研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
要素技術構築
VR/ARディスプレイ用高輝度フルカラーモノリシックLEDの開発
キーワード :  μLEDディスプレイ、高輝度赤色LED、PSD法、逆接合注入、迷光抑制、実装技術
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 産学共同(本格型)
研究開発課題名 高臨場感VR/ARディスプレイのための高輝度フルカラーモノリシックLEDの開発(開発期間:令和2年12月~令和6年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 シャープ株式会社 研究者 藤岡 洋(東京大学)

三原色全てを窒化物半導体で構成し、半導体プロセスによるパネル加工と実装が可能なモノリシックμLED(以下μLED)を開発した。
東京大学は、重要な課題であった赤色素子に低温での結晶成長を可能とするPSD法を適用し、約3Vの駆動電圧で輝度5000nitsの特性を実現した。名城大学にて三原色を積層し、高精度の垂直エッチングでμLEDを作製、実装する技術を開発した。このμLEDは独自の逆接合電流注入構造により低コストで駆動回路への実装を可能とした。シャープは駆動用ICを作製すると共に光学特性解析技術を用いて疑似点灯やコントラスト悪化を引き起こす迷光を抑制する構造を開発した。
開発最終段階では各機関の技術を集約し440ppiのモノリシックμLEDを試作した。今後、省電力および高精細化に向け開発を進める。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

VR/ARパネルの世界市場は2028年頃に1500億円の規模が予測されている。
半導体プロセスでパネル単位の加工と実装が可能なモノリシックμLEDにより、対角1インチ以下で4000ppi、5000nitsに達する高精細、省電力、低コストのパネル実現が期待される。

開発者の声

本研究の成果は、大学が有する基礎研究力および高度な独自技術と、企業の製品開発や解析・設計技術の集約によるものであり、産学連携の効果と考えている。また、国際会議における両大学の複数の講演が表彰され、学術的にも貢献ができた。
この成果は、以下のメディアにて紹介されました。
●日刊産業新聞(2022年7月6日朝刊10面)「東大生研 窒化アルミニウムガリウム 安価・高品質に製造」
●産経デジタル(2023年8月18日付)
●読売新聞オンライン(2023年8月18日付)
●日本経済新聞(2023年8月18日付)


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