研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
プロトタイプ
パラメータ制御CO₂レーザー装置と熱影響を抑えたCO₂レーザー加工技術
キーワード :  炭酸ガスレーザー、パルス形状制御、ビーム形状制御、軸対称偏光、高繰り返し動作、樹脂加工、ガラス加工
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名 パラメータ制御可能なCO₂レーザー装置の開発と加工応用(開発期間:平成30年10月~令和4年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 精電舎電子工業株式会社 研究者 宇野 和行(山梨大学)

A-STEPでは、繰り返し周波数1 kHz、エネルギー35.2 mJのテール付き短パルスを出力するCO₂レーザーを開発した。A-STEP終了後も開発を進め、現在は、1 kHz、53.5 mJのテール付き短パルスと1 kHz、5.1 mJのテールフリー短パルスを綺麗な円形ビームで出力することを達成した。現在は更なる高繰り返し動作化やHeガスフリーCO₂レーザーの開発に取り組んでいる。製品化は順調に進んでおり、現在、受注を承っている。本CO₂レーザーは、樹脂やガラスにおけるマイクロ加工・マクロ加工に対応している。従来のCO₂レーザー加工とは異なり、余分なダメージを抑えた加工が可能である。分解生成物(デブリ)が付着しないPTFEフィルムの加工、熱影響を抑えたPIフィルムの加工、ひび割れの生じない薄板ガラスの加工、加工形状が制御可能なガラス加工などを実現している。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

本開発の単純な小型装置によるCO₂レーザーのレーザーパルス形状制御・偏光制御・高繰り返し動作技術は極めて新規性があり、従来にない新しいジャンルのCO₂レーザー発振器を創出できたものと考えている。A-STEP終了後に、本CO₂レーザーにより、樹脂やガラスにおける熱影響を抑えたマイクロ加工を様々なサンプルで実現しており、今後大きな市場を獲得できる可能性がある。

開発者の声

気体レーザーを研究している公的研究機関の研究者は極めて少なく、本プロジェクトを組めたことは大変幸運であり、大きな研究開発成果につながった。今後は市場ニーズを的確に取り組みつつ、プロトタイプ発振器の早期の実用化・製品化に取り組んでいく。またHeガスフリーのCO₂レーザー発振器は将来大きな市場を獲得できる可能性があり期待している。
この成果は、東京都荒川区「第5回荒川区新製品・新技術大賞」優秀賞を受賞しました。
●「第5回荒川区新製品・新技術大賞」が決定いたしました[2023年3月]


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