研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ICT・電子デバイス
製品化/起業
積雪寒冷地域で活用できる低価格普及型傾斜モニタリングの開発
キーワード :  MEMS傾斜センサ、寒冷地対応、LPWA無線通信、自律電源、インフラ監視、広域モニタリング
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 機能検証フェーズ
研究開発課題名 雪寒地域において被災橋梁の経時変化を遠隔診断する低価格普及型計測システムの研究開発(開発期間:平成31年9月~令和3年3月)
ニーズ元企業名 日本仮設株式会社 研究者 宮森 保紀(北見工業大学)(現 北海道大学)

北海道のような雪寒地域でも増加する橋梁の洗掘被害や斜面災害を早期に検知するため、構造物の傾斜を高精度かつ、商用電源なしで遠隔監視できるモニタリングシステムを開発した。傾斜の測定精度は0.025度未満で、使用温度はセ氏-30 ~ 60度、通信距離は最大15km、5年間電池交換なしで運用可能で、開発目標を上回る成果を得た。
また、橋梁の安全管理のための閾値については、数値解析から合理的に決定する枠組みを確立し、ユーザインターフェイスも道路管理者のニーズを踏まえて開発した。さらに、本システムは橋梁以外にも、擁壁などの土木構造物、施工中の安全管理などの多様な用途に適用が可能であり、地域社会の安全性やインフラの信頼性の向上に大きく貢献することが期待できる。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

LPWA無線通信により広範囲の監視対象を同時にモニタリングできるため、橋梁など特定の構造物の安全監視以外に、斜面の防災工事や掘削を伴う地中構造物など、監視すべき点が複数個所に渡る場合にも適用が可能で、社会基盤の建設や維持管理に広範に活用できる。

開発者の声

A-STEPの支援により、開発・研究中の要素技術を統合して、社会実装可能な製品につなげることができた。
応用範囲が広い技術のため、ユースケースを増やしながら新たな課題や社会的ニーズに対応して、安全な建設現場、安全な社会に貢献したい。
この成果は、日本仮設(株)のWebサイトにて紹介されています。
●傾斜角モニタリングシステムが国土交通省「点検支援技術性能カタログ」に掲載されました。[2022年10月]
●製品紹介「傾斜角モニタリングシステム ZANGETSU」


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