした生物学的封じ込め技術へと発展させます。