研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
プロトタイプ
ポータブル電子舌センサとAI技術を活用した溶液情報のDX化
キーワード :  電子舌、ダイヤモンド電極、CVD、溶液DX、電気化学、化学指紋情報、サイクリックボルタモグラム
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(育成型)
研究開発課題名 ポータブル電子舌センサとAI技術を活用した溶液情報のDX化(開発期間:令和4年10月~令和7年3月)
研究者 大曲 新矢(産業技術総合研究所)

電気化学の測定原理を用い独自に発展させた電子舌システムにより、各種溶液の「化学指紋情報」を高速かつ簡便に取得するセンサを開発した。センサ部に、超高感度な導電性ダイヤモンド電極を採用することにより、単一材料で、メンテナンスフリーで使用可能なセンサ(1分、1滴)を実現した。それらのセンサを用いた性能評価では、真贋判定(50本の赤ワインデータから正しく1本を選択する確率96%※ニューラルネットワークを併用)、ブドウ品種予測(信号スペクトルから正しくブドウの品種を予測する確率93%※サポートベクタマシン)と高い精度が得られることを実証した。センサ情報と機械学習の併用により、これまで困難であった、食品・飲料・医薬品の製品開発や品質管理(官能評価の代替)や、河川・環境モニタリングによる災害予測・環境保全、尿・血液・汗の生体情報からガン等の重篤疾病の早期発見等の幅広い応用が期待できる。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

食品・飲料領域における官能検査の市場規模は、世界で1.5兆円(日本1500億円)と試算されており、近年では食の多様化と品質と安全性への意識の高まりによって、専門的な官能検査サービスの必要性が増加している。電子舌は人間の味覚情報を客観的に再現するデバイスであり、官能検査ビジネスを強力に推し進める端末型検査デバイスとして期待されている。電子舌により官能検査や品質管理の代替サービスを展開した場合、国内で100億円/年、世界で1000億~ 2000億円/年のサービス売り上げが予測される。

開発者の声

産総研と佐賀大学の共同研究チームにより、大型熱フィラメントCVD法を用いたダイヤモンド電極の低コスト化と機械学習を併用した電気化学スペクトル解析を実施し、ポータブル型の電子舌センサを開発することが出来た。それにより、産業界および学術界から多くの反響が得られた点は、大きな喜びであった。


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