研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
要素技術構築
溶液1滴、1分でナノシート膜の自動製膜
キーワード :  二次元物質、グラフェン、無機ナノシート、コロイド水溶液、液相集積、自動製膜
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(育成型)
研究開発課題名 ナノシート技術を用いた革新的誘電材料・デバイスの開発(開発期間:令和2年12月~令和5年3月)
研究者 長田 実(名古屋大学)

グラフェンや無機ナノシートなどの二次元物質(ナノシート)を溶液1滴、1分で製膜する新技術(単一液滴集積法)を開発した。操作は極めて簡便であり、自動ピペットを使って、ナノシートのコロイド水溶液を基板に1滴滴下後、それを吸引するというものである。この操作により、ナノシート同士が隙間なく稠密に配列し、約1分という短時間で高品質ナノシート単層膜の製膜が実現する。本技術の応用研究を推進し、酸化物、グラフェン、窒化ホウ素などの様々なナノシートへの適用や、自動化、大面積化、積層化に成功し、少量の溶液で高品質大面積製膜(4インチ以上)を実現する製造技術を確立した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

ナノシートの優れた機能を最大限に引き出してデバイス化するためには、ナノシートを様々な基板表面に綺麗に並べ、高品質の薄膜を作製することが重要となる。今回開発した製膜法は、専門的な知識、技術の必要がなく、簡便、短時間、少量の溶液で、高品質稠密配列膜の大面積製膜を実現できるため、ナノシートの工業的製膜法、ナノコーティング法として重要な技術に発展するものと期待される。

開発者の声

本技術は偶然の産物で、ある学生が『溶液がもったいない』と、滴下後すぐに溶液をピペットで吸引したところ、ナノシートの高速製膜が実現した。本技術は、その簡便さから産業界からも大きな注目を集め、機能性コーティング、電子デバイス製造などへの応用展開が進んでいる。
この成果は、名古屋大学(IMaSS)からプレスリリースとして発表されています。
●溶液1滴、1分でナノシート膜の自動製膜を実現、ナノシートの工業化に前進~二次元ナノシートを用いた高速薄膜作製法を開発~[2023年4月]
この成果は、以下のメディアにて紹介されました。
●日刊工業新聞(2023/4/10)「名大、高品質ナノシート基板作製で新手法 懸濁液1滴垂らし1分」
※記事の全文は日刊工業新聞の購読会員のみ閲覧可能です。
●日刊工業新聞(2023/4/12)「経営ひと言/名古屋大学・長田実教授「誰でも何度でも」」
※記事の全文は日刊工業新聞の購読会員のみ閲覧可能です。
●NIKKEI Tech Foresight(2023/4/24)「 名古屋大学、ナノシートを1分で成膜 工業利用に期待」
※記事の全文はNIKKEI Tech Foresightの購読会員のみ閲覧可能です。


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