研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
製品化/起業
鉄触媒精密クロスカップリング技術を用いた新規有機電子材料開発
キーワード :  鉄触媒カップリング反応、有機電子材料、高性能液晶分子、高性能芳香族アミン
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 機能検証フェーズ
研究開発課題名 シクロヘキサン環を有する液晶化合物の新規立体制御合成法の開発(開発期間:平成30年9月~令和元年8月)
ニーズ元企業名 オルガノサイエンス株式会社 研究者 中村 正治(京都大学)

オルガノサイエンス社が開発した高機能液晶化合物の合成に、研究代表者が開発した鉄触媒クロスカップリング反応を応用して低価格合成を目指した。液晶分子市場の価格低下などを理由として、工業生産への採択には至らなかったものの、研究過程で開発されたホスフィンリガンドは富士フイルム和光純薬および(株)TSKから市販化された。同様に開発された鉄触媒C-Nカップリング反応は、(株)TSKの設立および新規有機EL材料の開発と生産に応用されている。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

有機合成の触媒として多用されているパラジウムは地政学的なリスクと価格高騰という課題があり、鉄触媒に置換することで、その課題を解決する事ができると同時にESG経営に貢献する。独自の鉄触媒技術で合成した有機EL材料は、発光効率の低い青色の材料の発光効率を高める事が確認できており、その市場規模は400億円あり、2025年には10%のシェア獲得を目標としている。

開発者の声

JSTのプロセスの後、京都大学のGAPファンドおよびインキュベーションプログラムで研究成果の事業化検討を行った結果、前任の玉尾研究室出身の孫恩喆博士と株式会社TSKを設立し、CTOとして研究成果の社会実装を図っており、複数の企業と共同開発を実施している。
この成果は、以下を受賞しています。
●池田泉州銀行イノベーション研究開発助成金「優秀賞」[2022年2月]
<ナント>サクセスロード「奨励賞」[2022年3月]
●京都・知恵アントレ大賞「特別賞」[2023年6月]
この成果は、以下のメディアにて紹介されました。
●2023年9月:KBS京都「Kyobiz」ビジネタコーナー


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