研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
製品化/起業
極細糸はんだの製造歩留まりの向上
キーワード :  鉛フリーはんだ、極細糸はんだ、組織制御、伸線加工、断線抑制、歩留まり
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) マッチングプランナープログラム
研究開発課題名 線径100ミクロン極細糸半田の大幅な歩留まり向上(開発期間:平成28年1月~平成29年1月)
ニーズ元企業名 石川金属株式会社 研究者 濱田 真行 (大阪府立産業技術総合研究所(現 大阪産業技術研究所))

スマートフォンやタブレットなどのモバイル型電子機器の多機能、高機能化に伴い、基板への電子部品の実装密度の上昇(高密度実装)が進んでいる。高密度実装には、線径100~200ミクロン程度の極細糸はんだが必要となるが、極細糸はんだは、直径を細くする伸線加工で断線することが多く、歩留まりの改善が課題になっている。そこで本研究では、組織制御によるはんだ合金の高強度化により、断線回数の低減を目指した。研究シーズを活用して最適な組織制御方法を選定し、高強度化に取り組んだ結果、引張強度が30%以上上昇した。組織制御材を用いて極細糸はんだを製造した結果、断線なしで500メートル以上の製造に成功した。現在、組織制御材を用いて極細糸はんだを製造しており、開発技術の実用化が達成されている。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

スマートフォンやタブレットなどは、生産量の変動が大きいため、それに伴って極細糸はんだの受注量も大きく変動する。以前は、スマートフォン用カメラモジュールのはんだ付に用いられる極細糸はんだの納期対応に苦慮していたが、顧客の希望納期で納品できるようになった。 微細接合部へのぬれ性向上を目的としてフラックス含有量を6%まで増量した極細糸はんだの受注が拡大している。現在、製造ラインを増設し、生産能力の増強に取り組んでいる。

開発者の声

当研究所が有する研究シーズとニーズ元企業のニーズがうまくマッチングし、約1年という短期間で実用化につなげることができた。現在、極細糸はんだのさらなる極細化および高機能化を目指して、より高度な組織制御技術の開発に取り組んでいる。


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