研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
製品化/起業
高速アルゴンガス流による急冷機構を有する二室型超高温真空熱処理炉の開発
キーワード :  タービンブレード、タービンディスク、Ni基超合金、Ni基単結晶、熱処理炉、急速冷却、溶体化処理
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) NexTEP-Bタイプ
研究開発課題名 耐熱合金性能向上のための熱処理技術(開発期間:平成28年1月~平成31年3月)
製品化企業名 株式会社キグチテクニクス 研究者 原田 広史(物質・材料研究機構(現 超合金設計研究所))

本技術は国立研究開発法人 物質・材料研究機構のシーズである急冷機構を有する二室型超高温真空熱処理炉を大型発電用ガスタービンや、ジェットエンジンに使用される大型のNi基単結晶部品に適用することを目指した開発の成果である。Ni基単結晶材は、通常1300℃以上での溶体化熱処理が必要であり、また高強度のNi基単結晶材は溶体化処理後の冷却速度が速くなるほど、材料特性、特にクリープ特性が向上することがわかっている。本特性を大型のNi基単結晶部品に適用できる熱処理炉の開発を行い、1500℃までの熱処理温度を可能とし、一般的なガスファンクーリング熱処理炉と比べ2~3倍の冷却速度を得る二室型の超高温真空熱処理炉の開発に成功した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

本成果によって、Ni基単結晶部材の特性を最大限引き出すことが可能である。また、その他の部材(Ni基多結晶材、TiAl)でも更なる特性向上を目指した材料開発に伴い、熱処理時の高温化、高冷却速度が求められるケースが増えつつあり、特にエネルギー産業、航空産業での適用が大いに期待される。

開発者の声

材料の新規開発に伴い、本開発炉でしか処理ができないケースも増えつつあり、国内エネルギー産業や航空機部材の開発に大いに貢献できるものと期待している。また本開発炉の特性を発揮することにより、既存の材料でも特性向上が得られる場合があり、波及効果は大きい。

キグチテクニクス社による本成果の紹介ページ:超合金総合研究所(SuperAlloys Research Institute )

この成果は、第47回日本ガスタービン学会定期講演会にて講演されました。[2019年9月]


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