研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
プロトタイプ
ナノ粒子分散インクによる車載用塗布型調光フィルムのパイロットライン構築
キーワード :  調光フィルム、エレクトロクロミック、スマートウィンドウ、黒色調光
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 機能性ナノ粒子分散インクを用いた車載用塗布型調光フィルムの製造技術開発(開発期間:令和2年12月~令和7年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 林テレンプ株式会社 研究者 田嶌 一樹(産業技術総合研究所)

本研究開発では、“エレクトロクロミック(EC)”という電気を流すことにより着消色するデバイスに関して、基盤となる材料をインク化(調光インク)し、生産性に優れる塗布技術を適用可能とすることで、より簡便に高性能な車載用調光フィルムの創出を目指した。製造プロセスとして約5工程に分けたパイロットラインを構築し、1000×500mmサイズ(総厚 約280μm)の濃紺色調光フィルムの試作によりプロセス実証を達成した。また、調光インクにおける材料構成を見直し、基材となる透明導電フィルムを最適化することで700×540mmサイズにおいて約35秒の変化速度と5%~ 76%の最大透過率変化を達成した。加えて、黒色調光インクとして実用性のある材料系を見出し、黒色調光デバイスとして材料構成の目途付けを完了することができた。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

EV化などを背景に車載向けの調光ガラス市場が拡大しており、2035年には約4500億円市場になると予想されている。既存の調光技術の中でも「低コスト化」「広透過率変化幅」「遮熱機能」「メモリ性」という特徴を持った本技術により、安全性、快適性、燃費向上など高付加価値な製品を低価格で提供することで高い市場シェアを狙うことが可能である。

開発者の声

エレクトロクロミック技術は古くから研究されてきた分野ではあるが、フィルムデバイス化という部分では未知の部分が多くデバイス構成材料やプロセスをゼロから見直す必要があった。A-STEPによる投資支援および産官連携を通じて、効率的な開発推進とプロセス実証を行うことができた。令和7年度以降も産官連携を継続し本製品の量産化を目指す。
この成果は、以下のメディアにて紹介されました。
●毎日小学生新聞(2023/7/25)「ふしぎのひみつきち:68 今回のテーマ 窓の色をかんたんに変える」
※記事の全文は有料会員のみ閲覧可能です。
日刊工業新聞(2025.1.30)「技術で未来拓く-産総研の挑戦-:電気化学反応で遮熱」


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