研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
プロトタイプ
高粘度液体を安定吐出する車体塗装用オンデマンドヘッドの開発
キーワード :  高粘度塗料、オンデマンド吐出、塗着効率100%、車体塗装、長距離塗装
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 高粘度液体オンデマンド吐出機構に基づく塗着効率100%の車体塗装用ヘッドの開発(開発期間:令和3年10月~令和7年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 紀州技研工業株式会社 研究者 田川 義之(東京農工大学)

本研究では、紀州技研工業株式会社と東京農工大学が共同で、高粘度液体をオンデマンドで安定して吐出する車体塗装用ヘッドの開発に取り組んだ。本ヘッドは、粘度500 〜 8000cSt級の自動車用塗料に対し、10Hz連続吐出時においてもロボットアーム搭載した吐出ヘッドから、塗料が安定して吐出することを確認した(図1)。さらに、20 〜80mmの広い吐出距離域で安定した塗膜が得られ(図2)、また0 〜 180°の姿勢における塗布試験でも塗膜の均一性が維持された。
設計面では、内部流路の再設計やノズル形状の最適化により、吐出安定性と塗布幅の均一性を両立した。ロボットアームによる車体片への塗装では、塗装部位の凹部でも塗り残しが少なく(図3)、塗着効率100%に近い塗装が可能であることを示した。これらの成果により、塗料ロスの大幅削減と省エネルギー化が期待される新規塗装ヘッド技術を確立した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

本技術は、高粘度塗料を飛散させずに高精度で塗布できるため、塗着効率100%を目指す次世代車体塗装プロセスの中核となる。塗料ロス削減や省エネルギー化に寄与し、生産ラインの環境負荷低減を実現する。さらに、マルチノズル化により高速塗装への展開も期待される。

開発者の声

本開発では、企業の実装力と大学の流体解析技術を組み合わせ、高粘度液体の吐出安定化という難課題に挑んだ。塗装現場で問題となるサテライト滴や飛散を抑え、塗着効率向上を実現できたことは大きな成果である。今後は量産化に向けた持久性・耐久性向上と、産業応用範囲の拡大に取り組みたい。


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