研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
プロトタイプ
スポット溶接された超ハイテン材の破壊予測技術の開発
キーワード :  ハイテン、超ハイテン、高張力鋼、スポット溶接、自動車用鋼板、軽量化、シミュレーション
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 スポット溶接された超ハイテン材の破壊予測技術の開発(開発期間:令和2年10月~令和5年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社メカニカルデザイン 研究者 寺田 賢二郎(東北大学)

鉄鋼材料の開発は自動車軽量化の基幹を成しており、現在では引張強さ1500MPaを超える超ハイテン材の実用化が進められている。しかし引張強度と引き換えにその延性は低く、破断までの伸びが小さい。そのため、在来鋼種では延性的であったき裂の進展が脆性に遷移し、所定の衝突安全性能を発揮できない懸念が指摘されてきた。本研究開発では、高速度カメラによる可視化計測から、破壊の発生と進展の形態を見極め、き裂進展中の破壊力学パラメータを同定する技術を開発した。同時に、フェーズフィールド法を用いたFEM解析技術を開発し、980MPa級、1180MPa級超ハイテン材のき裂発生と進展挙動、また荷重-変位関係を再現することが出来た。
開発成果は汎用FEMに実装し、プロトタイプとして完成させた。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

2030年代にはガソリン車の販売規制の強化が現実となり、モビリティの軽量化は避けられない流れである。また電動化に関しても、主要国内メーカーによる生産規模は2030年には年間数百万台が見込まれている。本研究開発の成果は、国内鉄鋼メーカーの高い技術力を踏まえ、それに呼応し得る材料開発技術である。

開発者の声

ハイテン材開発は、国内を代表する鉄鋼・自動車メーカーがしのぎを削る分野である。一方、複雑なサプライチェーンの中では、ニーズが千差万別であるのと同時に、機密面など技術以外の制約も多い。今回、公的資金という枠組みを得て、一社では成し得ない技術開発を実現できたことに深甚の謝意を表したい。
この成果に基づき、国内関連各社に対するセミナーを展開しています。
https://www.mech-da.co.jp/services/seminar_recruitmentI091.html

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