研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
プロトタイプ
超長疲労寿命の溶接構造による高耐力ブレース型建築用制振ダンパーの開発
キーワード :  Fe-Mn-Si系合金、低サイクル疲労、凝固モード、溶接構造体、制振ダンパー、長周期・長時間地震動
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 超長疲労寿命の溶接構造による高耐力ブレース型建築用制振ダンパーの開発(開発期間:令和2年12月~令和7年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社竹中工務店 研究者 柳樂 知也(物質・材料研究機構)
近年、発生が懸念される海溝型巨大地震や長周期・長時間地震動に対して高層建物の耐震性を経済合理的に確保するため、十分な耐疲労特性を有する鋼材系制振ダンパーが求められる。そこで、既存の鋼材制振ダンパーの10倍以上の疲労耐久性を有する溶接組立高耐力ブレース型Fe-Mn-Si系合金(以下、FMS合金)制振ダンパーを開発した。FMS合金の優れた疲労耐久性を溶接構造体としても発揮させることを狙い、第2世代となる新組成FMS合金と溶接材料を設計・試作に成功し、一般の建築鉄骨工場による部材製作のため、開発材に対して適切な溶接施工条件を設定した。実大ブレース試験体を用いた疲労試験を行い、複数回の巨大地震を経験しても性能低下がない目標以上の耐久性を確認した。
成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

開発技術は、複数回の巨大地震を受けても十分な性能余裕度があり、制振建物の安全・安心と共に、巨大地震後の事業継続性の向上に大きく貢献できる。市場としては、国内の新築制振建物での活用から始め、耐震補強/補修、橋梁および海外への展開も期待される。

開発者の声

FMS合金の長疲労寿命発現機構と溶接材料・施工技術の確立により、高性能であると共に多くの鉄骨工場で製作可能な汎用性の高い技術となった。開発技術の早期社会実装と、基盤となる材料技術の応用分野拡大に努めたい。
この成果は、物質・材料研究機構からプレスリリースとして発表されています。
●巨大地震に耐える新鋼材:優れた耐久性と変形の仕組みを解明〜 溶接性×疲労耐久性を両立した新鋼材の、疲労特性の理解を深化〜[2025年12月]

この成果は、以下を受賞しました。
●第53回 市村学術賞 貢献賞:「巨大地震に繰り返し耐える新しい制振ダンパー合金と溶接技術の開発」



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