研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
プロトタイプ
長波長帯単一モード面発光レーザを用いた低電力LPO光トランシーバの開発
キーワード :  6Gネットワーク、データセンター、面発光レーザ、単一モード、結合共振器、光トランシーバ、LPO
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 6Gネットワークに向けた長波長帯単一モード面発光レーザを基盤とした光トランシーバの開発(開発期間:令和2年12月~令和6年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
研究者 小山 二三夫(東京工業大学)(現 東京科学大学)

次世代6Gネットワークやハイパースケールデータセンターに向け、大伝送容量かつ低消費電力の光通信技術の実現が求められている。東京工業大学の技術シーズである結合共振器面発光レーザによる高速化、および高温特性に優れた高歪量子井戸による波長1.1μm帯レーザ技術を導入し、安定な単一モード制御技術を確立するとともに、従来技術の4倍以上の伝送容量、消費電力1/5以下の超高速面発光レーザ技術を実現した。開発した面発光レーザを適用し、結合共振器構造の優れた線形性により単一モード面発光レーザで初となる線形増幅型LPO(Linear-drive Pluggable Optics)光トランシーバの基盤技術を確立した。伝送速度100Gbps×8チャネルの800G LPO光トランシーバを開発し、世界最高のエネルギー効率5pJ/bitと、データセンター内通信に必要な2kmのシングルモードファイバ伝送を達成した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

今回開発した技術は、今後ますます需要が増大する小型・低電力の光トランシーバに適用できる技術であり、6Gネットワークやデータセンター内光通信の低消費電力化への貢献に加え、AI 処理能力の向上などへの展開が期待できる。特にデータセンター向け光トランシーバは数百~数千億円の市場規模に拡大しており、本領域での適用を目指してゆく。

開発者の声

定例会議の開催やサンプルの提供・評価を通じた密な連携により、大学の先導研究と企業の社会実装への取組による相乗効果で、国際競争力の高い面発光レーザ、および光トランシーバの技術を開発することができた。また本研究の成果は、世界最高峰の国際会議でのPostdeadline Paper採択という高い評価を得、本技術への注目度の高さを実感した。


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